【DTM】雅楽の打楽器『太鼓』『鉦鼓』について知っていく【和楽器】

雅楽で使われる3つの打楽器、

  • 羯鼓(かっこ、鞨鼓とも)
  • 太鼓(たいこ)
  • 鉦鼓(しょうこ)

今回は、「太鼓」「鉦鼓」の2点に絞って見ていきたいと思います。前回の羯鼓の記事についてはこちら。

 

太鼓

「太鼓」の文字は現代でも広く使われていますが(和太鼓、太鼓の達人など)、この記事では雅楽で使われる『太鼓』という風にみていきます。

 

雅楽の太鼓は、正式には「釣太鼓」(楽太鼓)と呼ばれるものを使います。釣太鼓は主に管絃使われ、舞楽では大太鼓が使われることが正式なようですが、大太鼓は非常に大きく、また正式な雅楽舞台が必要とされるということで、舞楽でもこの釣太鼓が使われることも多いそうです。

持ち運び易い釣太鼓の方がなにかと使いやすいのでしょう。ですが買うとなると100万円くらいしたりする、今の私から見たらびっくりするような高級品。

 

また、大太鼓には、左方の舞楽で使われるものには、

  • 日輪
  • 三つ巴

右方の舞楽では

  • 月輪
  • 二つ巴

と、左舞・右舞それぞれの世界観・宇宙観があり、装飾の剣菱紋様がまるで裏表のように描かれています。

最初、この「日輪の三つ巴」「月輪の二つ巴」の分け方を知ったとき、私はかなりの衝撃を受けたのですが、そのことはひとまず割愛します。DTMには特に関係がないので。(何があった

 

太鼓(釣太鼓)の打法

  • 左の桴で弱く叩くことを「(ずん)」
  • 右の桴で強く叩くことを「(どう)」

また、右の桴で「百」を打つと太鼓の皮の振動が大きくなるので、その余韻を防ぐために、打ったあと両方の桴の先を皮に付けて振動を抑えるのだそうです。

 

こちらはEastWestの「RA」という音源に入っていた太鼓での「図・百」。

 

・・・えらい見辛いですね。音源を持っていれば、

EW Ra → Far East(東洋)→ Perc(パーカス)→ Taiko Drm(太鼓)

という風に入っている音を無加工でそのまま。

太鼓音源には音が沢山入っているので、自分が求める音に近い音として今回はG4に配置されている音を使いました。特にこだわりがなければ事前加工はしなくてもいいかと。

 

こちらのサンプルはXpand!2025 PercussionTaiko Drums Big 1+での図・百。

 

音は特に弄っていません。しいていうならDecayで余韻の調整をするくらいでしょうか。

さすがに釣太鼓のビリビリという振動音まではこの辺の調整では再現になりませんが、太鼓の音にプラグインなどでDistortionを極薄に掛けて、「一風変わった擬似振動を作り出してみる」というのも面白いのではないかと思います。

 

音はF6をチョイス。釣太鼓の音は若干高めの音なんですかね、私はそう感じました。

 

雅楽における太鼓(釣太鼓)の役割

さて、奏法なのですが、現代では打楽器は主に曲のリズムを刻むイメージがあると思いますし、大多数の楽曲ではそういう使われ方をします。

そしてポピュラーな打楽器である和太鼓なども、聞いていると叩き方には様々あることがわかるのですが、雅楽で使う釣太鼓に関しては以下、このような記述がありました。

多くの雅楽曲では、太鼓の奏法自体にリズミカルな役割を持たせてはいません。特に唐楽で奏する太鼓は、それぞれの楽曲で予め決まっている小拍子の数(小節数)毎に打つという、一種の区切りを表す役割を持っています。

出典:歌舞管弦 -太鼓- より

つまり、雅楽の管絃・左舞などでは太鼓はリズムを刻むという役割ではなく、節目の合図的に使われる(百を打つ)ことが主流とのこと。

ですが、雅楽の中でも右舞では、三ノ鼓もリズミカルな傾向があるのと同様、太鼓にもリズムが感じられるような使われ方がされるそうです。

 

・・・確かに、管絃・左舞・右舞それぞれを聞いていると、上記の通りそういった傾向が感じられました。基本的には儀式を重んじる楽曲ではそんなドンドコドンドコやらんということですね。

 

もしDTM的に言えば、

  • 都の貴族のいる街やお上のBGMなら太鼓は節目に威厳的に打ち
  • 町民やわいわいやってるお祭りのBGMならドンドコやる

といった使い分けをするとわかりやすいでしょうか。というか私がそう分けて使ってるだけなのですが。

 

大太鼓の音を創作して遊ぶ

上動画は釣太鼓とは別で、大太鼓が使われる例なのですが、これを見て最初めちゃくちゃ笑いました。弱く叩く「図」はともかく、強く叩く「百」はマジ殴りレベルなんですよ。奏者の被り物が若干ずれるくらいの(笑

音の質はというと、ガツンというよりはカツンといった感じのかなり硬めな印象。太鼓を叩くというよりはピストルの発砲音の方が近いかもしれません。

ちなみに屋内で大太鼓が使われている雅楽の演目をみた限りでは、普通に大きく低く響く太鼓の音が出ていました。大太鼓にも色々あるようです。

 

これは動画の音の再現ではなく、そのイメージから創作的に作った大太鼓の音。Xpand!2内で3つの音を重ねて簡単に作ってみました。ちと軽めですね。

 

  • 音程を感じさせない打撃音にClap
  • 太鼓の大きさをイメージしてThunder Drums+
  • バチンという音に若干の追加が欲しくてBig Snare+

という風に音作りを楽しんでみます。少し効果音的な音作り。これだけだと別段どうということのない音の印象ですが、例えば、Reverv timeを5秒くらいに伸ばしてサイズも広めに取ったリバーブをがっつり掛けてやると、

 

結果、全然大太鼓ではない(笑)んですけど、これはこれで別の用途がありそうな風に仕上げられたりはします。(リバーヴのお陰とかいわない

複数の音を一つの音として聴けるように仕上げる訓練ということで、参考程度に載せておきます。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]遊び心も大事だねぇ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]左様[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]・・・波平さん?[/speech_bubble]

 

鉦鼓

管絃での鉦鼓は「釣鉦鼓」と言われ、高めで硬く、重い金属音が鳴ります。そして大きな音は基本出さない。

はっきりとした音程の無い効果音的なサウンドという扱いでここでは見ていきますが、これはシンセ音などで音作りをするより、この音に近い金属的な打楽器音源の音で置き換えるのが一番早い気がします。

鉦鼓の材質は青銅または黄銅製で作られているらしく、検索してみると真鍮(黄銅)製のものが多い印象でした。金属については全然詳しくないので、ここでは高めで硬く、そして重い音が出るという点を押えておきたいと思います。

 

鉦鼓の打法

  • 片手で摺る「(きん)」
  • 両の手で摺る「金金(ききん)」

鉦鼓は叩く・打つではなく「摺(す)る」といいます。また、「金」「金金」も「チン」「チチン」と表現されたりもするようです。雅楽の曲を聞きこんでいけば細かな使い所は見えてきそうですが、今回はこの2点を基本として押えます。

 

鉦鼓を敢えてCelestaなどの音で代用してみる

早速近しい金属音を手持ちの音源で探してみたのですが・・・なんか見つからないんですよね(笑)。幾つかの動画を見るに、軽く摺っても随分と密度の高さを感じる重たい音が出るので、そのまま置き換えても鉦鼓の音に聞こえない。

そんなわけで、敢えてXpand!2内にあるCelestaの音を使ってコンプとEQを使い、鉦鼓の音にどれだけ迫れるかを試してみました。

 

・・・はい、まず笑っちゃうくらい軽い音のサンプルが出来上がりました(笑

 

使った音色は017 MalletsCeleste Hard+。Xpand!2内ではリリースを短めにしたくらいで大きな変更はしていません。Hard+と表記があったので、これは硬いだろうと思ったのですが、全然硬さが足りない。なんという密度の違いだ。

 

この音に掛けたコンプの設定です。がっつり深めにかけてますが、原音が軽いのでコンプにも限界はある。Attackは16msec辺りが良さそうではあったのですが、もっと自分の耳が鍛えられたら変わってきそうな気はします。

 

ちなみにリファレンスの鉦鼓の音の倍音成分に似せる為、ピークの強かったところに近似的に音を置いているのですが(上画像)、やはり音程感がはっきりしてしまっているので、金属を叩く音としては聞こえにくいですね。

 

なので、ここから、打ち込んだ10音それぞれの音程を全てリファレンスの倍音周波数に合わせるためにピッチを全て変え、更に上からコンプで潰した結果がこちら。

10音それぞれのピッチを全てずらした為、先程よりは音程感が薄れ、金属的な響きのようにはなりました・・・が、一つのまとまった音としては聞こえない

 

これは自分で作った音の周波数特性。

リファレンスの周波数の高さ(出力)に合わせてはいるのですが、やはりこの見た目だけ揃えても上手くいかないですね。元が違う音だし、原音のピークの分布はもっと細かく多いですから、当り前といえば当り前。

うーむ、代表的な箇所を見つけて真似れば近似できるかと思ったけど、金属音はそう簡単にはいかないのか。

 

というわけで、上記の状態から見た目の周波数を気にせず耳で一つの音として聞こえるよう各音の音量を調整した結果がこちら。

まだ若干バラつきは感じますが、これならギリギリ一個の音としての響きに聞こえなくもない。

 

ただし、一音一音全てのピッチをずらす作業を行う為、今回の場合Xpand!2の音源を計10個立ち上げることになってしまって、なんかもう大変なことになりました。

こうして音作りをする場合、曲を作りながらこうして立ち上げて音作りするのではなく、別プロジェクトで鉦鼓なら「鉦鼓の音」を作り上げてWAVなどで書き出し、以降はその一つのファイルのみを読み込んで使っていくのが至極当り前のやり方かと思われます。

・・・でないと、CPU処理が後々えらいことになりますし(笑

 

いや~、金属音難しいな~!!(笑

 

雅楽における鉦鼓の役割

鉦鼓も、太鼓と同じように、管絃・左舞では釣鉦鼓が使われ、右舞では大鉦鼓が使われるそうですが、やはり大鉦鼓もモノが大きい為か釣鉦鼓が良く使われるそうです。大鉦鼓は低い音が鳴り、釣鉦鼓のように小さい鉦鼓は高い音が鳴ります。

鉦鼓の役割は、太鼓が大きな節目を知らせる役割を持つとすれば、鉦鼓は小さな節目を知らせる役割を持つとのこと。またこちらも桴をもって摺るのですが、羯鼓や太鼓の一瞬後に音として続く形をとる。これは、鉦鼓の音が思ったよりも目立つため、その分控えめに使われるということのようです。

 

・・・なるほど、鉦鼓がそもそも控えめであるなら、先程私が作った下手な鉦鼓の音でもなんとかなるかもしれませんね!(いいのか

 

まとめ

太鼓

  • 弱く叩く「
  • 強く叩く「
  • 雅楽では曲の節目に鳴らす(小節の頭)
  • 儀式的な楽曲ではドンドコ鳴らさない、静かにドンッと打つ
  • 色んな太鼓音源ですぐに代用可能
  • 大きい太鼓は低い音小さい太鼓は高い音

鉦鼓

  • 1回摺る「」(チン)
  • 2回連続で摺る「金金」(チチン)
  • 大きな音では基本鳴らさない
  • 雅楽では曲の小さな節目に鳴らす
  • 重く硬い音が特徴的
  • 案外代用出来そうな金属音が見当たらない
    → 頑張って探す
  • 太鼓・羯鼓に続いて控えめに鳴らす
  • 大きな鉦鼓は低い音小さな鉦鼓は高い音

 

・・・さて、これで雅楽の3つの打物についての基本的な知識は押えられました。少しずつ楽器の役割と使い所が見えてみて、これを楽曲制作に活かすのがとても楽しみな私がいます。

学びは多分一生終わりませんが、それを表現してこその学び。一個ずつ丁寧に見ていきたいところです。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]あれ、ぼくたち今回全然出番なかったね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]ネタを入れつつ流れ作っていくのも大変だから、少しずつでいいんじゃないか?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ま、ねー[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]しょうがない、許してあげましょう[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]それじゃ、またな![/speech_bubble]

 

【DTM】雅楽の打楽器『羯鼓(かっこ)』(鞨鼓)の音作りと打ち込み方【和楽器】

今回は、雅楽で使われる打楽器の

  • 羯鼓(かっこ、鞨鼓とも)
  • 太鼓(たいこ)
  • 鉦鼓(しょうこ)

の3つの打楽器のうちの一つ、羯鼓についての打ち込みについて書いていきます。本当は3つ全部やるつもりだったんですけど、結構記事が長くなってしまったので今回は羯鼓のみとなってしまった。

 

雅楽の打楽器

雅楽では打楽器を「打物(うちもの)」と呼び、その演奏スタイルの一つである“管絃”で使用される打物は、

  • 羯鼓(かっこ、鞨鼓とも)
  • 太鼓(たいこ)
  • 鉦鼓(しょうこ)

の3つ。「羯鼓」の字は、昔は羊の皮が使われていたためで、今はそれ以外の革も使われる為「鞨鼓」とも書くそうです。張られた革を桴(ばち)で叩いて音を鳴らします。

また、この“管絃”の他に“舞楽”というものがあり、この舞楽には、

  • 左方の舞楽(唐楽)
  • 右方の舞楽(高麗楽)

と2種類あります。

 

今回の題材となる羯鼓はその“管絃”“左方の舞楽”で使われ、“右方の舞楽”には、羯鼓の代わりにそれによく似た「三ノ鼓(さんのつづみ)」と呼ばれる打物が使われます。

三ノ鼓の羯鼓との違いは、

奏法に違いがあり、右手には太い棒状の桴(ばち)、左手は楽器の調緒(しらべお:鼓面を結んでいる紐)を持って演奏します。一回あるいは数回打つ奏法(帝(テン)/帝帝(テンテン))しかなく、「鞨鼓」のように連続して打つことはありません。

引用:http://www.gagaku.net/Gakki/uchimono.html

と、打ち方のバリエーションは羯鼓に比べて少なく、またどちらかというとリズミカルに鳴らす打物のようです。

これは左方(唐楽)と右方(高麗楽)の系統の違いから見ていくと更に理解が深まりそうですが、今回は「羯鼓」についての音作りや打法の打ち込みなどをメインに見てので、ひとまずこの辺りに留めておきます。

 

羯鼓

次に、羯鼓の楽器としての役割と打法をまとめます。

雅楽における羯鼓の役割

  • 楽曲の指揮者のような存在
    → 熟練の奏者が主に担当する
    → 打楽器としての位は第一位
  • 曲全体の流れやその速度の進行を担う
  • 曲の終わりの合図も受け持つ

 

羯鼓の打法

打法は、ここでは動画の流れに沿って2つに大別します。

  • 一度だけ叩くのが「(せい)」
  • もう片方の手で叩く速度を少しずつ上げていくのが「(らい)」
    → 片方の手でそれを行うのが「片来(かたらい)」
    → 両方の手で交互に叩くのが「諸来(もろらい)」

尚、打法を3つで言い表す場合は「来」をまとめずに、「正・片来・諸来」と分けます。

 

羯鼓の奏法

上の動画は「正、片来、正、諸来」という流れ。越殿楽の始めもこの「正、片来、正、諸来」なので、3つの打法が入った一番基本的な型なのかもしれません。

また、羯鼓の奏法としては、以下「鞨鼓八声」という八つの代表的な型があるとのこと。

▼鞨鼓八声

  • 「阿礼声」(あれいせい)・・・調子という楽曲に用います。 (是調子ノ打方ナリ)
  • 「大掲声」(だいかっせい)・・・延八拍子の楽曲で用います。 (延八拍子ノ打方ナリ)
  • 「小掲声」(しょうかっせい)・・・早四拍子の楽曲で用います。 (早四拍子ノ打方ナリ)
  • 「沙音声」(しゃおんせい)・・・早八拍子の楽曲で用います。 (早八拍子ノ打方ナリ)
  • 「璫鐺声」(とうとうせい)・・・輪台、五常楽破で用います。 (尋問抄曰、中八拍子ノ打様ナリ)
  • 「塩短声」(えんたんせい)・・・序吹の楽曲に用います。 (序ノ打方ナリ)
  • 「泉郎声」(せんろうせい)・・・延四拍子の楽曲で用います。 (延四拍子ノ打方ナリ)
  • 「織錦声」(しょくきんせい)・・・六拍子の楽曲で用います。 (六拍子ノ打方ナリ)

参照:歌舞管弦 – 羯鼓 – より

雅楽の曲を本来の伝統に沿って作製する場合などはこの辺りも掘り下げて学んでいく必要はあるかとは思いますが、ひとまずここでは「正・片来・正・諸来」という基本と思われる奏法と、古代の文献にもある8つの伝統的な奏法があるのだということを押さえておきます。

 

羯鼓の打ち込みサンプル・正

まず打法「正」の音をサンプルとして作ってみました。

これは動画にある羯鼓の音などを参考に、EZX LATIN PERCUSSION / BOXという音源のC#3・Bongo2の音をEQ加工して高めの音が特徴的な具合に作ったものです

 

ちなみにこちらがLATIN PERCUSSIONの加工前のBongoの音。これだけ聞くと、ああ、ボンゴだなって感じです。

 

羯鼓の音作りはボンゴなどの高い音が出る音源で代用

羯鼓は打物の中では直径も小さく、割と甲高い音が鳴るので、このようにボンゴなどの音を使って代用できるかと思います。

最近和楽器のソフト音源が増えてきているので、もしかしたら羯鼓の音源もあるのかもしれませんが、私もまだ詳しく調べ切れていないのと、手持ちで再現できるならその方が早いと思って加工して作りました。単音ですしね。

 

Bongoの音から羯鼓の音へのEQ加工の図例。

リファレンスの音と元のBongo音の差をCubase内のStudioEQを3つ使い、元音に近づけつつ、聞いて違和感のないくらいまでもっていきます。原音はもう少し1~5kHz辺りも出ていましたが、加工用のボンゴでそこをブーストするとキンキンして私の耳が「それはダメ」と言っていたのでそこは抑え目に。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]こういう加工をする場合は、周波数だけをそのまま似せても原音の通りになるわけじゃないから、最終的には自分の耳で判断するといいよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]おっ、急に登場とはやるな[/speech_bubble]

 

作った羯鼓の音の周波数特性

作った擬似羯鼓の音の周波数波形。音のピッチにもよりますが、今回の音では550、690Hz辺りが一番よく出ていて、継いで350、990Hz周辺、そして1.5k、2.5kHzという感じです。あと、見えてはいませんが100Hz辺りを少し持ち上げてやると、ポンッという羯鼓を叩く独特の迫力が少し出てきます。

こうして音を近づける作業は、一側面ではあっても音の特徴が自分の中に経験値として蓄積されていきますし、新たな発見があってやはり楽しいですね。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]打楽器系の100Hz辺りは迫力が出るのか[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]・・・フッ、俺も100Hz出すしかねーな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]そうだね、君の顔下ほとんどないもんね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]実は地上から若干浮いているのだ!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]・・・ドラえもん?[/speech_bubble]

 

「正」の打ち込み例

こちらは打ち込みの様子。BPM120の一小節を1/64に区切った状態です。EZX LATIN PERCUSSIONのBongo2ではベロシティの変化だけでは音が小さくなりきらなかったため、オートメーションをかけて音の消え入りを表現。

「正」の叩き方にもよるでしょうが、今回は動画を参考に9音使い、その間隔は頭の音から順に、

  • 92,80,80,80,75,90,70,100msec

と微妙に法則が見出せない感じとなりました。さすが手癖の間隔。

 

ちなみにこれを簡略化させようと、頭を揃えてから1/64でクオンタイズをかけてやると・・・

こんな感じに。これならまぁ、先程とそんなに違いはないかなぁという印象。他の音と混ぜれば多分わからない。

 

これをもっと簡素化しようと1/32でクオンタイズをかけてみると・・・

・・・大分ズレを感じるかと思います。

ただ、羯鼓の「正」らしい打ち込みを表現するなら若干簡略化しすぎかなと個人的には思いますが、そういうのを抜きにして打ち込み表現の一つとしては十分ありだと思います。新たな発見なら尚良し。ドラムのフィルの作り方とちょっと似てますね。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ポジティブ~[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]ぽじシブ~[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu3.jpg” name=”シブ君”]は?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]わー、ダークシブの登場だー[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]かわいい?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]いや、かわいくはねぇよ[/speech_bubble]

 

最終的に表現者それぞれの好みや思惑で割と簡単に押し通せたりするのが音楽というものでもあるので、この辺は参考程度に見て下さい。

 

羯鼓の打ち込みサンプル・片来

・・・このあと、何かがトトンと登場するようなイメージがどこかにありますね。

 

「片来」の打ち込みの様子です。「正」では、ドラムでいうスネアのゴーストノートを細かく見ていった形になりましたが、上画像では丁度良く1小節ごとの間隔で音の間隔が段々と狭くなっている。

DTMでの打ち込みでこれを表現する場合は、

  • 上画像のようにBPMを固定して音を段々狭めるようにおいていく
  • もしくは、音の間隔を固定してテンポを段々速めていく

の2パターンのやり方がオーソドックスかと思われます。要は自分のやりやすい方法でそれっぽく聞こえればOK

 

一例として、BPM固定ならばこうして「1/8・1/8の三連符・1/16・1/16の三連符」という風に、一拍置きに順に幅を狭めてからクオンタイズでランダム化を掛けるというやり方や、

 

バーッと同じ間隔で音を並べてからテンポトラックで段々速くするだけで「片来」の表現の基本形はできます。

 

羯鼓の打ち込みサンプル・諸来

音として聞く分に「諸来」は基本的には片来と同じですね。

 

ただ「諸来」は、羯鼓を左右から交互に叩いて音を出す打法なので、細かい表現をするならば左と右の音のピッチ差を若干ずらすなどして僅かに音の違いを作ると、よりそれっぽくなるかと思います。なので、上のサンプルでは2つの音を交互に鳴らして作成しました。

 

スーペリアドラマー2.0で読み込んだラテンパーカッションの音作りでは、左と右の音でそれぞれ音源を立ち上げ、ピッチの部分のみを若干ずらす。基本はこれだけです。理由としては、「左の面」「右の面」それぞれに張られた“張りの強さ”は違いとして分けた方が自然であろうという考え方から。

また上画像では、ボンゴ音の頭の鳴り直後の余韻が少々大きすぎたように感じられたため、アタック感のみを強調するようエンベロープ調整をかけています。

 

ただ、実際に叩く音では、一面であっても、強さ、場所、空気感などで、厳密に言うと全く同じ音は出ません。なので耳で聞く分には、片来と諸来、どちらがどちらかなどそもそもわからないこともあるため、一音のみで諸来を表現しても特に違和感はないかと思われます。今のサンプラー音源なら毎回違う音が出るように設計されていたりしますしね。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]最初にしっかり押えておけば、後で手間を省く時が楽ってことだね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]でも、時間かかるならいっそ録音したほうが速かったりしないか?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]ま、ねー[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]サクッと録音で済ませられたらいいけどね[/speech_bubble]

 

・・・今回、羯鼓について少しだけ細かく見ていく形をとっていますがこれには理由がありまして、調べてみると、

演奏は難しく、長い年月を掛けて研鑚を積んだ雅楽家でも円滑に演奏することは容易ではないという。東儀俊美は、自然と音楽のリズムを把握する奏者でなければ、上手く羯鼓を演奏するのは難しいと指摘している。

引用:Wikipedia 羯鼓 より

というように、羯鼓の演奏にはかなり高度な技術や経験が必要とされるとあったから。

東儀俊美氏は代々雅楽を世襲してきた家系の熟練の雅楽師。その人をもってして「難しい」というのは、如何に羯鼓が雅楽において重要な役割を担っているかがよくわかる。

 

そんなわけで、DTMで打ち込みをするにしても力を入れておいたほうが自然だろうと考えて、羯鼓の初回にして少し気合を入れたというわけです。自分なりの敬意の表し方というのもありますが。

 

まとめ

今回の羯鼓について大雑把にまとめてみます。

  • 羯鼓が使われるのは、雅楽では“管絃”“左方の舞楽”
  • “右方の舞楽”三ノ鼓
  • 楽曲の中では指揮者(コンサートマスター)
  • 曲全体の流れやその速度の進行を担う
  • 曲の終わりの合図も羯鼓の仕事
  • 一度だけ叩くのが「(せい)」
  • 片方の手で少しずつ速度を上げて叩く「片来(かたらい)」
  • 両方の手で交互に速度を上げて叩くのが「諸来(もろらい)」
  • 代表的な奏法は「鞨鼓八声」
  • 音は少し高めで歯切れは良い
  • Bongoの音などで代用可能
  • 羯鼓の演奏次第で曲全体の絞まりが変わってくると思われる

 

こんなところでしょうか。

一応この記事では、雅楽の楽曲を本気で作るというよりは、もっとふわっと「和風の曲をDTMで作ろう」というものなのですが、折角なので一つの楽器ごとにこうして経験値を積み上げていくと、いつの間にか曲全体もクオリティアップ!!・・・という魂胆で進めていっております。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]次は太鼓・鉦鼓について見ていくよ![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]てかさ、俺思いついちゃったんだけどさ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]羯鼓の音、俺の頭にお前をポコポコ当てればそれっぽく鳴るかな?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]何その自虐ライブ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]いやお前、四分音符の化身だろ、丁度いいじゃん[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu3.jpg” name=”シブ君”]そんな綺麗な頭に誰が乗るか[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]え、それ褒めてんの?なんでキレてるんだ・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]それじゃーまたね![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]相変わらず唐突だなぁ・・・[/speech_bubble]

 

【笙・Lv1】和楽器『笙』について一歩踏み込んで学んでいく【DTM】

和楽器である『笙』について、前回は鳴らせる音とそのコードである「合竹」の音と組み合わせについての触りを書きましたが、今回は笙を音色としてより使えるイメージを持つため、一歩踏み込んだ理解をしてみたいと思います。

 

笙の手移り

まず、笙の手移り(運指)について見ていきます。

ただこの記事では実際の笙を吹くわけではなく、「DTMなどで和風の曲を作るための自然な笙の使い方」を知ろうという方向性なので、運指というよりは、それぞれの指が担当する音を知る形といった方が適切かなと思います。

 

竹は、順番に、「千十下乙工美一八也言七行上凡乞毛比」と、ぐるりと円を描いて、並んでいます。

右手の人差し指で押さえるのが「比(ひ)、乙(おつ)、下(げ)」の竹。
右手の親指で押さえるのが、「千(せん)、十(じゅう)、工(く)」の竹。
左手の親指で押さえるのが「美(び)、一(いち)、八(はち)、言(ごん)」の竹。
左手の人差し指で押さえるのが「七(しち)」の竹。
左手の中指で押さえるのが「行(ぎょう)」の竹。
左手の薬指で押さえるのが、「上(じょう)、凢(ぼう)、乞(こつ)」の竹。

引用:築山桂オフィシャルサイトより

これをドレミファソラシド(CDEFGAB)の表記にすると、

  • 右手人差し指:比=C6、乙=E5、下=F#5
  • 右手親指  :千=F#6、十=G5、工=C#5
  • 左手親指  :美=G#5、一=B4、八=E6、言=C#6
  • 左手人差し指:七=B5
  • 左手中指  :行=A5
  • 左手薬指  :上=D6、凢=D5、乞=A4

という風になります。基本的には「一指一音」と考えていきます。

これにより「七」と「行」は指固定音であることがわかりました。この七(ラ)と行(シ)は全ての合竹で使われていて、合竹の主軸とも呼べる音と考えられます。これについては後述します。

 

手移りを色別で図にしてみるとこういう感じに。やはり図にした方がわかりやすいですね。「也」と「毛」は鳴らない前提です。

また、笙の各合竹の手移りについては穴守稲荷神社さんのサイトにある教則用資料が参考になるかと思いますので、リンクを貼っておきます。

  • 穴守雅楽会のページ一番下の教則用資料、楽譜:鳳笙の音取のPDF

 

笙という楽器の役割についてあれこれ

以下、笙の奏者であり、製作者でもある工房 西塔さんの「笙の研究」からの引用を中心に、笙についての理解を深めていく形をとっていこうと思います。

 

