HSPプログラムコンテスト2017『GLOBE GUNNER』をプレイしてみた

大きく息を吸って、止めて・・・そして吐くと同時にスイカの種マシンガン・・・!!

どうもこんにちは、MAKOOTOです。

 

今日はHSPプログラムコンテスト2017の応募作品である、「GLOBE GUNNER」という3Dシューティングゲームをプレイしてみたいと思います。

 

HSPプログラムコンテストとは

HSPプログラムコンテストは、プログラム言語HSP(Hot Soup Processor)により作られた作品を募集し表彰するイベントです。2003年から10年以上に渡って毎年開催され、累計5200本以上の応募作品が寄せられているHSPの祭典です。

技術の優劣を競うのが目的ではなく、プログラミングの楽しさを 広く知ってもらうとともに、 発表の機会を提供したいと考えています。 上級者はもちろん、初めて HSP をお使いになる方まで、誰でも応募することができます。

出典:HSPプログラムコンテストより

 

Wikiを見てみると、このHSP言語の前身がPC-9800シリーズで開発されたとあるので、意外と歴史が古い。いや、私はプログラマーではないのでちと感覚がわかりませんが、Javaとほぼ同時期かぁ・・・新しい方になるのかなぁ。

HSP言語という単語自体聞くのも初めてですが、このHSPプログラムコンテストは10年以上も開催されているそうです。5000本以上の作品があるというのも凄いです。

今回このコンテストの参加作品を遊ぶだけでもう十分暇は潰せそう。ナルトみたいに影分身したいです。

 

 

GLOBE GUNNER

GLOBEGUNNER

そのHSPプログラムコンテスト2017参加作品の内の一つがこの「GLOBE GUNNNER」。3Dシューティングゲームということで、これはプレイしてみるしかない!そう思ってブログの記事にもしてみました。

そもそも、なぜHSPプログラミングのゲームをプレイするかというと、BGMをこのゲームに使って頂いたからなんです。このゲームの作者はMAKOTOさんと言って、私とほぼ同じ名前の方。

 

やるしかないでしょう!!(笑

 

それに、このゲームに使用された楽曲は「クール・ゴリラ」と「機械要塞」の2曲でして、この2曲がどういう場面で、またどんな印象をプレイ中に受けるかも確認したくて、というのもあります。

ちなみに、楽曲はこんな感じ。ゴリラかっこいい。

 

 

それでは、難易度をEASYにして早速プレイしてみます。

 

 

OPENING

おーすごい。PS1で出ていた初代地球防衛軍のような市街地。というかこの時点でフリーゲームとしては凄いなと思ってしまった。プレステ1のFF7やゼノギアスの3Dポリゴンなどの開発陣の頑張りを知っているだけに、今これが普通に作れてしまうところが凄い・・・時代は凄い進歩を遂げている。

それとも単にMakotoさんが凄いのかもしれませんが。(私じゃないです

 

えーーーなにそれめっちゃワクワクするじゃないですかー

 

 

STAGE1

というわけで早速STAGE1に突入してみます。いきなり右手にどえらいレーザー腕を持った女の子が登場します。

なぜ女の子がいきなり宙に浮いて戦闘しているかは、エンディングでわかります、実は(笑

 

操作はダウンロードしたファイルのテキストに書いてありますが、基本は自機が手前に固定。キーボードの「X」を押しながら方向キーを押すとロックオン固定で自機を上下左右に動かせます。「X」キーを押さずに上下左右にキーを押すと照準が動き、同時に自機も多少上下左右に相対的に動きます。

この辺はやってみて慣れるのが一番手っ取り早い。

3Dゲームではありますが、上手く操作を単純化させてプレイしやすくさせている工夫を感じられました。

 

でかいムカデみたいなのが宙を這っています。すげー、結構クオリティ高いと思います。

この斜めに滑空しながら射撃する感じ、カッコイイですねー

 

BGMが変わり「クール・ゴリラ」が流れてきました。どうやら一面の地上型ボスのようです。こいつがジャンプしながらビーム撃ってきて、初回案外苦戦しました。

楽曲「クール・ゴリラ」は最初のチュートリアル戦の肉弾ボスというイメージで作ったのですが、このボスが地上型でまんまそれに当てはまってて笑ってしまった。そして思ったより聞いた感じも私的には違和感なくて、良かった~(笑

 

 

STAGE2

砂漠ステージですね。空飛ぶ敵がうようよ出てきて非常に楽しい。

 

斜め下からのアングル射撃。普段の天地がなくなる感覚はやはり3Dゲームならでは。

 

砂ムカデが良い感じです。敵のテクスチャがしっかり作られているので迫力があります。

 

STAGE2のボスは巨大な翼を持った、グリフィンみたいな敵。こいつがまた強い。

急旋回したり、すぐに照準から外れるので、結構苦戦しました。

 

 

STAGE3

海ステージです。水中にいる間はこちらの弾が当たらない。いやはや、よく出来てるなぁ。

 

でっかいバドミントンのシャトルみたいなやつが出てきた!!何なんだお前は!!

 

うおおお、空ムカデが2体もいるぁぁあああ!!こえぇええええ!!

しかし、この奥行き感と影がまた迫力を出すなぁ。

 

STAGE3のボスは、水空両用の羽付きクジラ。私はクジラが好きなので、神々しさを感じてボスにぴったりですね。この光弾の嵐とかたまらん。

 

 

STAGE4

再び空のステージ。空の敵がもうわんさか出てきて非常に楽しい。ボムの使い所はここしかない。

 

なんだろう・・・なんだこいつらは!?

昔何かのゲームで似たようなやつら見たことあるぞ・・・グラディウスだったか・・・スターラスターだったか。

 

ボムどーーーん!!

 

ボムどーーーーん!!!(爽快

 

STAGE4のボス。再び空を飛ぶグリフィン。STAGE2より強い。

 

レーザー危なッ!!

こいつがまた苦戦するんですよ。体力半分もってかれてます。

 

STAGE2でもそうでしたが、こいつは倒しても逃げていきます。また現れるんだろうなぁ。強いからヤだなぁ(笑

 

 

STAGE5

STAGE5は市街地戦。市街地内はオートで進むので、敵を倒すことに集中出来るのは親切ですね。また、景色の移り変わりにスピーディさを感じて、労力少ないけど高速戦闘をしている感覚になる。

 

敵がマンションの向こうにいて当てられない。

しかしこのテクスチャよく出来てるなぁ・・・雰囲気ばっちりじゃないでしょうか。

 

STAGE5のボスは、見辛いですが、クール・ゴリラのSTAGE1と同じ地上型ボス。このボスもまた跳躍して裏に回りこんでくるので非常に厄介。苦手です。

 

倒せはしましたが、もうギリギリ

 

 

STAGE6

再び水上ステージ。ここのステージの音楽はオーケストラ風なのですが、かっこいいですねー

シールドがもう裸の超魔界村状態ですが、頑張ってます。

 

なんかでかいタコみたいのきたーーーーーー!!

