【和楽器】SONICA INSTRUMENTSの『KOTO13』が素晴らしい件について

こんにちは、少し前に和楽器の『箏』音源としてSONICA INSTRUMENTS『KOTO 13』を買ったのですが、これが個人的にとても素晴らしかったので、どんな音源なのかを自分流に記事にしてみます。

詳しい内容は、本家のページや無料でダウンロードできるマニュアル、またMedia Integrationのページを見ていただければと思いますので、ここでは私の体感を書いていきます。

 

SONICA INSTRUMENTS

SONICA INSTRUMENTSはSONICA Inc.のソフトウェア音源開発部門とのことで、和楽器の音源を主に製作されているようです。2018年10月現在では、

  • 尺八
  • 三味線(津軽)
  • 箏(十三絃箏)
  • 歌舞伎&能のパーカッション
  • 和太鼓

の音源がリリースされていて、非常に純度の高い和楽器音源を作っている印象。

イイですね。非常に良いです。個人的には篳篥の音源を心待ちにしている自分がいます。あの音は代用が非常に難しいと思うので。

 

ただ、上4つの楽器はKONTAKT5以上(製品版)、下2つの打楽器音源はBFD音源がないと動かせないので、そこだけ注意。

結構、製品版のKONTAKTが無いと使えない音源多いので、去年のブラックフライデーで買っといて正解だった。BFDは・・・残念ながら買う予定がないので今のところはSONICAの和太鼓は諦めてるという。ドラムはDFHS派の自分。

詳しい使用条件等は本家サイトのSPECIFICATIONS等を参照下さい。

 

KOTO 13 – mix画面

それでは早速見ていきましょう。ざっくり行きます。

 

mix画面で結構いいなぁと思ったのが、Direct、OH(オーバーヘッド)、Room、Stereoの4点からそれぞれDAW側にパラアウト出来るところ。

音としては「Direct・OH・Room」の内1~3つを使うか、「Stereo」を使うかのどちらかになるわけですが、この「Direct・OH・Room」は別々のトラックに出力出来るので、DAW側で別々に処理が出来るようになる。

 

たまに音作りの一環として、「原音からRoom成分だけ別トラックに作って、それ用の処理を施して元のトラックに混ぜ合わせる」とかしたりするので、最初から分かれてるのは何かと便利だったりします。

特に分ける必要がなければ、一括されてる「Stereo」使えば良いだけですしね。

 

あと、リバーヴの種類が予想外に多かったです。見えてる分の倍あります。

箏の場合、やはり響きが大事だと思われるので、色んな場所でどう響くかをこの音源内で確認できるのはでかいと思う。

 

KOTO 13 – play画面

2枚目のplay画面。何やら色々なツマミがあります。

やーでもこれほんとありがたい機能色々あるので凄い嬉しい。一個ずつ見ていこう。

 

Scale(スケール)

画像が縦長になっちゃうので途中で切ってますが、Scale部分をクリックすると、縦にズラッと調子が出てきます。Media Integration, Inc.のページから引用すると、

収録スケール(調子)28種類

平 調子、六上り調子、四九上り調子、雲井調子、本雲井調子、半雲井調子、片半雲井調子、中空調子、曙調子、中空調子、楽調子、半楽調子、乃木調子、花雲調子、岩戸調子1、岩戸調子2、半岩戸調子1、半岩戸調子2、夏山調子、古今調子、新古今調子、平巾十調子、二重雲井調子、雲井巾十調子、秋野調子、琉球調子、想夫恋調子、新雪月花調子

移調対応Key: G / G# / A / A# / B / C / C# / D / D# / E

なんと28種類もありました。ほとんど知らない調子でビビった。想夫恋調子って何!?すっごい恋しい感じしそうなんですけど。

ただ、民謡の曲数だけでも実はとんでもない数あったりする(約3~4000曲くらい?)らしいし、それぞれの時代や地域で発展したものと考えると感慨深い。

 

KOTO13では、この28種の収録スケールに合わせている場合、上の青い部分の白鍵13個が左からそのまま箏の絃の、

「一、二、三、・・・斗(11番目)、為(12番目)、巾(13番目)」

という順番になっています。

試しにScale:Hira(平調子)で鳴らしてみるとこんな感じ。

ただ、ピアノロール上では「C、D、E・・・」となっているので、そこは注意。

 

で、このScaleはクロマチックモードにもなれます。さっきより青い部分が広がっているのですが、これは黒鍵を含んだこの青い範囲で、調弦とか関係無しにこの範囲全ての音が出せます。これいいな~と思いまして。

なぜかというと、例えばもう一個KOTO13を立ち上げる必要はあるのですが、

  • 一個目のKOTO13:十三絃箏モード(例:雲井調子)
    → 調子のみの音が出るのでイメージを固め易い
  • 二個目のKOTO13:クロマチックモード
    → 一個目の調子以外の音も出せるので和ジャンル以外の曲調にも持っていきやすい

こんな風に使うことも出来るという。

既に箏の調をマスターしている方やピアノが得意な方はクロマチック一本で済ませられそうですが、私みたいにピアノ下手な場合、「調弦のみの音が出る形」になっていた方が適当にMIDIキーボードを弾いててもそれっぽい雰囲気を得られるので、曲作りがとてもしやすいんですよね。

 

ちなみに、

  • 低音部が結構増えるので、擬似的に十七絃箏として使うことも可能?
    (クロマチックだと「A#1~D5」、User Scaleだと「A1~F#5」

とも思えたのですが、調べてみるとどうやら十七絃箏の低音はC1までは出るっぽいので(KOTO NATIONのBass Kotoも「A#0~G3」と、A#0まで出る)、KOTO13の低音はあくまで十三絃箏で出せる低音の限界という形を取っていると思われます。

この辺りは私も奏者ではなく、十七絃箏も持ってないので未確認。

 

Envelope

play画面真ん中にある項目です。左からざっくり行くと、

  • Envelope
    → ノートのリリースを調整
    → 細かいことを言うと結構重要
  • Phrase Control
    → 収録されているフレーズのスピードとチューニングの調整
    → フレーズはこのspeed=100%を基準に録音されていると思われるため、100より下だとバリッとした音になる。100より上で使う分には違和感はない。
  • Plucking Control
    → 絃が爪で弾かれて音を出すまでの長さを調整
    → テンポの早い曲ならここを短くすると良さ気
    → RANDOM PREROLLを押すと、そのランダム調整が出来る

 

という感じなのですが、個人的にはこのEnvelope調整出来るのが嬉しい

打ち込みで細かく表現したい場合(箏一本で楽曲を作るなど)、例えば親指で十の絃を押し弾いた場合、その爪は一個奥の九の絃に当たって止まる。仮にそれ以前に九の絃が鳴っていた場合、十の絃が鳴った直後に九の絃はミュートされていなければならない。

 

Cubaseの打ち込み画面で説明するとこんな感じなので、その辺りもやってく場合はEnvelopeを短めにして打ち込むといいのでしょう。

ただ、鍵盤で演奏する場合、実際の箏とはやはり勝手が違うので、ペダルを使うか8.0k[ms]にしておくと、取説にある通り凄く余韻を堪能できて「す、すげぇ・・・ゴクリ」となると思います。

 

余韻だけでこんなに違うんだなぁと改めて感じさせられます。

 

Velocity Control

これはベロシティの調整部分ですね。

私が今使っている分にはベロシティ間の音の差にはあまり違和感を覚えないのですが、例えば、最初に打ち込んではみたものの後になって「少し印象を変えたい、でも全部のベロシティ調整して回るのメンドイ」という場合などに、このツマミを使って調整したり出来そうです。

 

例えば、「Linear」の部分を「S-curve」にして「shape」を左に回すとこんな感じに、

 

右に回すとウネッと変化します。

これでヴェロシティの数値と実際に出る音のバランスを変えられるわけですね。

 

わかりやすく解説すると、こうして全てをMAXにするとどんなに小さいノートでも力いっぱいの音が出ますし、

 

逆にこんな形にすると、強く叩くほど小さい音が出るという設定も出来ます。面白い。

始めのうちはここをそんなに意識する必要性はないかなとは思いますが、あとあとここを弄れるというだけでも結構違う気はします。こういう細かいカスタマイズが出来るのはいいなぁ。使う人は使うだろうし。

 

今まで私は箏音源としてKOTO NATIONを使っていたのですが、KOTO NATIONは、ヴェロシティが70前後と90前後で音色が割と露骨に変わります。そして私はその70~90の間の音色が気に入っていたので、その間で変化つけようとするもんだからすんごいちまちま数値変えたりしてました。

でもKOTO13にはそういう露骨な変化は特に感じられない上に、もし変化を付けたい場合はVelocity Controlを弄ればいい。これは便利だなと思った。

 

ただKOTO NATIONに関しても、あの急に変わるキンキンした音も嫌いではないし、同封の三味線・Bass Kotoも結構好きなので、ダメというわけではない。ないけど、KOTO13はその辺も考えられてるんだなぁと。

 

KOTO 13 – memory画面

割と記事が長くなってますが気にせず行きます。

ARTICULATIONはキースイッチで、PHRASE BANKはサラリンなどのフレーズが入ってます。ここも、それぞれ左にLoadってあるんですけど、使わない奏法はそこをクリックしてOFFにすることで使用メモリの軽減が出来る

また、

「D#0 Pizzicato(Left/Right)」

という風に右にカッコで囲まれた部分は「CC#11 Expression」で切り替えも出来る(「EP=0:Left、EP=127:Right」という具合)。

 

左の赤い部分がキースイッチで、右の黄色がフレーズ系キースイッチ。で、そのまた右の緑色がフレーズのヴァリエーションの数

 

奏法について

気になっていた部分だけ書いていきますが、

  • すくい爪
    → D1にある
  • 散し爪
    → D#1、E1にある
  • 輪連
    → E1:Fastの方の散し爪を2音重ねればOK
  • すり爪
    → A#5:Effects内に行き、戻り共にあった
  • 消し爪
    → F0にあった(音源内、マニュアルにはF9とあるが誤植と思われる)
  • 裏連(サラリン)
    → F5にフレーズとしてあった
    → 人差し指・中指の爪の裏側でグリッサンドで降りてくる時の「爪の裏側で擦る音」はD1:すくい爪のヴェロシティが低い帯で表現できそう

 

・・・というわけで、私が知っている分には全て表現できそうです。

うん、何か抜け落ちてないかちょっと不安ですが、以前箏について書いた記事内の奏法に関しては大丈夫ですね。凄いなKOTO13。しっかりした箏音源欲しかったから個人的には大満足。

 

また、きちんと

  • C0:親指爪
    → 少し太めの音
  • C#0:人差し指爪
    → 少し鋭めの音
  • D0:中指爪
    → 鋭さと太さの中間くらい

この三つの指それぞれで弾いた時の音をしっかり分けてくれているところは非常にありがたい。私の印象は上の通りで、違和感のない範囲で違いがきちんとある。むしろ若干わかりやすく指の違いを印象付けている気はしました。

 

F5:Sahrarin(裏連)の不具合?

不具合?らしきものを一点見つけたので記載しておきます。それは、

  • F5:Sahrarinの「OH」「Room」「Stereo」のoutが設定通り反映されず、「Direct」で設定したOutから音が出力される(Directに追随してしまっている)

というもの。

上記の画像では、Scale:クロマチックにして青枠から音を出しているのですが、

  • Directのout → st.4
  • OHのout → st.5
  • Roomのout → st.6
  • Stereoのout → st.7
  • KONTAKTの基本Output → st.8

という形で試しに割り振ったところ、正常に設定通り音が出力されています。KOTO13内をStereoに切り替えても、st.7からきちんと音も出力されます。

ここで、設定そのままでF5:Sahrarinを使うため、緑枠を押して裏連のフレーズ音を使うと、

このように、st.5(OH)、st.6(Room)から設定通り音は出力されず、どうやらDirectで設定したst.4に追随しているようで、st.4からDirect・OH・Roomの音がまとめて聞こるという結果に。これはStereoにしても同じでst.4から出力されていた。(Reverbはst.8から出ているので、これは問題ない)

他の黄色枠のPHRASE BANKに関しては問題なかったので、F5:Sahrarinだけこの現象が起きました。

 

これが自分の環境のみでの不具合なのか製品版の不具合なのは現時点ではわからないので、後ほど問い合わせてみようかとは思いますが、SONICA INSTRUMENTSのサイトにはパッチだったり不具合に関する情報は特に載ってないからなぁ。

一応、こういうことがあったという報告だけ。

 

早速作ってみた

KOTO13を使ってジングルを作ってみました。これはKOTO13を2本使っている形になりますが、DAW側でエフェクト等一切使っていません。

んー、これから使うのが実に楽しみな音源である。

 

おわりに

結局、細かく見ていった部分もありますが、超大雑把にまとめてみると、

  • そもそも音が良い
  • 割とカスタマイズが出来る
  • 奏法全部入ってる
  • 調子も28種+クロマチック入ってる
  • メモリにも気を遣っている
  • アーティキュレーションとフレーズが3画面全部で見れる
  • これは篳篥がほんと待ち遠しい
  • 素晴らしい

 

はい、まとめ方若干酷いですが、とりあえずとても良い箏音源です。

人によって色々印象は違うとは思うんですけどね。そもそも音が良いし、ヴェロシティの変化で過激なものは個人的には感じられないのでかなり使いやすいです。

 

ただ、箏の音自体は他のマルチ音源内蔵のものでも割と音に融通が効く印象があるので、ライトに使う分には箏という楽器一つの音に3万出すかどうかは分かれ目かと思いますが、和楽器好きならこれはオススメできる

 

以上、ご参考までに。

それでは!

