録音されたオーディオの「プツッ」というノイズを一発で除去する方法

      2018/05/10

今回は、DAWなどで録音されたオーディオデータに、意図せずノイズが入ってしまった時の対処法を紹介したいと思います。

なぜこの内容の記事を書いているかというと、先日音楽素材として自分で作った曲を販売するためにオーディオストックさんに楽曲を登録していたのですが、一曲だけ、曲の終わりにノイズが乗っていた為、登録審査に落ちてしまったからです。

楽曲を複数同時に作っていると、たまにこういうミスが起こってしまう。
なので、ミックスダウン後は基本、数日数回に分けて私は最終チェックをするのですが、
今回ループ素材を作っていて、その曲の一番最後の部分に

「プチッ」

というノイズが乗っていることに気付かずに投稿していたようです。
ぬああなんてこった!!集中力が足りない!!!笑

 

※2018年5月追記 この記事は、書いた当時の私の環境から実感した内容を書いています。様々な環境を若干考慮に入れていない節がありますが、どうぞご了承下さい。(これも一つの記録ということで残しています)

 

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対処すべきノイズの種類

さて、私のおバカな叫びはさっさとスルーするとして。

そもそもノイズの種類なのですが、今回のノイズは電気的なON/OFF時に発生する種のノイズです。(細かい分類は割愛します)

例えが少し古いかもしれませんが、ブラウン管のTVの電源を落とした時の「プツンッ」という音。あれと同系統のもの。

瞬間的に出る音なので、マイクで録音する時の「サーッ」とか「ザーッ」とか常時聞こえるホワイトノイズの種ではありません。

 

どこの作業工程でノイズが乗った?

今回ノイズが乗った曲のミックスダウンされた初期のバージョンを聞いてみると、曲末尾のノイズ音はありませんでした。

その後のバージョンを1つ1つチェックしていくと、末尾の音量を大きくしだした途中のverから末尾に「プツッ」とか「チッ」とか入っている。

 

毎回微妙に違うノイズ音が入ってる・・・。

 

このことから、自分のオーディオデータ自体にはノイズが元々乗っていなくて、それをミックスダウン、つまり最終書き出ししたタイミングでノイズが混入しているとわかりました。

 

ノイズが混入した原因

今回、ループ素材として3曲ほぼ同時に作成していたので他の2曲と改めて比較してみました。

一曲は、末尾が無音で終わるもの。
こちらはほぼ無音部からループされる形になっていたためか、ノイズが発生していませんでした。審査も通りました。

もう一曲はロックテイストで、曲の最後と最初は割と音が出ています。
もしかしたらノイズが小さく乗っているかもしれませんが、エレキギターをサイドで鳴らしているので、ループしても問題ないように聞こえます。こちらも審査は通過。

 

そして、問題の今回ノイズが原因で審査に落ちた楽曲。

ピアノ・ストリングス・ブラスが曲末尾で盛り上がり、そこで曲は一旦終わり、冒頭にループする形をとっている。曲の頭はピアノのみなので、ブラスやストリングスがいきなり無くなる形です。

ストリングス系は生音系といいますか、アナログ的な音質なので、電気的なデジタル音が入ると質感がかなり違うため、この手のノイズが発生すると割とわかりやすいように思います。

 

以上の考察から、これはどうやら、

ある程度音が出ている状態で録音がバツッと終わっている為、

ノイズが混入してしまった

と考えられました。

 

各エフェクトを使用することでのCPU・メモリ使用負荷が原因かと思い、改めて新規プロジェクトを立ち上げて負荷をほぼゼロにして、同じ曲をところどころで切り取るように録音してみましたが、やはりノイズが末尾に乗るケースが多い。

 

実際に聞いてみる

 

例えば、このサンプル、

0:01の部分が、ループ前と後を繋げた箇所ですが(ブラス系がある・なしの境目)プツッという音が入っています。これが審査に落ちた原因のノイズです。

 

正直、このサンプルの最後にもプチッとノイズが新たに入ってしまっているので、

音が鳴っている状態でいきなり録音を終わらせると高確率でノイズが入る

と思ったほうがいいレベルになっちゃってます。

全てではないし、ケースバイケースなことが多いですが、これではループ素材が運によって作れるか否かが決まってしまう・・・

 

