【シネマティック音楽】たまに壮大系音楽で見かけるEpicて何だろ?【part2】

こんにちは。

今回は、映画や最近のゲームでもスケールの大きな作品が増えてきて、そのBGMを聴いたり、作るために調べている時に「シネマティック音楽」「Epic Music」といったタイトルやタグを見かけたので、それについてちょっと書いていきます。

 

そもそもシネマティックって何?

私が子供の頃は「シネマ」という言葉は近所にある映画館のことを指してるかくらいの印象でしたが、映像や音楽の分野で「シネマティック」と耳にするようになったのは、実は割と最近。

自分のアンテナがこれまで、そっちに向いてなかったっぽい。

 

調べてみると、

別表記:キネマティック

英語「cinematic」の音写で、映画(シネマ)に関連する物事であるこをを示す形容詞。

出典:日本語表現辞典 Weblio辞書「シネマティック」より

ということで、例えば「シネマティック音楽」というと、映画・映像に合うような音楽という認識で問題ないかと思われます。

 

それと、同じような言葉に「劇伴」というものもありますね。コンポーザーの方の記事などでよく見る言葉かと思いますが、これをWikiから引用すると、

劇伴(げきばん)は、映画やテレビドラマ、演劇やアニメで流れる伴奏音楽をいう。また、音楽におけるジャンルの一種でもある。

奏、ということのようですね。

 

この二つの言葉の区分が明確にあるかどうかは不明ですが、私の体感では、

  • シネマティック:ハリウッド映画などの流れから壮大なサウンド
    → 空間・映像などの空気感・世界観を強めに伝えるイメージ
  • 劇伴:日本の演劇、ドラマなどの流れからバックグラウンドミュージック
    → その時の情景・心情、作品のイメージなどの感受性面が強めのイメージ

 

シネマティックと聞いたら、「ダンダダン!ドーーーン!!」みたいに映画「パシフィックリム」みたいなスケールの大きい世界のイメージが出てきますし、劇伴だったらもっと日常的な人目線といいますか、暴れん坊将軍チャキーン!成敗!みたいな。(古い

イメージとしてはこんな風に捉えています。

 

シネマティック音楽のジャンルは様々

シネマティック音楽と聞くと、

 

「壮大なオーケストラ」

 

というイメージが私の中では一番あるのですが、実際一番ポピュラー一番大規模な音楽を演出するとしたら、西洋の管弦楽(いわゆるオーケストラと呼ばれるもの)が妥当といいますか、収まるべくして収まったという気がします。

ですが、シネマティック音楽というのは「映像に合わせた音楽」であるので、中身の音楽のジャンルも当然の事ながら色々あります。

 

前回も貼りましたが、こちらは「ONNUEHO 5th」のクロスフェード。

お聴き頂くとわかるのですが、オーケストラ編成は多いですが、民族楽器が主体であったり、ピアノだけの楽曲もあれば、シンセを使ったEDM系の曲もあったりなど、そのジャンルは様々

ただ、ONNUEHOの場合は「壮大な曲」のコンピレーションであるので、ONNUEHOの曲は「壮大」であって、だから全てをシネマティック音楽であると一概には言えないとは思いますが、

  • 壮大である=映像に合わせやすい

という流れもあるので、参考までに挙げてみました。

 

音楽:Epic(エピック)とは

Youtubeなどで壮大な曲などを探していると、時々「Epic」と書かれている楽曲を見かけます。

 

このEpicをWikiから引用すると、

アメリカで1990年代に生まれた音楽のジャンルのひとつ。

主にDJなどがクラブなどで扱うようなハウスミュージックから派生した音楽ジャンルに「エピックトランス」といったジャンルも存在するが、どちらも壮大・荘厳といった曲の特徴を由来にこう呼称されるものの、別のジャンルとして区別される。

エピック音楽は一般販売されることが少なく、主に映画の予告編などでのバックで使われるだけなのであまり知られていない。サウンドトラックと似ているが区別される。

というわけで、「Epic」という壮大系音楽というジャンルは割と最近生まれたものなんですね。

そのエピック音楽は元々映画の予告編だけに使われる、いわゆる「使い捨て」の楽曲だったようですが、今はその映画予告用に使われていた「壮大さ」に加え、“Epic”の文字が本来持つ「叙事詩」的な意味合いを含んだサウンドという感じがそのままします。

 