 

【2017年秋M3】『BATTLE COLLECTION 3』を聴き終えての感想

sayaquさん主催、文字通りバトル曲を主題にした、

 

『BATTLE COLLECTION 3』

 

これに関しては曲数が多かったので、是非まとまった時間を取って感想を書きたかった。最近ぷちレビュー屋みたいなブログ記事が続いてますが、これは私なりのインプットの一つの形なので問題ないのです、ええ。

 

さぁ、聞いていこうじゃないか。

仮に1作品のゲームがあったとして、それに3つの戦闘曲が使われていると仮定すると、50曲はだいたい15~17作品のゲームが平均あることになる。それくらいのゲームのバトルサウンドを聞き込んだとなれば、きっとバトルマスターになれるに違いない

バトルマスターって、「がんせきおとし」とか使えたっけ・・・?忘れた(ドラクエ脳

 

BATTLE COLLECTION 3

1.For the Glory

Tsurugi(kt of 24)さん作。

バトルものながら、その中でもオープニングに相応しい物語の始まりを感じさせる曲。バトルものにギターサウンドというド定番中のド定番。この曲にはオープニングを感じさせるというよりは、主人公が堕ちるとこまで堕ちて、そこから一転、一大復帰したような壮大なロマンと哀愁を感じさせる曲展開になっています。

イントロの高速ギターリフとコーラス、続くピアノの高速アルペジオから始まり、メロディアスなリードギターがガチ勇者を感じさせる。これはまじでかっこいい。休符の使い方とか上手いし、さすがTsurugiさんだなぁと。ちなみにラストからまたこの頭に戻って曲を聴くとほんと始まりという感じがしてすんげーかっこいい。

 

2.The Burning Fist Of Revenge

清水 嶺さん作。

嶺さんといえば、ケルト系民族音楽の印象が強いのですが、この曲はガチでデスメタル。デスボイスもしっかり発声されていて、ギターの音、ソロ部分もちゃんとデスメタルやっててほんとこの人の多彩ぶりなんなのギャラクシーなのと思ってしまう。民族の色を一切感じさせない。この曲聴いたら普通にデスメタルの人だと思い込んでしまう完成度の高さ

ギターの音作りと、ドラムの音とか、ほんと研究しているなということがよくわかります。グレンラガンのヴィラルとの戦闘の時にこういうゴリッゴリのバリッバリのしかも丁度良い柔らかさのあるBGMがかかっていたのですが、ああいう重々しいイメージですね。タイトルもあいまってクソかっこいい。

 

3.Punishment

Winna Striveさん作。

ウィナさんはメロスピを心から愛しているだけあって、様式美すぎるくらい様式美。10年近く経ってもその哀愁さに色褪せるところを感じない。しかしこの曲はウィナさんの楽曲にしては速くないんですよ。しっかり戦闘のリズムというところが意識されている。

バテンカイトスを思い出しますね。メタル系として、ツインリードとピアノでこれでもかといわんばかりに戦闘の悲しさを物語っている。ストリングスがまた高いところで鳴ってるのも美味しいですね。バスドラの踏み具合がメタラーらしくて好きです。

 

4.Red Warriors

rsyさん作。

イントロにギターの音を使ってはいるのですが、それがセンターにあり、リードのオルガンが左右に振られていると言う構成から、一対一を彷彿とさせるどこか神秘的な感じのある曲。要所要所でベースが非常に高速に動くところがなんか良い。かっこいい。近未来的な印象で、マシーン相手の戦闘といいますか。

シンプルな曲展開そうで、実は目立たないようにセンターにオルガンらしき音色が重なってるのがまた良いです。後ろで鳴ってるシンセも空間を感じさせる。繰り返しが多い中、ベースがしっかり動いているところに不思議と飽きを感じさせない。これは上手い。

 

5.FateRival

ワカユウさん作。

私の個人的なイメージなのですが、イントロでキングコングのような凄い強い敵が想像できてしまった。Bメロのキメから、サビに入るところがめっちゃ美味しいギターサウンド系バトル曲。コーラスとリードギターのメロディがかっこいい。

全体を通しての緩急の上手さもあるのですが、その繋ぎやキメの部分の間の作り方が非常に上手いなと思ってしまった。スネアの時もあるし、ギターの時もあるし、なんていうんですかね、上手いんですよ。この曲の展開がもうまさに「宿敵」に相応しい。というか50曲中5曲目でライバル戦って早くないですか(笑)密度の濃さが伺えます。

 

6.Hero vs. Deja-Vu

Daisukeお姉さん作。

イントロの小さい光から、戦闘の展開が一気に開いたような感じがしました。曲を通して様々な戦闘の効果音が入っていて、それがまた走馬灯のように感じて非常に印象的。ブラスと小気味良いリズムがまた美味しいですね。Undertaleのアズゴア戦を思い出しました。効果音が、効果音として鳴っているところと曲の一部になっているところの境界線がまた良い。

曲の速さは決して速いわけではないのですが、淡々とこれまでのことを思い返しながら、どこかで胸がえぐられるような、どこか泣き出してしまいそうな悲しさを感じてしまった。私こういう曲大好きなんですよ。上手く言えないけど。最後明るく終わって、二つのモノが倒れる音が聞こえますが、これは・・・相打ちなのだろうか。

 

7.Barrage

Rutlδさん作。

EDM風の、太いけど柔らかいシンセ音が気持ちの良いサイバー系バトル曲。マシーンが意思をもって人間に近い挙動をしているようなイメージがあります。私はこういう曲あんまり作れないのでメチャクチャかっこいい。1:21辺りの一瞬潜り込むような音使いと3連符のところ、何度か聞き返しました(笑

この音がせり上がってくるような盛り上げ方や飛び交うようなシンセ音、ほんと何度聞いても飽きないのが凄い。これだけ音が自在に動いていて、展開も豊富なだけで十分なのに、曲としてコード展開もしっかり入っているので、何度も聴くことになるバトル曲なのにまだ聴いていたくなる。ループBGMの鏡だなと思いました。

 

8.Keep your Ambitions!

Rwiさん作。

この曲は~~~!!洞窟物語大好きな私にはこれはとても美味しいですぞーーー!!ピストンコラージュの音、忘れちゃいましたがこれもしかして使ってるんじゃないか・・・?だとしたら美味しすぎる・・・。

チップチューンに分類されるのかもしれませんが、波形メモリ音源で作られたようなサウンドがまた美味しい。ノイズ音がスネアの代わりになっているところと、サーッと後ろで音の厚みを加えているところがまたシブい。カウンターメロディが後半ずっとメインメロディに寄り添っているところなんか、カーリー背負ってるみたいで(略)。転調も含んで、最後まで展開にしっかり気を遣っていて、いやー素晴らしい。

 

9.Our Battle

せーらんさん作。

ピアノとストリングスから美しい河の流れを感じさせつつ、ノリの良い展開を彷彿とさせながら、Aメロ、Bメロ、サビに素早く移ったかと思ったら実はそのあとにもう一個サビがあったという、矢継ぎ早の戦闘にピッタリの曲。目まぐるしく移り変わる戦闘をこうまで細かく展開分け出来るのはすごい

私が少し彷彿とさせたのがスーファミ時代のファイナルファンタジーと、東方系に近いどこか和風さを感じる旋律。しかし丁度曲の間にEDM系のシンセ音がガツッと入ってくるんですよねー・・・なんちゅう多彩さ。聴き応えありすぎて3分弱があっという間でした(笑

 

10.SOLAR_Ba

十字ロさん作。

軽快なピアノから始まり、クロノトリガーのカエルを思い出すようなノリのある勇敢さを醸すリズムとプログレ風コードワーク。これも非常にかっこいい。その後の中盤のチップチューン風サウンドがゲームのアクションをやってる!という感覚がして楽しくなるのですが、ここで落ち着いたかなと思ったらまた動く。もう技術が詰め込まれすぎてて一言で言い表せないのが本音です。空間を感じさせるんですけど、なんの戦闘でもあいそうな万能さも感じます。

よく聴いていると、リズムも結構細かく違っていたり、パーカスの展開も一回聴いただけじゃ把握出来ないくらい細かい。シンセ音なんか、サステイン短めで印象付けているかと思えば今度は伸ばして滑らかにしているとか・・・レベル高いっす!(笑

 

11.vainglory encouter

MachiaWorksさん作。

ストリングスから緩やかなベースでぐいんと引っ張られる戦闘曲。ピアノとストリングス、それに緊張感を煽るシンセ音と軽快なドラムが、気の抜けない緊迫したバトルを感じさせます。なんだか渦の中で不安定ながら敵と対峙しているみたいな。

ストリングスの存在感が、ひたすら時空の流れを突き進んでいるような感覚を作りますね・・・パーカスの鳴りも荘厳さを作り出して、対峙している敵は人型ではなく、何か大きな「存在」みたい。ゾッとする部分と言うよりは、そういうものであるという。なるほど・・・vaingloryとは虚栄とのこと。見えざるものということなんですね。勉強になります。

 

12.Black Glass

主催のSayaquさん作。

これもダークな感じのする神秘的なサウンド。ベースがボワンとした不透明さを感じさせるところに、どこか影を追いかけるような駆け抜ける戦闘がイメージできました。リズム隊が左右に安定してありながらベル系のメロディが、点いては消えて、という一瞬の揺らぎを感じてすごく上手い。

後ろのピアノが焦燥感をどこか駆り立ててきつつ、ストリングスのざわめきが精霊みたい。怖さは無くて、ただひたすら透明感がある。どこか同じところをぐるぐる回っている錯覚にもなります。後半ピアノを呼び水に終盤まで持って行くところが非常にかっこいい・・・。

 

13.ベルトコンベア・キラー・ロボット

石田金時さん作。

一転、四つ打ちの明るい楽曲。タイトル通り、機械的に動くロボットが対戦相手なのですが、この敵と対峙する時は楽しい気分になるので何度も戦いたくなります。このロボはほんと何も考えてなくて、長年のプログラムが研ぎ澄まされすぎて動きが楽しくなっちゃった!みたいな陽気さを感じました。

後ろからゴォォォ!!というドでかい風をまとっているので、結構でかいロボットなんでしょうね。リバース的なシンバルの存在感がアホみたいに大きくて、曲の陽気さもあいまって楽しい。このロボとは何度も戦闘したい。尺が短いのがもったいないくらいです。もっと聴いていたい(笑

 

14.Valhalla

鷺莉さん作。

イントロが「ヴァルハラ」と名づけられる通り、非常に壮大な雰囲気から始まります。キックの音がどこか機械的でいて、シネマティックとデジタル音が融合したような、でらかっこいい曲。機械に取り込まれたヴァルキリーってこんな感じなんでしょうね。(ナデシコのユリカとか言ったら古いか

ピアノとストリングス、コーラスのコラボがまたすんごいかっこいい。ピアノのアタックが剣戟を感じさせるといいますか、哀愁とは違う、悲しく美しいバトル曲。特に後半のピアノなんて、円舞しながら崩れ落ちるような、虚しくなるような・・・ディレイの透明感がもう悲しく響く言葉にならない叫びにしか聞こえない。はー・・・、言葉にするのも億劫になってきた(笑

 

15.四神獣乱舞

nuuiさん作。

和風だ!和風の曲だ!何とは言えない伝統の力強い弦楽器!メロディは日本風なんですけど、楽器の感じが大陸を思わせます。どこか空間のある雅な舞台で妖怪含めた神様たちと踊りながら戦闘している感じがしました。私の感覚でいうなら、「大神」よりも「俺の屍を越えていけ」に近い、まざりっけのない純粋な歴史を感じる。

四つ打ちサウンドはこの日本の踊りにすごくよく合いますね。イントロの静かな和楽器と鼓の音など、非常に上品。雅だーなんか嬉しくなってしまう。鈴の音がまるで虫も一緒に踊りに混ざっているかのようで、生き物皆集まってるイメージに胸が熱くなる。これももっと聴いていたくなる。

 

16.勝利は我が手中にあり!

ネギたそ。さん作。

これはーーーー、和風ダイゼンガーみたいだ!熱い!多分ギターの音が私にスパロボさを感じさせたのかもしれません。前曲の「四神獣乱舞」と尺が2:36と同じところも面白い。和太鼓が強調的に使われていて、プレイヤーを鼓舞する力強さと背中を後押しするイカした毘沙門天をイメージしました。

笛の音が風を作り出し、太鼓が雷のようでまるで風神・雷神のよう。キックが四つ打ちで、ベースが気持ちよく動き、要所要所で和太鼓がドドンと鳴る。般若心経を唱えるかの如く、念仏的な効果音的演出がすげー良いです。ニヤニヤしてしまう。しかし、タイトルの通りドラマティックに曲が描けるって、凄いですよ。さっきから胸熱すぎるんですけどどうしたもんだ!