笙の音としての雰囲気

篳篥の音を笙の音が包み込んで天空へいざなって行く、その先導をするのが龍笛なのだ、という気がします。

雅楽の三管は、

  • 篳篥:主旋律を担当
  • 龍笛:主旋律もしくはその装飾(副旋律)を担当
  • 笙:その背景を和音で担当

という風にそれぞれの役割を持っているわけですが、雅楽では笙は篳篥の音に合わせて付いていくことが自然な流れのようですね。合竹などの和音で鳴らす場合は、曲全体を包み込むように上の方で鳴っているポジションが基本的には具合が良いようです。

 

笙の抑揚について

笙の吹き始めは静かに息を入れ、音が出るに従って強く吹くのは「先端をゆっくり動かしながら、その動きが厚みのある部分へ伝わって行くようにしているのです」(中略)一拍目はPPで、徐々にクレッシェンドし、四拍目がf かffになります。(中略)太鼓の「ズン」が鳴り、四拍目あたり、つまり「付所」の一拍前あたりから笙の主管が吹き始め、続いて皆が一斉に吹き始めます。 笙を構えるのは「付所の一小節前からゆっくり持ち上げ、三拍目の太鼓のズンのときに口に届くように」

雅楽では、楽譜の合竹もしくは音程の横に「●」黒丸が付いており、そこが太鼓の鳴る場所という意味で「付所」と呼ぶそうです。上記の内容を打ち込みで簡単に表現するとしたら、

こういう感じでしょうか。上画像では60が小節の頭で曲の入りだとしたら、実際に笙の音が鳴るのはその少し前からで、小節に入り段々音が大きくなり4拍目辺りで一番音が大きくなる。

笙の抑揚に関しては、雅楽の曲など実際に演奏されている曲を聴いて、自分の耳で自然なところを覚えていく必要はありそうですが、笙の音の入りはとても静かであるということを基本としてここでは押さえておきます。

 

蝉の声について

 

笙という楽器は、基本的には単音で吹く楽器ではありません。なぜならば、単音では蝉の声にならないのです。

これは「雅楽での本来の笙の使われ方」ということですね。そしてこの「蝉の声」という部分は、

 

明治時代の多忠龍楽師の書物に「蝉がジェージェー鳴いている中にチィーッという高い音が聞こえる。それをねらって作る」と記してあります。つまり、実音ではなく共鳴音ということです。(中略)
七・行の音がなぜ通奏音なのか、なぜすべての合竹に七・行が含まれているのか、ということを考える必要があります。この七・行が蝉の声を誘因するに違いないのです。

七(A5)と行(B5)の音は前述の通り、全ての合竹に含まれている音です。前回の笙の記事では単純に合竹の大まかな特徴として「全音間隔の組み合わせによる響き」と書きましたが、どうやらこの七と行の音が笙の合竹のキーとなるようです。

 

次に「七と八」の音を合わせて吹き、同時に鳴り出すようにするのがバランスです。バランスが良ければ、静かに吹きながら耳を澄まして聞きます。七の音でもない八の音でもない別の音が「チィーッ」と鳴っていたら、それが蝉の声です。聞き分ける方法は「八」を鳴らしてその音を意識しながら「七」を加える。「八」より高い音が鳴るかどうかということです。

七はB5、八はE6。完全4度の間隔ですね。笙のこの音程はかなり高いところに位置しますが、この二つの音で新たな音、つまり七と八を同時に鳴らして共鳴音が発生すれば古代の笙による蝉の音の再現が出来るということでしょう。

DTMではこの辺は自分の作るスタイルやジャンル、手間などで作りこみも変わってくるとは思いますが、笙の知識としては押さえておきたいポイントですね。

 

合竹を七と行を基本に分析してみる

笙の和音は基本的には十種類で、そのいずれにも「行(A)」ど「七(B)」の二つの音が通奏音として入っています。
その十種いずれもが「行」を中心にした3度5度8度に該当する協和音と、「七」を中心にした3度5度8度に該当する協和音との二種類を一つに合わせたものです。

とのことなので、まず最低でも全音間隔で開いている合竹「乞」を例にとってみます。

合竹「乞」の構成音は、乞(A4)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6)。

ここで、行・七それぞれから各音を見てみると、

  • 行(A5):乞(A4)は1オクターブ下、八(E6)は完全5度上、乙(E5)は完全4度下。
  • 七(B5):乙(E5)は完全5度下、千(F#6)は完全5度上。

・・・なるほど、行と七の音を基本に考えると西洋音楽の考えと一致します。そうすると合竹はその行(A5)系和音、七(B5)系和音という二つの和声(コード)を同時に鳴らすことで共鳴音が重複されて神秘的な音となっているという考え方が出来そうです。

 

次に半音間隔のある合竹「下」を見てみます。

構成音は下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、千(F#6)。

ここで、行・七それぞれから各音を見てみると、

  • 行(A5):下(F#5)は短3度間隔。
  • 七(B5):下(F#5)は完全4度下、美(G#5)は短3度間隔、上(D6)は短3度間隔、千(F#6)は完全5度上。

という風に、一見不規則に見えていた合竹にもきちんと音の配列から、確かな意味を感じることが出来ました。

ここで、引用先から

ところが「工(C♯)の一音だけは「行」列に対しても「七」列に対しても不協和音です。この「工」の音が入った「工和音」は本当の不協和音になります。

とある通り、合竹「工」は10個の合竹で唯一半音の重なりも2箇所あり、かなり刺激的な音となっています。

かなり綺麗に聞こえる「乞・一・凢・乙・行」は全音間隔で最低でも離れていて、初聴きはちょっと違和感のある「下・十・美・比」は半音の重なりが1つなので、C#5を基点とした「工」は合竹の中でも一番の不協和音の合竹といえそうです。

ただ、合竹「工」の構成音を見てみると、工(C#5)、凢(D5)、乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)。完全5度の美(G#5)が入っていて、濁っていながら綺麗には聞こえるという形はきちんと取ってるんですよね。それに乙と工、美と七は短3度(長6度)と相性も良く、真横でぶつかりながら音の統制は一応取れているとも言える。

そしてこの合竹「工」は、越殿楽・五常楽急(ごしょうらくのきゅう)・皇麞急(おうじょうのきゅう)の三つの楽譜に出てきているので、刺激担当としてはむしろ大活躍の合竹という印象があります。合竹の傾向などは、雅楽の曲や楽譜を見て経験値を積んでいくしかないですね。

 

合竹の各音のバランスについて

笙の「和音」を「合竹(あいたけ)」といいますが、「合」ですから共に出る音が対等でなければ、つまりバランスが良くなければいけません。

良い笙は、竹の音の鳴るタイミングと音の大きさもなるべく均一であることが望ましいようです。DTMではこれは好都合な点ですね。クオンタイズとベロシティに小さい範囲でランダム化を掛けるだけで良さそうです。

ただ、動画などで笙の合竹の音の鳴り出しを聴いていると、若干アルペジオっぽくバララッと入って聞こえてくることがあります。引用先では良い笙の基準からこれを「あまりよろしくはない」と述べられていますが、逆にDTMでは均一すぎてしまうので人の味として音のバラつきを加えた方がよりそれっぽい雰囲気は出そうです。

 

サンプル①:音の発生タイミングベタ打ち

なんかそもそもアタック無さすぎるような・・・なんだ、笙っぽくない。なんだろう。

 

サンプル②:音のタイミングずらし

あれ、結構ずらしたつもりなんだけど、頭の音量が小さいからかアタックが遅すぎるからか、あんまりバラッと入らなかったですね。他の音入ったらわからないというか、散らした意味ないレベルのような。

 

サンプル③:アタックとエクスプレッション微調整&ついでに合竹代えてみる

ああ、やっとバラつきはそれっぽくなった気がする。でも色々動画で聴いてきているせいか、この音あんまり笙っぽくなくなってきた気がするというか、イマイチじゃないか・・・?

次作る曲にこの音色を使って混ぜてみて、違和感あったら作り直そう。

 

雅楽のテンポは非常にゆっくり

そして以下は、引用先の工房 西塔さんの初心者の方に笙を鳴らすための基礎練習ということで記載されてあった内容からとなります。

時計の秒針を見ながら、一行(越天楽の八小節)を一分で吹くのです。吹いて吸って15秒、ズレがあってもかまいません。おおむね一行一分です。
雅楽は、ゆったり吹き始めて少しずつ早くなりますが、一行一分と思って練習しておけばたいがい対処出来ます。

これは雅楽の概ねの目安を知れるという意味では大変ありがたい内容。8小節60秒というのは、テンポで言うとBPM32。雅楽の楽曲がとてもゆっくりであることは体感理解はしていましたが、今までこの数値は見た事なかったのでちょっとびっくりしました。

そして32というのは2の5乗。どこか神秘の香りがしますね!(しませんか

 

気替えについて

笙には息継ぎという考えは無く、「吸う・吐く」の呼吸をしながら常に音を出し続けることが出来ます。この「吸う・吐く」の息を変えることを「気替え(きがえ)」といいます。

気替えに関しては、「一小節目4拍を吸う、次の二小節目4拍を吐く」という呼吸の時もあれば、一小節内に合竹が複数ある場合、その小節内で気替えを行ったりもするそうです。

DTMの打ち込みには特に関係はありませんが、気替えを行う前後での音の強弱の変化を知っておく分には損はないかと思い、メモ用に書いてみます。

 

楽譜に出てくる「引」について

「引」に関しては、宮内庁楽部の先生方は「苦しければ目立たないように気替をすればよい」と教えてくれます。ただ、四拍の息遣いで八拍吹ける道理はないので、「引」は音は小さくなるものと思って下さい。

これは笙の打ち込みには関係ないかもしれませんが、雅楽の笙の楽譜を見ると、合竹ではなくたまに「引」と書かれていて、これなんだ?と思っていた自分用の備忘録です。

 

手移りの流れ

曲に入り、指を二本以上動かすときは、高い音からはずして行き、先発の指が下げ終ってから次の指が動き始めるようにします。

例えば、越殿楽や五常楽急の楽譜に出てくる「十-下」の合竹などは、6音中2音を手移りで変える必要があります。

画像では音源の兼ね合いで本来より1オクターブ下げていますが、「十-下」では、E6→F#6、G5→G#5となるので、一本目の指で押さえている想定のE6を離してからF#6を押える(鳴る)と同時に、二本目のG5を押えている指を離しG#5に移る。こういう流れですね。

ただこれは、引用先では「初心者の為の基礎練習」とあり、こちらの「歌舞管絃」さんの笙のページには手移りの順序にはルールがきちんとあるとのことで丁寧に記載もされていました。

 

打ち込みでは実際の手移り等イメージしづらいところはあるかとは思いますが、脳内で「これはこう動く」と意識するだけでも大分違うはずなので、その参考資料にということでリンク記述しています。

 

まとめ

今回の『笙』について学んだことをまとめてみます。

  • 指の押える箇所は上図を基本
  • 曲全体を包み込むように上の方で鳴っている感じ
  • 音の鳴り始めはとても緩やか
  • 七・行の音は10個の合竹全てに使われている通奏音
  • 七・行の音は合竹の大事な部分
  • 笙の響きは蝉の声
  • 蝉の声は共鳴音で表現
  • 雅楽のテンポは非常にゆっくり
  • 各音の大きさ・タイミングはなるべく均等が良い

 

雅楽は日本伝統の音楽であり、また合奏が主体であることから、こうして独学で学んでいくのが難しいジャンルかもわかりません。雅楽の会それぞれに伝わっている部分もあるでしょうし。

ですが、どう転んでも理解が深まることには変わりない。それに曲を作る時「早速あの奏法試してみるぜ!」みたいに燃えてきて凄く楽しいんですよね。

 

まだ調べたいことが沢山あるので、これからも楽しみです。

それでは、今回はこの辺で。

 

 

箏についての歴史を少し掘り下げて知って箏を好きになろう計画

こんにちは。今回は「箏」についての知識を少しだけ掘り下げて見ていきます。

DTMでソフト音源として箏を鳴らす上では、歴史的な知識がなくとも実務的には問題ありません。が、私はその楽器の歴史的な背景を知っているだけでも力の入り方はやはり変わってくるので、多少時間は掛かってもなるべくこういった知識はつけていきたいと考えています。

 

箏とは

一般的に、「箏(こと)」と呼ばれ、「琴(きん)」の字を当てることもあるが、「箏」と「琴」は別の楽器である。

出典:Wikipedia「箏」より

和楽器に慣れ親しんでいない場合、上画像の楽器のことを「琴」と書いてしまうかと思います。かくいう私も少し前までは箏のことを「琴」と書いていました。

現在広く普及している和楽器である「箏」は、人型の形をした「柱(じ)」と呼ばれるもので音程を調節するもので、基本は十三弦。これは奈良時代に唐から伝わったとされるもので、龍の象徴とされていたそうです。

そして「琴」は、その柱が無く弦を押さえる場所で音程を決める楽器だそうです。

 

「箏」と「琴」が実はそれぞれ別の楽器だったとは・・・名称がごちゃまぜになっているだけじゃなかったんですね。今まで知りませんでした。

 

箏の起源

日本では、大まかに分けて

  • 弥生時代もしくはそれ以前の古代日本に存在していた「こと」
    →主に呪術的な意味合いがあった模様
  • 奈良時代、中国の唐より伝来した「こと」
    音を奏でる楽器的なものとして伝わった模様

と、2パターンの「こと」があったようです。

日本古代の「こと」は古事記にもそれを弾く描写があり、「和琴」の原型という形。またこの「こと」と思われる出土品が縄文時代の青森、滋賀、北海道の遺跡で見つかっているらしく、弥生時代のものと形も似ているそうです。

現在一般的に普及している「箏」は奈良時代、中国は唐の時代よりもたらされたものが原型らしいのですが、それとは別に元々日本に存在していた「こと」があったんですねぇ。その「こと」は呪術的な用いられ方をされていたらしいです。

 

・・・そういえば、雅楽の越殿楽も現代音楽から見るとかなり儀式的な要素を強く感じます。ギターと同じで音を出すことに関してはかなり汎用性の高そうな箏ですが、元々は神聖なものの表しとして静粛で厳かに使われていたようです。

 

また、琴という言葉に関しては、Wikiに、

『源氏物語』などの古文では、「琴」は、琴(きん)のほかに、箏、琵琶などすべての撥弦楽器を指している。このことは、明治時代に日本に新しい楽器が入ってきた際に、洋琴(ピアノ)、風琴(オルガン)、手風琴(アコーディオン)、自鳴琴(オルゴール)、提琴(ヴァイオリン)などと呼ばれていたことからも伺い知ることができる。

とあり、撥弦楽器の総称を「琴」もしくは「こと」と呼んでいたそうです。如何に日本で「こと」が古くからあって親しまれていたかがよくわかります。

 

生田流と山田流

現在、箏を学ぶ場合、二つの流派があります。それが生田流山田流

これは、江戸時代初期に楽器としての箏および箏曲の基礎を大成させた八橋検校(やつはし・けんぎょう)の後、江戸時代中期に活躍した生田検校山田検校をルーツとしたもののようです。

ちなみに「検校」とは昔、盲人に与えられた最高の官名のこと。江戸時代においては箏は盲目音楽家の専売特許だったようですね。

 

また、京都の「八ツ橋」というお菓子はこの八橋検校の功績を称えて(もしくは偲ばれて)作られたとか。三角形の生の方ではなく、硬いパキッとしたお菓子の方ですね。箏の形を模しているそうです。

 

生田流と山田流に話を戻して、この二つの違いを大雑把にまとめると、

生田流

  • 角爪
  • 楽器に対し左斜め約45度に構える
  • 独奏曲において技巧が発達
  • 上方(関西地方)を中心に発達

山田流

  • 丸爪
  • 楽器に対し正面に構える
  • 「歌もの」を多く扱う
  • 江戸(関東地方)を中心に発達

 

また、箏という楽器本体に関しては、

山田流式の方が音量が大きく豊かな音色である為、現在製作されている箏は一部を除いてほとんどが山田流式の箏

とのこと。

箏自体は浄瑠璃風の歌モノを中心として改良された山田流式が主流なようですが、私の知る箏を学んでいる人には生田流が多い印象があります。爪の形と座る姿勢は別ですが、実際演奏する楽曲などはそんなに大きな違いはないそうです。

 

簡単な生田流と山田流の見分け方

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]さて、ここで簡単な問題です!ジャンジャジャ-ン![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii7.jpg” name=”ルイー”]うお、俺たち忘れられてなかったのか![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]まぁ細かいことはいいのだよ。それより問題だから答えなさい。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]あ、はい・・・なんスか突然[/speech_bubble]

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]この画像の人は、生田流山田流、どちらでしょ~~か?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]フン、簡単だ。答えは生田流だろう。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]爪が四角いからな・・・フッ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]はい正解~!素晴らしいね~その通り!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ちなみに生田流の斜めに座る理由は、角爪を上手く使う為だと言われているよ。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]爪の材質はワシントン条約後の今でも象牙が主流だけど、最近はプラスチックや樹脂製とかも出てるのです。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]あとルイーはただの三角形[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii9.jpg” name=”ルイー”]なるほどな~、そういう理由があったんだな。合点がいったぜ。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]・・・あれっ、今サラッと俺のこと小バカにした?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]以上、簡単な流派の見分け方でした~[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]生田流と山田流の簡単な歴史は「箏曲の二大流派〜生田流と山田流の違い〜」をどうぞ![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]あとルイーは顔三角形だけど実はアホ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]え、三角形のとこ、実は褒めてたの・・・?[/speech_bubble]

 

『春の海』作曲の宮城道雄

前回の箏の打ち込みの記事でも記述しましたが、近現代で箏の楽曲で最も有名な人といえばやはり宮城道雄の名が挙がるかと思われます。作である「春の海」は、タイトルは知らなくとも誰もがどこかで聞いたことのあるであろう名曲。(上動画の箏奏者:宮城喜代子さんはその姪っこさん)

明治時代以降は当道制度が廃止されて、盲人以外でも箏の演奏が職業として認められたそうですが、宮城道雄(あえて歴史的人物と同じように敬称を略して書いていますが)は、幼き頃に失明した盲目の箏曲家とのこと。

 

箏の鳴らし方の動画でもお世話になった、伝統音楽デジタルライブラリーの吉原佐知子さんのこの演奏曲「水の変態」も宮城道雄作曲。この曲はあの伊藤博文も心を打たれたといいます。

 

Youtubeで探してみると宮城道雄作の箏楽曲がかなり出てきます。いやもう、ほんと聞き応えのある楽曲ばかり。奏者の方の演奏力も凄いのですが、なんだろう、開いた口が塞がらないまま聞き入ってしまう。

 

このように箏の静かな曲から激しい曲までなんでもこなす宮城道雄ですが、明治末から主に大正・昭和にかけて、邦楽全般の活性に力を注ぐだけでなく、西洋音楽を取り入れつつ、楽器改良(十七絃箏開発など)や楽譜の普及にも尽力。また文筆家でもあったなど、その活動内容は非常に幅広い。

現代音楽の礎の築きに宮城道雄が大きく貢献したことはまず間違いないですね。

 

箏の参考楽曲色々

Youtubeで見つけた箏の演奏を幾つか挙げてみます。

ジャンプSQの漫画「この音とまれ!」の作中の楽曲「龍星群」。六面(6個)もの箏での合奏はかなり迫力があります。箏がメインの漫画なんてなかなか無いでしょうが、その作中の楽曲が実際に、というと現実味が一気に出てきて良いですね。曲もかっこいい。

 

ロックバンド「メフィストフェレス」のギターを弾いている沢井比河流さん作曲の「絵空箏」。こちらも箏のみの楽曲で、箏の数は九面。ステージが狭く音が近いためか、グワッときます。箏が一面だけの楽曲が世には多いとは思いますが、そんな自分の中の固定観念が崩されるようなこちらも迫力のある楽曲。

 

こちらは25絃箏のさくらアレンジ。基本の13絃に更に12音もプラスして、鳴らせる音がかなり多くなっています。ただ、その分絃同士の間隔は狭くなっているようです。

十七絃箏は、十三絃箏に主に低音部分がプラスされているようですが、二十五絃までいくとどうなんでしょうね。低音だけでなく、平調子であれば中間部にFやA#の音を置いたりなど、欲しい部分を足すのだろうか。

 

こちらはアニメ「Naruto」の「Sadness and Sorrow」の箏演奏ver。アニメのナルトは見ていませんが、あの作品は忍者が主題ですから基本的に悲しいことばっかです。しかし、箏でナルトの曲を演奏すると更に雰囲気がそれっぽく感じられるのではないかと。

 

「和楽器バンド」で箏を演奏されている、いぶくろ聖志さんの箏のサポート動画。動画では箏の演奏に関する内容を紹介されていますが、動画の最初や最後に入ってくるいぶくろさん作曲の箏楽曲が実に心地良いです。

 

おわりに

以上、箏に関する私なりの大雑把な知識の掘り下げでした。

最初は、箏の木や絃の材質、各部の名称などを書いていったほうがいいのかなと思っていましたが、まだ箏に触れ始めたこの段階でそれをやってしまうと単なる暗記になりそうだったため、「箏を取り巻く歴史的な背景と今」を自分なりに簡単にまとめたらこうなりました。

・・・単に私が、歴史から辿ると面白味を感じるというだけなんですけどね(笑

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]・・・ということじゃった。めでたしめでたし[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]日本昔話風に締めるとは、やるなシブ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]おっけー、それじゃ今回はこんな感じで![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]おう、またな![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]あとルイーは鼻くそでかすぎ![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]お前ほんと相変わらずだな・・・[/speech_bubble]

 

 

【DTM】KOTO NATIONで箏の打ち込みの基礎を学ぶ【和楽器】

今回は箏(琴)音源である「KOTO NATION」を使って、箏の基本的な奏法を打ち込みで作ってみました。

箏について調べてみたら、DTM界隈ではもはやお馴染みのこおろぎさんがすでに大まかな内容を記事にされていたので、それを見た上で箏の打ち込み内容について記述していく形をとってみます。

 

以下は、こおろぎさんの箏・KOTO NATIONに関する記事です。

KOTO NATIONを使った箏の奏法の基本的な打ち込み

演奏法の参考動画は、こおろぎさんの記事にもあった以下の「箏の音の出し方」などを解説する動画です。

このシリーズの動画を元に各奏法をKOTO NATIONで一つずつ打ち込んでみます。

 

まず、一番基本と思われる平調子・壱越(イチコツ)で箏の調子(キー)を合わせます。

箏の調子についてはこちら

箏の基本形は十三弦。通常、この13音を鳴らすことになります。

ですが、箏の音を固定させる役割の柱(じ)を演奏中に動かしたり、他に十七絃箏や25絃箏という弦の多い筝もあることから、強押し・弱押しによる音程の変化を除いても、このチューニングされている音以外を鳴らしても別段問題はないようです。割と柔軟に対応できる楽器らしい。

ただ、闇雲に鳴らしたい音を箏という音源で鳴らしてしまうと、肝心の箏らしさが失われてしまうので、曲に合わせて箏の調子を事前に決めておき、そこから+αとして音を増やす形が良さそう。(強押しの全音間隔より大きく空いてしまうと不自然になるなど)

ポイントとしては、実際に手元に箏があって「さあこれから自分の手で実際に演奏しよう」というイメージを持つだけでも打ち込みの嘘くささは多少緩和されるので、この辺りは常に意識していきたいところです。

 

KOTO NATIONのキースイッチ

KOTO NATIONには、

  • Koto(琴(平調子))
  • Bass Koto(十七絃箏(Cmaj))
  • Shamisen(三味線(地歌))

の3つの音源が入っています。

そのうち、Koto・Bass Kotoのデフォルトのキースイッチを以下にまとめます。青字は比較的多様するであろう部分です。

 

Koto

  • A0:SCRAPES (C1~C3)
  • G#0:HARD PLUCK (C1~C4)
  • G0:HARMONICS  (C1~C4)
  • F#0:TREMOLO  (C1~C4)
  • F0:PIZZICATO  (C1~C4)
  • E0:HITS  (C1~C4)
  • D#0:OCTAVES  (C1~C4)
  • D0:MORDENT SLOW  (C1~C4)
  • C#0:VIBRATO SLOW(v0~69)  (C1~C4)
  • C#0:VIBRATO FAST(v70~127)  (C1~C4)
  • C0:SUSTAIN(v0~115)  (C1~C4)
  • C0:MORDENT FAST(v116~127)  (C1~C4)
  • B-1:TONAL GLISS  (C1~F1)
  • A#-1:ATONAL GLISS  (C1~C4)
  • A-1:PHRASES1 (D1,G1,A1,A#1,D2,D#2,G2,A2)
  • G#-1:PHRASES2 (D1,G1,A1,A#1,D2,D#2,G2,A2)

 

※注1 vというのはヴェロシティのこと。例えばC0でv100のノートを置くとSUSTAINがONになり、v120だとMORDENT FASTに切り替わる。

※注2 (C1~C4)というのは、ピアノロールのその範囲内で音が用意されているということ

 

Bass Koto

  • F#0:WOOD HITS (C1~F1)
  • F0:TONAL HITS  (C1~G#1)
  • E0:SLIDES  (C1~B1)
  • D#0:GLISSANDO  (C1~A#1)
  • D0:PIZZICATO (A#0~G3)
  • C#0:MUTE (A#0~G3)
  • C0:SUSTAIN (A#0~G3)

 

このようにKOTO NATIONには、弦を爪で押し弾く音以外にも、ハープっぽい音やボディを叩く音など色々入っています。ただ、そんなに使う頻度は多くはなさそう。他にもVIBRATOなどはジャラジャラ鳴らす方が筝っぽいので私はあんまり使わないかも。

 

右手の奏法

それでは、KOTO NATIONを使って一つずつ奏法を確認していきます。まずはメインで音を奏でる役割を持つ右手から。

 

すくい爪

すくい爪とは、爪の裏側で弦をすくい上げて弾く奏法のこと。

意外なことにKOTO NATIONには、爪の裏側で弦を掬い上げて弾くような、そういった擦り音の混じった音が基本入っていません。なので、すくい爪で音を出していると仮定した場合、通常の押しで鳴らす音と区別させなくてはいけないように思いました。

サンプルの1フレーズ目は、すくい爪の部分を敢えて「D#0:OCTAVES」で表現し、2フレーズ目は単純に全て「C0:SUSTAIN」音のヴェロシティの変化だけで表現してみました。「D#0:OCTAVES」の音は本来オクターブ上の音を同時に鳴らしている合せ爪的なもので、確かに違いを出すという意味では正解ですが、すくい爪としてはやはり違う感じですね。

 

ただ、すくい爪には上記の擦り音を含んだものと、あまり擦り音を含まない音を出す弾き方、両方を含むそうなので、ここは素直にヴェロシティの変化で表現するで良さそうです。

 

押し合わせ

押し合わせとは、隣り合った弦の片方を右手で押して、もう片方の弦と同じ音にして2本同時に弾く奏法

単音よりも鳴りや弾きの音が重なり合って、インパクトもあるし、これだけで情緒が感じられます。不思議だなぁ。

そしてこういった時の音の打ち込みは、基本msec単位でのずらし調整になります。耳で聞くと比較的音がずれていることはわかるものなのですが、打ち込むとなると「こんなに極小の差なの!?」と実感するのは、DTMで生っぽさを追及したことのある人なら誰でも一度は思ったことのある感想ではないかと。

人間の耳は精度がいいですね、ほんと。

 

かき爪

かき爪とは、中指で隣り合った弦を2本同時に掻くように鳴らす奏法

先に鳴らした音と後で鳴らす音のノートは基本くっつけておきます。もしくは一つのノートをハサミツールで切るだけでもいいかも。

またこの動画から、五(D)と六(D#)を同時に鳴らすことを自然に行っていることから、半音重なる音を同時に鳴らすことは割と普通であることがわかります。この音の重なりに対する捉え方は、西洋音楽とはかなり違う点ですね。

また、初歩的なことかもしれませんが、仮に前後の音にこれくらい隙間があった場合、耳で聞くと一度ぶつ切りに聞こえてしまうことがあります。指で同じ場所を鳴らす2度目は、弦が弾かれて音が出るまでの一瞬弦の振動が止まるのは事実なのですが、それは本当に一瞬なので、ここは素直にノートを繋げておいたほうが自然に聞こえます