やばい、死ぬ・・・!!死ぬ・・・!!

 

・・・ミ、ミラクル・・・!!

 

 

STAGE7

STAGE7は夜の都会の戦闘。雰囲気が出てて実にGOOD。雰囲気作りが上手いなぁ・・・。

 

高速で道路を駆け抜けるダチョウみたいな敵。こいつが右に左に行くのが厄介です。

 

この巨大落雁、ぼーっとしてるとぶつかってきてダメージを食らってしまうので、かなり大きく動いていないと避けられません。そして真横に付けて転がってきて、最後にこうして立ち塞がる。ステージごとに新たな敵の行動パターンが結構豊富で面白い。

 

なんだねチミは! かくれんぼかねチミィ!!(アホ

 

3度目の邂逅。グリフィンみたいなやつ。

いやーこいつは強い。一回こいつにここで負けているので、今回はなんとしても勝ちたいところ。

 

むむ、倒したけどまた退くようです。こいつとは因縁浅からぬ仲なようです。

 

 

・・・と、グリフィンが撤退したあとに巨大空母登場。

素晴らしい演出だ・・・圧倒的じゃないか!!

 

 

STAGE8

おおおおおお、「機械要塞」がこのステージで使われている・・・!!なんだか感無量。

しかしこの空母の存在感は圧倒的。アーマードコアを彷彿とさせますね。いいなぁこのゲームいいなぁ~

 

STAGE8はもういきなりグリフィンみたいなのと戦闘です。決着をつける時。

 

一騎打ちかと思いきや、仲間の3体がやってきました。マクロスFでルカが導入していた半自律型のゴーストみたいな。

 

おおおおお、空母を背に、ゴースト3体を引き連れてのグリフィンかっこええ・・・

 

被弾しまくってしまいましたが、ギリギリなんとか倒せました。なんという熱いバトル。

 

ここで、長年の因縁に決着が付いたかのように、ヤツは落ちていきます。魅せてくれます。

 

 

ENDING

ここでラストは空母の中での戦闘かと思いましたが、STAGE8で終わりのようです。ヤツがラスボスだったようだ。

 

ここで、この主人公の少女の正体がわかります。なるほどな~ストーリーも上手く出来ていますね。感心してしまった。

 

初回クリアとして、名前を入れました。何度かコンティニューしているところは無念。私はアクションやシューティングは好きですが、別に上手いわけじゃないんです(笑

 

 

HARDモード

ちなみに、HARDだとどのくらい難しいのかもちょっと試してみました。

 

STAGE1の地上型ゴリラ戦。多少弾数は増えているように思いますが、そこまで脅威ではない感じ。

 

STAGE8のグリフィン&ゴースト戦。こちらも初回同様なんとかクリアできました。

 

なんだろう、弾数増えてるんですけど、もっと凄い鬼畜を想定していただけに、比較的易しめな印象。どの難易度でもストーリーが同じ場合は、最難度のモードでは、単純にやりこみ要素として鬼畜難易度でも個人的には良かったかなと思います。

 

おわりに

いやー、面白かった!!

3Dシューティングでありながら操作は比較的とっつき易く、またスピーディさの演出や、シンプルながらストーリーもしっかり組まれていて、非常に見事なバランスで作られている良作品だと思いました。

こういった全体のトータルバランスがとれた作品は、一部のここが好きというより、このゲーム全部が好きになる印象を受けるので、私はこういう作品が凄く好き。

 

そして、「クール・ゴリラ」「機械要塞」の楽曲を使用して頂き、Makotoさん、誠にありがとうございました。お陰さまでこういった作品を味わうことが出来ました。そして「こんな曲があったらもっといいかな」とか、「こういう演出にはこんなスタイルの楽曲が合うなぁ」など、新たな発見や開拓も進みました。

どうもありがとうございました、とても良い作品でした。

 

この「GLOBE GUNNNER」、動作も軽く、非常にプレイしやすいので、お手隙に遊ぶ時には良いかと思います。

 

それでは、今日はこの辺で!

 

音楽即売会である『M3』と『Apollo』のメリット・デメリットを考えてみる

こんにちは、MAKOOTOです。好きなガンダムはF91です。(唐突

 

本日第7回のApolloが開催されていますねー。

色々音楽を聴いてすげーすげー言いたいところではあるのですが、今日はブログを書きたい気分なので、このApolloと先日参加したM3を比較して、それぞれの利点などを考えてみたいと思います。

 

M3の概略

M3は、来年の2018年春をもってなんと20周年を迎える音系・同人即売会のこと。

運営はM3準備会が行っていて、スタッフは毎回ボランティアが主体。

 

その信条は、

「製作者と一般参加者(購入者)が直接交流できる余裕のある場を目指している」

出典:Wikipedia – M3(同人)より

という、音楽を通して、

 

作り手と聴き手の垣根を超えた触れ合い

 

このイベントの一番の特徴なのではないかと思っています。

 

また、細かい内容を要約すると、

  • 基本、年に2回(4月下旬~5月上旬)と(10月末)に開催。
  • 申し込みは開催の4~5ヶ月くらい前。
  • 募集スペースは現在1000程度
  • 会場は現在、東京の大田区にある流通センターが主。
  • CD視聴コーナー、演奏スペースあり
  • 参加費用は¥4,000~14,000まで
  • 物品(ハード)を扱うのが主流
  • 当日は基本、作り手が実際にブースに立ち、CDを販売する。
  • 開催時間は11:00~15:30くらいまでの約5時間

 

以上より、音楽を物品という一つの手に取れる形にしたまま、その場に来場した人同士による触れ合いの強いイベントと言えるのではないでしょうか。

 

 

Apolloの概略

次にApolloですが、こちらはpixiv主催のネット音楽マーケットイベント。第1回は2014年11月末に開催され、800を越えるサークルの参加があったそうです。2017年の秋で第7回目。

 

こちらの信条は、

本イベントの開催の目的は、同人音楽シーンの維持・継続・発展にあります。

出典:APOLLOトップページより

デジタル文化が進むにつれて、音楽の在り方が変わってきたことから、作り手と聴き手による音楽の遣り取りの舞台をインターネット上に移した音楽即売会がこのAPOLLO。M3のネット版と考えてもよいかと思います。