 

17.僕のRPG Ver.FC

あいともさん作。

おお、チップチューン!実際にゲームをプレイしているような操作効果音からオープニングが始まります。なんて和やかなオープニングなんだ・・・と思いきや、突如街が燃えて敵が現れたかのように戦闘シーンに入ります。なんだこのドラクエ4の第5章のような平和から一転地獄をみるかのような展開。美味しすぎる(笑

でもレトロなBGMなのでそんなに重さはなく、楽しいファミコンをプレイしている感じです。そして最後にズバッと斬られて(この音作りが印象的で素晴らしい)、何やら語りが入り、そこからノイズアウトします。なん・・・だと・・・お前にはまだ早すぎるとゲームに拒絶されたような感覚がニヤついてしまう(笑

 

18.Footsteps

Nabecさん作。

チップチューン続きです。この曲はファミコン音源として非常に完成度が高いように思われます。ファミコン時代の音の独特の揺らぎがあって、音使いがほんとに長年ファミコンの曲を作ってこられたような達人さを感じる(1988~1990年頃の当時の作曲家さんたちが慣れてきた様な)。ノイズのパーカス部分の使い方がまごうことなき達者な印象。

こういうチップチューンの、どんな戦闘シーンでも合いそうな王道のBGMを作れるって今やロストテクノロジー扱いなところがあるので、ほんと凄いの一言。この音の発生の一瞬の立ち上がり・・・上手く説明できませんが、自分のチップチューンがクソみたいに思える。pAPUの仕様でここまで存在感を作り出せるというこの力強さ・・・勉強になります。

 

19.Different Dimension

ちびファイさん作。

チップチューン続き3曲目。こちらも完成度が高く、非常にかっこいいです。こうして聞き込んでいくと、アタックを少し遅らせていてそれが揺らぎを作っていること、ノイズを使用したパーカッションの使い所が非常に多彩なのだということが少しずつわかってきます。ベースの動きがめちゃくちゃかっこいい。

通常戦闘というよりは、こちらもボス戦を彷彿とさせる緊迫感があります。矩形波等、機械的な信号の音色にも関わらず、そういった怖さは感じず、小さなブラウン管モニター内の強敵と戦っているぞという感じのある、臨場感ばっちりの楽曲。スタンダードな曲展開にも関わらず、全く飽きがこない。素晴らしすぎます。

 

20.中ボス1

Warrさん作。

ファミコン風ノイズから入り、チップチューン風のリードながらセンターにエレキギターとドラムが入っている展開が、ゲームの画面からリアルが出てきたようなメタルとチップチューンの融合曲。モノラル風で攻めてくるのかと思いきや、後半コーラスがステレオで入ってくるので二次元から三次元に変換しかかっているような面白さを感じます。演出が上手いです。

バッキングのギターが生でしかもかなり美味しいサウンドなので、かなり極悪なボスなのがわかります。フェードアウト前の最後の一瞬、音にステレオ感が増すので、なんかゾクッとしました。こっち側に来るの・・・!?みたいな。こういうあまり例にない演出って、センスを感じてしまうんですよねぇ・・・。

 

21.閃光

Ravusさん作。

ピアノの存在感が印象的な、どこか優雅さを感じさせるバトル曲。真ん中のドラム、大きく広がるストリングスと、広い空間を感じさせる包み込むようなサウンドで、戦闘曲ながらどこか安心感を与えられる感覚があります。

弦楽器の旋律と音が非常に優しいので、戦の悲しさを強く感じる。タイトルが「閃光」とあり、命の一瞬の輝きを思わせる・・・。広く響くドラムのシンバルがオーケストラのシンバルかの如く響く残響がまた心に染みる。剣を一振り振るうたびに零れ落ちる涙みたいで、かなり泣けるのは私だけでしょうか。

 

22.CRIMSON FIRE DRAGON

イノウエサオリさん作。

おお、スーファミ時代に感じたような躍動感がオーケストラ風にイメージされている・・・心躍るようなスネアが印象的な戦闘曲。SFC(スーファミ)からPS(プレステ)時代に以降する時のスクエア作品を思い出すと同時に、なぜかゼノサーガが浮かびました。

下手に歌モノのようなメロディを作らずにいるので、戦闘の状況がより客観的になりますね。これも勉強になる・・・。ただただ、圧倒的な敵とガリガリ戦っているけどなかなか状況が変わらない。といいますかタイトルに「ドラゴン」て付いてました。確かにそれなら状況がすぐに変わるわけがないよね、ドラゴンて最強種だし(笑

 

23.BAD SLIME

siroimuさん作。

え、これ・・・見た目凄い弱そうなんだけど突然変異みたいに生まれたやばいスライムが敵ですよね。めちゃくちゃかっこいいスライム戦。この曲を聴くと、突然変異で生まれたらきっと最初は孤独だったはずなんです。その中で生き抜く力を他の同族とは違う形で学ぶしかなかった。でもこのスライム、超いいやつなんですよね。困っているヤツを見たら放っておけない。

そんなドラマティックさがイメージされるようなリズミカルでクールな楽曲。この根が一途でひたむきな曲を聴いていると、胸が熱くなる。このスライムはわきまえているんですよ・・・現実を受け入れてるんです。どんなに強くとも自分がスライムの枠を超えることは出来ないということを。そんな楽曲のバランスの良さを見事に表現されていると思いました。美しい。

 

24.Ancient Guardian

柄杓毘売命さん作。

こちらもドラマティックな展開の楽曲。SC-88proを思い出すディストーションギターと、様式美的なメロディラインが泣きのツボを刺激してくるかのようです。このギターやストリングスの独特の音色などを聞いていると、何かを思い出しそうな、そういう感覚があるのが不思議なんですよね。

この古代のガーディアンとの決戦も、様々なドラマを経てきた上での対峙なんだろうなと思います。サビのコードの展開がメタル系によくあるメロディアスさとはちょっと違うのですが、様式美的なものを感じて仕方がない。この展開好きです。そしてさっきから私の中で胸熱展開が一人で続いています。大丈夫だろうか、生き残れるのか。

 

25.Dancing Black Thunder Part2

タチやんさん作。

電脳世界のバトルを彷彿とさせる曲。こちらはチップチューン要素も感じられるので、より電子の世界が視覚的に見える形での戦闘曲を思わせます。私の表現で古くて申し訳ないのですが、初代バーチャファイターのデュラル戦のような、ターミネーター2の液体金属人間のような、電脳世界の何かが具現化したような存在感があります。

こちらもメロディラインをメインで作らず、純粋に音を配置されたような楽曲に客観性といいますか、余計な感情が排除されたような印象。少しずつ周波数に揺らぎが加えられているのか、波動の世界に埋没したような感覚になる。

 

26.Dear “xxx”

morilynさん作。

おお、ピアノの音が歪んで荒廃したような世界を感じるぞ!SFの世界で荒れた大地に宇宙から降り立ち、まだ電源の入っている無人の施設に入り込んだかのような楽曲です。古い研究施設というイメージでしょうか、研究内容もあまり口外できないもので、どこか歪んで狂いが生じているといいますか。音やリズムのズラシに、世界の軋みの演出を感じる素晴らしい曲。

音が不意に途切れたりノイズが走ったりする音が、放置された場所を上手く表現していると思いました。この曲の雰囲気から察するに、相手は戦っているという感覚はないんでしょうねきっと。ただ、まとってくるような、何もわけがわからないまま、相手が傷ついていることも感知できないまま。おお・・・すごい。見事な表現すぎる。タイトルがまた意味深すぎて困る(笑

 

27.Glitch

NTK worksさん作。

これは・・・何ですか。果てしなくかっこいい故障曲なんですけど。この秩序と崩落のギリギリを攻め抜くサウンドの叩み掛けは、壊れた世界が急速に再生し、また同時に一瞬で崩れようとする刹那の連続を感じる。しかしサウンドの作りからその一個上に整然とした世界があるように思われてならない。

戦闘曲として聞くと、まずどう戦っていいのかの糸口がまるで掴めないファーストコンタクトなんじゃないでしょうか。攻撃が効いているのかどうかもわからないし、相手が何をしてくるかというパターンもまずわからない。でもそこに確かにいる、まさに正体不明。これほどの音使いをバトル曲で聴くことは極めて稀だと思います。こいつに遭遇したら次はいつ会えるかもわからない。そういう意味でこの曲を聴けている私は非常に幸運だと思ってしまった。ただ、凄い。凄い故障・・・なのか。

 

28.Unsaturated Gravity

startide / hiroさん作。

めちゃかっこいいベースの振動音と右から左に走り抜ける金属系音色から始まる、サイバー界とシネマティックが融合したような、膨大な時空の圧縮を感じさせる楽曲。かと思いきやそれは序章だったようで、雄大な大ボスと戦うロックテイストも織り交ざった大きな存在を感じる展開に繋がりました。ドラムがロック調とオーケストラ様式の合体版みたいで、もはや新ジャンル。凄い・・・新しい世界ありますよこの曲。

色々詰め込まれていて、言葉がおっつかない。4分超えがあっという間。音の空間の使い方といいますか、臨場感が素晴らしく表現されていて、なんだろう。音の魔術師みたいな感覚あります。とにかく舞台がでっかいんですよ。これラスボス曲だったらえらい感動するだろうなぁ・・・。ドラマティックでいて、明るい雰囲気もあるので、これそのまま天に召されそう(笑

 

29.決戦

こっけさん作。

こちらもシネマティックさを感じる、しかし王道のハードロック路線のラストバトル曲。ツインリードギターの旋律の残響がこれで最後かと思わせます。ヴァイオリンでしょうか、ソロの弦楽器がギターの間に入ってきて、ストリングスも綺麗に合奏する形になっているので、もう総力戦でしかない。うわー、この展開は熱いですね。

リードギターが曲がらない強さを感じて、弦楽器がしなやかな強さを感じる。なんでしょうね・・・ヒーローとヒロインが共に戦うこのラスボスは最後の試練となるのか、最初の試練となるのか。ラストバトルの原点を垣間見るような感覚があります。しかしミキシング綺麗だなぁ・・・。

 

30.聖人育成メソッド

Ominaさん作。

パ、パイプオルガンだ・・・!!荘厳だ!神を感じる・・・。と思いきや、ゴリゴリのギターサウンドで粛清が入ったかのような、漫画ベルセルクを彷彿とさせる正邪の相容れぬ拮抗の世界を描いたような楽曲。この楽曲には天使と悪魔、それもより深い因縁を感じます。現代風でいうなら、ブラックラグーンのような紙一重さを感じる。

ギターのソロに意地と意地のぶつかり合いを強烈に感じて凄い熱いです。そして最後に赤ん坊の泣き声が入って、そのままパイプオルガンの音に繋がっていくんですけど、最初「どうやってるんだ!?」と理解できませんでした。よく聴いていくと・・・いやこれ凄いですよ。頭でわかっててもなかなか出来るもんじゃないと思うのですが。しかもそのままオルガンの音が重複してどこかに消えていくという。なんて上手な(笑

 

31.甘栗こぶし

遊句さん作。

タイトルからも人目を引かざるをえないこの楽曲。演歌風のイントロからそのまま自然な流れでRPGの通常バトルに入っていき、和風の雰囲気を維持したままラストは演歌で〆るという他に類を見ない見事なまでの演歌とバトルの融合曲。Aメロは普通のバトル曲風に作ってあるのですが、Bメロから演歌が入ってきます。そしてサビはイントロの演歌のメロディを見事に使っている。

私がよく聞いていた80年代の演歌をどこかに感じるサウンドチョイスもまたいいですね。どうしてこんなに自然に演歌とバトルが合わさっているのかもう不思議でしょうがない、新しいジャンルを開拓されている名曲。いやぁ、これはほんとグッと来ますね、心にグッと入る。こんな戦闘曲あったら、一旦戦闘止めてしばらく聞き入るしかないんじゃないでしょうか(笑

 

32.紅鳶

きみどりルクスさん作。

一転、楽曲が西洋に飛びます。弦楽器・ピアノ・ウッドベース・クラシック系ギター・打楽器を遺憾なく使った踊りを踊るようなエレガントで優雅なアコースティックバトルサウンド。それぞれの楽器が激しくも呼吸を合わせたモダンさを感じさせます。ハーモニカがまたクールでかっこいい。

リズムの良い打楽器、艶やかなヴァイオリン音色、軽快で乾きをどこかに残しつつも潤いのあるギター・・・全部が美味しい。そしてこれだけ楽器がありながらそれぞれしっかり聞こえる。やばいっすよこれー、えらいかっこいいっすよー。こういうアコースティックなバトル曲は浜渦さんのアンリミテッド・サガの曲が有名かと思いますが、この紅鳶もすんごいおしゃれなので、これも途中で戦闘止めますね私は。サウンドがゲームを食ってしまうくらい良い曲です(笑

 

33.The Man-made Dryas

EBIさん作。

ケルティックサウンドを主体としつつ、ゲームの世界観全体を引っ張ってくるかのような様々な要素の内包率の高い曲。5→6→5・6→7+7+7+8など、拍子展開が非常に細かいのにそれを全く違和感として出さない辺り、本当に細かいところにまで緻密に手が込んでいるのがとても印象的。(間違ってたらすいません)

ケルト音楽がメインではあるのですが、効果音もふんだんに取り入れてあって、ゲームに使われているであろう感覚がそのままこの曲に取り込まれている感じがしました。フィールド曲というか、世界全体を自由に動き回る、旅と戦闘が一つのシステムとしてあるような、ゲーム自体が音楽と融合しているイメージ。これも色々取り入れてあって、一言では言い表せない広大さがあります。

 

34.龍樹の森

ころはさん作。

コロポックルの一生懸命冒険しているというような、心温かになるバトル曲。戦闘というよりは、一つの冒険を感じます。退治するという感覚も薄く、どちらかというとやったー!頑張ったぞー!というコミカルなゲームに非常によく似合う、木琴のメロディがほんとに心安らかになる。嬉し泣きしそうなのはなぜだろう。

フルート系の木管楽器とスネアの行進、後ろで実は結構忙しない仕事をしているストリングス・・・勉強になりますほんと。そして楽しい雰囲気ではあるのですが、なんだろう。こうして生きていることに何より喜びを感じているような感覚というのでしょうか。その作品の世界観をしっかり支えるようなバランスの良さもいいなぁ、ギュッと詰まってる宝箱みたいです。

 

35.fight against

豊葦水穂さん作。

ブラスのイントロが印象的なオーケストラ系バトルサウンド。木管、ブラス、ティンパニと非常にシンプルな構成ながら、笛のメロディがとても印象的です。笛のメロがかなり長い間旋律を司っているのですが、ここまで笛のリードでメロディ展開を作り上げるのは結構大変なはずなのですが、それを統一感を持ちつつ、微細に変化をつけているのは凄いです。

シンプルな構成ながらティンパニと和音を構成するブラスで低音とコード感がしっかり補われており、ツインリードの木管のハモリがバトルのテーマである哀愁さを作り上げています。これに肉付けされたバージョンとか、絶対かっこいいですよね。

 

36.Battle Beat

つばさくんさん作。

オーケストラとロックテイストの融合された、打楽器のビートが心地良いバトルサウンド。艶やかなトランペットと、中途で入ってくるアコギの旋律がどこか荒野を感じさせます。そして、後半に入る前に太鼓の音がソロになるところとか、一呼吸ある感じでかっこいい。後半のブラスのふくよかさなど、重厚な兵士を感じさせます。

技の応酬というよりは、曲全体の緩やかさから交互に力を見せ合う試合に近い印象があります。太鼓と入れ替わりで入るスネアの音の抜けから貫く天空を感じるので、グラディエイター同士の冷静なるぶつかり合いみたいに思えて、熱い中にもクールさも合わせてもっているようにも感じます。

 