私の耳の感覚とKOTO NATIONのリリース具合では、単音で0.03秒くらい空ける分にはパッと聞いて繋がりに違和感はギリギリなく、0.07秒くらい空くと「あ、切れてるな」という感覚でした。・・・なんにせよ、くっ付けてしまって問題ないと思います(笑

 

合せ爪

合せ爪とは、親指と人差し指or中指、二つの指で2本の弦を同時に弾く奏法

挟み込むようにして少し弦の間隔を空けて、1度と5度上、もしくはオクターブで鳴らすことが多いようです。上画像では、1フレーズ目のオクターブ鳴らしを「D#0:OCTAVES」で、2フレーズ目は「C0:SUSTAIN」でオクターブ重ねを打ち込んでいます。

どっちもあまり変わらない印象なので、素直にOCTAVES使っちゃって良さそう。

 

流し爪

流し爪とは、親指の爪で高い音から低い音へグリッサンドする奏法

箏の代表的な奏法。やっぱりこれですよね~筝といったら。

この流し爪と、次に続く引き連の表現は、KOTO NATIONには「B-1:TONAL GLISS」として用意されています。1フレーズ目はそれをそのまま使い、2フレーズ目はSUSTAINで一音ずつ打ち込んでいます。

用意されているTONAL GLISSは、

  • 上から下へ(流し爪)
  • 下から上へ(引き連)
  • 下から上へ行ってまた下にいく(引き連→流し爪)

に、各々早いタイプとゆっくりのタイプの計6種類あります。ここで更にヴェロシティを弄ることで音の強弱も付けられますが、やはり既に用意されているフレーズのため細かい音の配置や音量調整は出来ません。なので、TONAL GLISSを使う場合はバックが賑やかな曲などで使い、抑揚を付けたり、より臨場感のある箏の表現をしたい場合は一個ずつ手打ちした方が良さそうです。

流石にこのフレーズを用意されているモノから細かく弄るのは無理があるでしょうから、そこは致し方ないところですね。

 

引き連

引き連とは、流し爪とは逆で、中指で低い音から高い音へグリッサンドする奏法

動画では「真ん中を弾かないこともある」とのこと。なるほど、勉強になります。

こちらはTONAL GLISSを使わず、全部一個ずつ打ち込んでいます。やはり流し爪・引き連は箏の代表的な奏法であると思われる為、出来る事ならこれの打ち込み感覚を経験値として身につけておき、ここぞという時に必殺技のように使いたいところです。

多分その方がTONAL GLISSの使い所もわかるはずなんですよね。力の抜きどころが見えるというか。

 

裏連

裏連とは、高い音でトレモロ(同じ音を連続で小刻みに鳴らす)をしてから、低い音へグリッサンドし、最後に2~3本の弦を弾く、という一連の流れの奏法

サンプルでは、1フレーズ目のトレモロには「F#0:TREMOLO」を、2フレーズ目では通常音の「C0:SUSTAIN」で表現しています。

トレモロには爪の裏と表、つまりすくい爪と押し爪が交互になっているので2フレーズ目のSUSTAINのみだと違和感出るかな?と思ったのですが、案外聞けますね。ただし擦り音がないのでデメリットとしては少し綺麗に聞こえてしまうくらいでしょうか。トレモロに関しては、

  • 「F#0:TREMOLO」を使うと、音は良いけどトレモロ中の抑揚が作れない
  • 「C0:SUSTAIN」を使うと、抑揚は付けられるけど少し音が綺麗すぎる

という、それぞれのメリットとデメリットがありました。TREMOLOを使う場合、オートメーションで抑揚を書いてやればいいのかもしれませんが、個人的にはSUSTAINで手打ちした方が手間は省けそう。

 

すり爪

すり爪とは、一指し指・中指の爪の裏側で2本の弦を右から左へ擦り、元へ戻す奏法

KOTO NATIONには「A0:SCRAPES」にこの弦を擦る音が色々入っていますが、用意されている音にはぎゃんぎゃん擦っている効果音的なものが多く、また最初に右から左へ擦る音が入っていないというか、それらしい音がなかった元へ戻す音は問題なく使えそうです。

すり爪をDTMの楽曲で使う機会はほとんど無いような気もするのですが、最初の右から左へ擦るまっとうに使えそうな音がなかったのはこれも意外だった。

 

散し爪・輪連

散し爪とは、中指の爪の側面で弦を擦る奏法輪連とは、人差し指と中指で一と二の弦を擦る奏法

KOTO NATIONにはこの擦りながら出す音というものが入っていないため、残念ながらKOTO NATION単独ではこの二つの奏法は表現できません。(多分

仮にこれを表現する場合は、違う音源の擦り音を合わせて同時に鳴らすなどする必要が出てくるかと思います。自分の手間と相談するか、箏姫かぐやを使うなど。

 

かけ爪・半かけ爪

かけ爪とは、人差し指→中指→親指の流れで鳴らす奏法。基本は人差し指2音・中指2音、親指1音の計5音で、「強・弱・強・弱・強」という抑揚のバランスがある。また半かけ爪とは、この内第2音(弱)と第4音(弱)の音量がゼロ、つまり弾かない形とのこと。

ポイントはこの強弱であることらしく、頭の人差し指はしっかりと響く音を鳴らすようです。この指のリズムも筝の特徴なのかもしれません。ちなみにかけ爪の譜面上の特別な明記法はないようです。

 

割り爪

割り爪とは、隣り合った2本の弦を人差し指と中指で順に2回に分けて弾く奏法

動画ではそれにプラスして、その後に親指でオクターブ上を弾くと述べていますが、頭のジャンジャンという部分が割り爪の基本部分のようですね。

 

左手の奏法

続いて左手の奏法に入ります。主な役割は音の鳴りの幅を広げるといったところでしょうか。もちろん左手でハープのように音を鳴らすこともあります。

 

押し手(強押し・弱押し)

奏者からみて、柱(じ)の左側の弦を左手で押すことで、音が高くなります。

強押しは全音(一音)分高くする時弱押しは半音高くすることをいいます。

サンプルでは前半部分をそのまま打ち込みしたケース、後半はピッチベンドで全音・半音変えた状態にしています。動画を見る限りではかなり音がはっきりしていた印象があったため、ピッチベンドで表現しなくても良いような気もしました。

ただそうすると作り手側があとで振り返った場合、どこで強押ししてるかわからなくなると思われたので、ここは多少めんどうでもピッチベンドで強押し・弱押しを表現することを心がけたい気がします。またその場合、その部分だけ別トラックにKOTO NATIONを新たに読み込ませて、ベンドが効いている弦とそうでない弦とで分けることになります。

 

後押し

後押しとは、弦を弾いた後で左手で音の余韻を高く上げる奏法

押し手と同じ要領ですね、これはピッチベンドで表現します。ピッチを細かくカーブを書かなくともほぼ後押しの効果は得られたので簡単でとても楽。クリック二回で済みます。

押し手では、ピッチベンドによる音の経過音は無いようにしますが、こちらの後押しではその変化する音を聞かせるようにする形になります。

 

押し放し

押し放しとは、押し手や後押しをした後に左手を放し、余韻を変化させる(元に戻す)奏法

サンプル2音目がそうです。これもピッチベンドでサクッと表現します。

 

突き色

突き色とは、右手で弦を弾いた直後に左手で弦を突くように放して余韻の変化を作る奏法

筝ならではの音色ですね。この音は「C0:MORDENT FAST」がそうで、C0のヴェロシティを116~127にすると自動的にこの突き色の音になります。「C0:SUSTAIN」はヴェロシティ0~115

 

揺り色

揺り色とは、一つ目に、押し手をした状態から弦を鳴らした後に素早く放しと押しを連続して行う奏法。二つ目に、左手で柱のすぐ左側の弦を揺らす奏法

サンプルでは、前半部分に一つ目の揺り色。後半部分に二つ目の揺り色を表現しています。

押し手を使った揺り色はピッチベンドで表現し、揺らす揺り色は「C#0:VIBRATO FAST/SLOW」を使います。SLOWはv0~69、FASTはv70~127(v=ヴェロシティ)。

 

引き色

引き色とは、弦を鳴らしたあと、柱のすぐ左側を柱の方に引っ張って弦をたるませ、音を下げる奏法

音のリリース具合から、ノート長後ろ1/4辺りを1/4半音下げるくらいが丁度良い気がしました。音が下がっていることがギリギリわかるくらいが良さそう。

 

消し爪

消し爪とは、奏者から見て柱のすぐ右側の弦に、人差し指の爪をかすかに触れさせて弾く奏法。動画では爪に触れるわずかな振動音から、ハウリングのような響きを感じさせる音が紹介されています。

この奏法音はKOTO NATIONにはそれらしきものが該当しなかったので、せめて近いであろう「E0:HITS」でサンプルは代用しましたが、これはNGでしょう。名前からそれらしき「G0:HARMONICS」の音も試してみましたが、これもNG。

というわけでKOTO NATIONでは消し爪の音は無いものと考えます

 

ここまでの奏法を学んだ直後のサンプル楽曲

はい、ここまで学んだ直後に、箏の独奏をババッと作ってみましたババッと。

抑揚はヴェロシティのみで表現してみました。いや~、頭でわかっているだけで全然身体に染みこんでないことがよくわかるサンプル曲となってしまいましたね。当り前なんですけど。

本来、きちんと聞かせられるようなレベルの曲を置いた方が私の体裁は保たれるのかもしれませんが(笑)、これは「箏を学び始めた直後のLv1の状態」ということで形に残しておくことにしました。

あとで聞き返してこのサンプルに何も違和感を覚えなかった場合、その時点で自分のレベルが上がっていないということになるはずなので。

 

春の海の耳コピ

記事終わりの箏サンプル曲が上のものじゃあんまりだろうということで、箏の楽曲として有名な「春の海」を耳コピしてみました。冒頭部分を聞くと、「あ、これどこかで聞いたことある!」と思うかもしれません。

箏に関しては、ヴェロシティで基本的な抑揚を作り、その音の質の違いなどで補いきれない部分はボリュームをオートメーションの書き込みでちょいちょい上げ下げしています。

耳コピのサンプルが途中で終わっているのは、そもそも箏の練習のつもりで耳コピしていたのに、箏よりも和楽の楽曲のテンポの取り方や尺八の抑揚の方に時間を取られてしまい、予想以上に長丁場になりそうだったからです(笑

尺八の音源選定もまだ済んでいないというのもあるのですが。

・・・というわけで、「春の海」はこちらの動画で堪能して下さい。

いや~~~、この手の耳コピは相変わらず大変なんですが、やっぱり勉強になるなぁ・・・。

 

おわりに

まだ箏に慣れ親しんでいない状態ではありますが、現時点で使っていくと箏らしい、もしくは実際に大事そうな奏法は、

右手

  • すくい爪
  • 押し合わせ
  • かき爪
  • 合せ爪
  • 流し爪
  • 引き連
  • 裏連
  • かけ爪
  • 割り爪

左手

  • 押し手
  • 後押し
  • 押し放し
  • 突き色
  • 揺り色
  • 引き色

・・・でしょうか。というかKOTO NATIONで表現しにくい奏法を除いた全部を書いただけのような。

ただ、箏の歴史はとても古いもので、今に伝わる奏法はそれぞれの意味や鳴らしどころの役割がしっかりあるはずなので、どれが良いとか悪いとかはないでしょう。一個ずつ使い所を理解していって、自然な箏の使い方が出来るようにこれから勉強していきたいと思います。

 

最後に、今回のレッスン動画の奏者の方の演奏の中で、個人的に好きな動画を載せてみます。タイトルとは裏腹にかなり激しくロックしているような雰囲気もあり、情熱を感じて凄くかっこいい。

 

それでは!

 

【2018年2月だけど】今更ながら2017年の総まとめをしてみる【遅すぎる年末】

こんにちは、お久しぶりのMAKOOTOです。

 

いや~~~~~~、前回の更新からなんと2ヶ月近くも経ってしまいましたか。

龍笛についての記事を書いていた辺りまでは良かったのですが、そこからがなかなか忙しくて(主に仕事)、そのまま1月が過ぎ、2月に入って中旬の3連休明けの火曜日である今日、やっと戻ってこれました(笑

 

このブログから発信していく音楽活動はまだ本腰を入れていない状態なのでそれが逆に良かったです、ほんと。

それでは、今更ながら2017年の音楽活動などについてほんとにざっくりまとめてみます。

 

2017年、制作楽曲数 – 87曲

2017年4月末からのMAKOOTO名義で作った曲数は87曲でした。

細かいものも入れると実際はもっと多いですが、公開用として完成させた分がこの数ということです。当初の予定よりは大分少な目なんですけど、まずは行動に移せたことがでかいのでよし。

 

内訳は、

  • オーディオストックに14曲
  • DOVA、ニコニ・コモンズに35曲
  • 2017年秋M3のコンピ企画で1曲
  • CombatHeavenのTrial版で10曲
  • じゃがいもクエストで26曲
  • Youtubeにアンダーテールアレンジ1曲

 

また、

  • オーディオストックでは昨年で計2件販売。
  • ニコニ・コモンズでの動画使用は150点くらい
  • DOVAにて使用報告(Youtubeやラジオ、ゲーム等)のあった数だけで30件くらい

でした。

 

以下、それぞれについて大雑把に書いていきます。

 

オーディオストック用 – 14曲

オーディオストックには、4/24~6/28の約2ヶ月で計14曲投稿。ほんとはもうちょっと継続する予定だったんですけど、7月からぱったり途切れてしまった。

夏に仕事をシフト&暑さでやられていたというのもありますが、オーディオストックに投稿しだして他の方の楽曲を聴く内に自分のクオリティに不満が出てきて、このまま量産するよりもっと精度の高い楽曲の方が良いだろうと思ったのが一番の理由。

 

その14曲での去年の販売実績は上の通り。

これは一見少ないかのようにも見えますが、個人的には十分成果ありと思っています。なにせ当時何が好まれるかの傾向も見えていない段階での投稿でしたから。

 

今年は少し狙いを絞って、楽曲数も多めに投稿していこうと考えています。

 

 

DOVA、ニコニ・コモンズ用 – 35曲

5/16~9/23の約5ヶ月で計35曲。こちらは夏を過ぎて秋に入るまでちょくちょく曲作りを続けていました。

 

「どた☆ばたコミック!」が意外と伸びて1,000DL行ったこともあり、ここは頑張らねばと思って9月までは悪くないペースで曲を作れたように思います。この辺りから徐々にブログの記事に力を入れ始めたため、10月以降投稿は出来ていません。

「継続は力なり」ということがよくわかりました。

 

M3のコンピ企画 – 1曲

2017年秋のM3のバトルコレクション3に1曲

こういうコンピ企画に参加するのはほんと数年ぶりなので、1曲とはいえとても良い一つのきっかけになりました。

また、この作品やM3で他に頂いたりなどしたCDの曲を全部ブログで感想を書けるくらいに聞き込むことで、結果楽曲作りに対する理解と、色んな作家の方々の実力や想いを感じることが出来た。

自分の中の炉心に活というか、火が注がれた気がします。

 

CombatHeaven用 – 10曲

コンブ用の曲はまだトライアルverでは使われていない曲を含めて30曲くらいは作っていたのですが、一応正式にトライアルverとして使用が決まっている分で10曲

効果音も色々作っていましたが、今回は割愛。

制作者のtonowiさんも年末クソ忙しかったみたいですが、正規版の開発も少しずつ進んでいるようなので、こちらの楽曲制作は今年も引き続き力を注ぎたいところ。

 

じゃがいもクエスト用 – 26曲

2017年11月、第7回APOLLO用「じゃがいもクエスト」の曲で計26曲

「自身の成長」と「ファミコン初期~後期にかけての音の使い方の修練具合」を重ね合わせて、シリーズ化して作ってみたらリアリティもあって良いんじゃないかなーと思って始めた第一作目。

そして、この自分で作ったファミコン音源を現代風アレンジという形で今後音素材として出していくのも、一から作るよりずっと楽だろうと。

 

Youtubeにアンダーテールアレンジ一曲

 

今後の自分の活動にYoutubeもそろそろ取り入れてみようと思って作った一曲。何気に動画を作るのは初めてだったのですが、慣れれば案外サクッと作れるようになるもんですね。

アンダーテールは作品が素晴らしすぎて、メガロバニアアレンジしたけど原曲にはやっぱ敵わないなーって感じです。

 

 

ブログに書く記事の内容

2017年は、ブログを拠点に音楽活動をさぁ始めようということで動いたわけですが、実際どういう内容をブログに書けばいいかはよくわからなかった。

なので、この界隈では有名なこおろぎさんsleepfreaksさんなどを参考にしつつ、まずはこの世界に馴染んでいこうということで、プラグインやセール情報の記事を書いたり、エフェクトの使い方なども書いていきました。

まー正直言うと、すでに他の方がやっていることを踏襲してみた形が多かったです。でもやらないことには何もわからなかったし、ミスもする事で情報を発信していくことの難しさを多少なりとも学べた気がする。お陰でどんなことを書いていけば自分らしさが出てくるのかも見えてきたように思います。

 

年末辺りから、記事として面白い形をとっていけそうだなと思ったのが、楽曲使用して頂いた作品に関するレビュー記事。上は私と同じ名前のMakotoさん作・STG系3Dフリーゲーム「GLOBE GUNNER」の画像です。

私の楽曲作成スタイルは、音楽をメインではなくサブ的要素として何かに使ってもらう形を取るため、自分で作った楽曲をまるで他人のように客観的に聞ける耳が必要になる。

 

こちらは「僕とお嬢様の嘘つきな箱庭」。

どういった用途で使われ、どういったものが求められているのか。それを確認すると同時に、今まで知らなかった作品を純粋に楽しむ機会を与えてもらえることになるので、このレビュー系記事はこれから自分のブログのメイン記事として書いていければなぁと思っています。

作品の宣伝にもなりますし、自身の視野を広げることにもなる。

 

それに、作者さんとのちょっとしたやりとりなども出来て楽しいんですよね。

こちらの「ナントカ三術将2.5 ジーンと夢の島」の作者の三條さんとゲーム内のドット絵やストーリーなどについてお話を伺った時も、作品づくりに対する想いなどが聞けて凄く刺激になりました。

 

ドラクエ11の記事が一番伸びている件

サウンドクリエイターのブログなのに、試しに書いてみたドラクエ11の記事に一番人気をもっていかれてしまっているというこの体たらく(笑

まぁ、今の段階では当然といえば当然なので、まずはドラクエに負けない音屋としての内容作りを心がけていこうと思っています。

 

 

今年は「安定して音楽制作活動をしていく」。

 

軌道に乗れば当り前のことも、去年の私の立場ではそれが案外難しい環境にいることも改めて思い知らされた。ほんと、なにもかも一から始めていってるような気がする。

 

 

音楽活動の収益に関して

収益に関しては、まだ外注を受けられるような作りを用意していないことと、自身の活動の規模の小ささから、書く必要もないとは思いましたが、

 

去年の音楽収益は15,000円くらいだった

 

ということだけ書いておきます。

内訳はDOVAでのアドセンス収益とオーディオストック2件の売上、それとAPOLLOでのBOOTH販売3,000円弱というところですね。コモンズのクリエイター推奨スコアは4ヵ月後に反映されるので、カウントはしていません。

 

PV数について

2017年の年間PV数は10,000くらい

4月にブログを開設して9月くらいまでは平均500PV。10月にはドラクエの記事やXpand!2のセールの記事を書いて、そこから平均3,000PVとなっています。

ただこの数字については、音楽の内容というよりはどういう記事を書くと一定数読まれるのかを知る目安というくらいなので、相変わらず「へー、そうなんだぁ」くらいの認識しかもっていないという。

 

この去年の流れを今年にどう活かしていくのか、

私は今年の自分が楽しみで仕方がない(笑

 

去年のブラックフライデーとクリスマスキャンペーンで音源もかなり増強されましたし、ブログの方向性もある程度見えてきましたから。そして、小規模ながら実績もしっかり出来ている。

ワクワクします。本当に。

むしろこの、“自然と毎日にワクワクする”という自分を作り上げることの方に相当年月をかけてきているので、是非私にはこれから最高のパフォーマンスで活動していってもらいたい(笑

 

 

おわりに

毎年「今年はこういうことをやろう」とか色々な目標を立てていたのですが、今年は敢えて何も決めないことにしました。

その代わり、やれる時に全力でやれることをやる

 

寝るときには寝る!(笑

 

やっぱりね、寝た方が良いです。

徹夜明けでも良い感じに力まずに起きてられたりしますが、作業してても自覚なくミスしてることが多い。そのミスは結局あとで修正しなきゃいけなくて、かえって時間食うケースがほとんどです。

 

というわけで、寝るときには寝る!これが大事です。(なんのまとめだ

 

それでは、今回はこの辺で!

 

【DTM】雅楽の三管の一つ、横笛の『龍笛』を学ぼう【和楽器】

雅楽で仕様される3つの管楽器、『笙』、『篳篥』、『龍笛』。

 

今回は「龍の鳴き声」と称される横笛、

『龍笛』

について、簡単にどういう楽器なのかを見ていきたいと思います。龍笛については音色はフルートとほとんど変わらないので、今回は音作りはしていません。

 

龍笛とは

雅楽の楽器の中では広い2オクターブの音域(E5~D7)をもち、低い音から高い音の間を縦横無尽に駆け抜けるその音色は「舞い立ち昇る龍の鳴き声」と例えられ、それが名前の由来となっている。

出典:Wikipedia 龍笛より

とのことで、素晴らしくかっこいい。

龍(竜)については、古代中国が起源とされているようですが、

  • 西洋では身体の太いタイプの地上型「竜(ドラゴン)」
  • 東洋では細長く、水中もしくは空にいるタイプの「龍」

と認識が分かれているのは面白いところ。

 

そしてこの横笛は古くから非常に人気のある楽器だったようで、古代日本では奈良時代から始まり、平安時代でも公家・武家共に好まれ、いくつかの書物にもよくその名が出てくるそうです。清少納言も篳篥とは正反対の大絶賛で、牛若丸(源義経)の持つ笛もこの横笛。

とにかく親しまれていたことだけは確かで、持ち運び易くてメロディも奏でやすい。また音色も優しく響くので、これで人気が出ないわけがないですね(笑

 

大神に出てくるウシワカもこれを持ってます。なぜか陰陽師で中途半端な英語を使いながら、これで叩っ斬ってくるウシワカイズヒア。

 

 

龍笛の長さはおよそ40cm。上のイラストでは5つですが、龍笛の指穴は7つ

「歌口」と呼ばれる吹き口には蝋が仕込まれていて音程などを調節し、その上の部分には笛を吹くための重心調整と音量を上げるために鉛が仕込まれているそうです。

 

そしてこの龍笛は「横笛」と言われ、横笛には龍笛の他に、

  • 高麗笛:約36cm。指穴6つ。龍笛よりも細く、高い音が出る(2度上)。狛笛とも。
  • 神楽笛:約45cm。指穴6つ。龍笛よりも太く、低い音が出る(2度下)。大和笛とも。

があります。

 

この3種類の横笛は、

  • 龍笛(りゅうてき)は、奈良時代から平安初期にかけて中国大陸より伝来した、宮廷の娯楽や儀式的に使われた「唐楽」
  • 高麗笛(こまぶえ)は朝鮮半島より伝来した「高麗楽」や、平安時代の東国の風習を取り入れた「東遊(あずまあそび)」
  • 神楽笛(かぐらぶえ)は、神を祭る、神の降臨の儀式・お祭りの「神楽」

で、使われるとのこと。

それぞれ異なる伝統があるようですが、今回は大まかにどういった用途で使われるかの把握に留めておきます。

 

 

ちなみに「能管」といって、龍笛に良く似た横笛がありますが、こちらは

「龍笛は能管の原型であるが、能管には龍笛にはない「のど」と呼ばれるものが笛の内部に入っており、音を出しやすくしてある」といわれます。

出典:雅楽-gagaku-あれこれ 龍笛と能管の違い より抜粋

とのこと。また上の動画によると、能管は合奏には向かず効果音的使用として用いられるということのようです。能管は龍笛の派生楽器らしいのですが、とても奥が深いですね。

 

 

龍笛の主な役割

龍笛は、音階も広く(E5~D7)篳篥よりも優しい音を出すことから、主に副旋律を担当。ただ、その使用をみるに、主旋律である篳篥を装飾するだけではなく、時としてその主旋律にいることも多いように思います。

 

また、雅楽の楽曲の始まりを司る役割もあり、楽曲の頭には、まずこの龍笛から演奏が始まるのが基本のようです。楽曲や調によって常にそうであるとも限らないようなのですが、基本は「龍笛から始まる」と、ここでは押さえておきます。

 

 

龍笛の音をフルート音源で代用

Youtubeなどで龍笛の音を確認してみたところ、高音なためか、

  • Xpand!2のフルート音色
  • Hollywood Orchestra・Woodwindsのフルート音色

と音色自体はほぼ変わらない印象を受けました。ただ、息の吹きぬけるようなわずかなブレス音が欲しいとは思ったのでPan Fluteを重ねようと考えましたが、Xpand!2にそれが無かった。それにXpand!2のフルート音、龍笛として考えるとビブラートが掛かりすぎている。

 

なので、今回龍笛の音はEASTWESTのハリウッドオーケストラのフルート音源でそのまんま代用してみます。

龍笛の音はあまり大きくビブラートが掛からない音の伸びを感じるので、ビブラートがあった場合、振れ幅は小さく、またどちらかというと細かい周期の音色を使う必要があると思いました。なるべく伸びの感じる音色で代用すると良いかもしれません。

そして、音色は龍笛と似ていますが、このサンプルの場合、音が綺麗過ぎる気がする。龍笛のあの独特の息の吹きぬけるようなブレス的な感じがない。

 

RAに入っていたPan Fluteでところどころのノート頭のブレス部分だけを追加。少しはマシになった気がしますが、RAのPan Fluteは音階が足りないため、欲しい音のブレスを鳴らせないのが痛い。

 

音色代用で作った笙と篳篥の音も混ぜてみます。こう聞くと篳篥の音にパンチが無いですね。重ね合わせているのに雅楽のような雰囲気が感じられない。うーん、この篳篥の音だと多分、清少納言に「耳にやかましい」と言って貰えないだろう。どうしたものか。

 

篳篥の音の打ち込みを少し変えてみました。さっきよりは少し篳篥っぽさが出たような…?(私の中の清少納言はまだ不満げではあります)

 

篳篥の打ち込み図。ボリュームの抑揚をトータルで上げ・下げ・上げにしてみたのと、ピッチベンドで伸ばす部分のノート頭をかなり大げさに書いてみました。ハンパに上げるよりもがっつり素早く上げてやった方がそれっぽく聞こえたんですよねぇ。

 

 

こちらの、初めて篳篥を吹かれた動画を拝見すると、弱く吹いてもしっかり音程は保たれているように思えるので、ノート頭をピッチベンドで下から少し持ち上げてそれっぽく聞こえるのは、耳のトリックなようです。

 

打ち込みでは、音色によって実際の原理通りに弄ってもそれっぽく聞こえないこともしばしばあるので、こうして実際とは違う音の動きを加えて耳の錯覚を使うこともよくあります。あくまで近似操作にすぎないのですが、結果的に「篳篥のそれっぽくなった」のなら、それはそれで良しと私は考えます。

 

 

まとめ

ひとまず龍笛についてまとめますと、

  • 副旋律を主に担当(主旋律にいることも多い)
  • モノフォニック楽器
  • 音階はE5~D7と広め
  • 音の立ち上がりの息の吹きぬける音が特徴的
  • 音色はフルートにかなり似ている
  • ビブラートはあまり大きくかからない
  • 音は優しく、親しみやすい

 

フルートの音を龍笛として使う場合、かなり音色が似ているのでそのまま代用してもいいかなとは思いますが、工夫が出来るのであればそうした方が更に雰囲気は出るかと思います。

いきなり作りこみが過ぎると、肝心の龍笛を使うことに嫌気が差さないこともないので、今回はこのくらいにしてみます。徐々にでいいんです。下手に見栄は張らない。

 

それではー

 

【DTM】Xpand!2を使って和楽器『篳篥』の音作りをしてみる【雅楽】

雅楽の三管と呼ばれる、笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)、篳篥(ひちりき)。

 