「叙事詩」をこれまたWikiから引用すると、

民族の英雄や神話、民族の歴史として語り伝える価値のある事件を出来事の物語として語り伝えるもの

とあり、Youtubeで「Epic」と検索すると、そういった雰囲気の楽曲作品が沢山出てきます。

 

もう見ただけで大体わかりますよね、ああ、こういう感じのやつか。と(笑

 

この動画にある「Epic Music」というもののイメージを簡単にまとめると、

  • 壮大、荘厳である
    → 非常に大きく、雄大であり、スケールの大きさがそこにある
  • 歴史的、神秘的である
    → 人類が紡いできた一言では言い表せないモノがそこにある

という、どこか人類の系譜を音にして伝えているような雰囲気があります。

 

日本のエピックといえば

Epic(エピック)の叙事詩的であるところに注目してみると、日本の伝統音楽としては「平曲」などがピッタリはまるのではないかと思われます。

しかし、平曲は語りがメインで楽器は琵琶が基本。現代的な意味での純粋な音楽かというとちょっと違うし、壮大かと言われるとそれも違う。なので日本の「Epic Music」と言いがたいかとは思いますが、叙事詩的であることには違いない

 

琵琶を楽器として使うことが出来れば、音を出すだけで強烈な叙事詩的要素を演出することが出来そう。

・・・なんだけど、日本の琵琶ってすんごく高いんですよね。鉦鼓と一緒で全然一般に普及してないので、軽くウン十万くらいする。

 

ちなみに雅楽の管絃は、壮大さという点においては当てはまりそうだけど、どちらかというと儀式要素が強めなので、感情の深みが強い叙事詩的要素は薄い気がしますね。

 

その点、ゲーム「大神」のBGMは西洋の管弦と日本の管絃を合わせ、尚且つ歴史的な深さを持っている

壮大であり、叙事詩的であるとか・・・大神すごいな。まさに日本のEpic Musicじゃないか(笑

 

 

ちなみに、Epic Musicの作り方はMerry bad endingilodolyさんの動画がありましたので、参考までに載せておきます。

動画だけ見ると簡単そうであり、そこに到達するまでが案外長そうでもありますが、私は非常に勉強になりました。

 

まとめ

以下、個人的見解を含めて簡単にまとめてみます。

  • シネマティック音楽
    → 映画に合わせたBGM
    → 映画の内容にもよるが、最近は壮大なものが多い印象
    → イメージとしては、作品内の世界観自体を表現
    → 全体的な視点から音を合わせている気がする
  • 劇伴
    → 映像・演劇に合わせたBGM
    → イメージとしてはその場の状況、雰囲気などを表現
    → 人間の感情面など、具体性強めの印象
  • 「Epic Music」の特徴
    → 壮大、荘厳である
    → 歴史(民族)的、叙事詩的である
    → 圧倒的じゃないかッッ!!

 

・・・こんな感じでしょうか。

 

最近のゲームでいったらNieRとか良いですよね。壮大でありながらメロディも結構強めなので、個人的には好き。PS4あるから今から買ってもいいなぁでも時間ががが

 

今回はここまで。

 

【Lv2】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

MAKOOTOです。

前回の記事では、イメージ抽出まで終わりました。【Lv1】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

今回はその続きで、私の実際に曲を作っていった大まかな流れをご紹介してみます。曲作りは人それぞれ色んなやり方があると思いますので、参考に出来ることがあればどんどんして下さい。特にないなって方は、その人は私をすでに超えている・・・!!

ベジータのセリフである、

「お前がナンバーワンだ、カカロット!!」

これです(笑

 

それでは早速書いていきます。

 

まず曲のイメージと尺の長さの仕様をチェック

今回はこの格闘タイプの赤ボスをイメージした曲となります。

次ボス

そして、前回抽出したイメージは、

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス・ギターなど
  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど
  • 荘厳さはいらない
  • 壮大さは少しはあるほうがいい
  • 少しのコミカルさ
  • ドラムをがっつり

 

コンブというゲームの基本的なBGMの尺は、大体1:30~2:00くらいを平均として作っています。特別な意味合いを持たせたステージや戦闘はもちっと長めに作りますが、このゲームの仕様上、基本はそんなに尺を長めに取らなくてよいという指示を製作者であるtonowiさんから貰っています。

 