37.Battle on the Ice

SOS☆さん作。

こちらもどちらかというと中世ヨーロッパの戦士同士の誇りをかけた戦いがイメージされるバトル曲。王城にて、王の御前試合のような、衛士たちの静かで厳かな戦闘。ゆっくり振り下ろす剣にはしっかり力が篭っていて、どこか泥臭さも感じるような。王の威厳がかなり間近に感じられて、分厚い権威を感じます。

タイトルから察するに、氷上か、もしくは寒い北国の屈強な戦士を思わせます。過酷な世界で生きる戦士の戦いは、環境からスピードというよりは、純粋なる力か、もしくはそこで生きるための胆力なのか。いずれにしろこれは力強いです。

 

38.Chiastolite

Gowrock as Salamanderさん作。

やばい、これはオーケストラで来てるけど、茫漠たる荒涼とした美しい世界を感じる。ワイルドアームズを彷彿とさせる、廃れ行く中にも生きる希望をもった生命の力強さを風に乗せて送り込まれるような、静かなかっこよさのある曲。この旋律でコーラスとピアノが乗るのはずるいですよね。ずるいんです、感動しないわけがない(笑

真ん中にブラス隊がいるのですが、それがもう真っ直ぐ進んでくるようで、勇ましい兵士の行進を思わせます。大きな打楽器音の振動がめちゃめちゃ気持ちいいです。そしてストリングスに合わせてピアノやコーラスが重なって戦闘にいざなってくれるんですよ。メロディアスだ~これは良い。

 

39.ReΞbellIon

gLa+nZさん作。

このオーケストラの怒涛の攻めはなんでしょう。まるで大海に飲まれる一匹の蛇の気分。打楽器の空気を揺らす振動音が迫力を増しますね。民族系の打楽器、電子音を取り入れた新世界シネマティックバトルサウンド。ガンダムUCのサウンドを作っていた頃の澤野さんの雰囲気をどこかに感じます。私には宇宙空間でのドラマの展開が伺えてしまう・・・。

シンセベースと民族打楽器が中盤入ってくるのが雰囲気をガラリと変えてくるんですよね。人の生きる世界に同居する無機質な音。そしてこの浮遊感、どうしても地上戦ではなく、宙間戦闘に感じてしまう。ドラマティックな運びになっているので、敵もやはり同じ人なんだと思います。無機質さは機械を使っているから、なのかなぁ(笑

 

40.Dice or Die

かまきりざーどさん作。

これは、初心に戻って地上戦ですね!?シンプルながらロックテイストでコンパクトにまとまっていて、SFCのファイナルファイトとか、そういった拳闘家の強さを目指す等身大の戦闘を感じました。メロディが耳に残りやすいです。こういうストレートなメロディラインと曲展開はやはり王道ながら安定したかっこよさがありますね。

これで格闘ゲームとかやってたら普通に燃えるだろうなぁ。バックの音の厚みを作るパッド系シンセ音が良い仕事していて、そのお陰でリード音がハモりでなくとも聴きやすい気がします。ベース音が時々上がってスラップテイストを出すのも美味しい。いや、いいなぁ。安定感のあるドラムも素直にかっこいい。

 

41.黄昏に沈む記憶

Rucaさん作。

ピアノのリフとリードの笛に歌うようなコーラスのイントロが印象的。余りに哀愁溢れすぎてて、戦っているというよりは、泣く泣くそうするしか他に道がないようなド悲しすぎる旋律の楽曲。もはや半自動のボタンを押したくないイベント戦闘。戦いたくない。でも避けられない。身が引き裂かれそうだ・・・。

現在41曲目ですが、ここまで真っ直ぐ悲しみに向けた曲はこれが一番なんじゃないだろうかと思ってしまう。それくらい悲しい。しかも後半、笑顔でさよならしようねといわんばかりの明るくしていこうという雰囲気がかんじられるところがまたやばい。なんなんですか、泣いていいですか。俺は今、泣いていい。(スクライド風

 

42.Atrocity

MIKAMI MAKOTOさん作。

黄昏の曲がラストにオルゴールで〆ていて、この曲はそんなオルゴールから始まり、激熱のシネマティックサウンドに繋がるという。しかしタイトルがまた・・・どこまでも狂気をはらんでいるバケモノが相手でもおかしくないというバトルサウンド。Undertaleの狂ったフラウィーを思い出しましたが、こちらの曲はより荘厳に、雄大さがあるという点では強大な気がします。

これはほんとに巨神兵のような、ワンダと巨像のあいつみたいなやっばいやつが顔を出しているのが浮かびました。そしてこの楽曲、シネマティックではあるのですが非常にまた聴きやすいんです。音の置き方がすんごいクリアで個人的な好みになりますがこのミキシングは私は凄い好きです。ホール感はあるんですけど、壁を感じない。壁がないわけじゃないんですけど、なんだろう・・・とても心地良い。

 

43.エンカウントなう

くふさん作。

JAZZ風のバトルサウンド。耳に残るメロディラインと軽快なテンポが合わさって個人的に好きな楽曲です。ウッドベースと打楽器がまるで一つの楽器のように厚みを作り出しているのが私にとってはとても新鮮です。ピアノを弾く様が楽しそうでニヤけてしまいますね、トランペットのリードが何とも言えず聴きやすい。

こんなノリの良い、聞いてて心地良い戦闘曲なら、あまり避けようとは思わないです。あと、戦闘というよりは純粋にそのゲームを楽しめる躍動感を感じるため、若干戦闘そっちのけになりそうなくらい聴き応えがあるのですが、戦闘とがっちりハマると脳汁出まくりそう。3分も尺があると長丁場でも戦闘が楽しめて、それもまた良しという風にバトルが楽しめる。いいなぁこういう楽曲。

 

44.逃走

しっぽさん作。

これはちょっと笑いました。ねずみ小僧もしくはクールな怪盗の喜怒哀楽を含む逃走劇を描いたようなバトル曲。しかも逃走ではあるのですが、すんごいかっこいい怪盗なんですよね。0:46辺りの展開が超好き。なにこのかっこいい作り。程好く歪んだギターと垢抜けたドラム、急遽入ってくるストリングスの絶大な効果。逃走というにはあまりにドラマが盛り込まれすぎてて、ギャップ差にやられた。

2:02で私の超好きな展開が再び来るのですが、途中でトランペットが離脱してストリングスのみのメロディラインになるところとか、なんですか。私の知らない私のツボ付いて来るとか。しかもところどころピアノだったりストリングスがオシャレな動きしてて、いやーーーー、曲聴きながらニヤけてる自分今気持ち悪い顔してんだろうなぁ・・・(笑

 

45.ホカホカ村の大剣士じゃがいも

MAKOOTO作。

あれこれは、と思ったら自分の曲でした。もうそんな順番まで来ていたのか、そしてここまで感想を書いてもう何時間経つだろう。ここまで様々なバトル曲を聴いてきたこともあり、改めてじゃがいもの曲を書き直したくなってきました。2でやろう2で。

ロックテイストを主体とはしているのですが、自分でタイトル付けてて言うのも何ですが、ふかしイモみたいな印象があるんですよ。ハマりそうでハマっていない、どこかフワッとしたような。そう、ふかした後の皮がこんなにも簡単に剥けてしまうのかといったように。我ながら、なかなか形容しがたい。

 

46.決勝戦 of Something

まっしゅまろんさん作。

私の中での剣と魔法の基本的なRPG戦闘曲として一番ハマってる気がするオルガンとギターの旋律が気持ちよい正統派バトルサウンド。ほんとこの曲好き。軽快なオルガンが常に音の厚みを支え、Aメロはこれまた聞きやすい太さが見事なシンセリード、そしてサビはギターリードという私の中では基本の王道RPGバトルを全て兼ね備えているという、理想の具現化されたような楽曲。リリースの短い軽快でアタックの強いスネア・・・等々、好み貫いててやばいです。

タイトルが「決勝戦」とあるので、戦闘というよりはスポーツに近い試合を感じますが、それがまた優しいですね。M3でご本人にご挨拶させて頂きましたが、非常に爽やかな方であられました。

 

47.対峙

保積さん作。

この方の作られる楽曲も私好みでございます。大王道の非常に純度の高いシネマティックバトルサウンド。まず音の迫力が凄い。ここまで音の遠近を作れるのも凄いのですが、残響の臨場感がハンパ無い。特にブラス系。シネマティックではあるのですが、この楽曲ではメロディが意識ささっているように感じられるので、敵は生物ですね。しかも歴史ある感じ。神という存在よりはもう少し地に足の着いた印象があるので、ドラゴンですかね。低音部で鳴っているシンセベースらしき音から、なにかしらの自然の主でありそう。

曲の作りから、繊細さと雄大さを同時に感じる名曲。

 

48.Rebel Struggle

MATSUさん作。

おお、こちらもまた王道オーケストラのラストバトル曲ですね。こちらの曲はこれまでの自分達の辿ってきた道の集大成を迎える最終章というイメージがあります。オーケストラ部隊に負けないくらいピアノの音の存在感が全範囲にあり、まるで何かの神々と戦っているような降臨感があります。

タイトルから、これは人間同士の反乱というイメージよりもやはりヴァルキリープロファイルに出てくるような神々への反逆というイメージの方が合う気がします。この楽曲に相応しい神が相手だと、とてもじゃないですが敵うようには思えないんですけど、神もひっくり返すと人間ですからね。面白いものです。しかし同じシネマティックサウンドでもこんなに方向性が違うことで色が変わるとは・・・。

 

49.eNsis

しぅさん作。Vo. 稚紗さん。

うおおお、ここでボーカル有りのシネマティックバトル参戦!!なんつー熱い展開なんだ。結構前にANUBIS Z.O.Eという当時やっばい近未来型アクションゲームがあったんですけど、それを彷彿とさせるボーカルの声による透明感と四つ打ちとシネマティック融合型というとりあえず超かっこいい曲です。

いやー、歌が入るとまた一層人間模様が強く印象付けられる感じがしますね。これはもう舞台が宇宙とか時空を超えてるんですけど、最終的にそこで繰り広げられるのは人間同士のぶつかりあいだったという、原点回帰を思わせます。音使いがこの曲もまた非常に上手い。もう私の体力はマイナス振り切って一周して戻ってきました。メビウスの輪。

 

50.Phantasm Strike

JourneyCatさん作。

全50曲の弓道で言う落ち、つまりトリを務める楽曲。全てのバトルを全ての次元を超えて最後に束ねるような結びに相応しい楽曲。転生した人間が、どの時空でも同じようなドラマを向かえ様々な経験をして一つに戻り、その自分を作り上げたこの世界の理と向き合うような、そんな次空間楽曲。なんですか次空間楽曲って。

この曲を聴いてると、ほんとにこれまで辿ってきた世界全てをサァッと風になって通り抜けるような感覚があります。なんだろう、ほんとに大事なことって、一人一つここに持ってるだけで、それだけで無敵になれるんだろう。色んなもの全部洗い流されてしまいました。細かいこと吹っ飛んでいく、そんな最高に爽やかな楽曲でした。

 

 

BATTLE COLLECTION 3を聴き終えて

今時計を見たら、10時間丸々かかってしまった(笑)。楽曲は計50曲で3時間弱なので、その3倍ですね。むしろ短く済んだほうではないかなと思います。記事の文字数は過去最高の17,000字弱。もっと旅行記などで果てしなく長い記事とはありますが、平均3,000字の自分にとっては大台を結構更新しました。ヤッタネ!

バトルコンピ3は聴き応えがありすぎて流石に一回休憩を挟みましたが、それに見合うだけの理論と感性が詰め込まれた、全てで一つの作品になっていると思いました。全編通して一曲一曲にそれぞれの個性・良さ・方向性などが違っていて、同じバトルという括りで本当にこれだけの色があるんだと痛感しました。

 

自分の感性からあれこれ書いてはいますが、最終的に言えることは、一つ一つの楽曲どれもが想いの宿った名曲であったということ。これは本心です。全てに私の学びがあった。そしてこんなにも音でそれぞれの世界が表現されているとは思わなかった。

めちゃくちゃ勉強になりました。どうもありがとうございました。

早速これからの曲作りにこの学びを活用していきたいと思います。

 

そしてSayaquさん、曲順見事でした。これの順番考えるのも結構悩むと思うんですよ。でもこれ、正解だったと私は思います。序盤から中盤も凄い面白かったんですけど、終盤にかけての盛り上がり方やばかったです。さすが主催なだけはある!(笑

 

はーーーーーーーーーー

 

すんごい良かったーーー…

 

 

それでは!

 

角掛みなみのビブリオンの魔法使いのラジオが予想以上に癒される件

せ、背中が横断式に痛みを訴えてきて只今動きが大変制限されておりますMAKOOTOです。
いででで・・・。

 

毎日ストレッチして身体をほぐしている筈が・・・痛いの痛いの、

飛んでけうおりゃあぁアアァア!!!

(背負い投げ的な

 

というわけで今回の記事は『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』について書いてみたいと思います。

 

第67回アーカイブ聴きながらこの記事書いてるんですけど、アリアドネさんお腹壊しながら仕事してて笑った(笑

いででで、笑ったら背中痛い・・・

 

 

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』とは

ネット小説大賞を受賞された小説を紹介するウェブサイトのこと。

毎週金曜日21時よりラジオ形式で配信されていて、「ビブリオン」と呼ばれる魔法司書室に住む司書アリアドネさんこと、パーソナリティの角掛みなみさんが、毎回色々なネット小説大賞を受賞された小説の一説を朗読してくれます。

ようこそ、魔法司書室ビブリオンへ

ここは様々な本をコレクトする次元書庫。どれだけ本が増えても所蔵が可能なんですよ。

あなたが来たのはその一角 ーー『ビブリオン』と呼ばれる司書室です。

出典:ネット小説大賞プレゼンツ 角掛みなみのビブリオンの魔法使いより

 

今のタイミングでは、Episode76と77が聴けますね。

それぞれのアクセスで聴けるようです。

 

毎回、ネット小説大賞を受賞された作品をラジオで紹介して貰えるので、色んな小説の情報が15分弱のラジオで楽しく聞けるのはとても良いですね。

ラジオは、前半ビブリオンの司書アリアドネさんのお話が展開して、後半にネット小説大賞を受賞された作品の一説を抜粋して聞ける、という流れでしょうか。M3等でも物語が盛り込まれた音楽作品が沢山ありますが、小説でもやっぱり沢山の世界がありますね。

 

 

 

というか第69回のマンドリル言うと思ったwww

(Youtubeでアーカイブストリーミング中

 

・・・ブログでは草は生やさないようにしているんだった。失礼しました。(もう遅い

 

 

ネット小説大賞とは

『小説家になろう』にておこなわれる、日本最大級の小説賞です。
前回は7165作品の中から28作品を書籍化いたしました。

参加は簡単、『ネット小説大賞六』または『ネット小説大賞六感想』というキーワードを設定するだけです。
(※ネット小説大賞六感想=コンテスト応募+感想サービスとなります)
書籍化作品数はもとより、どなたでも楽しめ、評価を得られるコンテストを目指して運営してまいります。

過去最低受賞ポイントは46ポイント、文字数1万文字程度でも受賞実績ありと、
文字数・ポイントともに受賞の幅が広く、どなたでも受賞の可能性があるコンテストです。
また、短編作品や一般文芸作品など、様々な作品が受賞されております。
あなたの隠れた才能をこのコンテストで発揮してみませんか?

