姉妹ボーカルのゴシック・シンフォニックメタルの、
姉妹ボーカルというのがまた魅力的ですね。私、一時メタルを聴き漁っていたことがあったので、なんだか懐かしささえ感じてしまうこのダークネスさ。スバラシイ。
アルバムは全8曲で半分は歌なしのインストなので、歌としては4曲ということになります。
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うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia
1.Watcher
イントロ前のストリングスで一気に雰囲気の掴みを持ってきます。バスドラとギターでガンガン刻むのですが、その割にドラムのおかずは案外多彩な印象。Bメロに歌ではなく語りになっているところが、サビへの盛り上がりに拍車をかける感じですね。
一瞬ドラムにフランジャーっぽい演出を入れてるのも面白い。サビの中にバックのギターとは別でまるでレーザービームが発射されるかのようなツインリードギターが入ってくるところとかかっこいい。
この歌と語りが交互に入ってくるのはボーカルならではの技なんでしょうね、まさに王道のゴシックメタル。
2.Marionette/MarioとMaria
ツインボーカルの掛け合いがいいですね。ボーカルを非常に大事にしていることがよくわかります。ギターがそんなに主張しないんですけど、そこが逆に後ろにある壊れた感じを演出しているかのよう。
題名がマリオネットとあるとおり、どこか機械仕掛けを感じます。一周終わってマリオとマリアの会話の遣り取りがなされるのですが、ギターとピアノでオレンジ色の明かりの灯る小さな空間で密会をしているような雰囲気に思えます。
からくりであるが所以の悲しさみたいなものも感じますね。
3.Trapeze
ゴシックメタルとは一風変わった空間を感じさせるサウンド。ボス戦みたいな危機迫るものを感じる。この曲一番好きかも。
ギターソロの部分でベース部分がガン、ガンと動くところや、サビのリードのアルペジオにヒーロー的なポップさを感じる。またシンセが右と左で飛び出してきたりなど、結構展開が多彩で場面がどんどん移っていくところがかなり美味しい。
疾走系なので聞き流してしまいそうなのですが、盛り込みがハンパない気がしますね。こういうの好きなんですよ(笑
4.楔
最後にバラードをもってきただと・・・!?壊れそうなガラスの空間のような、ピアノの旋律が美しい。そして弦楽器が入ってきてストリングスで盛り上げていく。歌詞の内容から、抗えない運命と意思を持ってしまったことに対する問いかけのようなものを感じます。
演出が上手いです。ラストのカチャカチャいう音が歯車的な何かを彷彿とさせますね。どこかでギターを飛ばしてくるかとも思ったのですが、そういうわけでもなく最後まで悲哀を感じさせる形で終わっていきます。
マリオネットの宿命ですからね・・・連鎖を断ち切ることは、できなかった。
Chronos Phobiaを聴き終わって
ゴシック系メタルを聞いたのは久々だったのですが、いやこれはなんだか懐かしかった。しかし、懐かしさはありますが、曲展開が結構入念に施されている印象を受けて聴き応えがありました。
3曲目のTrapezeはどちらかというと王道ゴシックメタルとは少し傾向は違うかもしれませんが、その道から逸脱したこの曲にどこか新しさを感じて、私は個人的にとても好きです。いいなぁこれ、展開が多彩でめちゃめちゃかっこいい。
inst版も用意されているのは何気に親切なところで、歌詞と世界観にたがわず繊細なところも伺えます。