例えば、

イントロ → Aメロ →(Bメロ)→ サビ → 間奏 → イントロへループ

というワンフレーズくらい作ると大体1分30秒くらいになります。

今回作る曲は、イントロのギターリフを作った時に「この流れを維持して変にあれこれしない感じでいくとよさそう」という道が見えてきたので、

イントロ → Aメロ → イントロ´ → サビ → イントロへループ

という構成になりました。BPM140のこの構成で、大体1:30くらい。

 

ラフ作成

出来上がったラフを先に載せておきます。

サンプル曲

ブログ用に曲一部だけ切り取って~とかも考えたのですが、尺短いし、めんどいからフルで載せてしまいます(笑

 

ちなみに製作者のtonowiさんからは例えば、「正規版に使われる曲は、正式にゲームが公開されるまでは控えてほしい」と言われています。

なので、こうしてコンブ正規版に実装されるかもしれない曲の公開は基本NGなわけですが、今回は宣伝も込みで製作過程を記事にするという形で公開しています。まぁ、この曲が実際採用されるかどうかはまだ決まってないんですけどね!

ラフで使用した音源は以下の通り。

  • ドラム - Superior Drummer 2.0Toontrack
  • ベース - TrilianSpectrasonics
  • シンセ - Retrologue 2トラック(Cubase内蔵)
  • シンセ2 - Xpand!2 5トラック(Air Music Technology
  • シンセ3 - FM8Native Instruments
  • ギター - HALion Sonic SE(Cubase内蔵)
  • ブラス - Hollywood Brass Diamond EditionEASTWEST

ギターは生演奏にする予定なのですが、ひとまず音として置いて雰囲気を感じたかったので、ラフ段階では打ち込み音です。

 

ラフ完成まで大体4時間

このラフを作るのに今回かかった時間は大体4時間くらいでした。速い時は1~2時間くらいでラフが出来て、3~4時間くらいで一曲完成!ということもあるのですが、今回コンブの他の曲と似すぎたりBPM被りすぎたりしないかとか、なんかイントロ思い浮かばないなぁと若干難産だったので、最初の一時間はその試行錯誤で潰れてしまった。

一時間考えて何も形に出来ない時は、しょうがない何か違う曲を聞こうとか、風呂行って鼻歌しようとか、色々します(笑

 

抽出したイメージの表現

  • ノリの良さ

ギターのリフを単純明快なものにしてみる。

  • 小刻みなブラス・ギターなど

発進していく曲の雰囲気から、ブラスで「ババッバ ッババッ」と統一。

  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど

普段は裏方として使うオルガンをメインリードにして、あとは飛び交うシンセで機械が動く戦場をイメージ。

  • 荘厳さはいらない

曲の雰囲気から入れる余地がなかったので問題なし、クリア。

  • 壮大さは少しはあるほうがいい

サビでストリングスのスピカート若干入れたり、なんかかんや詰め込んで解決。(何

  • 少しのコミカルさ

イントロなどで、右と左で交互に掛け合いをするシンセで表現。(何

  • ドラムをがっつり

ギターもりもりで音数も多めなので、ドラムは音を硬めにしてノリを感じられたらOK。

 

・・・という、非常に大雑把ですが、一応全項目意識して取り入れてみました。ちょっと強引なところもあるのですが(笑)、こういう細かい自分なりの設定にはあまり時間を掛けたくはないので、ここはパッパッパッと思い付いた内容を形にしていきます。

 

ラフ作成後に、一晩寝かせて翌日改めて聞く

私の場合、部屋であまり音を出せない環境なので、作業は基本ヘッドホンで行っています。ですので、長時間曲を作り続けていると、耳の客観性が段々と失われて、音のバランスや良し悪しの判断が鈍ってきます

この状態から一度リセットを掛けるために私がやっていることは、

一旦曲の製作作業から離れて、
しばらく経ってフラットになった状態で改めて聴き返す

こうすることで、前回気付けなかった改善・修正点が見えてくるので、私はよくそうしています。その日のうちに完成~!という場合でも、絶対次の日か後日に聞き直しはします。即「完成!公開!納品!」とかはまずないです。

このラフサンプル曲も、そういう意味で「全体像を把握できる程度」という形にしています。ここで下手に作りこむということをしないのは、後日聞き返した時の新たな気付きを取り入れ易くするためでもあります。

 