M3と違うところは、期間を決めてはいるもののインターネットの特性を活かし、

 

住んでいる場所を越えて作り手と聴き手の触れ合いを図る

 

というものだと私は考えています。

敢えて開催期間を設けることで、仕切りのないだだっ広いネットの世界に人の集まる空間を作る。

こちらのイベントを要約すると、

  • 年に2、3回ほどで、大体春と秋頃に開催(固定ではない模様)
  • 申し込みはイベント開催当日でも可
  • 募集スペースに現在制限は設けられていない
  • 会場は、ネット上。つまり自宅から参加・アクセス可
  • 音楽視聴はクロスフェードあり。ただし、出展者が自サイト等に幾らでも用意は可能。
  • 参加費は無料
  • DL販売可、物品として音楽CDの販売、配送もあり。
  • BOOTHの登録さえ終われば本人がいなくても問題はない。
  • 開催時間は丸2~3日分。

 

開催期間中は自分のペースを大事にしながら音楽を聴いて回れる。ネットの特性を活かした、非常に気軽に参加できるイベントと言えます。

 

 

M3とApolloのメリット・デメリット

デメリットと書いているのは、別にいちゃもんつけるとかそういう意味では全くありません。例えば、良いところを出すと、必然的にそうでないところが表現として出るだけの話です。

あとは、敢えてM3と比較することでその特徴もわかりやすくなると踏まえてそう書いています。

 

 

M3のメリット

何より、人と人が触れ合えるというところですね。

作り手が音楽CDを作って、それを実際ブースに購入しに来る一般参加の方がいたとしましょう。

まず、購入する側は、実際に自分が好きな音楽を作っている人に会いにいけるんです。昔、私がドラクエの曲を聴いた時、作曲者は雲の上のような存在に思えました。でも、M3では実際にその人に会える。会って、会話をして、手渡しで作品を購入することが出来る。(実際に本人がブースにいないこともありますが)

ごく自然に、物理的に非常に近い距離に身を置けるわけです。ネット文化が浸透したとはいえ、やはり肉体を持って生きている人間。そこで同じ空気を吸うといいますが、同じ場にいるということは、目に見えない共鳴する何かをお互い感じざるをえないと思っています。

 

 

次に、製作者側は、わざわざここまで足を運んで自分の作品を求めに来てくれているという実感がでかい。視聴して買ってくれる方もいれば、すでにネットで事前に曲を聞いて、当日はもう買うと決めて来てくれる方がいる。必要とされているんだという実体験があるわけです。

もちろん、あまり足を運ばれないケースも多々あります。ありますが、製作者側は時間一杯までは基本ブースにいるので、同じ横の製作者と仲良くなったり、また普段会わない人と会話する機会などもある。なにより、自分もこの音楽イベントを盛り上げる一員であることに変わりはないんです。

 

 

M3のデメリット

やはり、イベントが開催される近郊に住まわれていない方にとっては、

実際に行くには時間と労力がかかってしまうという点だと思います。

 

北海道から東京にくる場合、旅費もかかるし、宿もとらないといけない。休みもとらないといけないケースも多い。欲しい500円のCDを買うのに、交通費が2万かかる場合もあるとしたら、よっっっぽど欲しいか、たまたま行く用事でもないと難しいです。

イベントに行くまでにお金がかかることと、時間がかかること。これがM3の最大の欠点と言えるでしょう。ただ、毎回遠方から同人音楽にスバラシイ熱意をお持ちの方も沢山いらっしゃるのも事実。そこは自分が、何に自分の時間やお金を使うかによると思いますが、やはり場所の遠さは結構なネック。

 

また、会場を借りるにもお金が結構かかります。設営・撤去作業も必須ですし、持ち運びもある意味肉体労働。また、当日は来場数も多く、人としての接し方は最低限求められる。天候などにもやはり左右されます。当り前のことではありますが、その当り前が時として大変であることも承知はしているので、敢えて書いてみます。

個人的には、これがあるからこそ楽しかったり、人として実感が湧く大きな要因だと思ってはいますが、疲れてるときとか、忙しい時とか、何か事故や怪我したとか、いつもいつも楽天的にいられるわけでもない時だって、ありますからね。

 

 

Apolloのメリット

これは、製作者・購入者ともに場所を気にしなくてよいというところ。また時間も、今回のApolloでは土曜のAM10:00~日曜のPM24:00までと、38時間の間に自由にイベントに関われば良いということ。遠方に行く交通費も時間もかからずに済みます。

 

 

また、触れ合いが苦手だったり、そこまで必要とされない方にとっては、例えば家で音楽を聴いてポチればいい。下手な心労を負わずに済む。M3でちょっと気になるCDがあって、

「視聴してみたいけどブースの前を邪魔してもいけないし・・・もし思ったほど好きでなかった場合、買わずに立ち去るのもなんだかなぁ・・・」

という方でも安心して視聴しまくれます。触れ合いは確かに大事ですが、必ずしも触れ合わないといけないわけではない。そういう時も人間あるんです。苦手や気遣いは人として至極当り前のことですから。日本の方は皆、慎ましやかで非常に心の優しい方ばかりなんです。(海外の方がそうじゃないというわけではないです)

 

それと、交通費・ブース設営・参加等の費用や手間もほとんどかからないため、その分の時間を製作なり他に回すことができるのも利点でしょう。これは、製作者側のCD製作・ジャケット印刷等も行わないで済むこともメリットになるケースが多いかと思います。

音楽CDというのは、CDに楽曲を焼くよりもむしろ、曲を作成するための機材というものを除けば、そのパッケージ製作分に費用のほとんどがかかります。紙印刷が一番高い。

しかしApolloでは、DL販売のみも可なため、音楽CDを作る必要は必ずしもない。パッケージというものがあって品物として実感できるのも事実ですが、ほとんどの人は音楽CDをmp3変換してスマホやPCで聞くはずなので、音楽CDは以降必要なくなり、プラモと同じオブジェと化す。

ただでさえ経済的にも時間的にも忙しい昨今、なるべく無駄は省きたい方も多いかと思いますが、Apolloではそういった不必要な部分を削除した新しい音楽イベントかと思います。

 

 