出典:クラウドゲームス ネット小説大賞より

とのことで、私はこのビブリオン経由からこういった企画が行われていたことを初めて知りました。

ラノベは昔よく読んでいたんですけど、それは私が大体中学~高校くらいで、『スレイヤーズ』とか『神秘の世界エルハザード』とか『爆裂ハンター』とかね。結局スレイヤーズの小説も完結する前にその文化から離れちゃったんですけど、今はネットで小説が展開される時代。

なので、『涼宮ハルヒ』や『とらドラ』、『ゼロの使い魔』、『俺妹』などは私の中では新しい部類になるわけですが、それももう10年前。いやーほんとに!?時間の流れ早くない最近!?

 

 

・・・脱線しましたが、今のアニメの大半はこの小説が原作になっているというイメージがあります。それくらい、小説の文化は根強く、力強い同人も元は小説から始まってますしね。この認識、間違ってないでしょうか。アニメ業界にはあまり詳しくないのでちとわかりませんが。

ともあれ、このネット小説大賞から書籍化も決まるとのことで、文字数の多い大作はもちろん、文字数が少なくとも中身の良さや物語運びによって受賞は十分出来るとのこと。傾向はもちろんあるでしょうが、少なくとも受賞される作品はやはり多くの人を惹きつける何かを含有しているのでしょう。

 

ネット小説大賞、第五回の書籍化された作品をブログの賑わいも兼ねて貼り付けてみましたが、なんだろう・・・全部読みたい。特に「女騎士と田舎暮らし」。なにその予想が付きにくいタイトル。き、気になる・・・

これは結構引っ張られますね、ジャケ買い恐るべし。

 

 

なぜビブリオンの魔法使いを記事にしているかというと

これまた私の無料音素材が使われたからでございます。

使われたBGMというのは、「Unstable room」という、警戒心・緊張感を煽る楽曲です。クラウドゲームスのディレクターさんからご利用のご連絡を頂いたので、これはもうブログの記事にしてしまおうと思いまして、そうしました。

 

使用された回はEpisode.64

『男女比 1:30 』世界の黒一点アイドル(ヒラガナ先生)

の朗読部分。

 

男女比1:30ってやばくないすか!?

パーソナリティの角掛みなみさんもおっしゃってますが、

男性としても正直、

 

この数字は結構厳しいと思うぞ・・・!!

 

 

また、その比率30分が

 

自分のストライクゾーンであるとも限らないんだぞ・・・!?(失礼

 

 

いやしかしここは逆に男気を見せるときか?

うーん・・・そう考えたら、

 

 

まぁ・・・いっか!?(いいのか

 

 

 

まとめ

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』は、

 

こういう感じですね。

今回、あいててて・・・(背中痛い)、動画を貼り貼りしたのは、昔自分がこういったどこかのんびりした、温かな文化に触れて心の安らぎを得ていたからなんですよね。

最近忙しさに慣れすぎてしまって、こういった「何も考えずに小説読んだり、ラジオ聴いて楽しんでいた」空間を非常に愛おしく思えるようになってしまっています。大事にしたいなぁとよく思うので、この機会に少しずつ自分の時間と忙しなさを緩めていきたい。

 

そんな空間がこのビブリオンにはあると思いました。

 

それでは!

 

【2017年秋M3】『Ark of Phantasm – 麺コンピ』を聴き終えての感想

進撃のトマトメロスピありますで御馴染みの

Ark of Phantasmさん

 

これまでも予想の付けられないコンピを主催されているWinna Striveさんですが、今回はなんと、

 

麺コンピ

 

・・・想像つくでしょうか。麺から連想する音楽。私は最初イメージが浮かばなかった(笑

しかしながら、この麺コンピサイトを開きつつ曲を聞けば、なるほどと素直に思ってしまう。面白いですねほんと。一見ただの遊び心CDとして聞き流してしまいそうになりますが、案外深い。次の常識は案外こういう発想から生まれたりするので要チェックや!!・・・とか言うのはこの際置いておきましょう。

 

Ark of Phantasm – 麺コンピ

1.ローファイ・ラーメン・タイマー

cacaoさん作。麺の種類は「カップ麺」。

昔のからくりで出来た人形劇場のような、そんなクラシック感(古典的という意味)と楽しげな始まりを思わせる楽曲。旨い上手いです。こんな楽しげなからくり劇場を見ながら、終わる頃にはカップラーメンが丁度食べられるという流れるような展開。

クラブミュージックやオーケストラなど得意とされているようですが、全般的に作れるその多彩さをこの曲からも感じられます。

 

2.3分天国

地球はかい爆弾さん作。麺の種類は「カップ麺」。

“持て余した時間で手遊びする売れないバンドマン”とあるとおり、「3分待つってダルいわぁ~」と手遊びしつつ、途中で若干待っていることを忘れて手遊びに少し夢中になってしまうような。そういう刹那の展開が曲から感じました。

手遊びを感じを、フィルターやゲートで音を一瞬仕切るような、そういった演出からも感じます。持て余している割にこの手の込みよう、このバンドマンはかなり仕事が出来るタイプなのでは(笑

 

3.From Star

つばさくんさん作。麺の種類は「ベビースター」。

コーラスとシンセ音の気持ちの良い綺麗な楽曲。もんじゃ焼きの中のベビースターからは想像もつかない青空を感じました。あたかも、もんじゃ焼きの中にベビースターを見つけた瞬間、時が止まりその喜びの世界に飛び込んだかのよう。じゅーじゅーいうもんじゃのイメージとはまるで正反対。

しかしこの喜びの世界は時空を超えているので、なんかこう、この喜びに泣けてくる(笑

 

4.初ショップ

M/Sさん作。麺の種類は「細ちり麺の醤油ラーメン」。

20年くらい前のゲーム機での街のBGMには、こういう素朴なシンセリードとドラムが使われていて、どこかスーパーだったり、楽しい主婦の街の雰囲気を感じます。その街にあるラーメン屋。味は普通なんだけど、安定の醤油で、やっぱこれよね~みたいな(笑

あ、今日はサンマが安いわ・・・!さっきラーメン食べちゃったから、今日はお魚にしy(略

 

5.too fast to 麺

あおいんさん作。麺の種類は「ふやけ切ってないカップ麺」。

これめちゃめちゃ笑いました(笑)。パンクロックなのですが、もう麺がどうとかそもそもそんなに興味はないんだけど、「題材だからじゃあこれで歌っちまうか!なんでもいいんだよノれれば!」というような気さくでリスナーに凄く近いミュージシャンを連想しました。

最初は麺なんてどうでもいいとか言ってて、後半で麺について案外真面目に考えて歌い上げてる流れが凄く人間くさくで安心する曲の気がしました。いいなぁこういうストレートな曲を書けるのは。

 

6.至高の一杯

Winna Striveさん作。麺の種類は「家系豚骨」。

私を笑い殺す気かwww 豚骨ラーメンにここまで様式美があるのかというくらいのドラマティック・メロスピ。ウィナさんの曲は昔から知っていますが、ここまで悲哀と情熱を今この瞬間も曲に表現出来るとは・・・この不滅さ。しかも尺6分半もあるんですよ・・・なんなのWinnaさん。

「これだけの魂を揺さぶるサウンドは何が起因なのか!?」と、ふと手元を見たら豚骨ラーメンとか・・・そんなにか!?www

やばい。このギャップ差は流石に笑い死ぬ。

 

7.Lamentful kiss

NANAさん作。麺の種類は空欄。

楽曲にLUNASEA、歌い方にL’Arc〜en〜Cielなどをどこか彷彿とさせるビジュアル系ロックサウンド。麺の種類を敢えて述べていないところに、麺から連想する曲のイメージを直感的に降ろして、それをそのままサウンドへ翻訳しているかのような。

歌も綺麗で、曲展開も丁寧でどこか繊細さを感じました。

 

8.Love is…

タチやんさん作。麺の種類は「深夜に作るインスタントラーメン」。

自責の念と欲望の渦巻きという、心理的な深さを感じさせる曲。女性らしい声がインスタントラーメンの誘惑に聞こえてしょうがない。甘い罠に、精神的に揺らいでいる状態が曲にしっかり表現されているように思います。タイトルがねwww このコンピほんと面白すぎる(笑

これ、最後結局インスタントラーメン作って、た・・・食べちゃいましたよね・・・?

 

9.歳ノ瀬縁起~年越しそば~

EBIさん作。麺の種類は「年越しそば」。

イントロで弾いているこのピアノの手の位置、ここの位置の音、私凄く好きなんですよ。バックの、胡弓と多分笙だと思うんですけど、これも私の個人的に好きな楽器。和楽器の使用は思ったより少なめに意図されていそうですが、まさに古来から伝わる伝統ある和の心を表現している感じです。

非常に作りこみが丁寧で、さっきまで笑っていたのですがこの曲では荘厳な雰囲気もあり、少し鳥肌が立ちました。こんな雰囲気でそば食べながら迎える年越しって、優雅だなぁ・・・。

 

10.山菜そばを食べに行こう

Tsurugi(kt of 24)さん作。麺の種類は「山菜そば」。

山菜そばを食べにクルマでドライブしながら向かうとのこと。動きのあるベースが特長的で小気味良く、疾走感や曲の緩急の付け所や展開など、そば忘れてそっちに気がいってしまった。個人的にはこれでドライブしたら私はすぐ脇道に突っ込んで林の中を抜けようとかわけわからないことしそう(笑

個人的に曲の作り全体的に旨さ上手さを感じました。これでドライブしたらテンションあがるだろうなぁ。

 

11.残ったスープと麺の入った胃袋 ~出汁の素の海老天しっぽ~

δ(でるた)さん作。麺の種類は「麺を食べ終わった後のスープのみ海老天うどんと他のメニューも食べたりしてもう満腹状態の人。」。

サイトのコメントから、美味しい麺類を食べているはずなのに、なぜかそこから逃げたくなる、逃げないとやばい・・・!なのに逃げられない。美味しいはずなのに、もうお腹が一杯でこれ以上は危険だと脳が、身体が、胃が告げる・・・!ここから抜け出す算段を付けようにも、満腹感によって思考は徐々に眠りにつく。言われるがまま麺を口に運ぶ。

これ以上は危険だ・・・危険だ・・・危険だ・・・!!(笑

そんな緊張感のある楽曲です。

 

12.拝啓ひやむぎ様

清水嶺さん作。麺の種類は「ひやむぎ」。

夏のさわやかな食卓を思わせる、温かで優しいピアノ曲。小麦色と風鈴を揺らすおだやかな風を感じます。ピアノの高域部分の弾きがひやむぎを入れる透明のガラスの器を感じさせ、その後は食後ののんびりタイムといったところでしょうか。

なんだろう・・・凄く幸せな気分になる。こんな日常がずっと続いたらいいね~っていうような、家族的な愛を感じる曲でした。

 

13.MaRV Omen

瑞希にゃんこさん作。麺の種類は「麻婆麺」。

作者コメントにあるとおり、想定外の展開を受け入れざるを得ない、まるで未知の領域に足を踏み入れたような、危機感とは違う、どこか葛藤が収まらない言い様のない心の渦巻きを演出しているかのようです。

曲中からは「そうじゃない、そうじゃないんだ・・・!!」という訴えにも似たような何かを感じる。味がどうとか、そういうことではない・・・!!(笑

 

14.S・T・A・M・I・N・A

rsyさん作。麺の種類は「スタミナラーメン(茨城ご当地ラーメン!癖になる旨さ!!)」。

選択している音色や楽曲のノリから、イースⅥのエルンスト戦を思い出させるような楽曲。これは麺の種類にも色々あり、味わいや噛み応え、喉越しや後味、匂い、そもそもまずどのような工程を経てこの麺が出来上がったのか・・・お前は理解しているのか・・・!?

そんな緊張感と真実の扉を垣間見るような、かっこいいんだけど思慮深い印象を感じました。

 

15.買い置きカップ麺の見つからない深夜2時

startide / hiroさん作。麺の種類は「カップ麺」。

こちらも非常にドラマティック。弦楽器の壮大な雰囲気から繰り出される、このゆっくり崩れ落ちる様は一体何なんだ・・・何だこの「つがいの相方が亡くなったと悟った時に鳴く鳥」かのような、悲しみに満ちた音は・・・!!