ミキシング作業

次の日、リセットの掛かった状態でラフを聞いてみます。そうすると、

「んー、思ったより昨日感じた印象と変わらないし、このままの路線でいいかな。」

という風に今回は思えたため、そのままギター録りとミキシング作業に入りました。

がっつり時間を掛ける必要のある曲の時はもっとDAW内を整理するのですが、今回のようにサクッと曲を仕上げる場合、整理も割と最低限。自分が分かればいいくらいにしてます。

そして、ドラム・ベース・レトロローグはそのままで、他の音源は一旦全てインプレイスレンダリングでオーディオ化します。

MIDIトラックをオーディオと同じように扱うこともできますが、たまに音色データが謎のリセットを食らって何の設定を施したか戻って来れなかったことがあるので、HDDの容量は食いますが私はなるべく各トラックをオーディオ化します。Xpand!2のシンセも一本ずつエフェクトかけたいですしね。

 

ミキシングで大雑把にしたこと

箇条書きします。

  • 打ち込みギターを生ギターに差し替え
  • イントロ・Aメロ等、各セクションの抑揚付けとコード確認
  • FXチャンネルでリバーブ・ディレイのエフェクト掛け
  • コンプ・EQで各トラックの調整
  • ドラムの細かい修正
  • 曲ラストの、サビからイントロループまでの入りを調整

 

そして大体ミキシング作業が終わったら一旦書き出してプレイヤーに移し、既に出来上がっているCombatHeaven用に作った他の曲と聞き比べて、音量調整などの簡易マスタリング作業をします。

もう10年以上使っている「WINAMP」で確認。

ここで大概、新たに気になる点に気付いたりするのでちょいちょい修正を繰り返します。そして最後に、まず一回目で何も意識せずに聞き、二回目で粗探し的に聞いて、どちらのパターンでも大丈夫そうだなと思えたら、ループで曲のラストに「プツッ」というノイズが乗らないよう処理をして、最終書き出しします。

今回のラフ完成からミキシング完了までの所要時間は、大体6時間程度

 

完成、トータル10時間程度。

出来上がった完成曲はこちらでございます。(ジャンジャジャーン

完成曲

 

大きく変わった点といえば、

「遠くに見える敵が急激に近づいてきた!!」

という、敵ボスが前に出たり後ろに退いたりという演出を表現するため、

イントロ → Aメロ → イントロ´ → サビ → イントロへループ

の、緑色の部分のイントロでは、センターにあるギターにフランジャーを掛けて音量を小さめにし、逆に紫色のAメロ・サビでは左右にギターの壁を大きく作ったのが1点。

 

それと、イントロループに入る前のラスト一小節を削って完結感を無くし、

「これで終わりと思うなよ・・・!!」

という、まだ次がいるんだぞ的な表現にした方がかっこいいなという2点ですね。

 

それ以外は、概ねラフの通りだと思います。

 

まとめ

私はどちらかというと音数を多めにするので、総合的にうるさい印象はあるかもしれません。

次ボス

が、このボスの見た目の厚みもあって、これはこれで良い!ということにしました。

ダメなら音数の少ない曲を別で作ればいい。

 

・・・実はこの曲、ラフの時点で自分の中のイメージとはちょっと違う形になったなぁとは思っていて、完成はさせるけどこれとは別でもう一曲書く予定だったんですよ。

でも、聴いているうちに段々好きになってきちゃった(笑

最終的にこの曲はこれで結構良いやんかと思っています。ですが、一応この絵を元にもう一曲書いてみようと思うので、それが出来たらまた記事にしたいと思います。

 

それでは!

 

【Lv1】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

こんにちは、MAKOOTOです。

先日CombatHeaven(コンブ)作者のtonowiさんからこんな画像が送られてきました。

次ボス

体験版にはいない、正規版実装予定の新しいボスだそうです。まだ線画のみですが、格闘タイプということでこれは多分ボツにならずに実装される感じだと思う。

なので、この画像からこいつに合いそうなイメージを探して曲を作ってみます。

 

私がコンブの曲を作る場合、こうしてどんどん送られてくる設定や画像から勝手にイメージを起こして曲に仕上げていくことにしています。

実際にそれがそのまま採用されるワケではないのですが、要望のある曲とは別で曲を提供することで相手のイメージの刺激に少しでもなりやすいことと、自身の曲を作る訓練にもなると思っています。

それに、私の曲でコロコロイメージが変わるほどtonowiさんの中にあるイメージは弱くないので、むしろ作れるならガンガン作って、ガンガン送る(笑

 

