【2017年秋M3】『Ark of Phantasm – 麺コンピ』を聴き終えての感想

      2017/11/11

進撃のトマトメロスピありますで御馴染みの

Ark of Phantasmさん

 

これまでも予想の付けられないコンピを主催されているWinna Striveさんですが、今回はなんと、

 

麺コンピ

 

・・・想像つくでしょうか。麺から連想する音楽。私は最初イメージが浮かばなかった(笑

しかしながら、この麺コンピサイトを開きつつ曲を聞けば、なるほどと素直に思ってしまう。面白いですねほんと。一見ただの遊び心CDとして聞き流してしまいそうになりますが、案外深い。次の常識は案外こういう発想から生まれたりするので要チェックや!!・・・とか言うのはこの際置いておきましょう。

 

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Ark of Phantasm – 麺コンピ

1.ローファイ・ラーメン・タイマー

cacaoさん作。麺の種類は「カップ麺」。

昔のからくりで出来た人形劇場のような、そんなクラシック感(古典的という意味)と楽しげな始まりを思わせる楽曲。旨い上手いです。こんな楽しげなからくり劇場を見ながら、終わる頃にはカップラーメンが丁度食べられるという流れるような展開。

クラブミュージックやオーケストラなど得意とされているようですが、全般的に作れるその多彩さをこの曲からも感じられます。

 

2.3分天国

地球はかい爆弾さん作。麺の種類は「カップ麺」。

“持て余した時間で手遊びする売れないバンドマン”とあるとおり、「3分待つってダルいわぁ~」と手遊びしつつ、途中で若干待っていることを忘れて手遊びに少し夢中になってしまうような。そういう刹那の展開が曲から感じました。

手遊びを感じを、フィルターやゲートで音を一瞬仕切るような、そういった演出からも感じます。持て余している割にこの手の込みよう、このバンドマンはかなり仕事が出来るタイプなのでは(笑

 

3.From Star

つばさくんさん作。麺の種類は「ベビースター」。

コーラスとシンセ音の気持ちの良い綺麗な楽曲。もんじゃ焼きの中のベビースターからは想像もつかない青空を感じました。あたかも、もんじゃ焼きの中にベビースターを見つけた瞬間、時が止まりその喜びの世界に飛び込んだかのよう。じゅーじゅーいうもんじゃのイメージとはまるで正反対。

しかしこの喜びの世界は時空を超えているので、なんかこう、この喜びに泣けてくる(笑

 

4.初ショップ

M/Sさん作。麺の種類は「細ちり麺の醤油ラーメン」。

20年くらい前のゲーム機での街のBGMには、こういう素朴なシンセリードとドラムが使われていて、どこかスーパーだったり、楽しい主婦の街の雰囲気を感じます。その街にあるラーメン屋。味は普通なんだけど、安定の醤油で、やっぱこれよね~みたいな(笑

あ、今日はサンマが安いわ・・・!さっきラーメン食べちゃったから、今日はお魚にしy(略

 

5.too fast to 麺

あおいんさん作。麺の種類は「ふやけ切ってないカップ麺」。

これめちゃめちゃ笑いました(笑)。パンクロックなのですが、もう麺がどうとかそもそもそんなに興味はないんだけど、「題材だからじゃあこれで歌っちまうか!なんでもいいんだよノれれば!」というような気さくでリスナーに凄く近いミュージシャンを連想しました。

最初は麺なんてどうでもいいとか言ってて、後半で麺について案外真面目に考えて歌い上げてる流れが凄く人間くさくで安心する曲の気がしました。いいなぁこういうストレートな曲を書けるのは。

 

6.至高の一杯

Winna Striveさん作。麺の種類は「家系豚骨」。

私を笑い殺す気かwww 豚骨ラーメンにここまで様式美があるのかというくらいのドラマティック・メロスピ。ウィナさんの曲は昔から知っていますが、ここまで悲哀と情熱を今この瞬間も曲に表現出来るとは・・・この不滅さ。しかも尺6分半もあるんですよ・・・なんなのWinnaさん。

「これだけの魂を揺さぶるサウンドは何が起因なのか!?」と、ふと手元を見たら豚骨ラーメンとか・・・そんなにか!?www

やばい。このギャップ差は流石に笑い死ぬ。

 