今回は、その吹き物の一つである、

『篳篥』

という楽器ついて、DTMで楽曲を作っていく上でどのような楽器なのか、どんな役割があるかなどをまとめてみます。

篳篥もまた笙と同じく音源が全然出回っていない楽器なので、似ている音色を代用して使うことにしました。「GARRITAN WORLD INSTRUMENTS」には入っていましたが、国産ではまだ私は確認出来ていません。SONICA INSTRUMENTSさんのような和楽器専門の音源として是非欲しいところですよねー。

 

 

篳篥とは

雅楽では、笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)と篳篥をまとめて三管と呼び、笙は天から差し込む光、龍笛は天と地の間を泳ぐ龍の声、篳篥は地に在る人の声をそれぞれ表すという。篳篥は笙や龍笛より音域が狭いが音量が大きい篳篥は主旋律(より正しくは「主旋律のようなもの」)を担当する

出典:Wikipedia 篳篥より

実際の雅楽の曲調ではあまりそういう印象は受けないかもしれませんが、例えるなら歌モノでいうボーカルの役割を果たしているといえばわかりやすいかなと。

 

長さは18cm。見た目はとても小さいのに、非常に力強い大きな音が出ます。そして楽器としての構造はオーボエに似ている。

 

音域は、西洋音階のソ(G4)から1オクターブと1音上のラ(A5)が基本だが、息の吹き込み方の強弱や葦舌のくわえ方の深さによって滑らかなピッチ変化が可能である。この奏法を塩梅(えんばい)と呼ぶ。

上の動画でも言っているのですが、「いい塩梅だなぁ~」というのはここから来ているようです。面白いですねー、歴史の謎を一つ解き明かした気分です。

音階はG4~A5とありますが、実際Saxなどの音色で当ててみるとこれも音的に1オクターブ高かったので、Cubaseなどで打ち込むときはG3~A4という風に1オクターブ下げて音を当てていきます。鳴らせる範囲は狭いですね。

 

力強い音が印象的な一方、こちらの動画のように、柔らかで甘い感じのする音色も特徴的。音の繋がりが非常に滑らかです。

 

そして面白いのが、

篳篥にはその吹奏によって人が死を免れたり、また盗賊を改心させたなどの逸話がある。しかしその一方で、胡器であるともされ、高貴な人が学ぶことは多くはなかった。

とあり、清少納言も「耳にうるさい」みたいなことを言っていたようなので、平安時代では甘く優しい音の出る篳篥というよりは、どちらかというとラッパみたいな印象のある音として使われていたのかなぁと思いました。

胡器の「胡」とは「えびす」のことで、いわゆる辺境に住む民族のこと。古代日本だけでなく、古代中国でも「胡」は”文化性の低い野蛮な民族”という意味として、中央政権からはこの言葉が使われていたらしいです。あくまで文書を残した国家から見た評価なので、そんな野蛮ではなかったとも思うんですけどね。想像を膨らませると面白い(笑

 

歴史としては、大石峯良(平安時代中期の人)が「篳篥の楽祖」とされ、平安時代には主に大篳篥が使われたがその後用いられなくなり、再び使用されるようになったのは明治時代だそうです。

一般的に言う篳篥は「小篳篥」になるので、「大篳篥」については今回割愛します。

 

 

篳篥は単音・モノフォニック

篳篥には笙のような単独での和音発声はありません。モノフォニックです。

そして篳篥はダブルリードなのですが、このダブルリードという意味は、

ダブルリードは、乾燥させた葦を削ったものを二枚重ね合わせて作られ(篳篥の場合は、乾燥させた筒状の葦の茎の一端を潰して削る事によって作られる)、これを楽器の吹口に取り付けて吹くことで振動させる。

出典:Wikipedia ダブルリードより

ということで、こういった吹き口が二枚重ねの作りになっている楽器の総称のこと。一本で2つの音を同時に出せるとか、そういう意味ではありません。

 

 

篳篥の音作り・サックスの音色で代用

篳篥の音源が少なくとも今、私の手元には無い。それは事実。

ということで、今回もXpand!2を使って篳篥の音を再現してみます。別にXpand!2でなくともいいのですが、私の中でXpand!2の音は結構汎用性の高い音といいますか、加工するにも融通が利くイメージがあるんです。

他には例えば、先日購入したKONTAKTシリーズのライブラリの中に入っていたAlto Saxophoneなど、キンキンさがキュッと詰め込まれたような音色でなかなか良さそうだとな思ったのですが、なんとAttackパラメータがなかったという。

そういうわけで、Xpand!2を使うことにしました(笑

 

サンプルは平調・越殿楽(越天楽)を参考にしています。

なんだろう、お豆腐屋さんみたいでもある(笑

 

音色は016 Brass+Woodwindの「Baritone Sax+」に、同じく「Alto Sax+」を小さく重ねがけしています。Attackは結構遅めに設定し、Releaseも気持ち遅めにしています。アタックをあまり遅くしすぎると篳篥らしさが失われてしまうのと、リリース少し伸ばした方が音と音の繋がりが滑らかになりやすいので、そうしました。

 

これは一例ですが、篳篥の周波数特性は力強い時はこのような形になっていました。

 

なので、Xpand!2の音にまずディストーションを薄っすらかけてから、このようにEQで足りない部分をかなりブーストしました。いつもなら最終ミキシングで削る帯域である、1.5kHz、2.5kHzを逆に、狭めたQで持ち上げてやり、その後に薄くコンプを掛けました。

 

・・・ミキシングでは普通はこんなEQの持ち上げ方はしないとは思いますが、一つの音作りの場合では、私はちょくちょくやってます。違和感が出ない程度に

ハチプロ(SC-88pro)を使っていた頃の癖でレゾナンスとかもXpand!2のコンソールで弄れたら良かったんですけど、それは無かったのでEQで済ませてみています。

 

 

折角なので以前音作りした笙の音も一緒に重ねてみます。進行は「凢・一・乙・乙」。

まだまだ納得のいく音にはなっていませんが、雰囲気は出てきたのではないだろうか。

 

今回の打ち込み画像。

cc7メインボリュームで抑揚をつけることにし、頭のピッチベンドをちょこっとだけ弄りました。ベロシティは、Attackはそんなに欲しくないけど音のキンキンさは欲しいので、強調したいところはMAX。少し消えていく感じを出したい部分は下げ目に。

 

 

まとめ

現時点での篳篥についてをまとめると、

  • 主旋律を担当
  • モノフォニック楽器
  • 音階は基本がG5~A6(打ち込みでは1オクターブ下に)
  • 音の立ち上がりや繋ぎは滑らか
  • 強い音ということが特徴的(柔らかい音も出せる)
  • 野生的であり、雅で艶やか
  • 柔らかい音の時はどこかエロい
  • 原理はオーボエに近い

 

構造がオーボエに近いということもあるので、立ち上がり感の似ているオーボエで代用してもいいのかもしれません。Saxは音こそ似ていますが篳篥に代用するにはAttackが強すぎるので。

そして篳篥はリードを司るだけあって、抑揚の取り方がやはり肝になると思いました。これからもっと研究していこう。

 

最後に、甘い音色の篳篥の動画を載せておきます。かっこいい・・・

 

それでは。

 

【DTM】Xpand!2を使って和楽器『笙』の音作りをしてみる【雅楽】

こんにちは、MAKOOTOです。

最近、三味線や民謡などに触れる機会があり、またそろそろ本格的に和楽器を主体とした楽曲を作っていこうと思うので、自分の知識の整理・底上げも兼ねて和風の楽器や楽曲などについての記事を書いていこうと思います。

 

手始めに今回は、雅楽の楽器の一つである

『笙』

についての音色と合竹(コード)、そしてどういった楽器なのかを簡単に書いてみます。

笙はですね~、昔からずっと気になっていた楽器で、その音色が非常に神々しくて好きだったんです。ゲーム「大神」をプレイした時に、いつかこの楽器を使った楽曲を作ってみたいとずっと思っていました。現物はまだ手に入れられてはいませんが、今は自分に出来ることをやろうと勉強しています(笑

 

笙とは

日本には奈良時代ごろに雅楽とともに伝わってきたと考えられている。雅楽で用いられる笙は、その形を翼を立てて休んでいる鳳凰に見立てられ、鳳笙(ほうしょう)とも呼ばれる。(中略)その音色は天から差し込む光を表すといわれている。

出典:Wikipedia 笙より

音色を聞けば、「ああ、これか~!」とすぐにわかると思います。非常に神秘的で神々しい音色

この楽器は、

17本のうち15本の竹管の下部に付けられた金属製の簧(した:リード)を振動させて音を出す。

とあり、パイプオルガンのリード管と同じ原理。また、ハーモニカと違って、息を吹いても吸っても音が鳴るというものです。

 

17本の竹の出音とそれぞれの名称は上図の通り。

ちなみに、

也・毛は、奈良時代の笙では簧(した)が付けられていたが、現行の笙では通常簧が付けられておらず無音であり、外観を整えるために竹が残されている。

伝来当初ははG6、はD#5であったが、現代音楽等ではをA#5、をF5として簧を付けた特別仕様の笙が使われることもある。

とのことで、「也」と「毛」は基本無音だそうですが、ここでは一応出た場合の音も記載しています。

 

この図では、

  • 左が「也:G6、毛:D#5」(伝来当初)
  • 右が「也:A#5、毛:F5」(現代・特別仕様)

を加えた笙の全音階です。

 

こちらの動画では、上画像の右側の方の音階と同じですが、古来の方(左側)では「Eb・F・Bb」は使われておらず、C音もC6のみですね。F音はGを基音とした呂旋(ミクソリディア)である双調(そうじょう)のみに入っています。そして雅楽における六調子では主に「D・A・E・B」の4つの音がよく使われるそうです。

 

 

笙の合竹

合竹(あいたけ)とは、笙で作る和音のコードのようなもので、5音・6音で構成されています。全部鳴らす場合もあれば、一音ずつ重ねていく場合もあります。

 

ここで、

「十」と「比」を除き、構成音のうち最も低い音の管名が合竹名となっている。行と七の音は全ての合竹で用いられ、逆に言(C#6)の音はどの合竹にも入っていない。

とあり、またこの合竹の最も低い音は旋律を司るともあります。

言(ごん)の音はC#6。言の音は笙で鳴らすことは出来ますが、合竹(笙のコードのようなもの)には使われないということですね。また、工(く)の音はC#5なので、こことも区別が必要になります。

 

以下、Xpand!2にあるハーモニカ音源の音をそのまま代用して、ひとまず音の雰囲気を感じ取ってもらうくらいのサンプルとして合竹を載せてみます。ちなみにWikiで見たままの音の位置をそのままXpand!2で鳴らしたところ、実際の笙の音より1オクターブ上の感じがしたので、Xpand!2のハーモニカ音源では1オクターブ下げて鳴らしています。

そして、基音となる部分を太字にします。「十」は下から2番目、「比」は下から3番目が基音となり、「十(双調)」は六調子の内の双調のみで仕様する合竹とのことです。

 

乞(コツ)

構成音は、乞(A4)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6)

 

一(イチ)

一(B4)、凢(D5)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、千(F#6)

 

工(ク)

工(C#5)、凢(D5)、乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)

 

凢(ボウ)

凢(D5)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6)

 

乙(オツ)

乙(E5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

下(ゲ)

下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、千(F#6)

 

十(ジュウ)

下(F#5)、十(G5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)

 

十(双調)

十(G5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)

 

美(ビ)

美(G#5)、行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、千(F#6)

 

行(ギョウ)

行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

比(ヒ)

行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

 

笙の音作り・ハーモニカ、アコーディオンの音色で代用

笙の音源は、調べてみても「コレ!」という音源が意外と出てきません。日本だけの楽器ではないので、ワールドエスニック総合音源みたいなものには入っているかとは思いますが、私はまだ見つけきれていません。

ですので、笙を音色として再現する場合、似たような音色であるハーモニカ・アコーディオンの音源で代用して、簡易的に笙の音を表現することにしてみます。楽器の原理も近いですしね。

 

以下は、Xpand!2のハーモニカ・アコーディオン音色で笙に音を似せるよう加工したサンプル曲です。

進行は、雅楽では有名な「越殿楽」の頭の進行をお借りして「凢・一・乙・乙」

進行だけを真似て合竹を置いただけで、実際の越殿楽の鳴らしではありません。

打ち込みはひとまずこのような感じ。息の流れと手移りがちと不透明で、ノートの伸ばし方はかなり勘が入ってるので参考にはせずに(笑

 

EQとディストーションを薄掛けして音作りをしてみましたが、実際の笙の音が生み出す艶やかなあの音とはやはり結構違いますね。統一感のある倍音成分の表現までは流石に音源にもよりますし。

その道の人が聴いたら「違うかな」と感じるとは思います。ただ、他の楽器と混ぜて雰囲気を出す分には、私はひとまずこれでも十分だろうと思います。そもそもハーモニカ等違う楽器音源で代用しているのだから、そこは致し方ないところ。

 

具体的な音色は、Xpand!2の020 Ethnicの「Harmonica+」と、それに小さく「Tango Accordian+」を重ねました。弄った箇所はHarmonica+の「Room Amount」を少し絞って広がりを消したくらいで、音量調節以外何もしていません。

 

 

まとめ

改めて笙の合竹を見ると、D・E・A・B音が頻繁に出てきているのがわかります。これは雅楽の六調子によるものなのですが、今回は笙の音色と和音に焦点を当てる形にして、雅楽についてはまた別の機会に記事にしようと思います。手移り(指運び)も実際のものがないとかなりわかりにくかったので(笑)

ちなみに、雅楽の調以外で笙を使う場合は、「D・E」、「A・B」、「E・F#」など、高域での全音間隔の音の重なりによる響きが笙の音の特徴の一つとも言えると思われますので、この構成音に合った調で曲を作ると良さそうかなと考えます。

今回の内容をまとめると、

  • D・E・A・B音は頻繁に出てくる
  • 高域なので合竹の不協和音はあまり気にならない
  • 全音間隔の組み合わせによる響き
  • 合竹(コード)は5・6音構成
  • 音の立ち上がりは緩め、音の消え入りも緩やか
  • 独奏も可能
  • ハーモニカ・アコーディオン系音源で代用は可能
  • 原理はパイプオルガンと同じ
  • 神々しい音色が特徴的

 

・・・といったところでしょうか。ざっくりすぎる気もしますが、ひとまずこれで「笙という音色」は使える形になるのではと思います。音色もそうですが、むしろ笙の表現には抑揚の方が大事な気がしますね。

 

最後に、笙職人さんの動画を載せておきます。

 

それでは!

 

【2017年秋M3】『BATTLE COLLECTION 3』を聴き終えての感想

sayaquさん主催、文字通りバトル曲を主題にした、

 

『BATTLE COLLECTION 3』

 

これに関しては曲数が多かったので、是非まとまった時間を取って感想を書きたかった。最近ぷちレビュー屋みたいなブログ記事が続いてますが、これは私なりのインプットの一つの形なので問題ないのです、ええ。

 

さぁ、聞いていこうじゃないか。

仮に1作品のゲームがあったとして、それに3つの戦闘曲が使われていると仮定すると、50曲はだいたい15~17作品のゲームが平均あることになる。それくらいのゲームのバトルサウンドを聞き込んだとなれば、きっとバトルマスターになれるに違いない

バトルマスターって、「がんせきおとし」とか使えたっけ・・・?忘れた(ドラクエ脳

 

BATTLE COLLECTION 3

1.For the Glory

Tsurugi(kt of 24)さん作。

バトルものながら、その中でもオープニングに相応しい物語の始まりを感じさせる曲。バトルものにギターサウンドというド定番中のド定番。この曲にはオープニングを感じさせるというよりは、主人公が堕ちるとこまで堕ちて、そこから一転、一大復帰したような壮大なロマンと哀愁を感じさせる曲展開になっています。

イントロの高速ギターリフとコーラス、続くピアノの高速アルペジオから始まり、メロディアスなリードギターがガチ勇者を感じさせる。これはまじでかっこいい。休符の使い方とか上手いし、さすがTsurugiさんだなぁと。ちなみにラストからまたこの頭に戻って曲を聴くとほんと始まりという感じがしてすんげーかっこいい。

 

2.The Burning Fist Of Revenge

清水 嶺さん作。

嶺さんといえば、ケルト系民族音楽の印象が強いのですが、この曲はガチでデスメタル。デスボイスもしっかり発声されていて、ギターの音、ソロ部分もちゃんとデスメタルやっててほんとこの人の多彩ぶりなんなのギャラクシーなのと思ってしまう。民族の色を一切感じさせない。この曲聴いたら普通にデスメタルの人だと思い込んでしまう完成度の高さ

ギターの音作りと、ドラムの音とか、ほんと研究しているなということがよくわかります。グレンラガンのヴィラルとの戦闘の時にこういうゴリッゴリのバリッバリのしかも丁度良い柔らかさのあるBGMがかかっていたのですが、ああいう重々しいイメージですね。タイトルもあいまってクソかっこいい。

 

3.Punishment

Winna Striveさん作。

ウィナさんはメロスピを心から愛しているだけあって、様式美すぎるくらい様式美。10年近く経ってもその哀愁さに色褪せるところを感じない。しかしこの曲はウィナさんの楽曲にしては速くないんですよ。しっかり戦闘のリズムというところが意識されている。

バテンカイトスを思い出しますね。メタル系として、ツインリードとピアノでこれでもかといわんばかりに戦闘の悲しさを物語っている。ストリングスがまた高いところで鳴ってるのも美味しいですね。バスドラの踏み具合がメタラーらしくて好きです。

 

4.Red Warriors

rsyさん作。

イントロにギターの音を使ってはいるのですが、それがセンターにあり、リードのオルガンが左右に振られていると言う構成から、一対一を彷彿とさせるどこか神秘的な感じのある曲。要所要所でベースが非常に高速に動くところがなんか良い。かっこいい。近未来的な印象で、マシーン相手の戦闘といいますか。

シンプルな曲展開そうで、実は目立たないようにセンターにオルガンらしき音色が重なってるのがまた良いです。後ろで鳴ってるシンセも空間を感じさせる。繰り返しが多い中、ベースがしっかり動いているところに不思議と飽きを感じさせない。これは上手い。

 

5.FateRival

ワカユウさん作。

私の個人的なイメージなのですが、イントロでキングコングのような凄い強い敵が想像できてしまった。Bメロのキメから、サビに入るところがめっちゃ美味しいギターサウンド系バトル曲。コーラスとリードギターのメロディがかっこいい。

全体を通しての緩急の上手さもあるのですが、その繋ぎやキメの部分の間の作り方が非常に上手いなと思ってしまった。スネアの時もあるし、ギターの時もあるし、なんていうんですかね、上手いんですよ。この曲の展開がもうまさに「宿敵」に相応しい。というか50曲中5曲目でライバル戦って早くないですか(笑)密度の濃さが伺えます。

 

6.Hero vs. Deja-Vu

Daisukeお姉さん作。

イントロの小さい光から、戦闘の展開が一気に開いたような感じがしました。曲を通して様々な戦闘の効果音が入っていて、それがまた走馬灯のように感じて非常に印象的。ブラスと小気味良いリズムがまた美味しいですね。Undertaleのアズゴア戦を思い出しました。効果音が、効果音として鳴っているところと曲の一部になっているところの境界線がまた良い。

曲の速さは決して速いわけではないのですが、淡々とこれまでのことを思い返しながら、どこかで胸がえぐられるような、どこか泣き出してしまいそうな悲しさを感じてしまった。私こういう曲大好きなんですよ。上手く言えないけど。最後明るく終わって、二つのモノが倒れる音が聞こえますが、これは・・・相打ちなのだろうか。

 

7.Barrage

Rutlδさん作。

EDM風の、太いけど柔らかいシンセ音が気持ちの良いサイバー系バトル曲。マシーンが意思をもって人間に近い挙動をしているようなイメージがあります。私はこういう曲あんまり作れないのでメチャクチャかっこいい。1:21辺りの一瞬潜り込むような音使いと3連符のところ、何度か聞き返しました(笑

この音がせり上がってくるような盛り上げ方や飛び交うようなシンセ音、ほんと何度聞いても飽きないのが凄い。これだけ音が自在に動いていて、展開も豊富なだけで十分なのに、曲としてコード展開もしっかり入っているので、何度も聴くことになるバトル曲なのにまだ聴いていたくなる。ループBGMの鏡だなと思いました。

 

8.Keep your Ambitions!

Rwiさん作。

この曲は~~~!!洞窟物語大好きな私にはこれはとても美味しいですぞーーー!!ピストンコラージュの音、忘れちゃいましたがこれもしかして使ってるんじゃないか・・・?だとしたら美味しすぎる・・・。

チップチューンに分類されるのかもしれませんが、波形メモリ音源で作られたようなサウンドがまた美味しい。ノイズ音がスネアの代わりになっているところと、サーッと後ろで音の厚みを加えているところがまたシブい。カウンターメロディが後半ずっとメインメロディに寄り添っているところなんか、カーリー背負ってるみたいで(略)。転調も含んで、最後まで展開にしっかり気を遣っていて、いやー素晴らしい。

 

9.Our Battle

せーらんさん作。

ピアノとストリングスから美しい河の流れを感じさせつつ、ノリの良い展開を彷彿とさせながら、Aメロ、Bメロ、サビに素早く移ったかと思ったら実はそのあとにもう一個サビがあったという、矢継ぎ早の戦闘にピッタリの曲。目まぐるしく移り変わる戦闘をこうまで細かく展開分け出来るのはすごい

私が少し彷彿とさせたのがスーファミ時代のファイナルファンタジーと、東方系に近いどこか和風さを感じる旋律。しかし丁度曲の間にEDM系のシンセ音がガツッと入ってくるんですよねー・・・なんちゅう多彩さ。聴き応えありすぎて3分弱があっという間でした(笑

 

10.SOLAR_Ba

十字ロさん作。

軽快なピアノから始まり、クロノトリガーのカエルを思い出すようなノリのある勇敢さを醸すリズムとプログレ風コードワーク。これも非常にかっこいい。その後の中盤のチップチューン風サウンドがゲームのアクションをやってる!という感覚がして楽しくなるのですが、ここで落ち着いたかなと思ったらまた動く。もう技術が詰め込まれすぎてて一言で言い表せないのが本音です。空間を感じさせるんですけど、なんの戦闘でもあいそうな万能さも感じます。

よく聴いていると、リズムも結構細かく違っていたり、パーカスの展開も一回聴いただけじゃ把握出来ないくらい細かい。シンセ音なんか、サステイン短めで印象付けているかと思えば今度は伸ばして滑らかにしているとか・・・レベル高いっす!(笑

 

11.vainglory encouter

MachiaWorksさん作。

ストリングスから緩やかなベースでぐいんと引っ張られる戦闘曲。ピアノとストリングス、それに緊張感を煽るシンセ音と軽快なドラムが、気の抜けない緊迫したバトルを感じさせます。なんだか渦の中で不安定ながら敵と対峙しているみたいな。

ストリングスの存在感が、ひたすら時空の流れを突き進んでいるような感覚を作りますね・・・パーカスの鳴りも荘厳さを作り出して、対峙している敵は人型ではなく、何か大きな「存在」みたい。ゾッとする部分と言うよりは、そういうものであるという。なるほど・・・vaingloryとは虚栄とのこと。見えざるものということなんですね。勉強になります。

 

12.Black Glass

主催のSayaquさん作。

これもダークな感じのする神秘的なサウンド。ベースがボワンとした不透明さを感じさせるところに、どこか影を追いかけるような駆け抜ける戦闘がイメージできました。リズム隊が左右に安定してありながらベル系のメロディが、点いては消えて、という一瞬の揺らぎを感じてすごく上手い。

後ろのピアノが焦燥感をどこか駆り立ててきつつ、ストリングスのざわめきが精霊みたい。怖さは無くて、ただひたすら透明感がある。どこか同じところをぐるぐる回っている錯覚にもなります。後半ピアノを呼び水に終盤まで持って行くところが非常にかっこいい・・・。

 

13.ベルトコンベア・キラー・ロボット

石田金時さん作。

一転、四つ打ちの明るい楽曲。タイトル通り、機械的に動くロボットが対戦相手なのですが、この敵と対峙する時は楽しい気分になるので何度も戦いたくなります。このロボはほんと何も考えてなくて、長年のプログラムが研ぎ澄まされすぎて動きが楽しくなっちゃった!みたいな陽気さを感じました。

後ろからゴォォォ!!というドでかい風をまとっているので、結構でかいロボットなんでしょうね。リバース的なシンバルの存在感がアホみたいに大きくて、曲の陽気さもあいまって楽しい。このロボとは何度も戦闘したい。尺が短いのがもったいないくらいです。もっと聴いていたい(笑

 

14.Valhalla

鷺莉さん作。

イントロが「ヴァルハラ」と名づけられる通り、非常に壮大な雰囲気から始まります。キックの音がどこか機械的でいて、シネマティックとデジタル音が融合したような、でらかっこいい曲。機械に取り込まれたヴァルキリーってこんな感じなんでしょうね。(ナデシコのユリカとか言ったら古いか

ピアノとストリングス、コーラスのコラボがまたすんごいかっこいい。ピアノのアタックが剣戟を感じさせるといいますか、哀愁とは違う、悲しく美しいバトル曲。特に後半のピアノなんて、円舞しながら崩れ落ちるような、虚しくなるような・・・ディレイの透明感がもう悲しく響く言葉にならない叫びにしか聞こえない。はー・・・、言葉にするのも億劫になってきた(笑

 

15.四神獣乱舞

nuuiさん作。

和風だ!和風の曲だ!何とは言えない伝統の力強い弦楽器!メロディは日本風なんですけど、楽器の感じが大陸を思わせます。どこか空間のある雅な舞台で妖怪含めた神様たちと踊りながら戦闘している感じがしました。私の感覚でいうなら、「大神」よりも「俺の屍を越えていけ」に近い、まざりっけのない純粋な歴史を感じる。

四つ打ちサウンドはこの日本の踊りにすごくよく合いますね。イントロの静かな和楽器と鼓の音など、非常に上品。雅だーなんか嬉しくなってしまう。鈴の音がまるで虫も一緒に踊りに混ざっているかのようで、生き物皆集まってるイメージに胸が熱くなる。これももっと聴いていたくなる。

 

16.勝利は我が手中にあり!

ネギたそ。さん作。

これはーーーー、和風ダイゼンガーみたいだ!熱い!多分ギターの音が私にスパロボさを感じさせたのかもしれません。前曲の「四神獣乱舞」と尺が2:36と同じところも面白い。和太鼓が強調的に使われていて、プレイヤーを鼓舞する力強さと背中を後押しするイカした毘沙門天をイメージしました。

笛の音が風を作り出し、太鼓が雷のようでまるで風神・雷神のよう。キックが四つ打ちで、ベースが気持ちよく動き、要所要所で和太鼓がドドンと鳴る。般若心経を唱えるかの如く、念仏的な効果音的演出がすげー良いです。ニヤニヤしてしまう。しかし、タイトルの通りドラマティックに曲が描けるって、凄いですよ。さっきから胸熱すぎるんですけどどうしたもんだ!