Apolloのデメリット

同じ内容を、言い方を変えているだけになってしまいそうですが、

音楽作品としての価値感をぼんやり捉えがちにならざるを得ないということ。

これはどういうことかというと、以前は音楽というものは「レコード・CDを買って聞く、ライブに行って一体感を味わって肌で感じる」ということが主だったはずです。つまり、目に見えない音楽というものが、少し前はCDやステージという「形ある箱」に収まっていたわけです。それを遣り取りしていた。

 

しかし、ネット文化の普及により、またしてもというより今度は新たな目に見えない領域で、実際に手で触れられないものとしての扱いになってしまった。ネット文化がパソコン、スマホの普及で今では当り前になったようにも思いますが、実際ネット上での価値の置き方には、この世界に生きる人々の中でむしろ大きな隔たりが出来てしまったようにも私は思います。

ですので、ただでさえ不透明な音楽という文化は「衣食住」にも入らないので、その確固とした価値の在り方の落ち着き先が、未だフワッとしている印象がある。

 

 

正直これは「Apolloのデメリット」ではない。むしろApolloのデメリットは

実際に顔を付き合わせた触れ合いがないというだけくらいかなと思います。

 

最近では、Youtubeによる動画の価値が急上昇していて、動画は手で触れられませんが、目で見て耳で聞くことはできる。そういった文化が盛り上がって急速に地位を確立しているので、それと同様に音楽の価値も改めて考えて見つめ直してみようと、全世界でその価値を作り上げている傾向があります。

例えば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどがそうですね。

 

まとめ

めちゃくちゃざっくりまとめると、

M3のメリットは、

  • 参加者同士が触れ合えるアットホームな場
  • 実感・手応えが大きい
  • 人と人が接するので当日の密度が濃い

デメリットは、

  • 遠い場所に在住の方には金銭・時間の敷居が高い
  • 気遣いしすぎる人にも若干敷居が高い
  • 参加までに準備と時間がかかる

 

Apolloのメリットは、

  • 音楽作品以外の費用がほとんどかからない
  • 自分のペースで気軽に参加出来る
  • 人と接する干渉労力もかからない
  • 製作者側も当日から参加可能

デメリットは、

  • 触れ合いが少し遠い
  • イベント参加の一体感はM3に比べると少し薄い

 

・・・という具合でしょうか。ただこれはあくまで土俵の違う、同じ目的を持ったイベントであることに変わりないので、舞台であるのが「現場」と「ネット上」という違いを比較として述べただけにすぎないと思います。

それと、後発のApolloの方が利点が大きいように思いますが、それは単にM3などの従来タイプに慣れてしまっているところからの意見だと自分では思うので、あくまで参考までに読んで頂ければと思います。

 

M3、Apollo、どちらも同人商業・プロアマ問わず、

今の音楽界を皆で盛り上げて、この文化を大事に楽しんでいこう

という思いを強く感じることには変わりないので、この二つのイベントは音楽をやっている方にとっては意識していて損はないです。

私もそれぞれのフィールドで、音楽を楽しんでいこうと思います。

 

 

それでは!

 

【第7回Apollo】ピコピコ音源で『じゃがいもクエスト』のサントラを作ってみた

こんにちは、MAKOOTOです。

2017/11/18(土)~11/19(日)開催のApollo7に参加してみます。

 

その名も

『じゃがいもクエスト – Original Sound Track』

 

いやー、このオンライン音楽マーケット、ずっと参加してみたかったんですけど、音素材やコンブのBGMも作ったりなどで今まで手が回らなかったんですよね。

それに、M3やApolloを見て様々な思いの詰まった作品を見てきて、中途半端に出てもしょうがないなぁと思っていたのですが、秋M3のバトルコンピに参加してひらめきと遊び心を得て、なんとか作品が出来たので参加できました。(笑

 

Apolloとは

APOLLOは、数日間限定でネット上で開催する、同人音楽作品(CD等物販・デジタルデータ両方)の即売会イベントです。

シーンの新しい作品・アーティストの発掘(視聴)を容易に行える即売会イベントとして、ネットでの同人音楽即売会イベントを2014年11月末に開催

出典:Apolloより

オンライン音楽マーケットとして、2017年11月の開催が第7回目。

コミケやM3などと違うところは、

  • DL販売が可能であること
  • 当日自分がいなくても頒布が可能なこと
  • オリジナル作品など「著作権に関して問題ない」ということ

などでしょうか。

この辺は別の記事にまとめてみようかと思います。

 

じゃがいもクエストとは

1980年代ファミコン風の仮想レトロゲームRPGです。

今回は、そのゲームを想定したBGM集というコンセプトで、全26曲のサントラという形で頒布。形式はDL販売のみで、Apolloを通してBOOTHにて販売する形となっております。

曲順も、剣士じゃがいもが辿る冒険の形跡という流れにしていて、作っててとても楽しかった。

 

Apolloの「じゃがいもクエスト – Original Sound Track」ページ

BOOTHの「じゃがいもクエスト – Original Sound Track」ページ

 

 

なんでじゃがいも?

ただのひらめきです。

バトルコンピ3に出展する際、何かしらのストーリーがあった方が面白いと思い、「見た目簡単で能天気なんだけど、中身は結構濃密」というゲームが好きなこともあり、そこでパッと思いついたのが「じゃがいも」だったという。けっこう謎。

ドラゴンボールのキャラも野菜の名前が多いじゃないですか。ああいう感覚です。

 

なんでファミコン風?

作るスピードが非常に早かったからです。

M3の作品を聴いていて、如何に濃密な想いがそれぞれの作品に組み込まれているかを思い知りました。なので、Apolloなどに作品を投稿する場合、自分も何かそういったコンセプトといいますか、世界観を盛り込みたかった。

「じゃがいもの冒険」という方向性は出来上がったのですが、ガチのオケやらロックやらのBGMを作るとなると時間がかかる。Apolloに参加しようと思ったのが開催の2週間前なので、とてもじゃないが今からそれは間に合わない。でも、今回はなんとしても参加したい・・・!!

そう思って、3和音+ノイズという非常に単純な作りのチップチューンであれば数曲分くらいは出来るかな~と思い付いて試しに作り始めたら、思った以上に沢山作る事が出来てしまった。大体一週間で26曲分作れました(笑

 

SoundCloudで全曲聴けるようになってるけど?

「じゃがクエ」のサントラはSoundCloudでも聴けるようにはしてありますが、DLの許可はしていません

Apollo、BOOTHで販売する形は、あくまでこれを気に入ってくれた方用に、手元に置いていつでもける形を提供したいと思ったからです。正式なルートとして。

別にそこまでじゃないよという方はこちらからどうぞ。

 

値段が¥540というのは?

