【DTM】Xpand!2を使って和楽器『笙』の音作りをしてみる【雅楽】

      2017/12/18

こんにちは、MAKOOTOです。

最近、三味線や民謡などに触れる機会があり、またそろそろ本格的に和楽器を主体とした楽曲を作っていこうと思うので、自分の知識の整理・底上げも兼ねて和風の楽器や楽曲などについての記事を書いていこうと思います。

 

手始めに今回は、雅楽の楽器の一つである

『笙』

についての音色と合竹(コード)、そしてどういった楽器なのかを簡単に書いてみます。

笙はですね~、昔からずっと気になっていた楽器で、その音色が非常に神々しくて好きだったんです。ゲーム「大神」をプレイした時に、いつかこの楽器を使った楽曲を作ってみたいとずっと思っていました。現物はまだ手に入れられてはいませんが、今は自分に出来ることをやろうと勉強しています(笑

 

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笙とは

日本には奈良時代ごろに雅楽とともに伝わってきたと考えられている。雅楽で用いられる笙は、その形を翼を立てて休んでいる鳳凰に見立てられ、鳳笙(ほうしょう)とも呼ばれる。(中略)その音色は天から差し込む光を表すといわれている。

出典:Wikipedia 笙より

音色を聞けば、「ああ、これか~!」とすぐにわかると思います。非常に神秘的で神々しい音色

この楽器は、

17本のうち15本の竹管の下部に付けられた金属製の簧(した:リード)を振動させて音を出す。

とあり、パイプオルガンのリード管と同じ原理。また、ハーモニカと違って、息を吹いても吸っても音が鳴るというものです。

 

17本の竹の出音とそれぞれの名称は上図の通り。

ちなみに、

也・毛は、奈良時代の笙では簧(した)が付けられていたが、現行の笙では通常簧が付けられておらず無音であり、外観を整えるために竹が残されている。

伝来当初ははG6、はD#5であったが、現代音楽等ではをA#5、をF5として簧を付けた特別仕様の笙が使われることもある。

とのことで、「也」と「毛」は基本無音だそうですが、ここでは一応出た場合の音も記載しています。

 

この図では、

  • 左が「也:G6、毛:D#5」(伝来当初)
  • 右が「也:A#5、毛:F5」(現代・特別仕様)

を加えた笙の全音階です。

 

こちらの動画では、上画像の右側の方の音階と同じですが、古来の方(左側)では「Eb・F・Bb」は使われておらず、C音もC6のみですね。F音はGを基音とした呂旋(ミクソリディア)である双調(そうじょう)のみに入っています。そして雅楽における六調子では主に「D・A・E・B」の4つの音がよく使われるそうです。

 

 

笙の合竹

合竹(あいたけ)とは、笙で作る和音のコードのようなもので、5音・6音で構成されています。全部鳴らす場合もあれば、一音ずつ重ねていく場合もあります。

 

ここで、

「十」と「比」を除き、構成音のうち最も低い音の管名が合竹名となっている。行と七の音は全ての合竹で用いられ、逆に言(C#6)の音はどの合竹にも入っていない。

とあり、またこの合竹の最も低い音は旋律を司るともあります。

言(ごん)の音はC#6。言の音は笙で鳴らすことは出来ますが、合竹(笙のコードのようなもの)には使われないということですね。また、工(く)の音はC#5なので、こことも区別が必要になります。

 

以下、Xpand!2にあるハーモニカ音源の音をそのまま代用して、ひとまず音の雰囲気を感じ取ってもらうくらいのサンプルとして合竹を載せてみます。ちなみにWikiで見たままの音の位置をそのままXpand!2で鳴らしたところ、実際の笙の音より1オクターブ上の感じがしたので、Xpand!2のハーモニカ音源では1オクターブ下げて鳴らしています。