 

17.僕のRPG Ver.FC

あいともさん作。

おお、チップチューン!実際にゲームをプレイしているような操作効果音からオープニングが始まります。なんて和やかなオープニングなんだ・・・と思いきや、突如街が燃えて敵が現れたかのように戦闘シーンに入ります。なんだこのドラクエ4の第5章のような平和から一転地獄をみるかのような展開。美味しすぎる(笑

でもレトロなBGMなのでそんなに重さはなく、楽しいファミコンをプレイしている感じです。そして最後にズバッと斬られて(この音作りが印象的で素晴らしい)、何やら語りが入り、そこからノイズアウトします。なん・・・だと・・・お前にはまだ早すぎるとゲームに拒絶されたような感覚がニヤついてしまう(笑

 

18.Footsteps

Nabecさん作。

チップチューン続きです。この曲はファミコン音源として非常に完成度が高いように思われます。ファミコン時代の音の独特の揺らぎがあって、音使いがほんとに長年ファミコンの曲を作ってこられたような達人さを感じる(1988~1990年頃の当時の作曲家さんたちが慣れてきた様な)。ノイズのパーカス部分の使い方がまごうことなき達者な印象。

こういうチップチューンの、どんな戦闘シーンでも合いそうな王道のBGMを作れるって今やロストテクノロジー扱いなところがあるので、ほんと凄いの一言。この音の発生の一瞬の立ち上がり・・・上手く説明できませんが、自分のチップチューンがクソみたいに思える。pAPUの仕様でここまで存在感を作り出せるというこの力強さ・・・勉強になります。

 

19.Different Dimension

ちびファイさん作。

チップチューン続き3曲目。こちらも完成度が高く、非常にかっこいいです。こうして聞き込んでいくと、アタックを少し遅らせていてそれが揺らぎを作っていること、ノイズを使用したパーカッションの使い所が非常に多彩なのだということが少しずつわかってきます。ベースの動きがめちゃくちゃかっこいい。

通常戦闘というよりは、こちらもボス戦を彷彿とさせる緊迫感があります。矩形波等、機械的な信号の音色にも関わらず、そういった怖さは感じず、小さなブラウン管モニター内の強敵と戦っているぞという感じのある、臨場感ばっちりの楽曲。スタンダードな曲展開にも関わらず、全く飽きがこない。素晴らしすぎます。

 

20.中ボス1

Warrさん作。

ファミコン風ノイズから入り、チップチューン風のリードながらセンターにエレキギターとドラムが入っている展開が、ゲームの画面からリアルが出てきたようなメタルとチップチューンの融合曲。モノラル風で攻めてくるのかと思いきや、後半コーラスがステレオで入ってくるので二次元から三次元に変換しかかっているような面白さを感じます。演出が上手いです。

バッキングのギターが生でしかもかなり美味しいサウンドなので、かなり極悪なボスなのがわかります。フェードアウト前の最後の一瞬、音にステレオ感が増すので、なんかゾクッとしました。こっち側に来るの・・・!?みたいな。こういうあまり例にない演出って、センスを感じてしまうんですよねぇ・・・。

 

21.閃光

Ravusさん作。

ピアノの存在感が印象的な、どこか優雅さを感じさせるバトル曲。真ん中のドラム、大きく広がるストリングスと、広い空間を感じさせる包み込むようなサウンドで、戦闘曲ながらどこか安心感を与えられる感覚があります。

弦楽器の旋律と音が非常に優しいので、戦の悲しさを強く感じる。タイトルが「閃光」とあり、命の一瞬の輝きを思わせる・・・。広く響くドラムのシンバルがオーケストラのシンバルかの如く響く残響がまた心に染みる。剣を一振り振るうたびに零れ落ちる涙みたいで、かなり泣けるのは私だけでしょうか。

 

22.CRIMSON FIRE DRAGON

イノウエサオリさん作。

おお、スーファミ時代に感じたような躍動感がオーケストラ風にイメージされている・・・心躍るようなスネアが印象的な戦闘曲。SFC(スーファミ)からPS(プレステ)時代に以降する時のスクエア作品を思い出すと同時に、なぜかゼノサーガが浮かびました。

下手に歌モノのようなメロディを作らずにいるので、戦闘の状況がより客観的になりますね。これも勉強になる・・・。ただただ、圧倒的な敵とガリガリ戦っているけどなかなか状況が変わらない。といいますかタイトルに「ドラゴン」て付いてました。確かにそれなら状況がすぐに変わるわけがないよね、ドラゴンて最強種だし(笑

 

23.BAD SLIME

siroimuさん作。

え、これ・・・見た目凄い弱そうなんだけど突然変異みたいに生まれたやばいスライムが敵ですよね。めちゃくちゃかっこいいスライム戦。この曲を聴くと、突然変異で生まれたらきっと最初は孤独だったはずなんです。その中で生き抜く力を他の同族とは違う形で学ぶしかなかった。でもこのスライム、超いいやつなんですよね。困っているヤツを見たら放っておけない。

そんなドラマティックさがイメージされるようなリズミカルでクールな楽曲。この根が一途でひたむきな曲を聴いていると、胸が熱くなる。このスライムはわきまえているんですよ・・・現実を受け入れてるんです。どんなに強くとも自分がスライムの枠を超えることは出来ないということを。そんな楽曲のバランスの良さを見事に表現されていると思いました。美しい。

 

24.Ancient Guardian

柄杓毘売命さん作。

こちらもドラマティックな展開の楽曲。SC-88proを思い出すディストーションギターと、様式美的なメロディラインが泣きのツボを刺激してくるかのようです。このギターやストリングスの独特の音色などを聞いていると、何かを思い出しそうな、そういう感覚があるのが不思議なんですよね。

この古代のガーディアンとの決戦も、様々なドラマを経てきた上での対峙なんだろうなと思います。サビのコードの展開がメタル系によくあるメロディアスさとはちょっと違うのですが、様式美的なものを感じて仕方がない。この展開好きです。そしてさっきから私の中で胸熱展開が一人で続いています。大丈夫だろうか、生き残れるのか。

 

25.Dancing Black Thunder Part2

タチやんさん作。

電脳世界のバトルを彷彿とさせる曲。こちらはチップチューン要素も感じられるので、より電子の世界が視覚的に見える形での戦闘曲を思わせます。私の表現で古くて申し訳ないのですが、初代バーチャファイターのデュラル戦のような、ターミネーター2の液体金属人間のような、電脳世界の何かが具現化したような存在感があります。

こちらもメロディラインをメインで作らず、純粋に音を配置されたような楽曲に客観性といいますか、余計な感情が排除されたような印象。少しずつ周波数に揺らぎが加えられているのか、波動の世界に埋没したような感覚になる。

 

26.Dear “xxx”

morilynさん作。

おお、ピアノの音が歪んで荒廃したような世界を感じるぞ!SFの世界で荒れた大地に宇宙から降り立ち、まだ電源の入っている無人の施設に入り込んだかのような楽曲です。古い研究施設というイメージでしょうか、研究内容もあまり口外できないもので、どこか歪んで狂いが生じているといいますか。音やリズムのズラシに、世界の軋みの演出を感じる素晴らしい曲。

音が不意に途切れたりノイズが走ったりする音が、放置された場所を上手く表現していると思いました。この曲の雰囲気から察するに、相手は戦っているという感覚はないんでしょうねきっと。ただ、まとってくるような、何もわけがわからないまま、相手が傷ついていることも感知できないまま。おお・・・すごい。見事な表現すぎる。タイトルがまた意味深すぎて困る(笑

 

27.Glitch

NTK worksさん作。

これは・・・何ですか。果てしなくかっこいい故障曲なんですけど。この秩序と崩落のギリギリを攻め抜くサウンドの叩み掛けは、壊れた世界が急速に再生し、また同時に一瞬で崩れようとする刹那の連続を感じる。しかしサウンドの作りからその一個上に整然とした世界があるように思われてならない。

戦闘曲として聞くと、まずどう戦っていいのかの糸口がまるで掴めないファーストコンタクトなんじゃないでしょうか。攻撃が効いているのかどうかもわからないし、相手が何をしてくるかというパターンもまずわからない。でもそこに確かにいる、まさに正体不明。これほどの音使いをバトル曲で聴くことは極めて稀だと思います。こいつに遭遇したら次はいつ会えるかもわからない。そういう意味でこの曲を聴けている私は非常に幸運だと思ってしまった。ただ、凄い。凄い故障・・・なのか。

 

28.Unsaturated Gravity

startide / hiroさん作。

めちゃかっこいいベースの振動音と右から左に走り抜ける金属系音色から始まる、サイバー界とシネマティックが融合したような、膨大な時空の圧縮を感じさせる楽曲。かと思いきやそれは序章だったようで、雄大な大ボスと戦うロックテイストも織り交ざった大きな存在を感じる展開に繋がりました。ドラムがロック調とオーケストラ様式の合体版みたいで、もはや新ジャンル。凄い・・・新しい世界ありますよこの曲。

色々詰め込まれていて、言葉がおっつかない。4分超えがあっという間。音の空間の使い方といいますか、臨場感が素晴らしく表現されていて、なんだろう。音の魔術師みたいな感覚あります。とにかく舞台がでっかいんですよ。これラスボス曲だったらえらい感動するだろうなぁ・・・。ドラマティックでいて、明るい雰囲気もあるので、これそのまま天に召されそう(笑

 

29.決戦

こっけさん作。

こちらもシネマティックさを感じる、しかし王道のハードロック路線のラストバトル曲。ツインリードギターの旋律の残響がこれで最後かと思わせます。ヴァイオリンでしょうか、ソロの弦楽器がギターの間に入ってきて、ストリングスも綺麗に合奏する形になっているので、もう総力戦でしかない。うわー、この展開は熱いですね。

リードギターが曲がらない強さを感じて、弦楽器がしなやかな強さを感じる。なんでしょうね・・・ヒーローとヒロインが共に戦うこのラスボスは最後の試練となるのか、最初の試練となるのか。ラストバトルの原点を垣間見るような感覚があります。しかしミキシング綺麗だなぁ・・・。

 

30.聖人育成メソッド

Ominaさん作。

パ、パイプオルガンだ・・・!!荘厳だ!神を感じる・・・。と思いきや、ゴリゴリのギターサウンドで粛清が入ったかのような、漫画ベルセルクを彷彿とさせる正邪の相容れぬ拮抗の世界を描いたような楽曲。この楽曲には天使と悪魔、それもより深い因縁を感じます。現代風でいうなら、ブラックラグーンのような紙一重さを感じる。

ギターのソロに意地と意地のぶつかり合いを強烈に感じて凄い熱いです。そして最後に赤ん坊の泣き声が入って、そのままパイプオルガンの音に繋がっていくんですけど、最初「どうやってるんだ!?」と理解できませんでした。よく聴いていくと・・・いやこれ凄いですよ。頭でわかっててもなかなか出来るもんじゃないと思うのですが。しかもそのままオルガンの音が重複してどこかに消えていくという。なんて上手な(笑

 

31.甘栗こぶし

遊句さん作。

タイトルからも人目を引かざるをえないこの楽曲。演歌風のイントロからそのまま自然な流れでRPGの通常バトルに入っていき、和風の雰囲気を維持したままラストは演歌で〆るという他に類を見ない見事なまでの演歌とバトルの融合曲。Aメロは普通のバトル曲風に作ってあるのですが、Bメロから演歌が入ってきます。そしてサビはイントロの演歌のメロディを見事に使っている。

私がよく聞いていた80年代の演歌をどこかに感じるサウンドチョイスもまたいいですね。どうしてこんなに自然に演歌とバトルが合わさっているのかもう不思議でしょうがない、新しいジャンルを開拓されている名曲。いやぁ、これはほんとグッと来ますね、心にグッと入る。こんな戦闘曲あったら、一旦戦闘止めてしばらく聞き入るしかないんじゃないでしょうか(笑

 

32.紅鳶

きみどりルクスさん作。

一転、楽曲が西洋に飛びます。弦楽器・ピアノ・ウッドベース・クラシック系ギター・打楽器を遺憾なく使った踊りを踊るようなエレガントで優雅なアコースティックバトルサウンド。それぞれの楽器が激しくも呼吸を合わせたモダンさを感じさせます。ハーモニカがまたクールでかっこいい。

リズムの良い打楽器、艶やかなヴァイオリン音色、軽快で乾きをどこかに残しつつも潤いのあるギター・・・全部が美味しい。そしてこれだけ楽器がありながらそれぞれしっかり聞こえる。やばいっすよこれー、えらいかっこいいっすよー。こういうアコースティックなバトル曲は浜渦さんのアンリミテッド・サガの曲が有名かと思いますが、この紅鳶もすんごいおしゃれなので、これも途中で戦闘止めますね私は。サウンドがゲームを食ってしまうくらい良い曲です(笑

 

33.The Man-made Dryas

EBIさん作。

ケルティックサウンドを主体としつつ、ゲームの世界観全体を引っ張ってくるかのような様々な要素の内包率の高い曲。5→6→5・6→7+7+7+8など、拍子展開が非常に細かいのにそれを全く違和感として出さない辺り、本当に細かいところにまで緻密に手が込んでいるのがとても印象的。(間違ってたらすいません)

ケルト音楽がメインではあるのですが、効果音もふんだんに取り入れてあって、ゲームに使われているであろう感覚がそのままこの曲に取り込まれている感じがしました。フィールド曲というか、世界全体を自由に動き回る、旅と戦闘が一つのシステムとしてあるような、ゲーム自体が音楽と融合しているイメージ。これも色々取り入れてあって、一言では言い表せない広大さがあります。

 

34.龍樹の森

ころはさん作。

コロポックルの一生懸命冒険しているというような、心温かになるバトル曲。戦闘というよりは、一つの冒険を感じます。退治するという感覚も薄く、どちらかというとやったー!頑張ったぞー!というコミカルなゲームに非常によく似合う、木琴のメロディがほんとに心安らかになる。嬉し泣きしそうなのはなぜだろう。

フルート系の木管楽器とスネアの行進、後ろで実は結構忙しない仕事をしているストリングス・・・勉強になりますほんと。そして楽しい雰囲気ではあるのですが、なんだろう。こうして生きていることに何より喜びを感じているような感覚というのでしょうか。その作品の世界観をしっかり支えるようなバランスの良さもいいなぁ、ギュッと詰まってる宝箱みたいです。

 

35.fight against

豊葦水穂さん作。

ブラスのイントロが印象的なオーケストラ系バトルサウンド。木管、ブラス、ティンパニと非常にシンプルな構成ながら、笛のメロディがとても印象的です。笛のメロがかなり長い間旋律を司っているのですが、ここまで笛のリードでメロディ展開を作り上げるのは結構大変なはずなのですが、それを統一感を持ちつつ、微細に変化をつけているのは凄いです。

シンプルな構成ながらティンパニと和音を構成するブラスで低音とコード感がしっかり補われており、ツインリードの木管のハモリがバトルのテーマである哀愁さを作り上げています。これに肉付けされたバージョンとか、絶対かっこいいですよね。

 

36.Battle Beat

つばさくんさん作。

オーケストラとロックテイストの融合された、打楽器のビートが心地良いバトルサウンド。艶やかなトランペットと、中途で入ってくるアコギの旋律がどこか荒野を感じさせます。そして、後半に入る前に太鼓の音がソロになるところとか、一呼吸ある感じでかっこいい。後半のブラスのふくよかさなど、重厚な兵士を感じさせます。

技の応酬というよりは、曲全体の緩やかさから交互に力を見せ合う試合に近い印象があります。太鼓と入れ替わりで入るスネアの音の抜けから貫く天空を感じるので、グラディエイター同士の冷静なるぶつかり合いみたいに思えて、熱い中にもクールさも合わせてもっているようにも感じます。

 

37.Battle on the Ice

SOS☆さん作。

こちらもどちらかというと中世ヨーロッパの戦士同士の誇りをかけた戦いがイメージされるバトル曲。王城にて、王の御前試合のような、衛士たちの静かで厳かな戦闘。ゆっくり振り下ろす剣にはしっかり力が篭っていて、どこか泥臭さも感じるような。王の威厳がかなり間近に感じられて、分厚い権威を感じます。

タイトルから察するに、氷上か、もしくは寒い北国の屈強な戦士を思わせます。過酷な世界で生きる戦士の戦いは、環境からスピードというよりは、純粋なる力か、もしくはそこで生きるための胆力なのか。いずれにしろこれは力強いです。

 

38.Chiastolite

Gowrock as Salamanderさん作。

やばい、これはオーケストラで来てるけど、茫漠たる荒涼とした美しい世界を感じる。ワイルドアームズを彷彿とさせる、廃れ行く中にも生きる希望をもった生命の力強さを風に乗せて送り込まれるような、静かなかっこよさのある曲。この旋律でコーラスとピアノが乗るのはずるいですよね。ずるいんです、感動しないわけがない(笑

真ん中にブラス隊がいるのですが、それがもう真っ直ぐ進んでくるようで、勇ましい兵士の行進を思わせます。大きな打楽器音の振動がめちゃめちゃ気持ちいいです。そしてストリングスに合わせてピアノやコーラスが重なって戦闘にいざなってくれるんですよ。メロディアスだ~これは良い。

 

39.ReΞbellIon

gLa+nZさん作。

このオーケストラの怒涛の攻めはなんでしょう。まるで大海に飲まれる一匹の蛇の気分。打楽器の空気を揺らす振動音が迫力を増しますね。民族系の打楽器、電子音を取り入れた新世界シネマティックバトルサウンド。ガンダムUCのサウンドを作っていた頃の澤野さんの雰囲気をどこかに感じます。私には宇宙空間でのドラマの展開が伺えてしまう・・・。

シンセベースと民族打楽器が中盤入ってくるのが雰囲気をガラリと変えてくるんですよね。人の生きる世界に同居する無機質な音。そしてこの浮遊感、どうしても地上戦ではなく、宙間戦闘に感じてしまう。ドラマティックな運びになっているので、敵もやはり同じ人なんだと思います。無機質さは機械を使っているから、なのかなぁ(笑

 

40.Dice or Die

かまきりざーどさん作。

これは、初心に戻って地上戦ですね!?シンプルながらロックテイストでコンパクトにまとまっていて、SFCのファイナルファイトとか、そういった拳闘家の強さを目指す等身大の戦闘を感じました。メロディが耳に残りやすいです。こういうストレートなメロディラインと曲展開はやはり王道ながら安定したかっこよさがありますね。

これで格闘ゲームとかやってたら普通に燃えるだろうなぁ。バックの音の厚みを作るパッド系シンセ音が良い仕事していて、そのお陰でリード音がハモりでなくとも聴きやすい気がします。ベース音が時々上がってスラップテイストを出すのも美味しい。いや、いいなぁ。安定感のあるドラムも素直にかっこいい。

 

41.黄昏に沈む記憶

Rucaさん作。

ピアノのリフとリードの笛に歌うようなコーラスのイントロが印象的。余りに哀愁溢れすぎてて、戦っているというよりは、泣く泣くそうするしか他に道がないようなド悲しすぎる旋律の楽曲。もはや半自動のボタンを押したくないイベント戦闘。戦いたくない。でも避けられない。身が引き裂かれそうだ・・・。

現在41曲目ですが、ここまで真っ直ぐ悲しみに向けた曲はこれが一番なんじゃないだろうかと思ってしまう。それくらい悲しい。しかも後半、笑顔でさよならしようねといわんばかりの明るくしていこうという雰囲気がかんじられるところがまたやばい。なんなんですか、泣いていいですか。俺は今、泣いていい。(スクライド風

 

42.Atrocity

MIKAMI MAKOTOさん作。

黄昏の曲がラストにオルゴールで〆ていて、この曲はそんなオルゴールから始まり、激熱のシネマティックサウンドに繋がるという。しかしタイトルがまた・・・どこまでも狂気をはらんでいるバケモノが相手でもおかしくないというバトルサウンド。Undertaleの狂ったフラウィーを思い出しましたが、こちらの曲はより荘厳に、雄大さがあるという点では強大な気がします。

これはほんとに巨神兵のような、ワンダと巨像のあいつみたいなやっばいやつが顔を出しているのが浮かびました。そしてこの楽曲、シネマティックではあるのですが非常にまた聴きやすいんです。音の置き方がすんごいクリアで個人的な好みになりますがこのミキシングは私は凄い好きです。ホール感はあるんですけど、壁を感じない。壁がないわけじゃないんですけど、なんだろう・・・とても心地良い。

 

43.エンカウントなう

くふさん作。

JAZZ風のバトルサウンド。耳に残るメロディラインと軽快なテンポが合わさって個人的に好きな楽曲です。ウッドベースと打楽器がまるで一つの楽器のように厚みを作り出しているのが私にとってはとても新鮮です。ピアノを弾く様が楽しそうでニヤけてしまいますね、トランペットのリードが何とも言えず聴きやすい。

こんなノリの良い、聞いてて心地良い戦闘曲なら、あまり避けようとは思わないです。あと、戦闘というよりは純粋にそのゲームを楽しめる躍動感を感じるため、若干戦闘そっちのけになりそうなくらい聴き応えがあるのですが、戦闘とがっちりハマると脳汁出まくりそう。3分も尺があると長丁場でも戦闘が楽しめて、それもまた良しという風にバトルが楽しめる。いいなぁこういう楽曲。

 

44.逃走

しっぽさん作。

これはちょっと笑いました。ねずみ小僧もしくはクールな怪盗の喜怒哀楽を含む逃走劇を描いたようなバトル曲。しかも逃走ではあるのですが、すんごいかっこいい怪盗なんですよね。0:46辺りの展開が超好き。なにこのかっこいい作り。程好く歪んだギターと垢抜けたドラム、急遽入ってくるストリングスの絶大な効果。逃走というにはあまりにドラマが盛り込まれすぎてて、ギャップ差にやられた。

2:02で私の超好きな展開が再び来るのですが、途中でトランペットが離脱してストリングスのみのメロディラインになるところとか、なんですか。私の知らない私のツボ付いて来るとか。しかもところどころピアノだったりストリングスがオシャレな動きしてて、いやーーーー、曲聴きながらニヤけてる自分今気持ち悪い顔してんだろうなぁ・・・(笑

 

45.ホカホカ村の大剣士じゃがいも

MAKOOTO作。

あれこれは、と思ったら自分の曲でした。もうそんな順番まで来ていたのか、そしてここまで感想を書いてもう何時間経つだろう。ここまで様々なバトル曲を聴いてきたこともあり、改めてじゃがいもの曲を書き直したくなってきました。2でやろう2で。

ロックテイストを主体とはしているのですが、自分でタイトル付けてて言うのも何ですが、ふかしイモみたいな印象があるんですよ。ハマりそうでハマっていない、どこかフワッとしたような。そう、ふかした後の皮がこんなにも簡単に剥けてしまうのかといったように。我ながら、なかなか形容しがたい。

 

46.決勝戦 of Something

まっしゅまろんさん作。

私の中での剣と魔法の基本的なRPG戦闘曲として一番ハマってる気がするオルガンとギターの旋律が気持ちよい正統派バトルサウンド。ほんとこの曲好き。軽快なオルガンが常に音の厚みを支え、Aメロはこれまた聞きやすい太さが見事なシンセリード、そしてサビはギターリードという私の中では基本の王道RPGバトルを全て兼ね備えているという、理想の具現化されたような楽曲。リリースの短い軽快でアタックの強いスネア・・・等々、好み貫いててやばいです。

タイトルが「決勝戦」とあるので、戦闘というよりはスポーツに近い試合を感じますが、それがまた優しいですね。M3でご本人にご挨拶させて頂きましたが、非常に爽やかな方であられました。

 

47.対峙

保積さん作。

この方の作られる楽曲も私好みでございます。大王道の非常に純度の高いシネマティックバトルサウンド。まず音の迫力が凄い。ここまで音の遠近を作れるのも凄いのですが、残響の臨場感がハンパ無い。特にブラス系。シネマティックではあるのですが、この楽曲ではメロディが意識ささっているように感じられるので、敵は生物ですね。しかも歴史ある感じ。神という存在よりはもう少し地に足の着いた印象があるので、ドラゴンですかね。低音部で鳴っているシンセベースらしき音から、なにかしらの自然の主でありそう。

曲の作りから、繊細さと雄大さを同時に感じる名曲。

 

48.Rebel Struggle

MATSUさん作。

おお、こちらもまた王道オーケストラのラストバトル曲ですね。こちらの曲はこれまでの自分達の辿ってきた道の集大成を迎える最終章というイメージがあります。オーケストラ部隊に負けないくらいピアノの音の存在感が全範囲にあり、まるで何かの神々と戦っているような降臨感があります。

タイトルから、これは人間同士の反乱というイメージよりもやはりヴァルキリープロファイルに出てくるような神々への反逆というイメージの方が合う気がします。この楽曲に相応しい神が相手だと、とてもじゃないですが敵うようには思えないんですけど、神もひっくり返すと人間ですからね。面白いものです。しかし同じシネマティックサウンドでもこんなに方向性が違うことで色が変わるとは・・・。

 

49.eNsis

しぅさん作。Vo. 稚紗さん。

うおおお、ここでボーカル有りのシネマティックバトル参戦!!なんつー熱い展開なんだ。結構前にANUBIS Z.O.Eという当時やっばい近未来型アクションゲームがあったんですけど、それを彷彿とさせるボーカルの声による透明感と四つ打ちとシネマティック融合型というとりあえず超かっこいい曲です。

いやー、歌が入るとまた一層人間模様が強く印象付けられる感じがしますね。これはもう舞台が宇宙とか時空を超えてるんですけど、最終的にそこで繰り広げられるのは人間同士のぶつかりあいだったという、原点回帰を思わせます。音使いがこの曲もまた非常に上手い。もう私の体力はマイナス振り切って一周して戻ってきました。メビウスの輪。

 

50.Phantasm Strike

JourneyCatさん作。

全50曲の弓道で言う落ち、つまりトリを務める楽曲。全てのバトルを全ての次元を超えて最後に束ねるような結びに相応しい楽曲。転生した人間が、どの時空でも同じようなドラマを向かえ様々な経験をして一つに戻り、その自分を作り上げたこの世界の理と向き合うような、そんな次空間楽曲。なんですか次空間楽曲って。

この曲を聴いてると、ほんとにこれまで辿ってきた世界全てをサァッと風になって通り抜けるような感覚があります。なんだろう、ほんとに大事なことって、一人一つここに持ってるだけで、それだけで無敵になれるんだろう。色んなもの全部洗い流されてしまいました。細かいこと吹っ飛んでいく、そんな最高に爽やかな楽曲でした。

 

 

BATTLE COLLECTION 3を聴き終えて

今時計を見たら、10時間丸々かかってしまった(笑)。楽曲は計50曲で3時間弱なので、その3倍ですね。むしろ短く済んだほうではないかなと思います。記事の文字数は過去最高の17,000字弱。もっと旅行記などで果てしなく長い記事とはありますが、平均3,000字の自分にとっては大台を結構更新しました。ヤッタネ!

バトルコンピ3は聴き応えがありすぎて流石に一回休憩を挟みましたが、それに見合うだけの理論と感性が詰め込まれた、全てで一つの作品になっていると思いました。全編通して一曲一曲にそれぞれの個性・良さ・方向性などが違っていて、同じバトルという括りで本当にこれだけの色があるんだと痛感しました。

 

自分の感性からあれこれ書いてはいますが、最終的に言えることは、一つ一つの楽曲どれもが想いの宿った名曲であったということ。これは本心です。全てに私の学びがあった。そしてこんなにも音でそれぞれの世界が表現されているとは思わなかった。

めちゃくちゃ勉強になりました。どうもありがとうございました。

早速これからの曲作りにこの学びを活用していきたいと思います。

 

そしてSayaquさん、曲順見事でした。これの順番考えるのも結構悩むと思うんですよ。でもこれ、正解だったと私は思います。序盤から中盤も凄い面白かったんですけど、終盤にかけての盛り上がり方やばかったです。さすが主催なだけはある!(笑

 

はーーーーーーーーーー

 

すんごい良かったーーー…

 

 

それでは!

 

ふりーむ!のフリーゲーム「ナントカ三術将2.5 ジーンと夢の島」をプレイしてみた

今日は「ふりーむ!」に投稿されています、

召喚で乗り切る無人島探索ADV「ナントカ三術将2.5 ジーンと夢の島」

というフリーゲームのプレイ記事です。

 

こちらも先日楽曲使用のご報告があったので、BGMの使用感を確かめる為にもプレイしてみたのですが、この楽曲使用のご報告を頂いたゲームをプレイすることが最近の私の楽しみになってきました。

だって気になるじゃないですか。初めてプレイするゲームってワクワクするでしょ!?

 

ふりーむ!とは

無料ゲームがなんと10,000以上もある、ゲーム大好きな人にはまるで夢のようなドリーム。パラダイスのような楽園はここにあったか。

以下、ふりーむさんのサイトから抜粋して要約しますと以下のようになります。

  • 置いてあるゲームは「フリーゲーム」「無料体験版」のみなので全て無料
  • 個人製作者が趣味で制作している形式が主
  • ゲームを遊ぶのに登録等は不要
  • すぐプレイできる
  • ダウンロードして遊ぶWindows向けが中心(オフライン向け)
  • ウイルスチェックや動作チェックも済んでるよ!
  • プレイ後の感想があると皆喜ぶよ!