例えば、ゲーム内でのBGMループ処理を行う場合は、曲を作成・提供する側はループ処理をオーディオデータに施す必要性は必ずしもありません。

ただし今回は、曲を実際に使う側が、そのデータを単に繰り返し再生するだけでループされる状態に「製作側で予め作り上げておく」必要のあるケースです。

使用者側が、使用権を獲得したBGMになんらかの加工をすることが禁じられている所もあるので、製作者側はなるべくそのままのBGMデータを使用してもらう状態で完成させておくに越したことはありません。

 

さて、長々と原因を絞り込んできましたが、大体傾向がわかってきたので、そろそろ解決に向かおうと思います。

早速この録音時の「プツッ」という末尾ノイズを取り除いてみましょう。

やり方はぶっちゃけ超カンタンです。

 

フェードアウト機能を使う

ノイズが乗る原因である、

音の出ているオーディオデータを短めにフェードアウトさせてしまいます。

 

音が出ているからノイズが乗るならば、

ノイズが乗る部分を瞬間的に無音に近い状態にすればよい

という考えです。

 

しかし、素材として今回の曲は、

最後を盛り上げてから淡々とした曲の頭にループする

というもの。

 

極端にフェードアウトさせてしまうとループとしてはかなり不自然になってしまいます。

どの程度のフェードアウトでノイズが消えて、ループとしても問題ないか検証してみました。

 

丁度良いポイントはどこだろうと、まず0.001秒単位でフェードアウトをかけて録音してみたところ、いきなりその0.001秒分でノイズが消えた。

うおー、まじっすか。

 

ケースにもよるかと思いますが、今回の場合、

0.001秒のフェードアウトでノイズは発生しなくなった。

 

1:46.639秒 → 1:46.638秒 にフェードアウト処理

※DAWはCubaseを使用しています

 

 

人間の聴覚はとても精度の高いもので、わずか0.001秒のずれもしっかり聞き分けています。

それだけ精巧だからこそ、左右から音が出ているのに真ん中から聞こえるという錯覚を利用して、ステレオ感やモノラル感を楽しめるわけです。

が、実際に「0.001秒ずれてるね!」という正確なズレを言い当てられるかというと、今の私には正直出来ません笑

少なくとも、人間の聴覚自体は超優秀ですが、私の感覚は割と普通なので、上記の処理後もノイズ以外の違いがほぼわかりません。

 

自分でフェードアウトをかけておきながら、それが本来の音の減衰によるものなのかの違いがわからない。

どちらも似たような印象なのでそのような違いを聞き分ける必要はそもそもないのですが。笑

 

 

ちなみにフェードアウト処理後

 

0:01辺りのこの曲の末尾と冒頭の間に発生していたノイズはこれで取れました。

少なくとも、私の耳では!(笑

むしろ、このサンプル自体の最後のノイズがやたら顕著です。

そもそもこの末尾と冒頭の構成でループとしてありなの?とかは聞かない。

 

さて、結論ですが、

私の感覚では、左右で0.02秒の差があるとステレオ感がよく実感でき、0.01秒差辺りからモノラル感が強くなる印象があるため、

0.001~0.01秒の間でフェードアウト調整を行う

と上手くいきそうです。

個人的には、その中間辺りの0.005秒くらいだと丁度良さそうかなぁという認識です。

 

まとめ

録音時に、オーディオ末尾に発生する「プチッ」というノイズ音は、

フェードアウト処理で除去する。

あからさまに音割れやCPU負荷などかけていない場合、大抵はこれでクリアにできます。

これはDAWでギターなどを録音したりして、パンチイン・アウト(部分的に録音し直す)などして、上手く演奏できたテイクを繋ぎ合せる場合と同様のテクニックでもあります。

同じ音で沢山のテイクを録り、それを1つに繋ぎたい時は、クロスフェード(フェードイン・フェードアウトをオーディオを重ねて行う)を行うと、大分綺麗に聞こえます。

 

一発録りでいければ、それに越したことはないんですけどね。

手間も省けるし。笑

 

※追記:2017年5月12日

上記ノイズ除去操作を行って再度投稿したところ、無事審査を通過しました。やったぜ!

 

 

最後に

音に関しては完全な境界線というものを非常に引きにくいです。

細かな数値設定はあくまで参考程度に御覧下さい。

 

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