イメージに近いBGMを既存の曲で探してみる

コンブの世界観とこの赤い格闘タイプのボスを見て、今回パッと思いつく音楽のフレーズが出てこなかったので、世に出ている既存の曲から近いイメージを探していきます。

最初に聞いていて、近いかなーと思ったのが、サガフロの「真の首領戦」。ただこのBGMはストーリー終盤ということでドラマティックなBGMでもあるので、今回の赤ボスには重いかなぁ。ちと腰を据えすぎている感もある。

意外と合うかなと思ったのが、FF4の通常ボスバトル曲。ノリの良さが赤い格闘タイプの攻撃ラッシュをイメージ出来たので、このノリはありだなぁ。しかしメテオ強いな(笑

FF8の「The Extreme」。The Black Magesのアレンジですね。原曲よりこのアレンジの方がシンセやエレキギターを使っているので、機械のボスにはイメージが合う。小刻みなブラス機械音としてのシンセ音が、赤ボスのイメージに合いそう。

 

少し、この赤ボスのイメージが絞られてきました。

次ボス

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス
  • 機械音としてのシンセ音

 

ギターはやっぱあったほうがいいかなぁ、ドラムの方向性もまだちょっと不透明。

…というわけで、引き続きイメージの抽出を続けていきます。もう少し全体イメージを固めたい。

 

既存曲からイメージ抽出中

ゼノギアスの「覚醒」。これも思いっきり機械兵器ではあるのですが、ゲーム内では3D戦闘でもあることから、赤ボスにこの臨場感はちょっと向かないように思う。むしろこの手の荘厳さは終盤のストーリーを感じさせる場面のがいいかな。

あ、私この既存の曲に関してあーだこーだ言ってるわけではないですから。コンブの2D赤ボスでこの「雰囲気」を乗せたらどう思うかというイメージを出してるだけなので。

ゼノサーガⅢの「The Battle of your soul」。この曲も壮大なんだけど、あまり場面に対する重さは感じない。むしろ、ただ無為に大きなモノに向き合っているような、そういうイメージを感じるので、赤ボスにはこのくらい余計な感情はない方がいい気がする。

聖剣伝説3の「Hightension Wire」。意外にこういう曲がハマったりする。ドラムが良いなぁ。2Dの少しコミカルなところが合う気がする。ただ、若干明るすぎるかな。これよりはもう少し重さが欲しい。

Legend of Manaの「Pain the Universe」。うーん、オーケストラもいいとは思ったんだけど、やっぱりこのくらいギターとドラムでバカスカやってる方が合う気がするなぁ(笑

オルガンは・・・んーどうしよう。ついつい多様しちゃうので、使用を控えめにして曲毎の差別化を図りたいところではあるのですが。

 

抽出したイメージをまとめる

さて、色々イメージが固まってきた気がするのでここいらでまとめてみます。

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス・ギターなど
  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど
  • 荘厳さはいらない
  • 壮大さは少しはあるほうがいい
  • 少しのコミカルさ
  • ドラムをがっつり

 

こんなところでしょうか。全部実現しようとは考えてませんが、これで、

おおまかな曲の方向性は見えてきた!!

 

ひとまず、このイメージを元に曲を書いてみることにします。

 

今回のまとめ

私がBGMを作るときは、例えば相手のもつ世界観(今回の場合、コンブでの赤ボスの立ち位置など)や要望をまず自分の中に取り込んで、自分だったらどういう曲がここであるとうまくハマるかな、かっこいいと思うかな、作品にのめりこむかな

こういう風に考えて曲作りをするのが1パターンとしてあります。

 

イメージ画像などを見てすぐに発想が形になるのであれば、この抽出作業は端折ってしまいますが、私の場合もっと自分の中のフィールドを広げたいので、基本的には、既存の色んな楽曲を聴いてイメージを持ってくるようにしています。

今回は、この動画のメドレーからイメージを抽出してみました。

もっと色んなジャンルや別の分野からイメージを取り入れたほうが、もちろん新たな印象を加えられるでしょうが、そんなにいっぺんにあれこれできるわけもない。

自分の出来ることから、毎日一個ずつ新領域に踏み込んでみるくらいでいいと思ってます。

 

実際の曲起こしは次回の記事にしたいと思います。

【Lv2】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

 

それでは!