作品に対する価値観と、それを作るまでのこれまでの手間と、今の流通の相場のトータルで決めています。

3和音+ノイズの音源なので、他の作品に比べて機材代などは全然かかっていません。が、この曲を作るまでにいままで音楽を学んだ時間、DAWやブース登録など諸々の手続きを踏んだりなどの手間、この作品に対する一つの価値、曲数と尺・・・等々を踏まえて、500円+税という値段をつけました。この辺は人によるとは思います。

ちなみに、このBOOTH販売でのサントラは聴いて楽しむ用としての値段設定です。ロイヤリティフリーの音素材としての取り扱いについてはまた別に考えています。

 

ゲームはないの?

ないです。残念ながら。自由に動ける自分がもう一人欲しいです。

 

続編はあるの?

あります。次のApollo8では「じゃがいもクエスト2」のサントラを作る予定です。こういうシリーズものを作ってどんどん自分の引き出しを増やしていきたいところ。

 

おわりに

Apollo・・・やっと、やっと参加する事が出来ました。

いやほんと、M3やApolloなどの場は色んな作品が沢山あってどれもこれもコンセプトや作りこみが素晴らしいので、適当には参加したくないよなぁ~と思っていたのですが、じゃがいものお陰でなんとか形にする事が出来ました。ありがとうじゃがいも!

 

・・・ですが正直、一枚も売れないかもしれません。(笑

でもね、今の時点でそんなことは大したことじゃないとも思っています。むしろ、こういった流れを一つ一つ経ていって、何でもいいから自分に出来ることを形にして、前に進んでいく。

こっちの方が今は大事かなーと思ってます。

 

剣士じゃがいも

それでは!

 

【2017年秋M3】『Ark of Phantasm – 麺コンピ』を聴き終えての感想

進撃のトマトメロスピありますで御馴染みの

Ark of Phantasmさん

 

これまでも予想の付けられないコンピを主催されているWinna Striveさんですが、今回はなんと、

 

麺コンピ

 

・・・想像つくでしょうか。麺から連想する音楽。私は最初イメージが浮かばなかった(笑

しかしながら、この麺コンピサイトを開きつつ曲を聞けば、なるほどと素直に思ってしまう。面白いですねほんと。一見ただの遊び心CDとして聞き流してしまいそうになりますが、案外深い。次の常識は案外こういう発想から生まれたりするので要チェックや!!・・・とか言うのはこの際置いておきましょう。

 

Ark of Phantasm – 麺コンピ

1.ローファイ・ラーメン・タイマー

cacaoさん作。麺の種類は「カップ麺」。

昔のからくりで出来た人形劇場のような、そんなクラシック感(古典的という意味)と楽しげな始まりを思わせる楽曲。旨い上手いです。こんな楽しげなからくり劇場を見ながら、終わる頃にはカップラーメンが丁度食べられるという流れるような展開。

クラブミュージックやオーケストラなど得意とされているようですが、全般的に作れるその多彩さをこの曲からも感じられます。

 

2.3分天国

地球はかい爆弾さん作。麺の種類は「カップ麺」。

“持て余した時間で手遊びする売れないバンドマン”とあるとおり、「3分待つってダルいわぁ~」と手遊びしつつ、途中で若干待っていることを忘れて手遊びに少し夢中になってしまうような。そういう刹那の展開が曲から感じました。

手遊びを感じを、フィルターやゲートで音を一瞬仕切るような、そういった演出からも感じます。持て余している割にこの手の込みよう、このバンドマンはかなり仕事が出来るタイプなのでは(笑

 

3.From Star

つばさくんさん作。麺の種類は「ベビースター」。

コーラスとシンセ音の気持ちの良い綺麗な楽曲。もんじゃ焼きの中のベビースターからは想像もつかない青空を感じました。あたかも、もんじゃ焼きの中にベビースターを見つけた瞬間、時が止まりその喜びの世界に飛び込んだかのよう。じゅーじゅーいうもんじゃのイメージとはまるで正反対。

しかしこの喜びの世界は時空を超えているので、なんかこう、この喜びに泣けてくる(笑

 

4.初ショップ

M/Sさん作。麺の種類は「細ちり麺の醤油ラーメン」。

20年くらい前のゲーム機での街のBGMには、こういう素朴なシンセリードとドラムが使われていて、どこかスーパーだったり、楽しい主婦の街の雰囲気を感じます。その街にあるラーメン屋。味は普通なんだけど、安定の醤油で、やっぱこれよね~みたいな(笑

あ、今日はサンマが安いわ・・・!さっきラーメン食べちゃったから、今日はお魚にしy(略

 

5.too fast to 麺

あおいんさん作。麺の種類は「ふやけ切ってないカップ麺」。

これめちゃめちゃ笑いました(笑)。パンクロックなのですが、もう麺がどうとかそもそもそんなに興味はないんだけど、「題材だからじゃあこれで歌っちまうか!なんでもいいんだよノれれば!」というような気さくでリスナーに凄く近いミュージシャンを連想しました。

最初は麺なんてどうでもいいとか言ってて、後半で麺について案外真面目に考えて歌い上げてる流れが凄く人間くさくで安心する曲の気がしました。いいなぁこういうストレートな曲を書けるのは。

 

6.至高の一杯

Winna Striveさん作。麺の種類は「家系豚骨」。

私を笑い殺す気かwww 豚骨ラーメンにここまで様式美があるのかというくらいのドラマティック・メロスピ。ウィナさんの曲は昔から知っていますが、ここまで悲哀と情熱を今この瞬間も曲に表現出来るとは・・・この不滅さ。しかも尺6分半もあるんですよ・・・なんなのWinnaさん。

「これだけの魂を揺さぶるサウンドは何が起因なのか!?」と、ふと手元を見たら豚骨ラーメンとか・・・そんなにか!?www

やばい。このギャップ差は流石に笑い死ぬ。

 

7.Lamentful kiss

NANAさん作。麺の種類は空欄。

楽曲にLUNASEA、歌い方にL’Arc〜en〜Cielなどをどこか彷彿とさせるビジュアル系ロックサウンド。麺の種類を敢えて述べていないところに、麺から連想する曲のイメージを直感的に降ろして、それをそのままサウンドへ翻訳しているかのような。

歌も綺麗で、曲展開も丁寧でどこか繊細さを感じました。

 

8.Love is…

タチやんさん作。麺の種類は「深夜に作るインスタントラーメン」。

自責の念と欲望の渦巻きという、心理的な深さを感じさせる曲。女性らしい声がインスタントラーメンの誘惑に聞こえてしょうがない。甘い罠に、精神的に揺らいでいる状態が曲にしっかり表現されているように思います。タイトルがねwww このコンピほんと面白すぎる(笑

これ、最後結局インスタントラーメン作って、た・・・食べちゃいましたよね・・・?