抜粋要約:ふりーむ!より

10,000点以上もフリーゲームがあるというの驚きですね。全部プレイしてたらきっとその方は神様でしょう。(おおカミよ、今月の貢物はこれだけです)2000年2月から始まり、今年で17年目だそうで私は全然知らなかったのですが、いや~凄い。作品数が多いのも凄いけど、ここまで続けてきたことが個人的には凄い

 

主にPC(Windows)で遊ぶゲームが主のようですが、

スマホで遊べるゲームは「ブラウザゲーム」と記載

抜粋:@FreemGames(ツイッターアカウント)より

ということで、スマホで遊べるフリーゲームも今見たら沢山ありました。

 

ここで一つ注意点があるとすれば、フリーゲームということで遊ぶのは無料だけど、それを素材として使って云々はまた別で、

著作権は各制作者にあります

ということですね。自分の楽曲も「一つの素材」として見てしまうので、ゲームを使用して何かするというのは個別に許諾が必要になりますということですが、普通に遊ぶ分には気にする必要はないです。

 

 

RPGツクール2000の画面をウインドウモードに

今回はそのふりーむ!に投稿されている「ナントカ三術将2.5 ジーンと夢の島」というゲームのプレイ記事になるわけですが、このゲームはRPGツクール2000で制作されています。なので、プレイ画面を開くと画面がフルスクリーンになってしまった。

なので、RPGツクール2000を開く時の注意点として書いておきます。

参照:RPGツクール2000 のゲームを「ウィンドウモード」で起動する

 

一応こちらの記事の通り、exeファイルのショートカットを作り、その中のリンク先のexeの後ろに「 0 0 Windows」と付け加えて、ショートカットから起動することでウインドウモードとして起動できました。二つ以上の引数の後に「Windows」だそうです。

参照記事では、続いて「3.相対パスで指定」とありますが、これはやらなくとも出来てしまったので良しとします。

いいのか、いいんです。プレイ出来れば。

 

また、通常のexeファイルから起動してやり、F4キーを押すことでもフルスクリーンとウインドウモードの切り替えが出るので、F4で問題なさそうであればそれでも良いかも。私はデュアルディスプレイ使用のため、画面の大きさの切り替わりのチラつきがきつかったので、上記の方法でウインドウモード化しました。

ちなみにF5を押すと更に小さく切り替えができ、F12を押すとゲームタイトルに戻れます。

 

 

ナントカ三術将2.5 ジーンと夢の島

ナントカ三術将2.5は、このシリーズの3作目に当たるようです。

作者の三條さんのふりーむ!のページはこちら。ホームページはこちらです。

 

それでは早速プレイしてみます。ちなみに私の初回プレイ時間は、大体2時間でした。サクッと遊べて良いコンパクトさです。

 

私はこの作品が初プレイ。なので、あらすじの尺から考えて、前作をプレイしていた方がより楽しめる形になっているのかもしれません。主人公はこの左の術将ジーン

 

探索アドベンチャーに入る前に、しっかり物語の展開が作られています。初プレイでもこの冒頭のお話を見ることでこのゲームの世界観とキャラクターが大体把握できます。

その序盤に一波乱あり、とある島でしゃべる石版エリスと共に島を探索する形でいよいよゲームが始まります。

 

エレメントを召喚し、探索を始めます。エレメント非常に可愛い。

 

ターン数がある程度進むと半自動的に物語が少しずつ進むので、この誘導は自然でいいですね。(多分自動だと思う)

 

序盤の何気ない石版エリスのこの言葉が、後になって意味があることがわかります。(これは2回目にして気付きました。)

 

ガンガン探索していきます。音楽がいいなぁ。

この淡々と何かの作業をこなしていく感じ、レミュオールの錬金術師を思い出します。あれ、冬に裸のままプレイしていたくらいハマったもんなぁ(お風呂行く前にちょっと始めたら数時間抜け出せなかった(笑))。それに近い感じのハマりの感覚があります。

 

探索は基本難しいことは何もしません。探索の設定を最初にしてやれば、あとはエレメントという召喚ユニットが結果を持ってきてくれます。そして毎回違う展開やアイテムが用意されているので、意外とワクワクする。

物語ではこの魔晶石を見つけていくことで、色んな属性のエレメントユニットを召喚できます。

 

主人公のジーン、結構賢いんですよね。さすが三術将の一人だけはあります。こういうキャラの丁寧な作り込みはやはり素晴らしい。

 

各探索場所では、それぞれの属性に適したエレメントで探索をすると探索効果が良いようです。「Area3の丘陵なら黄色のエレメント」という風に。色別で書いてあるのもわかりやすくていいですね。

BGMも物語の進行で計6曲用意されていて、楽しくなってきました。こういう飽きさせない工夫って大事だなぁ。

 

ターン25、物語中盤。魔晶石が二つ置けるようになりました。これで2つの魔晶石の組み合わせでしか出てこない召喚ユニットが召喚できるようになりました。

 

例として、黄魔晶石一つだとどんなに再召喚しても☆2スパッキーしか出てこないのですが、

 

黄魔晶石2つだと、☆3のティンキーが出てくるようになりました。

1つでもティンキーはもしかしたら凄く少ない確率で出てくるんだろうか・・・私が試した限りでは出てきませんでした。

 

青魔晶石1つだと、頑張ってトビヒオでしたが、

 

青魔晶石2つだと、クリア☆3とアクア☆2が出るようになった!

 

赤魔晶石1つだと、バーニング☆2。(この辺りで夢中になる)

 

赤魔晶石2つで、ウォウム☆2とグレイブナイト☆3。ウォウム可愛いです。赤であって、必ずしも火ではないところが面白い。あと、グレイブナイトかっちょいいすね。

 

青・赤でニャンニャ☆2、オーロラ☆3。キャラクターに独自の個性を感じる。これはきちんとこの作品の世界観が構築されている証でしょう。

 

そして緑と青でウォーウランド!・・・え、ウォーウランドきた!?!?

冒頭のストーリーで名前の挙がった召喚ユニット「ウォーウランド」はここで初の顔見せとなります。とってもかわいい。

このキャラクターもツクール素材ではなくて、三條さんご自身で描かれているものでしょうか。すげードット絵すげー・・・!!

 

1ターン毎に鐘の音がなるので、時の経過が感じられてこのゲームの世界にいるような感覚になりますね。ジーンが瞬きしたりと、細かいところに動きが感じられて感心してしまう。

 

エレメントで何度もユニットを召喚しなおせるので、ここで気に入ったユニットが出るまで召喚することでこのゲームに慣れてくる感がありました。やり方がわかってくるとゲームの世界に入り込みやすくなりますね。

上位のユニットが出てくると、「お!」ってなるのですが、私はボーナス+10になる同じ色・同じユニットの組み合わせでプレイしてました。

 

ターン40でジーンが少しナーバスになり、美味しいものを思い浮かべてはどうかという石版エリスの提案で、なぜか2つの選択が出てきました。怪しい・・・これがどう今後に繋がるのか想像がつかない(笑

 

ある程度ターン数が進むと島の番人が姿を現し、主人公であるジーンに二つの選択を迫ります。

これはどっちを選ぶかで結果が変わりそうだな~と思っていたら・・・

 

自動で当初の目的の方に流れました。

これは絶対もう一方のほうもある(笑

絶対ある。探索が足りなかったのか、初回はこのパターンなのか・・・ひとまず、ここで一旦ゲームは区切られる形となります。

 

 

セーブ後のコンティニュー

まー何もわからないままこれで終わりなわけないですよねー!?

 

というわけで、実はもう一方の選択肢を選んだ場合のお話がこの後に始まります。

人生の選択は一つしか選べませんが、実はこうして覚えていないだけで過去に遡って「こうしたかった」という方を結果的に我々は選んでいるのかもしれない。並行世界や仮想世界の認識が少しずつ一般化している気がするので、こういう展開はいいなと思います。

 

 

ここから、石版エリスの謎に迫る形で探索が始まります。

 

 

 

さあ、探索を本格的に続け、ついに物語の最終章・・・!!

 

ワー、島ガ綺麗ダナー!!!

(続きはゲーム本編でお楽しみ下さい)

 

 

初回トータルクリア

というわけで(笑)、このゲームの一番美味しいところは敢えて触れずに、クリア後の私の探索リザルトはこんな感じ。結構探索しまくっていたため、コレクションはコンプリートしていたみたいです。

 

これでようやく胸のつかえが取れて、ジーン帰還。船長も喜んでいます。

 

 

以上でストーリーは終了。やーラストの展開がかなり面白かった!!

このストーリーの作りの面白さは、最後の最後で核心にやっとたどり着く形になっているので、それを中盤までジーン主体でいるため、結構気付けないようになっています。

 

ただね、序盤から結構意味のあることがほのめかされていたりするので、上手いなと素直に思いました。エリスがねー、すんごいリアルで、途中でゲームやってる感覚無くなるような接し方してくるんですよ。

ずるいよね。最後の最後でほんとなんというか、リアルだなぁ(笑

 

そしてクリア後は、このように探索で手に入れたコレクションやエレメントの図鑑埋めが出来るようになっています。

 

アイテムの説明が結構面白いんですよね~。じっくり時間をかけて集めながら楽しんだ方がよかったかもしれない(笑

 

 

エレメント集め

この時点で結構長くなってしまいましたが、折角なので残りのエレメントも集めてみたいと思います。

 

緑1つで、ケリー☆2。

 

緑2で、マダリット☆2、グリーブ☆3。グリーブなんかやばそうな雰囲気。

 

赤と緑で、ネイブ☆2、ハレイズナ☆3。やっぱりエレメントの個性があっていいなぁ。

 

黄色と緑で、イザルタ☆2(黄)、シュレイ☆3(緑)。

 

赤と黄色で、コオク☆2、ペルマイン☆3。

 

青と緑で、ナッソ☆2、ウォーウランド☆3。

 

青と黄色で、マシュリー☆2、エフリク☆3。

 

あと、無属性で赤と青のパターンで出てきたナイトを入れて、エレメントコレクション完成でございます!やったぜ。

 

 

おわりに

結局、この記事を書くに当たって、初回プレイの2時間と、エレメントコンプに3時間くらいかけてしまった。

完全クリア後は、

  • キャンペーンモード:ゲームクリア後の単純に探索を楽しむモード
  • オールスターモード:図鑑がリセットされ、エレメント完全ランダム召喚
  • オプション:ウインドウカラー、セーブアイコン、BGMの変更

の3つを楽しむことができます。

 

ああ、完全に忘れていましたが、私の楽曲「緑の茂みのカメレオン」は、BGM#3。一旦区切りが入り、その再開からのBGMとしてご使用頂いていました。作者の三條さんには気に入って頂けたようで何よりです。

個人的にはゲーム中に使われている他の5曲(私以外の作曲の方)どれも良いんですよね~、どれも良いんですけどしいて言うなら#1が好き。

 

ゲームとしては、

  • エレメントという可愛い召喚キャラクター
  • 探索での収集アイテム
  • 一つのテーマに絞ったストーリーの流れ

そしてそれらの要素がコンパクトにまとまりよく詰まっていて、ver2.5というナンバリング作品にも拘らずかなりの完成度の高さを感じました。

作者である三條さんにお伺いしたところ、背景画像などは素材屋さんからお借りして加工されているそうですが、キャラやエレメント・コレクションなどのドット絵は自作だそうです。凄いですよね・・・全然違和感ないですもん。

それに、ゲーム性としての探索コレクション集めも難しくないように出来ている。だからライトに遊べる。その分、一つ一つの作りが全部に行き届いていて、統一感が生まれている。この確固とした独自性が非常に素晴らしい

 

というわけで、最後は今作の主要エレメントであるウォーウランドで締めてみたいと思います。

 

かわいいなーウォーウランド!!

 

愛のこもった良い作品を、どうもありがとうございました・・・!!

それでは!

 

セガ・マスターシステムをエミュレートしたプラグイン『SN76489』でチップチューン作り

今日は、フリープラグインである「SOCALABS 8-BIT TREATS」から、「SN76489」で音弄りなどをして遊んでみたいと思います。

 

セガ・マスターシステムとは、1985年(ファミコンの2年後)に日本で発売されたセガ・マークⅢの北米版のゲーム機のこと。日本では、その北米版を逆輸入する形で、その2年後の1987年に発売されていたそうです。

メガドライブの前のバージョンがこのセガ・マークⅢ、セガ・マスターシステムで、そのメガドライブの後継機がセガサターン。そしてドリームキャスト

 

私が小学生低学年くらいの頃、友達の大半は皆ファミコンを持っていて、よくゲームソフトを持ち寄って遊んでいました。そんな中、一人二人はファミコンじゃないのを持ってたんですよね。それがPCエンジンとかメガドライブとかでした。

その友達の家に遊びにいかないとプレイできないゲームだったので、かなりレアでしたし、新鮮だったのを覚えています。

「ひろしん家いってアレやろーぜ!!」(ソニックのこと

みたいなね(笑

 

SN76489の仕様を確認

  • 矩形波チャンネルが3つ
  • 3和音発声
  • ノイズチャンネルは1つ(種類は2つ)

 

…と、結構シンプルな構成になっています。一般的には「PSG」と区分けされるこのSN76489。厳密には違うものではありますが、単純に音として聞いて判断する場合は「PSG」と言っても間違いではないです。伝わるには伝わる。

 

PSGとは(狭義)

厳密には、PSGは「Programmable Sound Generator」の略で、GI(ゼネラル・インストゥルメンツ)社の

  • AY-3-8910(またはこれの相当品)

のことをいいます。その仕組みは、

  • 矩形波3(Duty比1:1固定)+ノイズ
  • ノイズの音量出力は矩形波3チャンネルのどれかに依存
  • エンベロープ(ADSR)制御

ということで、デューティ比50%固定とエンベロープ機能、ノイズの音量出力方式が矩形波チャンネルに依存している点が特徴的。

 

DCSGとは(狭義)

「AY-3-8910」をPSGと呼ぶ場合、「SN76489」をDCSG(Digital Complex Sound Generator)と呼びます。

SN76489では、

  • 矩形波3(Duty比1:1固定)+ノイズ
  • ノイズの音量出力は独立して制御できる
  • エンベロープ(ADSR)なし
  • 3チャンネル目を同期ノイズ出力にすることでデューティ比6.25/93.75の音

「矩形波3+ノイズ1」の構成は「AY-3-8910」とは変わりませんが、エンベロープなしということと、ノイズが独立して音量調整ができます。

 

SSG音源とFM音源

ヤマハが作った「YM2203」という音源チップには、FM音源とSSG音源が組み込まれています。SSGとは、

FM音源によるPSG互換機能をSSG(Software-controlled Sound Generator)音源、単純にSSGとも呼ぶ。

出典:Wikipedia「PSG」より

とあり、AY-3-8910のPSG機能のソフトウェアのこと、でしょうね。ヤマハではPSGをSSGとも言うそうです。

 

Wikiでは『YM2203をFM音源チップ』と書かれているので誤解してしまいそうになったのですが、厳密には、

4オペレータ、同時発音数3音のFM音源に加え、AY-3-8910(PSG)相当のSSG(Software-controlled Sound Generator)音源と、入出力を備え、プログラマブルタイマーを2系統内蔵する。

出典:Wikipedia「YM2203」より

とあるので、

「 YM2203 = FM音源 + SSG(PSG)音源 」

ということになりそうです。

 

 

以上より、ピコピコしたファミコンサウンドには大体矩形波が使われているので、それを「PSG」と言っても間違いではないのでしょうが、この表現だと誤解を生んでしまう恐れがあるので、私は「ファミコンサウンド」とか「ピコピコ音源」とか使ってます(笑

 

 

SM76489の操作方法

  • Pulse1~3が矩形波1~3チャンネル分の音量出力0~100%
  • Noiseの音量出力0~100%
  • 右のTypeはNoiseの2種類、Priodic/White
  • 右下のSpeedはNoiseのパターン4種、Fast/Medium/Slow/Tone2
  • 矩形波の3音はポリフォニック

 

プラグインSN76489の特徴は一つのトラックで、矩形波が3音同時発声するので、トラック数を分けなくていいので便利ですね。ノイズも同時に発声するのですが、これは別トラックで分けた方が使いやすそうです。

 

ポリフォニックの仕様は、3音発声の場合、一番下のノートからPulse1・2・3と出力が振り分けられる仕様のようです。

 

例えば、MIDIトラックに3音分のノートを置いて、このようにPulse1、2は100%(出力ON)にして、Pulse3の出力を0(OFF)にすると、上のE5・D5の音は鳴らない。

 

また、低音はA1より下は全部A1音が鳴り、それより下の音は存在していない形になっています。

 

 

Type「Periodic」について

Wikiの「PSG・SN76489の項目(ページ中段辺り)」では、

通常音色はデューティ比50/50のみであるが、3チャンネル目を同期ノイズ出力にすることでデューティ比6.25/93.75の音となる。トーン周波数に対し音程は半音ずれるが、ギターに似た音色となるため、若干弱い低音部をカバーする事が出来た。

とあり、SN76489の右側「Periodic/Tone2」にすることで、Duty比6.25/93.75の矩形波の音が出ます。

 

まず、3音鳴るようこのようにノートを置いてみます。

 

全ての出力をONにして、Type「Periodic/Tone2」にすると、一番下の音でなくて、一番上の音(Palse3)の音にノイズチャンネルが同期し、メロディが高音と低音でカバーされる形になりました。

ちなみにこのままの状態で、PeriodicのTypeをFast、Medium、Slowにしてみると、Pulse3にノイズが追随せずに、オクターブ違いのA音が出力されました。

 

・Periodic/Fast

 

・Periodic/Medium

 

・Periodic/Slow

 

 

キーをA音にしているのでそんなに違和感ありませんが、毎回曲中これだと流石にきつい。

また、このノイズ部分の音の使い方に関しては、例えば一度ノートを置いて鳴らしたあとにノートの上下入れ替えたりすると、先に鳴らした同期音を記憶しているのか、一番上のPulse3でなっているはずの音には同期しなかったりします。

 

まず、最初の状態。

これを、ノートの場所を変えてみます。

 

2小節目の一番下のベース音(黒く選択されているところ)を・・・

 

2オクターブ上げて、Pulse3が鳴らすはずのポジションへ移してやりました。

 

しかし、ノイズ同期はこの一番上に上げたはずの音には同期せず、ノートを動かす前の一番上だった音に同期したままという。

うん、なんだかこの挙動には懐かしさを感じます。MMLでSC-88proのインサーションエフェクトとか弄ってた頃を思い出します。ON/OFFの命令を指定してやらないと音が出っぱなしとか、設定リセットされないまんまとか(笑

 

ノイズ同期音をベース音にして音を鳴らすには

完全解決とはいきませんが、このノイズ同期のデューティ比6.25/93.75の音をベース音に持っていく為に、私なりの工夫の一例を以下に書きます。

初めに全チャンネル出力をONにして、右のNoiseTypeは「Reriodic」、Speed/Tone2にしておきます。

 

MIDIノートは、一番上にベース音が来るよう配置。黒く選択ささっている部分がそうですね。ノート音とPulse出力の振り分けは、

  • 下から順に、Pulse1、Pulse2、Pulse3

となっているので、この一番上のノートはPulse3が担当し、尚且つ再生時のノイズ同期もこのPulse3にされる(私の環境ではそうでした)。ノートの位置に気を付けながら打ち込んでいって、完成となったら、

 

Pulse3の出力だけ0%(OFF)にして再生してやります。

すると結果はこんな感じ。

デューティ比6.25/93.75の矩形波のベース音にすることに成功しました。

 

ちなみに同期はさせずに「矩形波3つ分」と「ノイズチャンネル分」を別トラックで用意して綺麗にまとめた版はこちら。

音的には後者の方がいいかなと個人的には思います。

 

 

おわりに

このプラグインはポリフォニックなので3和音分+ノイズ分の2トラック分のプラグインを起動させてやれば、難しいことは考えずに普通に曲は作れるかと思います。

ノイズ同期部分に関しては不透明なところがあるのですが、デューティ比6.25/93.75の音を出したいなら、別のプラグインで1トラック用意してあげたほうがわかりやすくて楽かな。要はその音が出せればいいのだから。

プラグインとしては、ポリフォニックというのが使いやすくていいですね。

 

 

おわりに2

以上、4回に渡ってSOCALABS 8-BIT TREATSのプラグインの使用感を、チップチューンの知識底上げとして記事にしてみました。

ここまで記事にして来てこれを言うのも何ですが、

  • チップチューンを作るならわざわざこのプラグインを使う必要はない

ということ。

みもフタもない言い方になりますが、シンセ音を弄る音源は本当にたくさんありますし、このプラグイン自体、1980年代のレトロゲーム機の音源をエミュレートしているだけあって、それぞれ癖があって使いづらい部分もあります。

DPCMや波形メモリ音源の部分もなかったりしますから、完全なエミュレートとは言えないでしょう。(DPCMはそもそもサンプリングで、また波形メモリ音源は別個の技術になるので、このプラグインのコンセプトから敢えて省かれていると思われます。)

 

しかし、このエミュレートプラグインから私が強く感じたことは、そういう部分ではなくて、当時はそれぞれに個性があって、またそれぞれの癖がある中で様々なサウンドが作られてきたということ。今では一緒くたにされてしまう内容にでも、きちんと違いがあったんだよという気持ちを強く感じる。

そういう意味で、自分の知識も含めて、チップチューンの違いをこのプラグインを通して少しでも整地できればなぁと思って記事にしてみました。簡単に書けるかと思ったら結構時間かかってしまってます。

 

幼少期にリアルタイムで触れていた世代ではあるのですが、何分エミュレートの専門的な知識がそこまでないので、どっか間違ってないかなーと少し心配ですが、その時は是非教えてくださいませ(笑

 

それでは!

 

【C64音源】Commodore64をエミュレートしたプラグイン『SID』でチップチューン作り

今日は、フリープラグインである「SOCALABS 8-BIT TREATS」から、「SID」で音弄りなどをして遊んでみたいと思います。

 

こいつはすごいですよ、Socalabs 8Bit Treatsの4つのエミュレートプラグインの中でも、かなり性能がいい。それもそのはず、他がゲーム機に対し、SIDだけはCommodore 64というコンピュータの音源エミュレート。ホームコンピュータではあるものの、1980年代、北米ではファミコンが入ってくる前に、ゲーム機としても一時代を築き、欧州でもかなりの人気があったといいます。

なんかこう、一人だけフルアーマーみたいな印象。

 

SIDの仕様を確認

  • Commodore64(C64)をエミュレート
  • 3基のオシレーター(矩形波・三角波・ノコギリ波・ノイズの4種類の波形)
  • オシレーターごとのADSR機能
  • リングモジュレーション(三角波出力切り替え)とオシレーター間のハードシンク機能
  • ハイパス・バンドパス・ローパスフィルター

 

というわけで、矩形波2・三角波1とかいうレベルではなく、3基がそれぞれ波形4つも使えるというなかなかのパワフルさ。しかも、Attack、Decay、Sustain、Releaseの設定もそれぞれ行えて、Tune、Fireもあり、ハードシンク、リングモジュレーションまで出来る。更にトータルにLowPass、BandPass、HiPassがついていて、右下にCutoff、Resonanceもある。

ファミコンと比べるのも少し土俵違いな気もしますが、随分出来る内容が豊富です。音源チップのSIDとは「Sound Interface Device」の略なので、まさに当時の音に特化したチップですね。

 

 

SIDの操作方法

まず、具体的なパラメータを見ていきます。

  • 左にあるのがオシレーター3基。Off/OnでSquare(矩形波)・Triangle(三角波)・Saw(ノコギリ波)・Noise(ノイズ)にそれぞれ変更可能。
  • オシレーターそれぞれにリングモジュレーション、ハードシンク付き。
  • PWは「Square(矩形波)」の時のみ反応。デューティ比の変調で0~100%
  • Aの値は、2、8、16、24、38、56、68、80、100、240、500、800[ms]、単位上がって1、3、5、8[s]
  • D・Rの値は、6、24、48、72、114、168、204、240、300、750[ms]、単位上がって1.5、2.4、3、9、15、24[s]
  • Sの値は、0、7、13、20、27、33、40、47、53、60、67、73、80、87、93、100%
  • LP、BP、HPはチャンネルごとにBypassのON/OFF切り替え可能
  • Cutoffは、220~17999Hz
  • Reso・Volumeは、Sと同じ固定値ごとで、0~100%

画面右のフィルターは、通したくなければバイパスしてしまえば音はそのまま出力されますが、通した場合は、3つのフィルター最低1つはOnにしないと音は出力されません。

 

4種類の波形

3基のオシレーターではそれぞれ4種類の波形が出せます。種類は、

  • Square(矩形波)
  • Triangle(三角波)
  • Saw(ノコギリ波)
  • Noise(ノイズ)

の4つ。正弦波のみ、音色としてないだけですね。

 

ハードシンクとは

ハードシンクというのは、二つの周波数を同期させて新たな波形を作り出す機能のこと。

これはハードシンクの簡易図ですが、上図のように、周期の短いオシレーター2(緑)を使って、周期の長いオシレーター1(赤)にシンクをかけます。すると、オシレーター1(赤)オシレーター2(緑)が1周期するごとに波形が一旦リセットされ、結果的にオシレーター1は新たな波形を作る事になる

オシレーターシンクにはハードとソフトがありますが、一般的にはこのハードのことを指すようです。

もうちょっとだけ詳しく、という方はこちら

 

 

SIDでのハードシンクの確認

記事が長くなることを覚悟の上で、SIDでのハードシンクの確認をしてみます。

チャンネルは1と3を使い、それぞれチャンネル1にTriangle(三角波)、チャンネル3にSquare(矩形波Duty比50%)、周波数を変えるには、ピッチを変化させてやればよいので、お互いの周波数差を比較的低域で5半音(Tune12と17の差)空けてみました。ピッチが高いほど周期が短く、ピッチが低いほど周期は長いです。低域を選んだ理由は、単にオーディオデータで拡大した時に見やすいから。

 

矩形波のみ

矩形波はこんな音です。チャンネル3のみ、左で音色を選んだ上で、OutputをOnにしてやることで音が出ます。どうせなら全部にこのON/OFFをつけてくれたら楽だったのですが、エミュレートにそんな要望は筋違いになるでしょうね(笑

 

三角波のみ

正弦波に凄く近い音の感じで、篭っているようにも聞こえます。チャンネル1の一番左「Wave」で「Triangle」を選んで単に鳴らした音。

 

矩形波・三角波同時鳴らし

チャンネル1と3の、矩形波と三角波を単に同時に慣らしただけの状態。周波数特性も単に重なり合っただけで、音も別個に聞こえます。

 

同時鳴らし、Sync3<1(三角波の周期を優先)

チャンネル3の矩形波の周期をチャンネル1の三角波に同期させます。SID真ん中の下「Sync3<1」をONにします。「3<1」というのは、「チャンネル3の周期より、チャンネル1の周期の方が上」。つまり、1の三角波の周期を優先させるということ。

音も、矩形波の方に変化が現れたのが視覚と耳からもわかります。

 

同時鳴らし、Sync1<3(矩形波の周期を優先)

今度は逆に、チャンネル1の「Sync1<3」をONにします。こちらはチャンネル3の矩形波の周期をチャンネル1に当てているという形。こちらは音が一つにまとまったような感じがします。

 

矩形波のみ鳴らし、Sync3<1(三角波の周期を優先)

チャンネル1から信号部分だけをチャンネル3に同期している状態です。チャンネル1は一度鳴らしてしまえば、Wave/OFFにして出力を切っても、このプラグインの作りでは周波数の信号はそのまま残っているみたいなので、このように同期だけさせて単音鳴らしということが出来ました。

 

三角波のみ鳴らし、Sync1<3(矩形波の周期を優先)

こちらはチャンネル1の三角波出力に、チャンネル3の周期分だけを優先させた場合。もしこの状態で、優先させているチャンネル3の同期周波数を変えたいという場合、この状態でチャンネル3のTuneを回しても反映されません。一度チャンネル3で音を出して、そこからTuneでピッチを変化させてから、同期先のチャンネルに反映される形になっているようです。

 

 

リングモジュレーターで音作り

Syncの下にRingというボタンがあります。それがリングモジュレーション機能。これを使ってちょっと音作りをしてみたら、なかなかかっこいい低音が出来ました。

ノートはA2。チャンネルは1を矩形波、3を三角波として、チャンネル3の「Ring3<1」をON。矩形波のDuty比は78%Tune-28。三角波とは28半音分のピッチ差があるということですね。そしてここで倍音が上手く噛み合った感じがしました。

 

なので、試しに矩形波のTuneを1オクターブ上げた状態のTune-16。こちらも良い感じに音が混ざり合っているかと思います。

 

リングモジュレーション機能とは

二つの周波数の和と差、つまり単純に足し算した周波数と引き算した周波数を同時に出力するというもの。例として、「2,000Hzの周波数Aと、500Hzの周波数Bがあったとする」と、リングモジュレーターで出力される周波数は、

  • A+B=2,500Hz
  • A-B=1,500Hz

ということになります。げげ、これはなかなかやばい周波数の値を出力してしまったようです(笑

 

リングモジュレーターの使い方はSleepfreaksさんが非常にわかりやすくオススメなのでこちら

ついでに、理論的にパッとわかりたい場合はこちら

それぞれご参照ください。

 

このSIDのプラグインだけでいえば、上の画像のように、「Ring3<1」とある場合、三角波(Triangle)を符号の低い方(チャンネル3)に置くと、Ring/ONにした際、チャンネル1は「Triangle・Square・Saw・Noise」全ての音色で音が変化しました

それ以外は「Triangle<Triangle」を除く全てにおいてRing/ONでも新たな音の変化は確認できませんでした。例えば、チャンネル1=Square・チャンネル2=Sawでは、リングモジュレーション機能をONにしても音の変化は起こらなかったということです。

 

また、ハードシンクでの参照先の周波数の信号だけ受けて単音出力するやり方はそのままリングモジュレーターでも出来るので、二つの和と差の音が同時に出力されるリングモジュレーターで、単音だけ出力させることが可能です。上画像で言えば、チャンネル1の出力をOFFにすれば、チャンネル3から片方の音が出力されます。

Ring3<1だから、多分引き算分の周波数が抽出できている、とは思うのですが、そこまでは確認していません。とりあえず、単音分は出る

 

 

おわりに

今回は曲作りはせずに、音作りをメインにしてみました。パラメータが色々あるとそれだけで音作りを楽しめてしまうので、時間があっという間に過ぎちゃいますね~・・・いやほんと。

Commodore 64のエミュレート、SIDのお陰でまた一歩シンセ音レベルが上がりそうです。

カットオフ・レゾナンスに関しては今回触れませんでしたが、それは別の機会にまとめたいと思います。

 

それでは!