 

【作曲】BPMを一個掘り下げてリズム作りに生かしてみる【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

パソコンなどで音楽を作ったことのある人なら一度は見たことのある、

BPMというもの。

 

これは一体なんぞや?

ということなのですが、音楽でいうとこれは

 

曲のテンポ・速さ

 

のことです。

数値化した単位としてこれを音楽界では「BPM」と呼んで使っています。

 

今回は、このBPMを作曲をしていく上で、

どう意識して取り入れていくかを見ていきたいと思います。

 

 

BPMとは

Beats Per Minute

  • 音楽で演奏のテンポを示す単位。ビート・パー・ミニット。
  • 医学で心拍の速さを示す単位。

出典:Wikipedia BPMより

 

BPMとは、「Beats Per Minute」の略で、

一分間にどれだけのリズムが刻まれているか

ということになります。

 

これは医学用語でも使われているようです。

またもう一つ、私は調べるまで知らなかったのですが、

ランニングをする方も走るリズムに合わせてということでBPMを意識するみたいです。

 

私も長距離ランナーだったので、なにか近いものを感じる。

走るテンポに合わせて曲のBPMも合わせる、という具合でしょうか。

 

 

音楽リズムの個人的見解

早速噛み砕いていきます。

私が使用しているCubase 8.5では、プロジェクトファイルを開くと、

 

基本値が

BPM=120

4/4(4分の4拍子)

と設定されています。

 

これは、

1小節内に4回ビートが刻まれるのを基本として、

それが一分間の間に120ビート刻まれる想定ですよー

ということです。

 

なぜ、一分間に刻まれるビートを基本に、

音楽ではテンポの単位として使用しているかというと、

BPMが医学用語として使われているという逆説から、

心臓の鼓動音を基準として考えたからなのではないかと思っています。

 

まぁ、人間何を基準にノリとかリズムといったものを言い表すかといったら、

やはり心臓の脈打つ鼓動音が最も身近なのだと思います。

 

生まれる前は、母親の心臓の鼓動音を聞いていたわけですし。

 

 

ちなみに人間の心臓鼓動回数は、

平常時の平均が60~70回

だそうです。

それがそのまま「BPM=60~70」として言えます。

 

そして、この心臓の鼓動回数がBPM=100を越えるくらいだと、

緊張していたり、文字通りドキドキしている時がこのくらいだそうです。

 

 

DAW(作曲ソフト)であるCubaseのデフォルトがBPM=120なのですが、

そう考えると大分速い設定になりますね。

 

これは、現代の人間が音楽を楽しむという時には、

BPM=120という数値が心臓の鼓動音より幾分速いということから、

音楽から刺激を得よう

という欲求があるからなのではないかと。

 

これはあくまで私の個人的な見解なので、

科学的にこう!という根拠がはっきりあるわけではないです。

 

ただ、人がなぜ音楽を求めて、それを楽しむ文化があるかと考えたりするのは、

自分が曲を作る上では必要な考えだろうと思っています。

 

好きなんですよねー、こうやって色々考えるのが(笑

 

 

 音楽でのBPM

具体的に数字を並べてみます。

4/4(4分の4拍子)を基準としたBPMとその秒数です。

BPM 1小節の秒数(seconds) 1拍の秒数(seconds)
60 4.0 1.0
80 3.0 0.75
100 2.4 0.6
120 2.0 0.5
140 1.714 0.4285
160 1.5 0.375
180 1.333 0.33325
200 1.2 0.3
240 1.0 0.25

 

実際にサンプル音源で聴いてみます。

「どっ たん どっ たん」という4つの刻み、4分の4拍子です。

 

・BPM=60

サンプルはドラムですが、ほんとに緩やかな感じの曲調になります。

心臓の通常鼓動音とほぼ一緒なので、眠りに入るくらいのリズムに良いかもしれません。

人間が起きた状態でリラックスできるのは、大体70~80くらいではないでしょうか。

 

 

・BPM=120

軽快で、少しウキウキしたような曲調。

遅いかと言われるとそうでもないし、別段速いわけでもないという体感。

ちなみに少し上のBPM=140はクラブ系の基本BPMとされているようです。

人間がリズムにのれる一番気持ちの良いポイントがこの辺りのようです。

 

 

・BPM=180

ロックミュージックのノリの良い曲など、この周辺に多い感じがします。

これに8分刻みのメロディを乗せるだけで、ノリノリになれます。

ただし、身体が慣れてない場合、このリズムを刻むのは結構疲れます。

 