 

9.歳ノ瀬縁起~年越しそば~

EBIさん作。麺の種類は「年越しそば」。

イントロで弾いているこのピアノの手の位置、ここの位置の音、私凄く好きなんですよ。バックの、胡弓と多分笙だと思うんですけど、これも私の個人的に好きな楽器。和楽器の使用は思ったより少なめに意図されていそうですが、まさに古来から伝わる伝統ある和の心を表現している感じです。

非常に作りこみが丁寧で、さっきまで笑っていたのですがこの曲では荘厳な雰囲気もあり、少し鳥肌が立ちました。こんな雰囲気でそば食べながら迎える年越しって、優雅だなぁ・・・。

 

10.山菜そばを食べに行こう

Tsurugi(kt of 24)さん作。麺の種類は「山菜そば」。

山菜そばを食べにクルマでドライブしながら向かうとのこと。動きのあるベースが特長的で小気味良く、疾走感や曲の緩急の付け所や展開など、そば忘れてそっちに気がいってしまった。個人的にはこれでドライブしたら私はすぐ脇道に突っ込んで林の中を抜けようとかわけわからないことしそう(笑

個人的に曲の作り全体的に旨さ上手さを感じました。これでドライブしたらテンションあがるだろうなぁ。

 

11.残ったスープと麺の入った胃袋 ~出汁の素の海老天しっぽ~

δ(でるた)さん作。麺の種類は「麺を食べ終わった後のスープのみ海老天うどんと他のメニューも食べたりしてもう満腹状態の人。」。

サイトのコメントから、美味しい麺類を食べているはずなのに、なぜかそこから逃げたくなる、逃げないとやばい・・・!なのに逃げられない。美味しいはずなのに、もうお腹が一杯でこれ以上は危険だと脳が、身体が、胃が告げる・・・!ここから抜け出す算段を付けようにも、満腹感によって思考は徐々に眠りにつく。言われるがまま麺を口に運ぶ。

これ以上は危険だ・・・危険だ・・・危険だ・・・!!(笑

そんな緊張感のある楽曲です。

 

12.拝啓ひやむぎ様

清水嶺さん作。麺の種類は「ひやむぎ」。

夏のさわやかな食卓を思わせる、温かで優しいピアノ曲。小麦色と風鈴を揺らすおだやかな風を感じます。ピアノの高域部分の弾きがひやむぎを入れる透明のガラスの器を感じさせ、その後は食後ののんびりタイムといったところでしょうか。

なんだろう・・・凄く幸せな気分になる。こんな日常がずっと続いたらいいね~っていうような、家族的な愛を感じる曲でした。

 

13.MaRV Omen

瑞希にゃんこさん作。麺の種類は「麻婆麺」。

作者コメントにあるとおり、想定外の展開を受け入れざるを得ない、まるで未知の領域に足を踏み入れたような、危機感とは違う、どこか葛藤が収まらない言い様のない心の渦巻きを演出しているかのようです。

曲中からは「そうじゃない、そうじゃないんだ・・・!!」という訴えにも似たような何かを感じる。味がどうとか、そういうことではない・・・!!(笑

 

14.S・T・A・M・I・N・A

rsyさん作。麺の種類は「スタミナラーメン(茨城ご当地ラーメン!癖になる旨さ!!)」。

選択している音色や楽曲のノリから、イースⅥのエルンスト戦を思い出させるような楽曲。これは麺の種類にも色々あり、味わいや噛み応え、喉越しや後味、匂い、そもそもまずどのような工程を経てこの麺が出来上がったのか・・・お前は理解しているのか・・・!?

そんな緊張感と真実の扉を垣間見るような、かっこいいんだけど思慮深い印象を感じました。

 

15.買い置きカップ麺の見つからない深夜2時

startide / hiroさん作。麺の種類は「カップ麺」。

こちらも非常にドラマティック。弦楽器の壮大な雰囲気から繰り出される、このゆっくり崩れ落ちる様は一体何なんだ・・・何だこの「つがいの相方が亡くなったと悟った時に鳴く鳥」かのような、悲しみに満ちた音は・・・!!

こんなに・・・こんなにも悲しいものだとは・・・切ない。いや、私もしょっちゅうこういう経験ありますけど(タイトルから

 

16.White Stream

0|1 + 前濱雄介 + T木さん作。麺の種類は「流しそうめん」。

環境的な情景をよりリアルに音に表現されている楽曲。幼い頃の記憶、という部分をシンセで不透明さを出しながら、流しそうめんの流れていく様を思い出しているかのような、記憶の渦を遡るような印象を受けました。

中盤でベースが左右違う動きをして、徐々に理性と思考が保てなくなっていくような、根元に触れるような曲。こういう作風も私は結構好きです。

 

17.aldente

79 Million Reserveさん作。麺の種類は「パスタ」。

これは、パスタ麺に見立てた記憶を遡るイメージが沸きますね。序盤の流れを超えると、曲にノリが生まれます。まるで過去の自分を鮮明にありありと思い返すような、突き抜ける空間を感じました。非常に気持ちが良い。

後半で、当時何を思ってここに来ることになったか、それすらも思い出しているような、原初を思い出して覚醒したかのようなかっこいい印象です。

 

18.バカでかいカップ焼きそばを独り占めwww

知叡=アンダーソンさん作。麺の種類は「カップ焼きそば」。

コメントとは裏腹に、非常に静かなピアノの旋律から曲が始まります。これは・・・バカでかいカップ焼きそばを一人で食べれることに当初は嬉しかったはずが、実際そうなってみるとこの言い様のない寂しさ、孤独・・・泣き出しそうになるのを必死に抑えて食べるはずの焼きそばが、涙の味しかしない。

最後、すする音だけが聞こえるのですが、少しだけリバーブかかってるんですよ。まるで小さな空間に一人ぼっちかのような。すすっているのは焼きそばか、垂れ出た鼻水なのか・・・。

 

19.ラーメン屋の熱き魂~親父の力~

斬龍さん作。麺の種類は「ラーメン?」。

ピアノ独奏。こちらも、熱き魂のラーメン屋とは裏腹に、哀愁を漂わせた雰囲気から始まります。そこから一転、力強さを感じるタッチになり、またその後で一段切り替わります。親父のどこか辛さを背負いつつも決断していくようなドラマティックさを感じます。

でも、切り替わる時は思いっきり切り替わる。そこに親父の行動力と、徐々に変わる緩やかな旋律から優しさを感じますね。最後も優雅なので、この親父は結構ダンディかもしれません。

 

20.育麺!? -パパ応援マーチ

鳴海陽香さん作。麺の種類は「イクメン」。

おおー!ラストの締めにもふさわしい、明るくコミカルな曲です。子供は毎日無尽蔵な元気さを見せて、ママやパパはわからないことだらけでもう大変!でも子供と一緒にいる生活はやっぱ楽しいなぁ!・・・という温かな家族愛を感じました。

子供の歩調に合わせた、優しく楽しい、元気いっぱいの曲!