 

【FC音源】ファミコンをエミュレートしたプラグイン『RP2A03』でチップチューン作り

今回は、「SOCALABS 8-BIT TREATS」のうちの一つ、ファミコンを模した「RP2A03」の仕様を見てみます。

 

任天堂のファミコンといえば国内では知らない人はいないであろう、ゲーム業界の金字塔ハードウェア。去年の2016年11月、ファミコンのクラシックミニが発売されて話題となり、今年の2017年10月にはスーパーファミコンのクラシックミニが新たに発売されました。

ファミコンのクラシックミニは去年の発売以降、一旦生産中止となっていましたが、今年のスーファミのクラシックミニが発売されるとほぼ同時に生産再開することになったようです。スーファミの方も、来年以降も生産していくようですね。

2017年11月くらいでは、実店舗にまだファミコンミニの姿は見えてなかったのですが(私の地域では)、クリスマスにはなんとか少ないながらも間に合わせてくれるんじゃないかなぁとは思います。

SWITCH・スーファミミニ・ファミコンミニ・・・任天堂は大忙しですねぇ。

 

RP2A03の仕様を確認

さあ、早速プラグイン「RP2A03」を使ってみましょう。RP2A03の仕様は、

  • Ricoh 2A03をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • 三角波チャンネルが1つ
  • ノイズチャンネルが1つ

ですので、これにDPCM(サンプリング音)を1チャンネル分加えてやることで、ファミコン音源の再現の形は整いそうです。

 

ちなみに、PSG音源のWikiの後半に、

  • パルス波(矩形波)発生装置 2系統(デューティ比3:1、1:1、1:3、1:7切り替え)
  • 三角波発生装置 1系統(4bit波形、音量は仕様上固定だが、DPCMと絡んだバグに近い挙動が存在し、これを利用するといじることが出来る)
  • ノイズ発生装置 1系統(擬似乱数雑音・短周期ノイズ切り替え、周波数変更が可能。ただし、最初期型(コントローラのボタンが四角いゴム)のファミコンでは短周期ノイズは出せない)
  • DPCM 1系統
  • ミキサー

という仕様の音源がRP2A03に組み込まれていて、これをpAPUと呼び、そしてこのpAPUのパルス波発生装置はゲームボーイ・ゲームボーイアドバンスにも使用されているとのこと。

・・・おや、「SOCALABS 8-BIT TREATS」のゲームボーイ音源のプラグイン名が確か「PAPU」でしたね。

 

実機のゲームボーイは、

CPU:シャープ製のLR35902にサウンドなどの機能と共に組み込まれている。

出典:ゲームボーイ – Wikipedia より

ということなので、サウンドも司るCPU名をプラグイン名にということであれば、ゲームボーイ音源プラグインの名は「LR35902」でも良さそうなものですが、ゲームボーイ音源は、初代ファミコン音源のデューティ比切り替えの出来るパルス波を持つという特徴があるので、そちらの方を優先させて「PAPU」という名を付けられたのではないかと思います。

 

DPCMとは

そもそもDPCMとは、「差分パルス符号変調」といって信号の圧縮方式のこと。ファミコンではこの方式を音の圧縮に取り入れて使用しているので、

ファミコン音源でいうDPCMは「音の荒いサンプリング音」

と捉えて頂くとわかりやすいかと思います。

 

こちらの動画が非常にわかりやすかったのでご紹介。

サンプリングとはいえ、ファミコンの容量ではどうしてもデータを小さくしないといけないため、音がザラザラといいますか、通信が途絶える一歩手前のトランシーバーみたいな音になってしまいやすい。

なので、マリオ3のあの抜けのいいパーカッションの音などは逆にビビります。凄い。

 

FamiTrackerのDPCM部分のサンプルを見てみると、画面右側「Loaded samples」の下に0~8までの系9個の音がサンプリング音として収録されていました。0~4までは、A#・B・C#・D・Dの音がサンプリングされ、5~8にはパーカス・リズム音が使われています。

実際にこの辺りは8bitのゲーム内での容量の許す範囲内で、ということですね。

 

スーパーマリオ3では、DPCMにドラムキットなどのパーカス音が思ったよりふんだんに使われているのがわかります。

実機におけるDPCMの具体的な音の出し方については、私にとって理解が届かない部分も多かった為ここでは割愛しますが、ひとまずこの記事でのファミコン音源再現としてのDPCMは、幾つかの低ビットレートを想定したサンプリング音ということで話を進めていきます。

 

以下、DPCMについての参考ページ。

  1. こちらのページ中盤のDPCMの項目
  2. こちらの記事、冒頭部分
  3. こちらの記事、中盤のDPCM

 

 

RP2A03の操作方法

前置きが長くなりましたが、RP2A03のプラグイン画面を見てみます。

  • 矩形波チャンネル2つ、どちらもスウィープ機能あり(画面左)
  • 三角波チャンネル1つ、ON/OFFのみでTuneとFineのみ(画面右上)
  • ノイズチャンネル1つ、音量0~100%、切り替えON/OFF(画面右下)
  • 一番右下に全部の音のトータル出力調整
  • Pulse:矩形波の音量。0~100%
  • Duty Cycle:音色の変化。duty比:12.5%、25%、50%、75%4つ
  • Tune:キーの変更1単位で1半音、-48~+48まで
  • Fine:更に細かいピッチ変化100で1半音、-100~+100まで
  • Sweep:スウィープパラメータ。マイナスだと音が落ちていきプラスだと音が階段状に高速で上がる。-8~+8
  • Shift:スウィープパラメータ。数字が大きいほどゆっくりになる。0~7

 

プラグインの「PAPU」では矩形波チャンネルにAttackとReleaseがありましたが、こちらではその設定がありません。ただし、音量調整は2つのチャンネルに個別でついています。三角波に至ってはピッチの調整以外なく、ON/OFFのみで非常にシンプル。ノイズも音量調整と切り替えON/OFFのみ。

ファミコン初期時代は、こんなシンプルさで曲を作っていたんですね~。そしてその中で様々な工夫が生み出されて今がある・・・なんというロマン。

 

 

サンプル曲を作ってみました

あまり難しいことはしていません。デチューン音色を途中で使っているのと、擬似ディレイと効果音的な音を作って混ぜたくらいです。ほぼフルで使ってはいますが、構成は結構シンプル。

 

Kick(バスドラ)とSnareはDPCMでサンプリングしたと置き換えて、低ビットレートで録音したものを2点のみ使用。あとは、主に矩形波の1チャンネル分をコントロールチェンジ(CC)といって、実機では内部で途中途中音色やパラメータを変更しているとして、その分をトラック数を増やして表現しました。

最終的に矩形波2+三角波1で、合わせて3和音を越えなければいいという、いつも通り大雑把なやり方です(笑

 

内訳は以下の通り。

 

DPCM分、バスドラの音

GrooveAgent・Comp Kit CDのバスドラをCubaseでビットレートを下げて録音したものを使いました。

 

DPCM分、スネアの音

こちらも同じキットのスネアを、ビットレートを下げて録音。FamiTrackerで録って少しリアリティを・・・とも思ったのですが、変換につぐ変換の手順が遠かったのでやめました。

 

矩形波1(リード、装飾の擬似ディレイなど)

デューティ比12.5%。出力は最大。

 

矩形波2(リード、ハモリなど)

デューティ比50%。出力は最大。

 

サビ一周目の矩形波2つのデチューン(リード)

デューティ比25%、出力は最大で、片方だけFine-20にして重ねています。

 

三角波(ベース)

ONのみ!!

 

ノイズ(リズム、ハイハットの代わり)

50%出力のみ!!(笑

 

飛び道具的な矩形波(スウィープで効果音的に使用)

デューティ比12.5%。出力は最大にして、SweepとShiftをそれぞれ-2、2にするとこんな音が出ます。序盤はノートを下の方、つまり低域に置くと潰れたようになりますが、高域に音を置くと、最後のティウンティウン音になります。この音を聞くとロックマン、もしくはスターラスターを思い出す・・・。

 

 

擬似ディレイ

今回、擬似ディレイを使ってみました。上記に載せた矩形波1(リード、装飾の擬似ディレイなど)の音がそうなのですが、そのやり方は上画面の通り。

続く音をすぐ後ろに等間隔で置いて、ベロシティを小さくしただけ。これで、奥行きが感じられるように聞こえるわけですね。当時のファミコン時代はこうして如何に、制限のかかった状態で音の表現を豊かにしていくかを作り上げていったんですね~、いや~スバラシイ。実にスバラシイ。

 

 

おわりに

ファミコンの音使いは、時代が後半になるにつれてどんどん工夫が凝らされていって、ここまで出来るのか!?という音の表現が編み出されていたりしますが、今回のサンプルのように、非常にシンプルな曲も多いです。

ごく初期のファミコンソフトでは効果音だけでそもそもBGMがないものもありますし、DPCMの存在も初めは認知されていなかったなど、結構奥が深い。

 

チップチューンの完成度を高めようとする場合は、実機をプレイするのが一番なんですけど、例えば、ゲームで効果音が鳴っている間、最低限BGMの妨げにならないようにするために、

  • 矩形波チャンネル1=メロディメイン(固定)
  • 矩形波チャンネル2=効果音orハモリ・アルペジオ
  • 三角波チャンネル1=ベース(固定)

という風に、1チャンネル分は効果音と兼用のチャンネルになることを想定して、SEが入った時だけ矩形波チャンネル2のBGM入力が一旦リセットされて、SEが鳴り終ったらそのBGM入力の続きが出力される、とか。

またこれはゲームにもよりますが、コントローラのボタンを押したときにその信号入力によって(微妙にですが)他の信号との干渉が発生して、何かのタイミングの入力時だけ音が一瞬小さくなるとか・・・(これはやりすぎか

 

このように、方向性にもよりますが、非常にシンプルながらも、奥の深さが底知れないのが、チップチューンの面白さの一つなのではないかと思います。

 

それでは、今回はこの辺で。

 

【GB音源】Gameboyをエミュレートしたプラグイン『PAPU』でチップチューン作り

前回、

1980年代ゲーム機の音源をエミュレートした『SOCALABS 8-BIT TREATS』が無料配布

という記事を書きました。

今回はそのプラグインの一つ、ゲームボーイをエミュレートしたPAPUを使ってGB音源風のチップチューン作りをしてみたいと思います。

 

PAPUの仕様を確認

PAPUの仕様は、

  • 任天堂ゲームボーイをエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • その内片方のチャンネルにはスウィープ機能搭載
  • ノイズチャンネルが1つ
  • ステレオ機能(LCR)搭載

本来のゲームボーイ音源にはこれに「波形メモリ音源」が載っかっています。なので、PAPUとその波形メモリ音源に変わるプラグインを使ってやれば、GB音源を再現できるということですね。

 

波形メモリ音源とは

波形メモリ音源はちょっと特殊で、こちらの記事を参照すると、

1周期分の波形データだけ持っておいて音階をつけて鳴らす音源方式

ということ。

 

どういうことかというと、

これはChip32というソフトで見る矩形波。例では真四角です。この形を一周期として音が鳴っている。PAPUの画像でも一つの波形がずーっと連続して並んでるように見えると思います。

この音はこんな感じ。

 

そして、波形メモリ音源というのは、この一周期の形を自由に変形できるというもの。

例えば、真ん中だけそれぞれ凹ませた波形を作ってみて聞いてみると・・・

 

真四角の矩形波よりちょ~っと音が明るい感じになりました。もっと変化つけた方がわかりやすかったかもしれませんが、波形メモリ音源はこうして自由に波形を変形させられるので、チップチューン音の基本となる正弦波・矩形波・三角波・ノコギリ波以外の独自の音を作る事ができる。

ナムコ社のアーケード版「ドルアーガの塔」や「マッピー」なんかにはこれが搭載されて、当時は新たな音の表現として画期的だったそうです。

 

というわけで、PAPUにこのChip32を併用して、ゲームボーイ音源を再現する形をとってみます

Chip32はフリーソフトです。ダウンロードは、こちら

OS対応はWindowsではXPまでの表記ですが、私のWindows7でも動きました。

 

 

PAPUの操作方法

改めてPAPUのプラグイン画面をみてみます。

 

  • 1つ目の矩形波チャンネルにスウィープ機能
  • 2つ目の矩形波チャンネルはスウィープなし
  • 3つ目のノイズチャンネル
  • その横に全部の音のアプトプット
  • PW:音色の変化。duty比:12.5%、25%、50%、75%4つ
  • Attack:音の立ち上がり0.0、0.3、0.5、0.8、1.0、1.3、1.5、1.8s
  • Release:音の余韻の長さ0.0、0.3、0.5、0.8、1.0、1.3、1.5、1.8s
  • Tune:キーの変更1単位で1半音、-48~+48まで。
  • Fine:更に細かいピッチ変化100で1半音、-100~+100まで。
  • Sweep/Shift:スウィープの度合いを決めるパラメータ(弄った方が分かり易い)

 

こんな感じでしょうか。文字で説明するより実際に弄った方がわかりやすいかとは思いますが、最初なので記載しておきます。

 

 

スウィープ機能の音作りで遊んでみる

弄っているとすぐに色々な音が出せることがわかります。わかりにくいかとは思うので、サラッと見てください。一例として私が遊んで作った音を載せておきます。

 

スライムが歩くような効果音

小さいなにかがヨチヨチ歩くような効果音。チャンネル1のパラメータは上記赤枠。左上のノートを1オクターブ下げてやれば、Tuneを-18から-6にしてやることで同じ音になります。

 

弾を発射する音など?

Tuneがえらいことになってますが、それはノートが下の方にあるからです。色々弄ってたらこんなパラメータになってしまった(笑

ランダム要素を出すためにクオンタイズをかけません。

 

何かが落ちる音

ノートは短いですが、その分リリースを少し伸ばして余韻を作ります。

 

何かが迫ってくる音

これはスウィープではなくノイズですが、ついでに載せておきます。

アタックを少しだけ遅らせると、迫り来る感じが出てきます。ノイズの種類をかえてちょっと弄るとこんな音が出せるという。

 

 

ゲームをしているような展開を表現してみる

簡単に、ゲームをプレイしている時のように音を置いていってみました。

作ったあとに思ったのですが、曲が始まったあとも効果音入れればそれっぽく聞こえたかもしれませんね。ま、まぁ、今回はサンプルということで(逃

そして以下は、その時使った音などの資料です。

 

ベース音やバッキング、サビのリード音

デューティ比25%の明るい使いやすい音。

 

Aメロのリード音

使用しているのは2チャンネルの矩形波。デューティ比は50%。透き通るような音ですね。アタックを0.3にしてフワッと入るようになってます

 

リズム隊のノイズ音(ハイハットの代わり)

使っているのは一番下のノイズ部だけ。うるさすぎないよう、Outputを少し絞っています。

 

波形メモリ音源で作った音

独自に波形を作れるので、結構違った音が作れますねー。良さそうな音を色々探せそう。

 

 

PAPUを使う時の留意点

PAPUは、モノフォニック(単音発声)なため、全チャンネルをONにしても3チャンネル全部同時に鳴るだけで、和音は鳴りません。3チャンネル同時に鳴るのと、和音を出せるのはまた意味が違うということ。

 

なので、ゲーム内ではその時その時で音色などを変換していることを想定し、矩形波2+波形メモリ1+ノイズ1の最大計4音がなるようにバランス調整しました。

トラック数が多いのは、違う音色に切り替えた時の音を別トラックで予め作っておいた方が楽なので、そうしています。一応トラック数も絞って音色を変えたりは出来るのですが(昔はよくそうしていました)、ただの自分用サンプルの場合はこうして大雑把(笑

 

ちなみに、今回のサンプルでは取り入れていませんが、モノフォニックではあっても、ピッチを少しずらした矩形波2つを同時に鳴らすと、少し太めといいますか、新たな音がでます。

まずは、普通の矩形波一本。

なんの変哲も無い、ただの矩形波のようだ・・・!!

 

しかし、2本目のピッチをすこ~しだけずらすと・・・?

わーお、かっこいいー

 

矩形波2チャンネルを使い、片方のピッチ(Fine)を16/100半音ずらしてみた時の重なりの音。これは別に全く同じ波形でなくとも、色々な波形の組み合わせで音が違います。

この音の重ねで出力される音は結構かっこいいことが多いので、ここぞという時に使うと良い味が出ると思います。こういう微妙に違う音を重ねて厚みのある音を作る事をデチューンといいます。

 

 

おわりに

矩形波やノイズなどを出す音源は色んなプラグインが沢山あるので、PAPUに限らず、自分に合った音源を使うのが一番ではあると思います。ただ、ゲームボーイ音源がどういう風に作られているかを知るという意味では、エミュレートされているだけあってそれにほぼ近い内容での曲は作れるのではないかと思います。

デューティ比やアタックなどのパラメータがある程度固定で用意されているというのも、実機感があっていいですね。その感覚を使っていって覚えていくのは結構ありかなと思いました。

 

それでは!

 

1980年代ゲーム機の音源をエミュレートした『SOCALABS 8-BIT TREATS』が無料配布

音楽制作ソフト・ハードウェア開発を行っているTracktion Corporation社が、1980年代のゲーム機の音をエミュレートしたソフト音源、「SOCALABS 8-BIT TREATS」を無償配布しています。

SOCALABS 8-BIT TREATSには4つのプラグインがあり、それぞれ

  • PAPU(ゲームボーイ・任天堂)
  • RP2A03(ファミコン・任天堂)
  • SID(Commodore 64)
  • SN76489(セガ・マスターシステム)

をエミュレートしているようです。

ICONさんの記事を何気なく読んでいたらこれを目にして、ちょっと面白そうなプラグインだと思ったので記事にしてみました。

 

PAPU(ゲームボーイ)

公式ページには、

  • 任天堂ゲームボーイをエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • その内片方のチャンネルにはスウィープ機能搭載
  • ノイズチャンネルが1つ

とあります。

ゲームボーイの音色とチャンネルは、

  • 矩形波2
  • 波形メモリ1
  • ノイズ1

なので、PAPUに波形メモリ音源を別で用意して1チャンネル分加えてやれば、ほぼゲームボーイ音源を再現できそうです。波形メモリ音源がない以外には、きちんとGB音源のステレオ出力も再現されている。

ゲームボーイのステレオ出力って、印象全然覚えてないんですけどね。友達がちらほら持ってたくらいだしなぁ。

 

RP2A03(ファミコン)

  • NTSC方式・任天堂ファミコンのRicoh 2A03をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • 三角波チャンネルが1つ
  • ノイズチャンネルが1つ

NTSC方式というのは、ビデオ出力・放送方式のことで日本や主に北アメリカで採用されているもの。そのファミコンに使われている、リコーが開発した2A03という8bitCPUをエミュレートしたものだそうです。

拡張とかそういうのは考えずに、DPCMの無いごく普通のファミコン音源と考えるとよいと思います。

DPCMとは、要約すると「サンプリング音を一つだけ使えますよ」ということ。くにおくんの「なめんなよ」とか、マリオ3の甲高いコンガみたいなパーカス音がそうですね。

 

 

SID(Commodore 64)

  • モステクノロジー開発のSID搭載コモドール64(C64)をエミュレート
  • 3基のオシレーター
  • 矩形波・三角波・ノコギリ波・ノイズの4種類の波形
  • オシレーターごとのADSR機能
  • リングモジュレーション(三角波出力切り替え)とオシレーター間のハードシンク機能
  • ハイパス・バンドパス・ローパスフィルター搭載

コモドール64とは、ファミコンとほぼ同時期に欧米などで流行ったコンピューター。日本ではほとんど売れなかったそうで、その道の人でなければ国内での認知度は低いかも知れません。

しかし性能は凄い。4種類の波形を出せるオシレーターが3基。またADSRのパラメータ変化も可能。ADSRとは「Attack、Decay、Sustain、Release」のことで、ゲームボーイを模したPAPUよりも随分と操作の幅が広い。

更にリングモジュレーションにハードシンク機能、ハイパス・バンドパス・ローパスフィルターまで積んであり、いや~これは値段高くてもしょうがないでしょう。C64凄いね。

そんなC64を模したプラグインがこのSID。CPUの名前のまんまですね。

 

SN76489(セガ・マスターシステム)

  • セガ・マスターシステム(他)のテキサス・インストゥルメンツ社開発のSN76489をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが3つ
  • 3和音発声
  • ノイズチャンネルは1つ(種類は2つ)

メガドライブの前身となるセガ・マスターシステムの音源を模したプラグイン。C64はどちらかというとパソコンに当たるため、性能はずば抜けているようにも思いますが、こちらはゲーム機。

矩形波3つがモノフォニックではなく、そのまま一つとしてポリフォニック。つまり3和音発声という形になっている。ノイズの種類が二つあるのがちょっとした特徴ですね。

ちなみに、YAMAHAのYM2413というFM音源搭載は日本版のみで、このプラグインには用意されていません。

 

自作でSN76489を鳴らしている動画。こういった動画は見ていて面白いです。

へー!こういう風になってるんだー!って感心してしまうというか。

 

ダウンロード方法

とても簡単。まずはこちらへ飛びます。

 

そして、真ん中の「FREE DOWNLOAD」をクリック。

 

未登録であればアカウントを作ります。各項目を入力して、ロボットじゃないよと宣言して、「SUNMIT」をクリック。

 

ご自分のプラットフォームを選んでクリックし、Downloadします。私はWindowsなので真ん中を選択。

 

あとは、DLされたファイルを解凍し、中のテキストにも書いてありますが、DAWのプラグインフォルダにdllファイルを移してやれば終わりです。

例えば、Cubaseを使っている場合は

  • C:\Program Files (x86)\Steinberg\VstPlugins

など。

 

おわりに

懐かしのファミコン的なサウンドを今では「チップチューン」と一括りにカテゴライズされていますが、実際の実機では、使われているチップが似ているけど違うので、それぞれの音構成も、似ているけど違います(2度言う

ネオジオやX68000などに使われているFM音源は、この矩形波がよく使われた時代の少しあと。このプラグインにはそのFM音源が入ってないところにどこか拘りを感じる(笑

フリープラグインで操作自体もそんなに難しくはないので、チップチューンを作るならダウンロードして使ってみるものいいと思います。「SOCALABS 8-BIT TREATS」

あとでこれの操作感の記事でも書いてみようかな。

 

それでは!