こんなに・・・こんなにも悲しいものだとは・・・切ない。いや、私もしょっちゅうこういう経験ありますけど(タイトルから

 

16.White Stream

0|1 + 前濱雄介 + T木さん作。麺の種類は「流しそうめん」。

環境的な情景をよりリアルに音に表現されている楽曲。幼い頃の記憶、という部分をシンセで不透明さを出しながら、流しそうめんの流れていく様を思い出しているかのような、記憶の渦を遡るような印象を受けました。

中盤でベースが左右違う動きをして、徐々に理性と思考が保てなくなっていくような、根元に触れるような曲。こういう作風も私は結構好きです。

 

17.aldente

79 Million Reserveさん作。麺の種類は「パスタ」。

これは、パスタ麺に見立てた記憶を遡るイメージが沸きますね。序盤の流れを超えると、曲にノリが生まれます。まるで過去の自分を鮮明にありありと思い返すような、突き抜ける空間を感じました。非常に気持ちが良い。

後半で、当時何を思ってここに来ることになったか、それすらも思い出しているような、原初を思い出して覚醒したかのようなかっこいい印象です。

 

18.バカでかいカップ焼きそばを独り占めwww

知叡=アンダーソンさん作。麺の種類は「カップ焼きそば」。

コメントとは裏腹に、非常に静かなピアノの旋律から曲が始まります。これは・・・バカでかいカップ焼きそばを一人で食べれることに当初は嬉しかったはずが、実際そうなってみるとこの言い様のない寂しさ、孤独・・・泣き出しそうになるのを必死に抑えて食べるはずの焼きそばが、涙の味しかしない。

最後、すする音だけが聞こえるのですが、少しだけリバーブかかってるんですよ。まるで小さな空間に一人ぼっちかのような。すすっているのは焼きそばか、垂れ出た鼻水なのか・・・。

 

19.ラーメン屋の熱き魂~親父の力~

斬龍さん作。麺の種類は「ラーメン?」。

ピアノ独奏。こちらも、熱き魂のラーメン屋とは裏腹に、哀愁を漂わせた雰囲気から始まります。そこから一転、力強さを感じるタッチになり、またその後で一段切り替わります。親父のどこか辛さを背負いつつも決断していくようなドラマティックさを感じます。

でも、切り替わる時は思いっきり切り替わる。そこに親父の行動力と、徐々に変わる緩やかな旋律から優しさを感じますね。最後も優雅なので、この親父は結構ダンディかもしれません。

 

20.育麺!? -パパ応援マーチ

鳴海陽香さん作。麺の種類は「イクメン」。

おおー!ラストの締めにもふさわしい、明るくコミカルな曲です。子供は毎日無尽蔵な元気さを見せて、ママやパパはわからないことだらけでもう大変!でも子供と一緒にいる生活はやっぱ楽しいなぁ!・・・という温かな家族愛を感じました。

子供の歩調に合わせた、優しく楽しい、元気いっぱいの曲!

 

麺コンピを聴き終えて

いやこれは、笑いあり涙ありの素晴らしいコンピ作品でした。

作家それぞれの個性を感じつつ、それぞれの様々な思いと解釈が非常によく伝わってくるCD。まさかこんなにもドラマがあるとは夢にも思わなかった。全部、全曲良かった。目から鱗とはまさにこの事。

音を楽しむと書いて音楽と表しますが、一番大事なことを思い出させてくれる、そんな作品です。

 

Ark of Phantasmさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『オトカプセル – 静謐なひととき』を聴き終えての感想

ゲーム音楽やオリジナル楽曲を製作されている、

オトカプセルさん

 

今回ゲットしたCDはピアノオンリーアルバムです。

M3前日、たまたまツイッターでピアノオンリーという文字を見て、よし買おうと。ピアノは私も好きなので、少しでも多く引き出しを作るため、色んな作家さんからこうして定期的に取り入れるようにしています。

 

オトカプセル – 静謐なひととき

1.陰

「陰」とタイトルが付いているのですが非常に力強いピアノ曲。

踊るような曲調で、陰の要素を感じさせない。確かにマイナー調ならではの哀愁はあるのですが、どうやらそういう陰ではないと思います。陰の中にところどころ明るさが入り、それによって陰の部分に戻った時が印象的に感じます。

そしてこの曲はどこか剣士の技磨き。剣の舞のような印象を感じます。

 

2.楼

陰とはうって変わって非常に優しい入りから始まります。持ち前のパワフルさを隠しきれないかのような力強さを時折垣間見せはしますが、非常に素直で真っ直ぐなピアノとして、柔らかな抑揚のある展開になっています。

「楼」とは、やぐら。高いたてもの。最初にそういった建物から思いを巡らしてみたのですが、このピアノ曲はやぐらはあまり関係なくて、その近くで起きていた人間模様・・・お父さんと子供・・・どこかに行って帰っていく・・・夜ではない。・・・桜っぽい。坂道を帰っていく・・・?

そんなイメージがおぼろげに浮かびました。

 

3.朱

「朱」・・・激しさを基調としたサウンドの気がします。赤、火山、旗・・・などなど連想してみると、どうやらモノではない。何かを行っているときの激しさに近いものを感じます。

この曲は「静謐なひととき」の中でも一番激しい印象がありました。

イメージとしては少し遠いかもしれませんが、なんとなくファイナルファンタジーのイフリートが出てくるんですけど、そのイフリートが上半身をはだけて和服でピアノ弾いてるイメージなんですよね(笑

 

4.瑠

瑠璃の「瑠」・・・イントロでは小さな何かに話しかけるような、そんな優しさとそこから小さな光をスポットライトとして物語が進んでいく感じですね。個人的にはこの曲が一番静謐さを感じます。

力強さが一瞬入ったと思ったらすぐに静かになり、ここではないどこかの空間をところどころ想起させるフレーズと、それから連なる物語が徐々に繋がっていく感じ。

抑揚はしっかり作ってあるのですが、そこに悲しさをあまり強く盛り込んではおらず、ラストに向かうにつれてむしろどこか安心感さえ感じました。

 

5.焔

「朱」と似ているのですが、こちらの「焔」の方が情緒がプラスされているように感じます。

少し切ない雰囲気でイントロが始まりますが、「焔」の名の通りの激しさを時折混ぜてきます。そんな激しい演出が要所要所にあって、どこか踊るようにピアノが進んでいく。

なんだろう、悲しげではあるんだけど、そこから昇る力強さがピアノの叩きにリンクしているような。ラストもそのような強さを宿しつつ、最後の時を迎えるというなかなか乙な展開を感じました。

 

静謐なひとときを聴き終えて

これは斬龍さんにしてやられた感があるのですが、私が当初思っていたよりも、力強さが随所に盛り込まれているピアノ曲だと感じました。

「静謐なひととき」とタイトルにはあるのですが、静かでしっとりした系のピアノではなく、強さを感じる静謐さ。太平さを感じる作品だと思いました。「焔」など、字のイメージからも激しいことがわかるのですが、その中にある静けさの表現を、結構考え込まれて作られたのではないかなぁ。

 

オトカプセルさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~』を聴き終えての感想

ベーシストでありながらタロットカードもしてしまう、

あだPさん

 

そのタロットカードを音楽で表現した作品が「Parsifal」。

DTMでの作曲はまだ三ヶ月足らずということなのですが、音の表現には年数はあまり関係がない気もします。音にどういった解釈が乗っているのか、私はタロットに無知なので楽しみです。

 

あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~

1.旅立ち ~Fool~

カード番号「0」愚者。大アルカナに属し、正位置は「自由」、逆位置は「軽率」。

タロットカードには旅人が描かれていて、型や枠というものを持たない奔放な様ということのようです。まさにこれからの船出を思わせるような始まりを曲から感じます。軽率にどこかに迷い込んだかのような、好奇心を醸しだす展開から、最後に何かを見つけたかのような出会いを感じます。

まるで小劇場にいるかのような雰囲気です。

 

2.悪だくみの魔術師 ~Magician~

カード番号「1」魔術師。大アルカナに属し、正位置は「起源」、逆位置は「混迷」。

才能あるがゆえに、怠惰になるような、そういう人間臭さを感じる展開。人が驚くようなことも割と出来るけど、打ちひしがれるのも早いといいますか。でも最後はまた忘れていつもの生活をしているような。それと、小さな楽しみや優雅さをどこかに含んでいる気もする。

この曲からはそんな根は明るい魔術師の印象を受けます。

 

3.苦しみの理解 ~High Priestess~

カード番号「2」女教皇。大アルカナに属し、正位置は「直感」、逆位置は「悲観」。

知性ある雰囲気をまとった曲。ただし頭が回るがゆえに、抱え込んで潰れてしまいそうな、そういった脆さをも感じます。この曲からは、理性と感性は一つであるかのような感覚があります。緊張感を持ちながら、静寂を保っているという鋭さがある。

 

4.誘惑の美女 ~Empress~

カード番号「3」女帝。大アルカナに属し、正位置は「繁栄」、逆位置は「挫折」。

豊かさを感じさせるところから曲が始まります。情熱さや包容さも含んでいますが、そのすぐ後に、物凄い線の細さを感じさせるサウンドに切り替わります。不安定さ、緊張感さが豊かさの裏に潜んでいるということでしょうか。

最後は、豊かさを取り戻す形で曲が終わります。

 

5.救世主 ~Emperor~

カード番号「4」皇帝。大アルカナに属し、正位置は「支配」、逆位置は「未熟」。

この曲は、豊かさというよりは強硬さ。どちらかというと恐怖を感じさせる感じから始まります。しかし中盤に入る頃には勇ましさや頼もしさ、逃げない強さを感じさせてとても頼りがいのある雰囲気になります。傲慢に見えた後ろには強い行動力があるということでしょう。

この曲は作中で一番長く、終盤は一つをまとめあげて治めていくかのようなドラマティックさを感じます。ラストの〆は大団円といったところだろうか。

個人的にはこの曲が一番ストーリーを感じて好きです。

 

Parsifal ~A Wondering Minstrel~を聴き終えて

オーケストラ調にタロットカードを表現しているのが、より一層雰囲気をわかりやすくしている気がします。なんかこう、マーラーを聞いていた時を思い出しました。情景を「曲」という型にはまったものというよりは、一つの世界の流れを音に翻訳しただけというような。そんなうねりを感じました。

この作品は、次回作の構想がすでにあるとのことで、5番目以降のタロットの意味をどう音に表現されるのか非常に楽しみです。

 

あだPさんの特設サイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Ciel Cielo – Zelophilia』を聴き終えての感想

ボーカルのみーさんとプロデューサーパープルPさんのユニット、

Ciel Cieloさん

 

透き通るような声のボーカルと、神秘さの中にポップさを含んだ楽曲が特徴的です。

前作の「月の残像」は透明感があって、どこかかき消えてしまいそうな雰囲気だったのですが、今回は少し意外な一面といった感じでしょうか。

 

Ciel Cielo – Zelophilia

1.Zelophilia

かっこよさ気なタイトルのZelophilia。意味は嫉妬愛。歌詞の内容はその嫉妬が歪んでしまった形で愛を求めるような感じです。ただ、曲は裏腹にポップでかっこいい感じがあるので嫉妬で歪んではいるんだけど、どこか明るくそれを受け入れるかのような雰囲気があります。

最初タイトルの意味を知らずに聴いていたのですが、意味を知って、曲中のところどころにホワイトノイズの入っている意味がわかりました。

最後、「貴方の血で、目で、手で」とあるので、歪んでいることに変わりはないのですが、なんか明るい。こういう幸せの形を認めざるをえないようなどこか温かさを感じる

 

2.ヒュプノスの抱擁

ヒュプノスとは、ギリシャ神話でいう「眠りの神」。

嫉妬愛の後に浄化されて、安らかな眠りに付くような、それこそ光に解けて消えてしまいそうな雰囲気。休符の使い方が非常に上手く、そこが一瞬の呼吸の間のような錯覚をしてしまう。サウンドはしっかりと音を主張していながらこの透明感というのは凄いですね。

ボーカルの声が透明感をとてもよく演出しているように思うのですが、ホワァーッとした中に芯がしっかりある。ブレスの吐息感が冬の寒さ、白い世界を私は感じるので、声の特徴をよく引き出しているように思いました。

 

Zelophiliaを聞き終えて

陰と陽で言えば、陰の雰囲気を主軸にしていながら、あまり感情的に落ち込むような感覚がなく、どこか安心感のなかでの嫉妬と眠りの世界。サラッと聞き流してしまいそうな雰囲気がありながら、結構細かいところに気を遣われている印象があります。

パープルPさん曰く、「時間があまり取れなくて、本来もっとクオリティを上げられたはずでそこが無念」とのことですが、雰囲気作りなど個人的には申し分ないように私は思います。

ヒュプノスの歌詞が個人的には好きです。

 

Ciel Cieloさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia』を聴き終えての感想

姉妹ボーカルのゴシック・シンフォニックメタルの、

うさちゃんスタジオさん

 

姉妹ボーカルというのがまた魅力的ですね。私、一時メタルを聴き漁っていたことがあったので、なんだか懐かしささえ感じてしまうこのダークネスさ。スバラシイ。

アルバムは全8曲で半分は歌なしのインストなので、歌としては4曲ということになります。

 

うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia

1.Watcher

イントロ前のストリングスで一気に雰囲気の掴みを持ってきます。バスドラとギターでガンガン刻むのですが、その割にドラムのおかずは案外多彩な印象。Bメロに歌ではなく語りになっているところが、サビへの盛り上がりに拍車をかける感じですね。

一瞬ドラムにフランジャーっぽい演出を入れてるのも面白い。サビの中にバックのギターとは別でまるでレーザービームが発射されるかのようなツインリードギターが入ってくるところとかかっこいい。

この歌と語りが交互に入ってくるのはボーカルならではの技なんでしょうね、まさに王道のゴシックメタル

 

2.Marionette/MarioとMaria

ツインボーカルの掛け合いがいいですね。ボーカルを非常に大事にしていることがよくわかります。ギターがそんなに主張しないんですけど、そこが逆に後ろにある壊れた感じを演出しているかのよう

題名がマリオネットとあるとおり、どこか機械仕掛けを感じます。一周終わってマリオとマリアの会話の遣り取りがなされるのですが、ギターとピアノでオレンジ色の明かりの灯る小さな空間で密会をしているような雰囲気に思えます。

からくりであるが所以の悲しさみたいなものも感じますね。

 

3.Trapeze

ゴシックメタルとは一風変わった空間を感じさせるサウンド。ボス戦みたいな危機迫るものを感じる。この曲一番好きかも。

ギターソロの部分でベース部分がガン、ガンと動くところや、サビのリードのアルペジオにヒーロー的なポップさを感じる。またシンセが右と左で飛び出してきたりなど、結構展開が多彩で場面がどんどん移っていくところがかなり美味しい。