 

・BPM=240

4分の刻みだけで十分速いです。

身体でリズムを刻もうとすると、すぐ疲れてBPM=120で刻んで丁度良い、

という感じでしょうか。

8分でも十分速く感じますが、これの16分刻みを平気でこなす超絶技巧レベルがいます。

 

 

ちなみに、

BPM=30だと、

「ど~~~~~~っ、た~~~~~~~~ん」

という風に、Mr.4並にかな~り遅く感じます(笑

どこでリズム合わせればいいか即座にわからないレベル。

 

 

BPM=300

CubaseのBPM最高値が300ですが、もはや身体で刻むと壊れそうな印象です。

これより速い速度でとなると、

1小節内の4分を、8分にして表現するしかなくなります。

 

 

上記は単なる例ですが、

BPM=60の場合、この「どっ」が丁度1秒。

BPM=240だと、これが0.25秒。かなり速いです。

 

 

大雑把にBPMを分けてみましたが、

基本的にはこのBPMの数値で曲調が把握できます。

 

ただし、実際はBPM以上にリズムの速度の違いを体感する曲がほんとに沢山あります。

同じBPMでも、8分刻みや16分刻みを織り交ぜるだけでリズムがガラリと変わる。

また、ピアノソロや古いオーケストラ楽曲など、常時リズムが揺れている楽曲もあるので、

BPMはあくまで目安として見るくらいで良いかと思います。

 

 

BPMを意識する理由

さて、楽曲のテンポだけでいえば、話はここで終わるのですが、

なぜBPMを意識しようということを記事にしたかというと、これには理由があります。

 

上のバスドラムとスネアの単音が、それぞれ0.3秒分のデータだったとします。

・BPM=200

1拍0.3秒なので、バスドラとスネアの音が丁度くっついて聞こえます。

そのため特に違和感はないのですが、

これをサンプルはそのままにテンポだけ変えて、例えばBPM=120にすると、

 

・BPM=120

うーん、バスドラの元々のリリースが短いのでちょっとわかりにくいかもしれませんね。

 

音のサンプルを0.3→0.2秒で聴いてみましょう。

お、これならわかりやすい。かなり歯切れがよくなっていますね!

 

 

DAWなどで曲を作る際、例えばオーディオデータを並べて単純にBPMだけ大きく変えた場合、各音のリリース(音の鳴りが消えるまでの長さ)によって、

 

前で鳴っている音が消える前に次の音が鳴り、それが一時的に重なって

意図せず音圧が上がってしまう、ごちゃごちゃした印象になる

 

もしくは、

前で鳴っている音が早めに消えてしまい、次の音が鳴るまでに間が空いてしまって、

意図しない分離感が出来てしまう

 

ということが起こります。

 

意図しない音圧の上がりは、リミッターをかけた時に歪みが強く出やすいですし、

分離感は、リバーブなどでくっつけようとして余計な響きを追加してしまったり等、

極端に言えば、取り繕うのに後々めんどくさくなります。(笑

 

 

ただ、楽曲を作っている場合は基本的に音が重なり合うものなので、

そこまで音のリリースに神経質になる必要はないですし、

リリースが短めの場合でも、歯切れがよくてそのままハマることも多い。

 

どの道、楽曲を作っていく上でのトライ&エラーは続くのですが、

 

音が何秒鳴ってて、何秒だと小気味良くリズムを感じるか

 

を頭の片隅で知っているだけで、

同じBPM(テンポ)でも、リズムの作り方に幅が出来ます。

 

実際はジャンルによってその都度調整していく必要があるとは思いますが、

その基本的なことをまずは押えておこう!

ということでした。

 

 

まとめ

・BPMは、曲のテンポを決める速さの目安

・BPMがわかると、小節・拍の秒数がわかる

・一音の長さを長くすると、リズムが緩やかに感じる

・一音の長さを短くすると、リズムの歯切れがよくなる

 

 

 

この各音の長さの具体的な秒数がわかると、

コンプやリバーブなどのエフェクトをかける際にも参考になるので、

感性だけに頼らなくてもよくなります。

 

長めの音を急に短くした時、毎回新鮮に感じるので記事にしてみました。(笑

もし「あーなるほどねー?」って思って貰えたらそれだけで十分です。

 

それでは!