7.Lamentful kiss

NANAさん作。麺の種類は空欄。

楽曲にLUNASEA、歌い方にL’Arc〜en〜Cielなどをどこか彷彿とさせるビジュアル系ロックサウンド。麺の種類を敢えて述べていないところに、麺から連想する曲のイメージを直感的に降ろして、それをそのままサウンドへ翻訳しているかのような。

歌も綺麗で、曲展開も丁寧でどこか繊細さを感じました。

 

8.Love is…

タチやんさん作。麺の種類は「深夜に作るインスタントラーメン」。

自責の念と欲望の渦巻きという、心理的な深さを感じさせる曲。女性らしい声がインスタントラーメンの誘惑に聞こえてしょうがない。甘い罠に、精神的に揺らいでいる状態が曲にしっかり表現されているように思います。タイトルがねwww このコンピほんと面白すぎる(笑

これ、最後結局インスタントラーメン作って、た・・・食べちゃいましたよね・・・?

 

9.歳ノ瀬縁起~年越しそば~

EBIさん作。麺の種類は「年越しそば」。

イントロで弾いているこのピアノの手の位置、ここの位置の音、私凄く好きなんですよ。バックの、胡弓と多分笙だと思うんですけど、これも私の個人的に好きな楽器。和楽器の使用は思ったより少なめに意図されていそうですが、まさに古来から伝わる伝統ある和の心を表現している感じです。

非常に作りこみが丁寧で、さっきまで笑っていたのですがこの曲では荘厳な雰囲気もあり、少し鳥肌が立ちました。こんな雰囲気でそば食べながら迎える年越しって、優雅だなぁ・・・。

 

10.山菜そばを食べに行こう

Tsurugi(kt of 24)さん作。麺の種類は「山菜そば」。

山菜そばを食べにクルマでドライブしながら向かうとのこと。動きのあるベースが特長的で小気味良く、疾走感や曲の緩急の付け所や展開など、そば忘れてそっちに気がいってしまった。個人的にはこれでドライブしたら私はすぐ脇道に突っ込んで林の中を抜けようとかわけわからないことしそう(笑

個人的に曲の作り全体的に旨さ上手さを感じました。これでドライブしたらテンションあがるだろうなぁ。

 

11.残ったスープと麺の入った胃袋 ~出汁の素の海老天しっぽ~

δ(でるた)さん作。麺の種類は「麺を食べ終わった後のスープのみ海老天うどんと他のメニューも食べたりしてもう満腹状態の人。」。

サイトのコメントから、美味しい麺類を食べているはずなのに、なぜかそこから逃げたくなる、逃げないとやばい・・・!なのに逃げられない。美味しいはずなのに、もうお腹が一杯でこれ以上は危険だと脳が、身体が、胃が告げる・・・!ここから抜け出す算段を付けようにも、満腹感によって思考は徐々に眠りにつく。言われるがまま麺を口に運ぶ。

これ以上は危険だ・・・危険だ・・・危険だ・・・!!(笑

そんな緊張感のある楽曲です。

 

12.拝啓ひやむぎ様

清水嶺さん作。麺の種類は「ひやむぎ」。

夏のさわやかな食卓を思わせる、温かで優しいピアノ曲。小麦色と風鈴を揺らすおだやかな風を感じます。ピアノの高域部分の弾きがひやむぎを入れる透明のガラスの器を感じさせ、その後は食後ののんびりタイムといったところでしょうか。

なんだろう・・・凄く幸せな気分になる。こんな日常がずっと続いたらいいね~っていうような、家族的な愛を感じる曲でした。

 

13.MaRV Omen

瑞希にゃんこさん作。麺の種類は「麻婆麺」。

作者コメントにあるとおり、想定外の展開を受け入れざるを得ない、まるで未知の領域に足を踏み入れたような、危機感とは違う、どこか葛藤が収まらない言い様のない心の渦巻きを演出しているかのようです。

曲中からは「そうじゃない、そうじゃないんだ・・・!!」という訴えにも似たような何かを感じる。味がどうとか、そういうことではない・・・!!(笑

 

14.S・T・A・M・I・N・A

rsyさん作。麺の種類は「スタミナラーメン(茨城ご当地ラーメン!癖になる旨さ!!)」。

選択している音色や楽曲のノリから、イースⅥのエルンスト戦を思い出させるような楽曲。これは麺の種類にも色々あり、味わいや噛み応え、喉越しや後味、匂い、そもそもまずどのような工程を経てこの麺が出来上がったのか・・・お前は理解しているのか・・・!?