疾走系なので聞き流してしまいそうなのですが、盛り込みがハンパない気がしますね。こういうの好きなんですよ(笑

 

4.楔

最後にバラードをもってきただと・・・!?壊れそうなガラスの空間のような、ピアノの旋律が美しい。そして弦楽器が入ってきてストリングスで盛り上げていく。歌詞の内容から、抗えない運命と意思を持ってしまったことに対する問いかけのようなものを感じます。

演出が上手いです。ラストのカチャカチャいう音が歯車的な何かを彷彿とさせますね。どこかでギターを飛ばしてくるかとも思ったのですが、そういうわけでもなく最後まで悲哀を感じさせる形で終わっていきます。

マリオネットの宿命ですからね・・・連鎖を断ち切ることは、できなかった。

 

Chronos Phobiaを聴き終わって

ゴシック系メタルを聞いたのは久々だったのですが、いやこれはなんだか懐かしかった。しかし、懐かしさはありますが、曲展開が結構入念に施されている印象を受けて聴き応えがありました。

3曲目のTrapezeはどちらかというと王道ゴシックメタルとは少し傾向は違うかもしれませんが、その道から逸脱したこの曲にどこか新しさを感じて、私は個人的にとても好きです。いいなぁこれ、展開が多彩でめちゃめちゃかっこいい。

inst版も用意されているのは何気に親切なところで、歌詞と世界観にたがわず繊細なところも伺えます。

 

うさちゃんスタジオさんのツイッターはこちら

 

【2017年秋M3】『in the blue – イデアの森』を聴き終えての感想

サウンドクリエイターであり、ボーカルもこなすやまもまやさんのウェブサイト、

in the blueさん

 

同人・商業問わずその作風はとても人気で、ご存知の方も多いのではと思います。

 

その少女、イデアは森に恋をした―

出典:イデアの森 -Forest of IDEA-より

今回ゲットしてきたのは、青色ではなくなんと緑色のCD。タイトルだけでなく、ジャケットデザインとフォント文字からもうすでに世界観を感じる。いいですよ・・・こういう世界観、聞き手側としてはインスピレーションに直結するので、ワクワクが止まりません。

 

in the blue – イデアの森

1.畏怖と慈愛

「イデア」とは理念・観測。つまり、認識することで「それ」は存在するという意味だと私は思っています。つまり、この物語の少女は「それ」を「見」つけてしまった。いつからそこに存在していたのかはあまり重要ではなくて、「見た」時点でそれは「在る」ことになる。

・・・この曲はそんな「イデア」と少女の邂逅から始まり、0:40辺りでメロディが入るところから人の心地が生まれ、森の息吹を感じる演出を思わせます。

後半、世界がぶわっと広がったような、自然の愛に包み込まれるような、そんな臨場感を感じました。

 

2.森に抱かれて

イントロに始まるピアノの微妙な揺らぎがたまりませんね。ここで歌が入り、少女が森を感じ思いを寄せる情景が浮かぶのですが、私が感じたことは「初めて触れた言いようのない温かさに包まれる」というよりは、「かつて元々は一つのものだったんじゃないだろうか」というようなどこか懐かしささえ感じるということ。

ただ、そんなことは一抹で、最初に感じた畏怖とは裏腹に何ともいえない森の心地良さを肌で感じている・・・そんな印象。

 

3.緑の螺旋

森の神秘さを感じつつ、目の前の手に触れるものを味わっているかのような曲。

螺旋という言葉に、森の連綿とした歴史というか実際に時を経てそこに至った経緯と、森に住む生物、特に昆虫や花などといった小さなモノのイメージが沸きました。・・・あ、小動物もいますね。草はもちろんきのこも生えてますね。あー!こんな虫見たことない!!

これは自分の感覚ですが、自分が少女になったような気分にさせてくれる、そんな曲ですね。

 

4.絡まり合う枝

森の中核といいますか、核心を見たかのような静寂のある雰囲気の曲。こちらの方が森の歴史を「感じる」情景が浮かびました。打楽器の名前は浮かびませんが・・・森の鼓動を感じる。

優しげでありながらドラマを感じる後半の展開は、自然界の雄大さとやっぱり包み込むような何かを感じます。その画を輝く石か何かで見させられたような・・・なんだろう、王蟲の心に触れた時のあの木々みたいな。ナウシカ大好きです、はい。

 

5.深淵

緊張感が漂う、見えない渦の中にいるような雰囲気を感じます。ただ、恐怖というよりは「世界はこのようになっている」という目に見えるもの裏側が、まるで機械化した絵に写されたような、そういう茫漠としたものを感じる。

なんだろうな・・・一歩間違えると引きずり込まれそうな緊張感もある気がするんですよね。ただ、膨大な何かの波に流されているようでいて、どこか客観性があるんですよね。すごいな・・・この音の表現。

 

6.イデアと森 -reincarnation-

最初のコーラスに聞き入ってしまった。リンカネーション・・・転生とも、再生とも、輪廻とも言いますね。ここで今までの流れが一つに繋がったような、そんな印象を受けます。何度も繰り返し生まれ変わるような、そんな流れ。

イデアの森が転生を司る森なのか、それとも少女が元々は森と一つだったのか、色んな解釈が頭をよぎりますね!ああそして、終盤のコーラスは卑怯だ(笑

・・・今ここで気付いたのですが、タイトルは「イデア森」なんですけど、この曲は「イデア森」なんですよね。イデアと森が分けられているんですよ。”仮に”これを私流に置き換えるとすると「私森」と、「私森」。そしてリンカネーション。

いやー!!! ゾクゾクしてきた!!!(アホ

 

イデアの森を聴き終えて

いやー!これは!大好物!!(笑

神秘的な作風にここまでのストーリーが盛り込まれている。しかも非常に聴き易く、感情というよりは何かの記憶を優しく引っ張り出されるような、そんな作品でした。

ジャケットの裏側には、

”It is love, not reason, that is stronger than death.” -Tomas Mann-

「死より強いもの、それは理性ではなく、愛である」-トーマス・マン

という、19世紀のドイツの小説家の言葉が書かれています。トーマス氏の愛についての捉え方は、その小説作品に触れることで垣間見れるのかもしれません。

 

イデアの森、凄く良かった。今度は青の世界も体験しよう。

 

 

in the blueさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE』を聴き終えての感想

ヒーリングやニューエイジをメインに、ワールドミュージック・ジャズ・オケ等ジャンルに拘らず作曲をされている清水嶺さんのサークル、

Unknown – Dimentionさん

 

ケルト系民族音楽をまとめたミニアルバム。
個人アルバムに未収録の過去作品、書き下ろしを含む全7曲。

出典:Unknown -Dimention/Discographyより

今作の「A NEW SUNRISE」は、そんな幅広いジャンルを手掛ける嶺さんのケルト系音楽に特化したCD。今回私がM3に参加した際、これだけは手に入れておきたいと思った一枚で、色々と忘れてしまいかねないM3の中で真っ先に買ったCDです(笑

 

Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE

1.A new sunrise

こちらはWEBでも公開されている曲。打楽器とパーカッションの入りから、バグパイプの陽気なメロディが「ああ、これだよこれ」と納得してしまう非常にキャッチーなケルト音楽の曲。

ケルト音楽は、西洋の日常を描く文化が音に引き継がれた、いわゆる日本の民謡と同じ「そこに住む人々の世界を映す」音楽だと私は考えていて、この曲を聴くと、ヨーロッパに住む人々の想いが伝わってくるような、そんな温かい曲だと思いました。高山や田園の風景も目に浮かぶようです。

 

2.Hadrianus

西暦100年頃のローマ皇帝の名前がこのハドリアヌス。国王として国を率いる力強さと威厳さを感じる曲です。イントロの極わずかなピアノがまるで、この世に生れ落ちた王の静寂さを醸しているかのよう。

コーラスの演出がもう王国に誇りを持つ衛士の魂かのようで、そこに君臨する王の強さ、優雅さ、そして時として政治的な辛辣さによる哀しみなど、そういう人間模様の渦巻きを感じました。

 

3.Blackbard

ヨーロッパのクロウタドリをモチーフにされているのかな。春の訪れを告げる鳥ということですが、西洋の街に吹く強い風を受けながら飛び回っているかのような印象を受けます。

クロウタドリに関してあまり知識がないのですが、この曲からは自然の大きさというか、そこに根差す生命の力強さを感じる。笛の音が鳥の鳴き声を模しているところが情景とイメージを掻き立ててきますね。

 

4.White wall

タイトルから最初、西洋の街並みの壁のことかと思ったのですが、私のイメージではヨーロッパにそびえる山々のような雄大な印象があります。空に見える鳥と、無造作に剥き出しにされた崖の岩の壁・・・。

しかし楽器の演奏法をほんとに勉強されているなということがよくわかる。少なくとも私には。

実際山に登ってみるともっと無機質さを感じるものですが、この曲にはドラマがある。人の描くものなのか、自然の峰峰がもつ意思なのか。うはー、しびれる(笑

 

5.Climb the red mountain

こちらは実際に山に登っている人の温かみみたいなものを感じる曲。White wallが自然側であるなら、こちらは自然に対する人側であるかのよう。淡々とした人間臭さをすごい感じる。

左右のアコギが人の心の灯し火みたいに聞こえるんですよねぇ。わかりやすい緩急はなく、ただひたすら黙々と進んでいく、どこか挑戦的な心を感じる楽曲。

 

6.Vidohunir

北欧神話にある、世界樹ユグドラシルの最も高い枝におり、その黄金の身体により世界を照らしているという雄鶏の名前がヴィゾフニル。

この曲では、そういった伝説的な印象はなくて、やっと会えたヴィゾフニルは案外人間臭くて、会いに来た人間に対して「よー来たな。で、何か用か?オレの肉でも取りにきたってか?」みたいなニヤついてしまいそうなストーリーを感じる。

ドラムが力強く、地に足がついているような印象を受けるので、ユグドラシルの頂上でありながらどこか落ち着いた印象があって、こういうストーリーが浮かびました(笑

 

7.Ogma

でたー!!戦いの神、怪力自慢のオグマ!!(笑)またオグマは霊感・言語の神でもあるので、モノを伝えるという協調性にも長けていたと勝手に思いを馳せる、2面性をもつ神。

曲からは、怪力さよりも書斎で文字の発明を行っているかのような知性を感じます。曲から、「ああ、オグマってこういう神さまなんだな」と納得させられるというか、オシャレで結構思慮深いんだなぁと(笑

 

A NEW SUNRISEを聴き終えて

ケルト音楽は東洋から見ると独特の躍動感と文化をもっているのですが、民族音楽と言われるだけあって、そこに住む一族の歴史を感じさせます。全体的に流れるように踊る、そういう曲調なので緩急の付け方も懐かしいようなどこか新鮮なような。

しかし嶺さんのケルト音楽は、かつて昔そこに住んでいたんじゃないかと思わせるような自然な作風で、心にささるというよりは染み込んでくるような感覚があります。

ケルト音楽の笛の音って非常に細かい動きをするのですが、伸ばすところには下手に揺らぎを出さないんですよねぇ。そこが人々の真っ直ぐさを感じさせるのですが、正直そこまで詳しくないので、間違ってたら恥ずかしいな・・・(笑

 

クオリティもあいまって何度聴いても全然飽きない、スバラシイ一品です。

 

Unknown – Dimentionさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド』を聴き終えての感想

ピアノもボイスもフルマラソンもこなす、

あるみかんのうえにあるみかん。さん

 

今回手に入れた「シグリッド」は、朗読と音楽を交互に織り交ぜたどこか幻想的な作品。

朗読とピアノで綴る、ある島の教会と、1人の少女のお話。

出典:シグリッド/あるみかんのうえにあるみかん。より

とある島シリーズとして、

1作目「アリア」(現在無料公開されています)2作目「アレータ」に続く、第3作目となっています。シリーズものとして、1作目や2作目も非常に気になるところですが、お話の内容は個別で聞いても楽しめる形になっているようです。とっても親切。

 

あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド

1.朗読(1)教会

とある教会を舞台にした物語の序章。さらっと聞き流してしまいそうなのですが、ここで結構核になることをいきなり教えてくれています、多分(笑

ナレーションの女性の声とそのしゃべりが世界観にマッチしていていいですね~。

 

2.音楽(1)光差す大聖堂

大聖堂ではあるけれど、荘厳な感じではなく、リリースの長いピアノ音によって建物内に差す一筋の光を演出している。無人の空間にただ光が差しているという表現がとても綺麗。

 

3.朗読(2)黒髪の少女

今度は男性の声で朗読が始まります。それによって一人の女性の存在が確認できますが、ナレーションの男性が作中の登場人物と重なって、まるで自分がその作品の中の第三者的な登場人物としてそこにいるかのような錯覚になりました。

 

4.音楽(2)孤児院にて、ある晴れた日のこと。

このアルバムで2番目に長い曲。みんなのお姉さんである少女の人柄とその生活がピアノの旋律から表現されている気がします。曲の展開から、ナレーション通り、どこか控えめだけど明るく勤めていて、時として少し悲しかったのかな?もしくは疲れたりもはあるけど、最後は良かった!みたいな可愛らしさを感じます。

 

5.朗読(3)遺伝性好奇心

おお、ナレーションの方がまた代わりました。ここではその物語の主人公である女性自身の生い立ちと、そんな彼女の小さな楽しみについての内容を教えてくれます。物語がより具体的になってきました。

 

6.音楽(3)秘密の楽しみ

主人公のシスターの少女時代の秘密の楽しみの情景でしょうか。イントロの秘密の扉を開く時の緊張感と、その後の小さな楽しみを味わっているかのような優しいピアノ。転調することで階層の違いを表現しているのでしょうか、場面の微妙な移り変わりを感じます。

そして終盤テンポが早くなります。気持ちの高ぶりでしょうか、感情が揺さぶられます。

 