 

麺コンピを聴き終えて

いやこれは、笑いあり涙ありの素晴らしいコンピ作品でした。

作家それぞれの個性を感じつつ、それぞれの様々な思いと解釈が非常によく伝わってくるCD。まさかこんなにもドラマがあるとは夢にも思わなかった。全部、全曲良かった。目から鱗とはまさにこの事。

音を楽しむと書いて音楽と表しますが、一番大事なことを思い出させてくれる、そんな作品です。

 

Ark of Phantasmさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『オトカプセル – 静謐なひととき』を聴き終えての感想

ゲーム音楽やオリジナル楽曲を製作されている、

オトカプセルさん

 

今回ゲットしたCDはピアノオンリーアルバムです。

M3前日、たまたまツイッターでピアノオンリーという文字を見て、よし買おうと。ピアノは私も好きなので、少しでも多く引き出しを作るため、色んな作家さんからこうして定期的に取り入れるようにしています。

 

オトカプセル – 静謐なひととき

1.陰

「陰」とタイトルが付いているのですが非常に力強いピアノ曲。

踊るような曲調で、陰の要素を感じさせない。確かにマイナー調ならではの哀愁はあるのですが、どうやらそういう陰ではないと思います。陰の中にところどころ明るさが入り、それによって陰の部分に戻った時が印象的に感じます。

そしてこの曲はどこか剣士の技磨き。剣の舞のような印象を感じます。

 

2.楼

陰とはうって変わって非常に優しい入りから始まります。持ち前のパワフルさを隠しきれないかのような力強さを時折垣間見せはしますが、非常に素直で真っ直ぐなピアノとして、柔らかな抑揚のある展開になっています。

「楼」とは、やぐら。高いたてもの。最初にそういった建物から思いを巡らしてみたのですが、このピアノ曲はやぐらはあまり関係なくて、その近くで起きていた人間模様・・・お父さんと子供・・・どこかに行って帰っていく・・・夜ではない。・・・桜っぽい。坂道を帰っていく・・・?

そんなイメージがおぼろげに浮かびました。

 

3.朱

「朱」・・・激しさを基調としたサウンドの気がします。赤、火山、旗・・・などなど連想してみると、どうやらモノではない。何かを行っているときの激しさに近いものを感じます。

この曲は「静謐なひととき」の中でも一番激しい印象がありました。

イメージとしては少し遠いかもしれませんが、なんとなくファイナルファンタジーのイフリートが出てくるんですけど、そのイフリートが上半身をはだけて和服でピアノ弾いてるイメージなんですよね(笑

 

4.瑠

瑠璃の「瑠」・・・イントロでは小さな何かに話しかけるような、そんな優しさとそこから小さな光をスポットライトとして物語が進んでいく感じですね。個人的にはこの曲が一番静謐さを感じます。

力強さが一瞬入ったと思ったらすぐに静かになり、ここではないどこかの空間をところどころ想起させるフレーズと、それから連なる物語が徐々に繋がっていく感じ。

抑揚はしっかり作ってあるのですが、そこに悲しさをあまり強く盛り込んではおらず、ラストに向かうにつれてむしろどこか安心感さえ感じました。

 

5.焔

「朱」と似ているのですが、こちらの「焔」の方が情緒がプラスされているように感じます。

少し切ない雰囲気でイントロが始まりますが、「焔」の名の通りの激しさを時折混ぜてきます。そんな激しい演出が要所要所にあって、どこか踊るようにピアノが進んでいく。

なんだろう、悲しげではあるんだけど、そこから昇る力強さがピアノの叩きにリンクしているような。ラストもそのような強さを宿しつつ、最後の時を迎えるというなかなか乙な展開を感じました。

 

静謐なひとときを聴き終えて

これは斬龍さんにしてやられた感があるのですが、私が当初思っていたよりも、力強さが随所に盛り込まれているピアノ曲だと感じました。

「静謐なひととき」とタイトルにはあるのですが、静かでしっとりした系のピアノではなく、強さを感じる静謐さ。太平さを感じる作品だと思いました。「焔」など、字のイメージからも激しいことがわかるのですが、その中にある静けさの表現を、結構考え込まれて作られたのではないかなぁ。

 

オトカプセルさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~』を聴き終えての感想

ベーシストでありながらタロットカードもしてしまう、

あだPさん

 

そのタロットカードを音楽で表現した作品が「Parsifal」。

DTMでの作曲はまだ三ヶ月足らずということなのですが、音の表現には年数はあまり関係がない気もします。音にどういった解釈が乗っているのか、私はタロットに無知なので楽しみです。

 

あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~

1.旅立ち ~Fool~

カード番号「0」愚者。大アルカナに属し、正位置は「自由」、逆位置は「軽率」。

タロットカードには旅人が描かれていて、型や枠というものを持たない奔放な様ということのようです。まさにこれからの船出を思わせるような始まりを曲から感じます。軽率にどこかに迷い込んだかのような、好奇心を醸しだす展開から、最後に何かを見つけたかのような出会いを感じます。

まるで小劇場にいるかのような雰囲気です。

 

2.悪だくみの魔術師 ~Magician~

カード番号「1」魔術師。大アルカナに属し、正位置は「起源」、逆位置は「混迷」。

才能あるがゆえに、怠惰になるような、そういう人間臭さを感じる展開。人が驚くようなことも割と出来るけど、打ちひしがれるのも早いといいますか。でも最後はまた忘れていつもの生活をしているような。それと、小さな楽しみや優雅さをどこかに含んでいる気もする。

この曲からはそんな根は明るい魔術師の印象を受けます。

 