 

2017年11月まとめ「ブラックフライデー効果で使用音源が激増」

こんにちは、MAKOOTOです。

 

10月まとめは中途半端になってしまったので、サラッと11月まとめに吸収いたします。

最近毎日がめまぐるしいので、「もう一ヶ月経った!?」という感覚が凄いです。思い出しながら書いていこう。というかM3もう一ヶ月前なのか。

THE・箇条書き(10月~11月)

  • プラグイン等音源の情報収集開始(10月中旬)
  • CombatHeaven楽曲、ブログ記事用に一曲作成(10月中旬)
  • Youtubeに動画投稿一個(10月下旬)
  • M3参加(10月末日)
  • M3でゲットしてきたCD聞きまくってた(11月上旬)
  • APOLLO参加「じゃがいもクエストOST」26曲作成(11月中旬)
  • 楽曲使用を頂いた作品プレイなど(11月下旬)
  • ブログトップ修正(11月下旬)
  • ブラックフライデーで音源激増(11月末)

 

大体一週間置きに何かしらやってますね自分。こういう風に箇条書きすると何やってたか思い出しやすいし、書きやすい。

 

プラグイン等音源の情報収集開始(10月中旬)

 

先日、Air Music Technologyのマルチ音源「Xpand!2」が無料!【購入までの流れ】という記事を書いてみたんですよ。この頃からゆにばすさんICONさんの記事から情報を得たり、またブログの書き方を学ぶために少しずつ色んなサイトを見るようにしだしました。

で、私はアホなので、情報が飛び込んできたのち、購入手続きだったりオーサライズした内容をすぐに忘れてしまうんです。毎回そこで買い物していれば別ですが、音源の買い物なんてそんな頻繁にしないし、アクティベートも購入後に一回済ませれば、PCを買い換えたりしない限り普通にしません。

だからすぐに忘れる。そして数年後、何かの拍子で再びアクティベートの手続きが必要になった場合、

  • 「あれ、何をどうやるんだっけ・・・」
  • 「アクティベートコードどこに書き残した?」
  • 「ログインのメアドとパスどれだ・・・?」

こういう自体によく陥って時間を食ってました。

 

今年に入って改めて個人事業の開業届けを出して活動しているのに、なんか自己管理が全然出来ていないことも踏まえて、こんなんじゃいくら時間あっても足りんぞと思い、それなら自分のブログに備忘録的にその時の流れを書いてしまえばいいじゃないと思い、試しに情報系のブログを一個書いてみることにしたんですね。

ここでポイントなのは、ただのセールなどの情報であればすでに他のもっと詳しい方が書いていらっしゃるので、わざわざ自分が書く必要性は薄い。そこで、あくまで自分が忘れてしまった時の自分に向けて、購入・アクティベートまでを載せればいい。プラスそれを目にした方にも多少なりとも役に立ってもらえるなら、尚良いのではないか。

そう思ってXpand!2の記事を書いてみたら、今一番私のブログで目を通されている記事になってしまった(笑

 

ここで学んだことは、

  • 発信する側は中途半端な内容は書けないということ
  • 自分が一番それについて知っていないと成り立たないということ
  • 自分の失敗にいちいち凹んで時間を食わないこと

など、改めてインターネット上で自分はどう在るべきか、どういう方向性でやっていきたいかを考えさせられました。

 

不確かな情報を出し続けてそれに気付いていなくてもぶっちゃけいいっちゃいいんですよ。それは単に自分の信頼を落とすだけなので。ネット上の見る人の目は確かで、どんなに見栄え良くしようとしても、誤魔化そうとしてもそれは無意味。

そんなことを気にするより、自分がより正確に、よりレベルを上げて、より役に立つ情報や楽曲を発信するために日々学んでいけばいいだけのこと。そして間違いに気付いたら、すぐに修正する。

日々、学びは多いなと思います。

 

CombatHeaven楽曲、ブログ記事用に一曲作成(10月中旬)

格闘ボス

記事:【Lv1】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

記事:【Lv2】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

 

結局、あれからこの記事内容の一曲しか書けてはいませんが、CombatHeavenの宣伝も込みで、私の曲作りの流れを書いてみるという一例記事。

CombatHeavenはまだ体験版なので、むしろ正規版が実装されて始めて表舞台に立てるのですが、今の体験版での評価は割と良いようです。このプロジェクトはどちらかというと長期になるので、これからBGMだけじゃなく、SEも本格的に力を入れる必要がある。気合は入る。

 

Youtubeに動画投稿一個(10月下旬)

 

UndertaleにハマってSansのMegalovaniaをアレンジしました。

Youtube投稿も今後考えて行きたいというか今までやってこなかったので、まずは足がかりということで動画投稿にチャレンジ。動画の世界はそれはまた奥が深いなと思いましたが、やれることはまずどんどんやってみる。

それに、他の動画を見て、どういった楽曲が求められているのかも参考になるので、それも踏まえてYoutubeでの方向性も考えて行きたいところ。

 

M3参加(10月末日)

記事:2017年秋M3にEBI君の売り子手伝いとして参加してきたので簡単に報告。

ということで、M3参加してきていました。EBI君はしばらく会わない間にもう顔が広すぎてテニスコートのネット並みに受け幅が広くなっていましたが、そのお陰もあり、色んな音楽に携わる方々とお会いすることができました。

意外なことに、私の昔の活動を偶然知っていたあださんや、これまた昔とあるイベントで一緒に参加していた岩ちゃんなど、M3はほんと色んな分野の人がさりげな~く集まっている。ビビりました、正直。

 

M3でゲットしてきたCD聞きまくってた(11月上旬)

トップページを少し手直しし、トップページのレビュー一覧にてまとめてありますが、M3で入手した作品に入り込むような感覚で聞き込み、ブログに感想を述べてみた。

今までは受動的に作品にのめり込むことで、「この作品はこうだった」と把握出来たのですが、それだと自分の琴線に触れないとなかなかそれを言葉に出来ないことに気付いた。

なので、こちらから他の世界へ能動的にアクセスするようにM3の作品を聴いてみたところ、各作品において様々な世界が展開されていることがよくわかるようになりました。

 

ほんと、色んな世界が構築されていて、それを音で表現されている。お陰で何を伝えたいか、どういった世界がそこにあるか、より深みを見ることが出来た気がします。

 

APOLLO参加「じゃがいもクエストOST」26曲作成(11月中旬)

第7回のAPOLLOに参加。こちらはM3とは違い、初参加となりますが、WEB上の音楽マーケットイベントも結構な賑わいを見せていて、面白かったです。

 

じゃがいもクエスト

ちなみに、APOLLO参加用に用意した「じゃがいもクエストサントラ」は、APOLLO開催日+翌日で計4枚売れました。ありがとうございます。

BOOSTして購入頂いた方、どうもありがとうございます。引き続き頑張ります。ちなみにそのうちお一方はあださんであることは、わかっています(笑

 

この辺の、どういった作品が好まれるのか、どういったアプローチがあるのかなども勉強していこうと思います。

 

楽曲使用を頂いた作品プレイなど(11月下旬)

コモンズDOVAなどで置かせて頂いている無料楽曲をご使用頂いた作品をプレイしてました。以下、画像をクリックすると各作品置き場などに飛びます。

 

記事:HSPプログラムコンテスト2017『GLOBE GUNNER』をプレイしてみた

 

 

記事:角掛みなみのビブリオンの魔法使いのラジオが予想以上に癒される件

 

 

記事:ニコニコのRPGアツマール『僕とお嬢さまの嘘つきな箱庭』が面白かった

 

折角なので、それぞれ使って頂いた楽曲の使用状況と印象、そして使用頂いた各作品を味わうため、ゲームプレイしたりWEBラジオ聞いたりして、感想を書いてみました。

これによって、同じ作品の中で他にどういった楽曲がどの場面で使われているか、また雰囲気やクオリティの違いやバランスなど、新たに色々なことに気付けました。

 

ここ2ヶ月無料楽曲を投稿していないので、新音源導入もされたことですし、年末に向けてゴンゴン曲を書いていこうと思います。

 

ブログトップ修正(11月下旬)

こちらの方に、「トップもっと見易くしたら良い感じですよ」と頂いたので、久々にWordPressと格闘してきました。

 

記事も大分増えてきたので、改めて記事を各カテゴリー別に再振り分けして、自身もこれからどういう記事を書いていったらいいかを簡単に整理。

本当はSTINGERなどのテーマも色々使ってみたいのですが、レイアウト崩れしてしまったり、新たにまた時間がかかりそうなので、ちょっとずつ実験しながら取り入れていこうと思います。

 

ブラックフライデーで音源激増(11月末)

今年のブラックフライデーで購入した音源は、

  • KONTAKT5(色々音源入ってる)
  • KOMPLETE11(更に色々音源入ってる)
  • bx_XL V2(MS処理が出来るリミッター)
  • Hybrid3(シンセ音源)

 

音源激増の理由は、主にKOMPLETE11が原因なんですけど、これで激増とか言ってたらULTIMATEを手にした日には自分が爆発するんじゃないかということになります。

デイダラみたく、違う意味で爆発できたらと思います。うん。

 

また、KONTAKT5を購入したことで、一年前に先走って買ってしまっていた、

  • KOTO NATION(琴・三味線音源)

が使用可能となりました。

他にも、幾つか無料配布等の音源を入手しましたが、それはおいおい記事にしていこうと思ってます。何にせよ、一気に音源が増えた感があるので、これからその使用感の確認もしていく必要はあるのですが、ンマーわくわくしますね。

 

おわりに

11月はじゃがいも以外、思ったほど曲作り自体は進んでいませんが、それ以外の分野に置いては少しずつですが、歩みは進められている気がします。

それと、11月のブラックフライデーで音源が一気に増えたので、それに関しての記事や曲も増やしていけたらなぁと思います。特に和楽。

 

ちなみに、11月の月間PV数は4,000超えてました。

凄い人は初めて三ヶ月で数万とかそういう数字を叩き出すようですが、私の場合自分のコンテンツのクオリティ向上と確実な地固めに今は勤しんでいるため、あんまり数字上げようとか変に頑張ろうとかは考えてないです。

嬉しくないわけじゃないです。むしろ嬉しい。嬉しいけど、それとこれとは話が別。現状を把握するための材料の一環として数字があるので、あんまり一点で見てもしょうがない。

 

むしろ、自分が常に一番楽(フラット)な状態にいられるようにして仕事をすること。その為の基礎作りを今は重点的にやってるという具合ですかね。無理してもあとでひっくり返るのはもう散々やってきたので(笑

仕事依頼ページもまだ整備はしていませんが、この辺りはそろそろ敷居を引いておきたいところでもある。noteとかもまだ手をつけてないので、やることは多いですが、確実に自分の視野は広がってきている。堅実に仕事をしよう

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ボクら完全に忘れられてたよね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]だからそろそろこの辺で使おうと付け加えたんだろ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]しょうがないから許してあげましょう。ボクは寛大だなー[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]久々の登場なのに相変わらずだなぁ、シブは…[/speech_bubble]

 

 

それでは、今日はこの辺で!(笑

 

ニコニコのRPGアツマール『僕とお嬢さまの嘘つきな箱庭』が面白かった

こんにちは、MAKOOTOです。

今日は、ニコニコ動画のRPGアツマールの投稿作品

【魔族のお嬢さまと】僕とお嬢さまの嘘つきな箱庭【○○な執事】

というゲームをプレイしてみました。リンクはこちら

 

プレイの理由は、この作品にBGMを使って頂いたからなのですが、この作品がですね~非常に面白かったんですよ。プレイ時間は30分~1時間でサクッと終われる内容ながら、作品の世界観と何よりストーリーに魅かれました。

正直続きや、他のキャラの話など、この作品をもっと深く掘り下げて味わってみたいと私は思ってしまった。

 

すんげ~~~良かったです(笑

 

作者のcf_uさんはこう、なんて言いますか、凄く情感の豊かな方で、そのストーリーテラーの運び方も上手いと個人的には思いました。ほんとにサクッとプレイ出来るよう作っているのでしょう。個人的にはもっと掘り下げて欲しいくらいに思ってしまった。これは本音。

 

「僕とお嬢さまの嘘つきな箱庭」の概要

作者のcf_uさんのブログ「メゾン路地裏」を見て頂くと一番わかりやすいかと思いますが、

 

探索や謎解き、文字入力ADV要素、ちょっとした放置ゲーム要素などを気軽に楽しめる読物系アドベンチャー

という、RPG要素を少し織り交ぜたノベルゲームです。

謎解き系のゲームって、面白いですよね。上手く作ればマップは一つで良くて、その中で行ったり来たり、キーワードからあっちこっちクリックして調べたりと、どんどん行動が楽しくなってきます。

作る方も、作りこみが好きな人にとっては楽しいと思うんですよね。設置イベントなどのトリガーの順番を間違えるとごっちゃごちゃになるという罠もありますが(笑

 

 

 

以下では、簡単に私のプレイの感想を書いていきます。

 

一時間以内には終わらせられるゲームですし、ストーリーも良いのでプレイして頂きたいとは思うので、少しのネタバレも嫌という方はすっ飛ばして下さい。

 

早速プレイしてみる

どこか明治維新の雰囲気を感じさせるオープニング画面。絵うまっ!

男性の方はとりあえずデカくて、少女の方はちいさっ、というアンバランスさが良い。ここのBGMが良いんですよね~(私の楽曲ではないです

 

さあ、ヒロインのお嬢様が出てきました。怖い感じでこの世界では通っているようです。黄色い花の髪飾りが可愛い。でも物言いは王族というこのギャップ差がいい。

 

ノベルゲームかと思いきや、RPGゲーム要素もあって、最初のマップでにんじんの箱を調べると、ちょっとした操作ができる。

 

このように、何かしらのアクションが取れる。ということは、何かしらの変化が起こせる。ストーリーに関わるからこのように用意されていると考えれば、実際に自身が操作に加わることで、その世界に足を踏み入れることになる。

 

何を起こすか、自分で入力できるようになっているので、試しに入力してみました。クリアランス!!

 

はい、少し難しい内容は受け付けませんよと書かれてあるのに「クリアランス」とか意味不明な単語を入力したのでこのように、何も起こりませんでした。

 

改めて「たべる」と入力をすると、

というわけで、成功。

このロジックを作るのって、難しいと思うんですよね。入力される内容を予め一通り用意していないといけない。色んな反応を作るには、それだけ作りこまないといけないんですよね。Undertaleなどを見ていると、どれだけ用意しているんだと感心してしまう。

 

イケメンの執事が出てきました。ここで大体今の状況が把握できます。これから何が語られるか楽しみになりますね。

 

たぬきリーダー、おざっす!!

マッピングの内容も結構しっかり作りこんであります。というのは、観葉植物や暖炉などを調べるときちんと説明が表示されるというところ。この辺の作りで、以降のゲーム内の作り込みが予想される、というか私はしてしまうので、短いながらも非常に丁寧だなぁという印象を受けました。

 

奥様は非常に美人でございます。そして見落とし気味ですが、右後ろの赤いのが旦那様。

 

物語が進み、絵画の中へ入ることになりました。

 

RPGゲームのドットキャラと色合いを同じようにしていますね。この作品に登場する女性は皆、強そうですね(笑

 

・・・そういうことらしいです。作中のこの子の認識が読み手と同じで非常に親切。

 

冒頭のにんじんに起こしたアクションの説明をここでしてくれます。この要素が拡張されれば、物語の幅はググッと広がるでしょうね。

 

船がしゃべってる。いいですね~こういう擬似生命体。非日常が日常であるという世界観はやはり面白さを感じさせます。

ちなみに私のフリー楽曲「旅路」がここで使われていました。物語にのめり込んでいくと気にならなくなりましたが、やはり最初聞いた時ループ処理がちと甘かったかもと思いました。

 

この作品の非常に良いところは、きちんと作品内の世界観をプレイヤーに順序立てて誘導していってくれるところ。誘導がスムーズで、でも自分で動くべきところは動かせてくれる。感心しました。

 

この後、一旦執事と緑のグラマーの二人組での操作になります。

 

何気ないオブジェにもこうして立ち絵があると、何かあるのかな?と思いますよね。

 

ありました。意味のあるところに、しっかりヒントを作ってくれている。上手い。

 

ここは少し探索ゲームとしての要素を味わえるところ。葉っぱが一つの鍵になっています。

 

虫めがねを葉っぱと交換したら、先程の居間に黒い人影が見えました。いいですね~こういうちょっとしたサブイベント。

 

にんじんではクリアランスとバカな入力してしまったので、ここは素直に簡単な動作を入力します。

 

こちらもサブイベント・・・かと思いきや、ストーリーに関わるイベントでした。

 

ここでの緑のお姉さんはこっちの方なので、すでにパンツ見えてるか、衣装か何かでしょう。トラの下心に思わず笑ってしまってスクショとってしまった。

そういうのは見えないようになってるんだよ~~!!!(非常に残念

・・・なんか、洞窟物語でカーリーのパンツゲットした時を思い出した(笑

 

話が区切られ、今度はお嬢様と橙色の術士二人組のフェイズになります。

 

この辺りから私は物語に引き込まれてスクショを撮り忘れていたのですが、このシーンで自分のフリー楽曲「機械要塞」が流れてきて、ハッとしてスクショ撮りました(笑

 

黒い片翼のように見えます。これも何かあるんじゃないかと思ってしまう。しかし色彩の使い方が非常に鮮やかで良いですね~とてもきめ細かく、世界観がより透明にもに見える。

 

ここですね、若干うるっと来そうになった。いやほんと。

僅か1時間足らずのゲームプレイで、こ、この私の情感が動くなど・・・多分初めての経験。

 

いやー、これは良かった!!

 

もっと続き見たいなー!!もう終わっちゃうのかー!!

 

そう思いました。

正直、自分もっと良い曲作らないとなぁ!と思ってしまうくらい、このゲーム良かったです。

 

 

おわりに

「僕とお嬢さまの嘘つきな箱庭」、あれこれ調べるタイプの自分でもほんとに1時間以内に終わらせられてしまった。続きが気になる、もしくは同じ世界の中での違う話や、今回のストーリーをもう少し掘り下げて見せてほしいと思わせるものがこのゲームにはありました。

また、立ち絵や背景画像の色鮮やかさ、しっかり個性のあるキャラ、ストーリー運びと語りの上手さ、細部まで行き届いた作り込みの丁寧さなど、トータル的にもバランスが良いので、

もう本編が短すぎて勿体無い!!(笑)

と思ってしまった。

 

しかもなんですかこのクリア後のタイトル絵の良さ。最後まで愛情を感じてしまう。

いーやー、ゲームを作る側の大変さはよくわかるのでそんな簡単に私は言えませんけど、この執事&お嬢様の拡張版もしくは続編等リリースされたら教えてください、プレイします

cf_uさんは他にも色々ゲームを作られているようですが、なんかこの作品が凄く気に入ってしまった。

 

 

そんな感じで、非常に良い作品でした。

私の楽曲を使って頂いてどうもありがとう!

 

それではー

 

【黒金】KONTAKT5を半額で買うためにDrumMic’aを先にアクティベート、DL後回し

今年もブラックフライデーの時期に突入しました。こんにちはMAKOOTOです。

 

あんまりバカスカ音源を買っても使いこなせなかったら意味ないよな~と思いつつ、KOTO NATIONを動かすためにKONTAKT5だけはちと欲しい。

そんなわけでNative Instrumentsのホームページを見てみたら、

  • KONTAKT5半額
  • KOMPLETE11またはULTIMATE半額
  • TRACTOR PRO2半額

という具合にブラックフライデー価格でKONTAKTが販売されていました。

 

また、ゆにばすさんの

Native Instruments「Kontakt5」が15,900円!Kompleteも38,300円で買えます!

の記事から、ゼンハイザーの無料ドラム音源「DrumMica!」を持っていると、KONTAKTがクロスグレード価格半額の$124.5で買えて、更にそのKONTAKTを持っているとアップグレードとしてKOMPLETEが半額の$199.5で買える。

・・・ということらしいです。

 

KOMPLETEのページを見て察するに、この黒金キャンペーンは12/1(金)18:00まで

 

あとででいいやと思うと一週間なんてあっという間に過ぎたりするので、今回はKONTAKT5とついでにKOMPLETE11も買ってしまおうと考えました。合わせて$324で、40,000円いかない。確かにこの値段でこのボリュームは破格。

 

というわけで、早速DrumMic’a!を手に入れようとしたのですが、どういうわけか

音源がダウンロードできなかった

 

403エラーForbiddenなので、同じ目的でアクセスが集中している為アクセス制限がかかっているのかもしれません。ダウンロードソフトを導入してダウンロードを試みたのですが、それも受け付けませんでした。

ただしこれは、NI社の「Native Access」でDrumMic’a!をアクティベートしさえすれば、続くKONTAKTのクロスグレード対象として購入時に認識されるので、DrumMic’a!自体の入手は後回しにして、先にKONTAKT・KOMPLETEを買ってしまうことにしました。

以下にその手順を書いていきます。

 

※追記 夜中にダウンロードできました。時間帯もあるようです。

 

 

DrumMic’a!の入手・アクティベート

ひとまず、ゆにばすさんの記事にある通り、「島村楽器情報発信サイトDigiland」の記事である、

ゼンハイザーの無料ドラム・プラグイン音源「DrumMic’a」(ドラムマイカ)が凄すぎる!

を読みながら、DrumMic’a!をダウンロードしていく手順を踏みます。そして、入手したアクティベートコードをNI社のデータベースに認証させるため、Native Accessを起動します。

DrumMic’a!ダウンロードはこちら

Native Accessを持ってない場合はこちら

 

ページ右下からNative Accessをダウンロードして、インストールします。

 

「Native Access」を立ち上げると、最新版でない場合こんな画面が出てきます。多分「簡単にすぐ使える」的なことが書かれてありますので、「START UPDATE」をクリック。

 

NIの登録アカウント用メールアドレスとパスワードを入力してログインします。アカウントを持ってない方は「LOG IN」の下からアカウントを作りましょう。

 

ログインするとこんな画面が出てきます。私の画面なので、10年くらい前に買ったFM8とフリーのKontakt Player5が表示されていますね。

ここで、左上の「Add a serial」をクリック。

 

この画面に、「DrumMic’a!」のアクティベートコードを入れて、右下の「ADD SERIAL」をクリック。

これで、NIのアカウント内でDrumMic’a!を認証・所持しているという状態になり、KONTAKTのクロスグレード購入の対象者となれたわけです。

 

ちなみにDrumMic’a!は、今回の記事を書くまで私は知りませんでしたが、もし特定のドラム音源を持っていなかったりされる方は、DrumMic’a!は無料の割にかなり評判の良いドラム音源なので、持っておいて損はないと思います。

 

 

KONTAKT5・クロスグレード購入まで

KONTAKT5・クロスグレード版の確認ページにいきます。ページはこちら

 

資格があるかを確認するため、ページ中ほどの「FIND OUT IF YOU QUALIFY」をクリック。

 

DrumMic’a!が認証されていれば、このようにクロスグレード、ダウンロード版が半額の$124.5となります。これがクロスグレードでなくただのフルバージョンを購入する場合でも半額の$199.5ではあるので、通常でも大変安い感じではあるのですが、上記DrumMic’a!の認証をすることで$75安くなるということになります。

ちなみに、赤丸のところを色々変えてみればわかるのですが、半額になるのはダウンロード版のみで、パッケージ版は半額にならず、通常価格であるということ。

KONTAKT5の合計ダウンロードサイズは、サイトでは35GBとあります。HDDの容量は確保しておきましょう。

 

 

KOMPLETE11

KOMPLETEの場合も同様です。

KONTAKTを購入し、アクティベートしたのちに、こちら

すると、KONTAKT5が登録されていればダウンロード版も半額の$199.5になるということですね。

ちなみに私はまだKONTAKT5を購入できていないのですが、理由としてクレジットカードにJCBの扱いが無かったという。NIでのクレジット支払いは、

  • American Express
  • VISA
  • Master Card

の3種のみ。いや~これは完全に失念していた。海外製品は基本Paypalで済ませてしまうので、MasterCardくらいは作っておこうと思ってずっと忘れていたんですよね~

 

※追記

友人に教えてもらったのですが、JCB・Paypalでも購入できました

私が決済画面に行った時、確かに

  • American Express
  • VISA
  • Master Card

しか表示されなかったのですが、以下の通り、

 

請求書の住所を記入したところ、PayPal・JCBの決済方法が追加されました。ナンテコッタ!

てっきり国内ではJCBは通用しないものと思い込んでいた。買い物慣れしていない証拠ですね、大変失礼しました。(迂闊な動きは死に繋がる・・・

 

 

KOMPLETE11 ULTIMATE

ちなみに、KONPLETEの上位版として、KOMPLETE ULTIMATEなるものがあります。KOMPLETE11だけでももう十分強いのに、更にULTIMATEとなるともう最強のパック。最強の装備。

 

こちらも、ブラックフライデー価格として、KOMPLETE11を購入した後だと、半額の$299.5になっています。私は流石に一気にここまでは行きませんが、ゆにばすさんの記事では最後にこのULTIMATEの広告が載っていたんですよね。

多分、$299.5でサイトで買うなら、Amazonや楽天で買うと確かに安いのかもしれない。

 

まとめ

『 DrumMic’a入手 → KONTAKTクロスグレード → KOMPLETEアップグレード 』

この流れは、今回のブラックフライデーだけではなく、夏にも同じようなキャンペーンが行われていたみたいです。ただ、頻繁に行われているわけではなさそうなので、私はこれを機にKOMPLETEまで一気に買ってしまおうと思いました。

本当は購入が全て終わったあとに流れの記事を書くのが確実だとは思うのですが、DrumMic’aがダウンロード出来なくて今回のクロスグレードの流れを諦めてしまう方がいらっしゃった場合、ちともったいないなと思って先行で記事を書いてみました。

 

そして無事に、以下の流れで導入できました。

  1. DrumMic’aアクティベート(DLはひとまず置いとく)
  2. KONTAKTクロスグレード購入、アクティベート
  3. KOMPLETEアップグレード購入、アクティベート
  4. KONTAKT・KOMPLETEインストール
  5. DrumMic’aを改めてダウンロード→インストール

 

 

ブラックフライデーの武運を祈ります。

それでは!

 

角掛みなみのビブリオンの魔法使いのラジオが予想以上に癒される件

せ、背中が横断式に痛みを訴えてきて只今動きが大変制限されておりますMAKOOTOです。
いででで・・・。

 

毎日ストレッチして身体をほぐしている筈が・・・痛いの痛いの、

飛んでけうおりゃあぁアアァア!!!

(背負い投げ的な

 

というわけで今回の記事は『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』について書いてみたいと思います。

 

第67回アーカイブ聴きながらこの記事書いてるんですけど、アリアドネさんお腹壊しながら仕事してて笑った(笑

いででで、笑ったら背中痛い・・・

 

 

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』とは

ネット小説大賞を受賞された小説を紹介するウェブサイトのこと。

毎週金曜日21時よりラジオ形式で配信されていて、「ビブリオン」と呼ばれる魔法司書室に住む司書アリアドネさんこと、パーソナリティの角掛みなみさんが、毎回色々なネット小説大賞を受賞された小説の一説を朗読してくれます。

ようこそ、魔法司書室ビブリオンへ

ここは様々な本をコレクトする次元書庫。どれだけ本が増えても所蔵が可能なんですよ。

あなたが来たのはその一角 ーー『ビブリオン』と呼ばれる司書室です。

出典:ネット小説大賞プレゼンツ 角掛みなみのビブリオンの魔法使いより

 

今のタイミングでは、Episode76と77が聴けますね。

それぞれのアクセスで聴けるようです。

 

毎回、ネット小説大賞を受賞された作品をラジオで紹介して貰えるので、色んな小説の情報が15分弱のラジオで楽しく聞けるのはとても良いですね。

ラジオは、前半ビブリオンの司書アリアドネさんのお話が展開して、後半にネット小説大賞を受賞された作品の一説を抜粋して聞ける、という流れでしょうか。M3等でも物語が盛り込まれた音楽作品が沢山ありますが、小説でもやっぱり沢山の世界がありますね。

 

 

 

というか第69回のマンドリル言うと思ったwww

(Youtubeでアーカイブストリーミング中

 

・・・ブログでは草は生やさないようにしているんだった。失礼しました。(もう遅い

 

 

ネット小説大賞とは

『小説家になろう』にておこなわれる、日本最大級の小説賞です。
前回は7165作品の中から28作品を書籍化いたしました。

参加は簡単、『ネット小説大賞六』または『ネット小説大賞六感想』というキーワードを設定するだけです。
(※ネット小説大賞六感想=コンテスト応募+感想サービスとなります)
書籍化作品数はもとより、どなたでも楽しめ、評価を得られるコンテストを目指して運営してまいります。

過去最低受賞ポイントは46ポイント、文字数1万文字程度でも受賞実績ありと、
文字数・ポイントともに受賞の幅が広く、どなたでも受賞の可能性があるコンテストです。
また、短編作品や一般文芸作品など、様々な作品が受賞されております。
あなたの隠れた才能をこのコンテストで発揮してみませんか?

出典:クラウドゲームス ネット小説大賞より

とのことで、私はこのビブリオン経由からこういった企画が行われていたことを初めて知りました。

ラノベは昔よく読んでいたんですけど、それは私が大体中学~高校くらいで、『スレイヤーズ』とか『神秘の世界エルハザード』とか『爆裂ハンター』とかね。結局スレイヤーズの小説も完結する前にその文化から離れちゃったんですけど、今はネットで小説が展開される時代。

なので、『涼宮ハルヒ』や『とらドラ』、『ゼロの使い魔』、『俺妹』などは私の中では新しい部類になるわけですが、それももう10年前。いやーほんとに!?時間の流れ早くない最近!?

 

 

・・・脱線しましたが、今のアニメの大半はこの小説が原作になっているというイメージがあります。それくらい、小説の文化は根強く、力強い同人も元は小説から始まってますしね。この認識、間違ってないでしょうか。アニメ業界にはあまり詳しくないのでちとわかりませんが。

ともあれ、このネット小説大賞から書籍化も決まるとのことで、文字数の多い大作はもちろん、文字数が少なくとも中身の良さや物語運びによって受賞は十分出来るとのこと。傾向はもちろんあるでしょうが、少なくとも受賞される作品はやはり多くの人を惹きつける何かを含有しているのでしょう。

 

ネット小説大賞、第五回の書籍化された作品をブログの賑わいも兼ねて貼り付けてみましたが、なんだろう・・・全部読みたい。特に「女騎士と田舎暮らし」。なにその予想が付きにくいタイトル。き、気になる・・・

これは結構引っ張られますね、ジャケ買い恐るべし。

 

 

なぜビブリオンの魔法使いを記事にしているかというと

これまた私の無料音素材が使われたからでございます。

使われたBGMというのは、「Unstable room」という、警戒心・緊張感を煽る楽曲です。クラウドゲームスのディレクターさんからご利用のご連絡を頂いたので、これはもうブログの記事にしてしまおうと思いまして、そうしました。

 

使用された回はEpisode.64

『男女比 1:30 』世界の黒一点アイドル(ヒラガナ先生)

の朗読部分。

 

男女比1:30ってやばくないすか!?

パーソナリティの角掛みなみさんもおっしゃってますが、

男性としても正直、

 

この数字は結構厳しいと思うぞ・・・!!

 

 

また、その比率30分が

 

自分のストライクゾーンであるとも限らないんだぞ・・・!?(失礼

 

 

いやしかしここは逆に男気を見せるときか?

うーん・・・そう考えたら、

 

 

まぁ・・・いっか!?(いいのか

 

 

 

まとめ

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』は、

 

こういう感じですね。

今回、あいててて・・・(背中痛い)、動画を貼り貼りしたのは、昔自分がこういったどこかのんびりした、温かな文化に触れて心の安らぎを得ていたからなんですよね。

最近忙しさに慣れすぎてしまって、こういった「何も考えずに小説読んだり、ラジオ聴いて楽しんでいた」空間を非常に愛おしく思えるようになってしまっています。大事にしたいなぁとよく思うので、この機会に少しずつ自分の時間と忙しなさを緩めていきたい。

 

そんな空間がこのビブリオンにはあると思いました。

 

それでは!