7.朗読(4)思いがけない再会

ナレーションの方が毎回代わることで、作中の色んな人が主人公の女性を見て関わっていたかのような演出になっており、まるで色んな関係者に話を聞いているかのような感覚になります。ここでは、一つの問題が出てきて、それによって幼かった頃の秘密の楽しみに今一度触れる機会についてを知ることになります。

 

8.音楽(4)蘇る記憶

子供の頃に触れたものに、大人になってから改めて触れることでの少しの戸惑い。どこか変わらない空間。そんな印象を感じます。尺が短いので、この時点では幼い頃の記憶に触れたのはそんなに長くはない、ということでしょうか。次のナレーションからそんなことを思いました。

 

9.朗読(5)封印は解かれる

問題はここで一旦解決しますが、それよりももっと気になることが出てきました。幼い頃に気付いていたのか、気付かなかったのか。その空間の先に何があるのかを思い巡らせるような。

 

10.音楽(5)流れる空気は冷たくて

3番目に長い曲。大人になってから、子供の頃に触れていたものの先を垣間見る場面ですね。幼かった頃よりもずっと周りの状況に対する理解があるので、思考が色々と頭の中を飛び回るかのような、単なる不安ではない何かを感じさせるピアノです。

まじまじと周りを確認しながら、一歩ずつ足を進めていくような、そんな印象。

 

11.朗読(6)たどり着いた先には

物語の一番核心になる部分を朗読で伝えてくれています。これは正直かなり気になる内容を説明してくれているのですが、この朗読を聞いているとそれよりも更なる疑問点が幾つも出てくる。ここで、作品のタイトルの意味と、冒頭のナレーションの語っていた意味がわかります、多分。でもちょっと自信ない(笑

 

12.音楽(6)Hrj Sigrid

アルバムの中で一番長い曲。その前の朗読内容から、私の中では予想外の曲展開でした。

・・・なんだろう、ここで主人公の女性のテーマらしきメロディが流れてきた気がします。それは多分物語の本質に触れたからなのでしょうが、根元の懐かしさ触れたような、そんなメロディ。

曲は、彼女の心理描写とその動きの微妙な揺らぎを説明するかのように流れていきます。真実に向き合った彼女の心を曲として表しているのであるとするなら、最初にかかる曲「光差す大聖堂」のあの光のような、そんな存在なのでしょう。曲の最後にちょっと泣きそうになった(笑

 

シグリッドを聴き終えて

朗読と曲による情景描写の見事なコンビネーション作品。これは実に聴き応えのある作品でした。いや~、聴くまでこんなに引き込まれるとは誰が予想したであろう。この作品に関してはなぜか、良かった~というより、

 

「面白かった・・・!」

 

と思ってしまった。これが朗読の力か・・・!

この「シグリッド」は、とある島のお話第三作目とのことで、一作目・二作目も同じ島での話なのでしょうか。だとしたら、このシグリッドと何かしらの関係性もあるのだろうか・・・気になる。

ウホッ!オラ、ワクワクしてきた!

 

「あるみかんのうえにあるみかん。」さんのサイトはこちら

 

 

【2017年秋M3】『山染世界 – 不知火ノ章』を聴き終えての感想

架空のゲームBGMを演奏する独創ファンタジックバンド、

世界さん

 

その昔「魔笛士」が世を統治していた時代。
魔力を込めて吹いた笛の不思議なメロディは、魔物たちをたちまち一掃したという。
「魔笛士」の存在は平和をもたらし、人々に笑顔を取り戻したー。

出典:山染世界 ストーリーより

という、山染世界独自の世界観があり、そのストーリーをまるでリアルタイムにゲームを進めていくかのように音楽で表現している

今回はその2ndアルバム「不知火ノ章」の感想。

2017年10月現在、4thアルバムまで出ていますが今回2ndをゲットしてきました。バンド発起人の景多くんはもう10年くらいの付き合いになりますが、当時から多彩で凄かった。

 

山染世界 – 不知火ノ章

1.プロローグ

風の音と鳥の鳴き声でいきなり世界観をイメージ出来てしまった。すごい。

渋いどこかおじいさんのような語りから、山染世界のストーリーにある魔笛士の物語の始まりであることを告げられます。いいなぁこの入り。

 

2.タイトルテーマ

ジャジーさを感じるドラムとオシャレなピアノから、尺八の音とアルトサックスだと思うんですけどその音色に繋がって、その両方のリードが辿るメロディがとても印象的。タイトルテーマとして、シンプルにしかし確実に気持ちに食い込む曲。

ピアノのコードワークがどこか懐かしさというか、なんだろう。私の記憶を突いてくる。

 

3.もみじライン

あーいいですね!この曲凄い好き。打楽器の正体がちとわかりませんが、なにかを・・・なにかを思い出させるような、日常の温かな雰囲気を彷彿とさせる曲です。なんですかね、この温かいおばあちゃんと手を繋いで歩く穏やかな道、みたいな感覚。

あ、でも途中からテンポアップするので、おばあちゃんがフィーバーした・・・わけじゃなくて、お祭りでもやってたかのようなストーリーですかね。生演奏(だと思う)ならではの楽器の豊かさが抜群に思えます。

 

4.祭り嵐

もみじラインのメロディから、敵と対峙した時のコマンド操作をしているイメージが浮かびました。尺八の攻撃力がハンパない。

曲の繋ぎと物語の設計が非常にしっかりしていて、中盤サビに入る前のなんともいえない豊かさなんかたまらない。しかし上手いなぁ・・・演奏者の人柄の豊かさが反映されているように思います。

戦闘っぽいんですけど、あんまりそういう険しい雰囲気はなくて、祭りの時の高揚感を大事にしている感じですね。あ、最後戦闘に勝利したっぽい(笑

 

5.朱雀の洞窟

イントロから始まるピアノのコードフレーズから、日常さとは明らかに違うフィールドに足を踏み入れた感じ。中盤のサックスのメロディフレーズと、後半のピアノ・ドラムの入れ替わりが場面の切り替わりを感じて探索してる感じ出ますね。

リバーヴの効きとドラムのスネアを叩く音と金物が、火山の溶岩のうねりを感じさせる。それとサックスね、サックスやばいなぁ。

この曲も何かを思い出しそうな、そんなツボをちょいちょい付いてくるのですが、何なんだろう・・・。

 

6.畏怖堂々

なんだ・・・?なんか出てきましたね。対象はかなり近い。明らかに意思を持つ何かと出くわしたか、またその場面か・・・?と思ったらキャラクターの会話が始まりました(笑

あ、スザクきたーーーーー!!(非常に良い声

この曲はスザクの語りがメインになっていてそれに気を取られがちになるのですが、バックのBGMは抜かりが無くしっかりそのスザクの心情を徐々に高めていくような、そんな感じがしました。

スザクはすばやさがSなので、クサナギを持つヤマトは果たして勝てるのかどうか。いい展開だ。

 

7.四天王との戦い~朱雀~

すばやさがSな癖に中立的な立場なのか、初めは思ったよりゆっくりしていたスザク。ボス戦を彷彿とさせます。そしてBメロから徐々に本領発揮したようで、攻撃仕掛けてきました。小刻みなスネアとサックスと尺八の盛り上げていく掛け合いがスバラシイ。

そしてサビ。これがすごいかっこいい。踊るような曲調でサビを走り抜け、そこから一呼吸置いて、またサビが始まる。サビがスザクのターンだとすると、なかなか強敵で、これはもちろん油断がならない。後半はヤマトの思考フェイズなのか、スザクの攻略法を探っているような・・・そういう一連のドラマを見事に曲に乗せてきている・・・!

スザク戦、熱いなぁ。

 

8.白熱舞闘

この曲を聴いている頃には、山染世界のこと自体が気になってサイトで見てみたのですが、この曲でムサシが出てきて、ヤマトと共闘すると、そういうことだった!!(笑

ヤマトとムサシは二人共笛を持っているのですが、曲中ではサックスと尺八の掛け合いが共闘さを感じさせますね。思わぬ味方が助太刀に来てくれて一緒に戦ってくれるというのは非常に嬉しいもので、そういう雰囲気を強く感じます。

ラストのサビの前なんか、共闘してくれるムサシの新たな一面を感じさせるようなフレーズに聞こえてならない(笑

 

不知火ノ章を聴き終えて

尺八・サックス・ドラム・ピアノの4つの楽器をほぼ主軸に全編通しているんですけど、全然飽きを感じさせないどころか、そのシンプルさが逆に世界観を引き締めている感がある。作品としてもしっかり一つの物語として完結していて、これ普通に続きが気になりますね(笑

 

M3当日では前情報なくこのCDをゲットしてきたので、てっきりこの「不知火ノ章」が今回の新譜だと思っていたのですが、これは2ndアルバムで今は4thの「神無月ノ章」が出ていたという・・・なんということでしょう。今度全部買って来よう

あと3作あるのか~、普通に次回作が気になってしまうじゃないかチクショウ。

・・・これ、ゲームにならないかな(笑

 

「山染世界」さんのサイトはこちら

 

 

【2017年秋M3】『13endCard – マナの楽園』を聴き終えての感想

女性ボーカル民族音楽をテーマに創作活動をされている

13endCardさん

 

サイトを見る限り、もはやゲームを製作しているところにしか見えないんですけど、

音楽の創作サークルです。(笑

絵・動画・作品の作りこみ等、もはや同人の域ではないように感じますが、最近その垣根もなくなってきている傾向にもあるので、とりあえず高水準のサークルであることは間違いないでしょう。

 

13endCard – マナの楽園

1.始まりの楽園

まさにファンタジー世界のオープニングを感じさせる民族調の曲。かっこいい。

中世ヨーロッパを感じさせる世界と、新しい機械的な要素が混在した世界観というか、そんなストーリーがすぐにイメージできました。ボーカル、コーラスに様々な民族楽器が鳴っていて、歌姫のいる物語というイメージがアルトネリコを彷彿とさせます(笑

しかしこんなに音色が沢山あるのにそれぞれの音が非常にクリアに聞こえるのが凄い。そしてこの曲を聴く限り、「楽園」には何かある。そんな単なる幸せウフフアハハなもんじゃないことがわかる。

 

2.Aisiling

イントロのハープからのリコーダー風楽器・明るめのアコギへと繋ぐフレーズが印象的で美味しい。オープニングが終わって物語の序章という感じですね。歌詞の内容から、失われた過去がこの世界にはあるんだけど、この少女は「そんなん気にせんわい!」みたいな力強い明るさを感じる。感じるんだけど、歌詞を聴く限り結構シビアなんですよね・・・それに負けない強さが必要ということか。

Aメロが女性にとっては比較的低い声域であるのでしょうが、そこを見事に歌い切っているところもスバラシイ。後半の語りの声も良い声してます。ほんとにこれゲームじゃないの・・・?(笑

 

3.コロナの唄

こちらも明るい曲なんだけど、ボーカルの声がしっとりしていて、Aisiling同様明るいんだけど、こっちはどこかしっとり可愛い感じ。小さな湖畔に雑木林、絵に描いたような木造の小屋の近くで遊んでいるような、そんなあったかなイメージが浮かびます。

バグパイプが入ってくると私は街並みのイメージが出てきやすいので、音色の力というものは凄いですね。笛系のハモリと、ちょくちょく右から聞こえるボヨンボヨンいう音が好きです。

この曲、可愛いんだけどどこか悲しいところ帯びてる気がして、なんか泣けてくる(笑

 

4.Fėile

冒頭に来そうなナレーションがこの4曲目に来ることから、ここが物語の正念場であることを垣間見る気がしました。

「マナ」とは神秘的な力の源という意味があるとのこと。踊るような曲調ではあるけど、わかりやすい戦闘曲という感じではなく、あくまでドラマが次々と進行していく感じ。展開は非常に力強くめまぐるしく移っていく、そんな忙しなさも感じさせます。中盤のキャラの掛け合い会話がどこかトボけていてスパイス的でGOOD。

通常のRPG系ゲームであれば各シーン別にBGMが用意されるのですが、このCDではそういった場面を歌詞と曲調に乗せつつストーリーが進んでいる形をとっているので、最初は「これほんとにゲームじゃないの?」と思っていましたが、このCDの1~5を聴くだけで一つの物語を十分楽しめる。そういうコンセプトが非常に面白い。

 

5.迷想の楽園

ヒュムノスのようなこの世界独自の解読不能な言葉と、現状で使われている言葉を織り交ぜているところが私の「シュレリアさまぁぁぁああきゅっきゅ!!」という思い出を呼び起こしてくれました(馬鹿

サビで「さよなら」といきなり入るところ、少し鳥肌立ちました。その後の歌詞に世界観に対する問いかけをしているところから、人としての内側に展開するドラマもまた感じます。「嘘の世界で笑っている」とかね・・・パッケージから想像するよりずっと深い。多分、この作品の情報量は思ったよりずっと大きいので、何度か聴くことでより世界観を掘り下げられるのでしょう。

そしてこの曲が終わることでひとまずの物語は終わりを迎える形、なんだろうか。曲の終わりというよりは世界の終わりをどこかに感じて、寂しさを感じてしまうような。そんな風に思えますね。

 

マナの楽園を聴き終えて

聞き終わって思ったことは、

  • 曲全体が非常に力強い
  • この世界観の強い想いを感じる
  • ゲームにならなくても十分物語を楽しめる
  • 民族楽器最高
  • アルトネリコ好きならオススメというかオススメ

という、作品に対する完成度の高さを伺えました。ここまで音楽媒体に詰めて表現できるとは・・・いやー、恐れ入る。曲も全部めちゃめちゃかっこいいし、歌も歌詞も良い。何度か繰り返し聞かないと見えてこないくらいの容量を感じる。

ちなみにこの「マナの楽園」、ボイスドラマCDも付いていて、こちらもかなり良いです。私はボイスドラマに関してあまり馴染みがなかったのですが、これ聴いてたら昔見てたアニメの番外編をラジオドラマでやっててそれを聴いていた頃を思い出した。クオリティ高ッ。

しかしまぁ、音だけでこれだけ世界観を構築できるって、すごいね・・・。

 

「13endCard」さんのサイトはこちら