そんな緊張感と真実の扉を垣間見るような、かっこいいんだけど思慮深い印象を感じました。

 

15.買い置きカップ麺の見つからない深夜2時

startide / hiroさん作。麺の種類は「カップ麺」。

こちらも非常にドラマティック。弦楽器の壮大な雰囲気から繰り出される、このゆっくり崩れ落ちる様は一体何なんだ・・・何だこの「つがいの相方が亡くなったと悟った時に鳴く鳥」かのような、悲しみに満ちた音は・・・!!

こんなに・・・こんなにも悲しいものだとは・・・切ない。いや、私もしょっちゅうこういう経験ありますけど(タイトルから

 

16.White Stream

0|1 + 前濱雄介 + T木さん作。麺の種類は「流しそうめん」。

環境的な情景をよりリアルに音に表現されている楽曲。幼い頃の記憶、という部分をシンセで不透明さを出しながら、流しそうめんの流れていく様を思い出しているかのような、記憶の渦を遡るような印象を受けました。

中盤でベースが左右違う動きをして、徐々に理性と思考が保てなくなっていくような、根元に触れるような曲。こういう作風も私は結構好きです。

 

17.aldente

79 Million Reserveさん作。麺の種類は「パスタ」。

これは、パスタ麺に見立てた記憶を遡るイメージが沸きますね。序盤の流れを超えると、曲にノリが生まれます。まるで過去の自分を鮮明にありありと思い返すような、突き抜ける空間を感じました。非常に気持ちが良い。

後半で、当時何を思ってここに来ることになったか、それすらも思い出しているような、原初を思い出して覚醒したかのようなかっこいい印象です。

 

18.バカでかいカップ焼きそばを独り占めwww

知叡=アンダーソンさん作。麺の種類は「カップ焼きそば」。

コメントとは裏腹に、非常に静かなピアノの旋律から曲が始まります。これは・・・バカでかいカップ焼きそばを一人で食べれることに当初は嬉しかったはずが、実際そうなってみるとこの言い様のない寂しさ、孤独・・・泣き出しそうになるのを必死に抑えて食べるはずの焼きそばが、涙の味しかしない。

最後、すする音だけが聞こえるのですが、少しだけリバーブかかってるんですよ。まるで小さな空間に一人ぼっちかのような。すすっているのは焼きそばか、垂れ出た鼻水なのか・・・。

 

19.ラーメン屋の熱き魂~親父の力~

斬龍さん作。麺の種類は「ラーメン?」。

ピアノ独奏。こちらも、熱き魂のラーメン屋とは裏腹に、哀愁を漂わせた雰囲気から始まります。そこから一転、力強さを感じるタッチになり、またその後で一段切り替わります。親父のどこか辛さを背負いつつも決断していくようなドラマティックさを感じます。

でも、切り替わる時は思いっきり切り替わる。そこに親父の行動力と、徐々に変わる緩やかな旋律から優しさを感じますね。最後も優雅なので、この親父は結構ダンディかもしれません。

 

20.育麺!? -パパ応援マーチ

鳴海陽香さん作。麺の種類は「イクメン」。

おおー!ラストの締めにもふさわしい、明るくコミカルな曲です。子供は毎日無尽蔵な元気さを見せて、ママやパパはわからないことだらけでもう大変!でも子供と一緒にいる生活はやっぱ楽しいなぁ!・・・という温かな家族愛を感じました。

子供の歩調に合わせた、優しく楽しい、元気いっぱいの曲!

 

麺コンピを聴き終えて

いやこれは、笑いあり涙ありの素晴らしいコンピ作品でした。

作家それぞれの個性を感じつつ、それぞれの様々な思いと解釈が非常によく伝わってくるCD。まさかこんなにもドラマがあるとは夢にも思わなかった。全部、全曲良かった。目から鱗とはまさにこの事。

音を楽しむと書いて音楽と表しますが、一番大事なことを思い出させてくれる、そんな作品です。

 

Ark of Phantasmさんのサイトはこちら

 

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