そして、基音となる部分を太字にします。「十」は下から2番目、「比」は下から3番目が基音となり、「十(双調)」は六調子の内の双調のみで仕様する合竹とのことです。

 

乞(コツ)

構成音は、乞(A4)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6)

 

一(イチ)

一(B4)、凢(D5)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、千(F#6)

 

工(ク)

工(C#5)、凢(D5)、乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)

 

凢(ボウ)

凢(D5)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6)

 

乙(オツ)

乙(E5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

下(ゲ)

下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、千(F#6)

 

十(ジュウ)

下(F#5)、十(G5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)

 

十(双調)

十(G5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)

 

美(ビ)

美(G#5)、行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、千(F#6)

 

行(ギョウ)

行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

比(ヒ)

行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、八(E6)、千(F#6)

 

 

笙の音作り・ハーモニカ、アコーディオンの音色で代用

笙の音源は、調べてみても「コレ!」という音源が意外と出てきません。日本だけの楽器ではないので、ワールドエスニック総合音源みたいなものには入っているかとは思いますが、私はまだ見つけきれていません。

ですので、笙を音色として再現する場合、似たような音色であるハーモニカ・アコーディオンの音源で代用して、簡易的に笙の音を表現することにしてみます。楽器の原理も近いですしね。

 

以下は、Xpand!2のハーモニカ・アコーディオン音色で笙に音を似せるよう加工したサンプル曲です。

進行は、雅楽では有名な「越殿楽」の頭の進行をお借りして「凢・一・乙・乙」

進行だけを真似て合竹を置いただけで、実際の越殿楽の鳴らしではありません。

打ち込みはひとまずこのような感じ。息の流れと手移りがちと不透明で、ノートの伸ばし方はかなり勘が入ってるので参考にはせずに(笑

 

EQとディストーションを薄掛けして音作りをしてみましたが、実際の笙の音が生み出す艶やかなあの音とはやはり結構違いますね。統一感のある倍音成分の表現までは流石に音源にもよりますし。

その道の人が聴いたら「違うかな」と感じるとは思います。ただ、他の楽器と混ぜて雰囲気を出す分には、私はひとまずこれでも十分だろうと思います。そもそもハーモニカ等違う楽器音源で代用しているのだから、そこは致し方ないところ。

 

具体的な音色は、Xpand!2の020 Ethnicの「Harmonica+」と、それに小さく「Tango Accordian+」を重ねました。弄った箇所はHarmonica+の「Room Amount」を少し絞って広がりを消したくらいで、音量調節以外何もしていません。

 

 

まとめ

改めて笙の合竹を見ると、D・E・A・B音が頻繁に出てきているのがわかります。これは雅楽の六調子によるものなのですが、今回は笙の音色と和音に焦点を当てる形にして、雅楽についてはまた別の機会に記事にしようと思います。手移り(指運び)も実際のものがないとかなりわかりにくかったので(笑)

ちなみに、雅楽の調以外で笙を使う場合は、「D・E」、「A・B」、「E・F#」など、高域での全音間隔の音の重なりによる響きが笙の音の特徴の一つとも言えると思われますので、この構成音に合った調で曲を作ると良さそうかなと考えます。

今回の内容をまとめると、

  • D・E・A・B音は頻繁に出てくる
  • 高域なので合竹の不協和音はあまり気にならない
  • 全音間隔の組み合わせによる響き
  • 合竹(コード)は5・6音構成
  • 音の立ち上がりは緩め、音の消え入りも緩やか
  • 独奏も可能
  • ハーモニカ・アコーディオン系音源で代用は可能
  • 原理はパイプオルガンと同じ
  • 神々しい音色が特徴的

 

・・・といったところでしょうか。ざっくりすぎる気もしますが、ひとまずこれで「笙という音色」は使える形になるのではと思います。音色もそうですが、むしろ笙の表現には抑揚の方が大事な気がしますね。

 

最後に、笙職人さんの動画を載せておきます。

 

それでは!

 

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