3.苦しみの理解 ~High Priestess~

カード番号「2」女教皇。大アルカナに属し、正位置は「直感」、逆位置は「悲観」。

知性ある雰囲気をまとった曲。ただし頭が回るがゆえに、抱え込んで潰れてしまいそうな、そういった脆さをも感じます。この曲からは、理性と感性は一つであるかのような感覚があります。緊張感を持ちながら、静寂を保っているという鋭さがある。

 

4.誘惑の美女 ~Empress~

カード番号「3」女帝。大アルカナに属し、正位置は「繁栄」、逆位置は「挫折」。

豊かさを感じさせるところから曲が始まります。情熱さや包容さも含んでいますが、そのすぐ後に、物凄い線の細さを感じさせるサウンドに切り替わります。不安定さ、緊張感さが豊かさの裏に潜んでいるということでしょうか。

最後は、豊かさを取り戻す形で曲が終わります。

 

5.救世主 ~Emperor~

カード番号「4」皇帝。大アルカナに属し、正位置は「支配」、逆位置は「未熟」。

この曲は、豊かさというよりは強硬さ。どちらかというと恐怖を感じさせる感じから始まります。しかし中盤に入る頃には勇ましさや頼もしさ、逃げない強さを感じさせてとても頼りがいのある雰囲気になります。傲慢に見えた後ろには強い行動力があるということでしょう。

この曲は作中で一番長く、終盤は一つをまとめあげて治めていくかのようなドラマティックさを感じます。ラストの〆は大団円といったところだろうか。

個人的にはこの曲が一番ストーリーを感じて好きです。

 

Parsifal ~A Wondering Minstrel~を聴き終えて

オーケストラ調にタロットカードを表現しているのが、より一層雰囲気をわかりやすくしている気がします。なんかこう、マーラーを聞いていた時を思い出しました。情景を「曲」という型にはまったものというよりは、一つの世界の流れを音に翻訳しただけというような。そんなうねりを感じました。

この作品は、次回作の構想がすでにあるとのことで、5番目以降のタロットの意味をどう音に表現されるのか非常に楽しみです。

 

あだPさんの特設サイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Ciel Cielo – Zelophilia』を聴き終えての感想

ボーカルのみーさんとプロデューサーパープルPさんのユニット、

Ciel Cieloさん

 

透き通るような声のボーカルと、神秘さの中にポップさを含んだ楽曲が特徴的です。

前作の「月の残像」は透明感があって、どこかかき消えてしまいそうな雰囲気だったのですが、今回は少し意外な一面といった感じでしょうか。

 

Ciel Cielo – Zelophilia

1.Zelophilia

かっこよさ気なタイトルのZelophilia。意味は嫉妬愛。歌詞の内容はその嫉妬が歪んでしまった形で愛を求めるような感じです。ただ、曲は裏腹にポップでかっこいい感じがあるので嫉妬で歪んではいるんだけど、どこか明るくそれを受け入れるかのような雰囲気があります。

最初タイトルの意味を知らずに聴いていたのですが、意味を知って、曲中のところどころにホワイトノイズの入っている意味がわかりました。

最後、「貴方の血で、目で、手で」とあるので、歪んでいることに変わりはないのですが、なんか明るい。こういう幸せの形を認めざるをえないようなどこか温かさを感じる

 

2.ヒュプノスの抱擁

ヒュプノスとは、ギリシャ神話でいう「眠りの神」。

嫉妬愛の後に浄化されて、安らかな眠りに付くような、それこそ光に解けて消えてしまいそうな雰囲気。休符の使い方が非常に上手く、そこが一瞬の呼吸の間のような錯覚をしてしまう。サウンドはしっかりと音を主張していながらこの透明感というのは凄いですね。

ボーカルの声が透明感をとてもよく演出しているように思うのですが、ホワァーッとした中に芯がしっかりある。ブレスの吐息感が冬の寒さ、白い世界を私は感じるので、声の特徴をよく引き出しているように思いました。

 

Zelophiliaを聞き終えて

陰と陽で言えば、陰の雰囲気を主軸にしていながら、あまり感情的に落ち込むような感覚がなく、どこか安心感のなかでの嫉妬と眠りの世界。サラッと聞き流してしまいそうな雰囲気がありながら、結構細かいところに気を遣われている印象があります。

パープルPさん曰く、「時間があまり取れなくて、本来もっとクオリティを上げられたはずでそこが無念」とのことですが、雰囲気作りなど個人的には申し分ないように私は思います。

ヒュプノスの歌詞が個人的には好きです。

 

Ciel Cieloさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia』を聴き終えての感想

姉妹ボーカルのゴシック・シンフォニックメタルの、

うさちゃんスタジオさん

 

姉妹ボーカルというのがまた魅力的ですね。私、一時メタルを聴き漁っていたことがあったので、なんだか懐かしささえ感じてしまうこのダークネスさ。スバラシイ。

アルバムは全8曲で半分は歌なしのインストなので、歌としては4曲ということになります。

 

うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia

1.Watcher

イントロ前のストリングスで一気に雰囲気の掴みを持ってきます。バスドラとギターでガンガン刻むのですが、その割にドラムのおかずは案外多彩な印象。Bメロに歌ではなく語りになっているところが、サビへの盛り上がりに拍車をかける感じですね。

一瞬ドラムにフランジャーっぽい演出を入れてるのも面白い。サビの中にバックのギターとは別でまるでレーザービームが発射されるかのようなツインリードギターが入ってくるところとかかっこいい。

この歌と語りが交互に入ってくるのはボーカルならではの技なんでしょうね、まさに王道のゴシックメタル

 

2.Marionette/MarioとMaria

ツインボーカルの掛け合いがいいですね。ボーカルを非常に大事にしていることがよくわかります。ギターがそんなに主張しないんですけど、そこが逆に後ろにある壊れた感じを演出しているかのよう

題名がマリオネットとあるとおり、どこか機械仕掛けを感じます。一周終わってマリオとマリアの会話の遣り取りがなされるのですが、ギターとピアノでオレンジ色の明かりの灯る小さな空間で密会をしているような雰囲気に思えます。

からくりであるが所以の悲しさみたいなものも感じますね。

 

3.Trapeze

ゴシックメタルとは一風変わった空間を感じさせるサウンド。ボス戦みたいな危機迫るものを感じる。この曲一番好きかも。

ギターソロの部分でベース部分がガン、ガンと動くところや、サビのリードのアルペジオにヒーロー的なポップさを感じる。またシンセが右と左で飛び出してきたりなど、結構展開が多彩で場面がどんどん移っていくところがかなり美味しい。

疾走系なので聞き流してしまいそうなのですが、盛り込みがハンパない気がしますね。こういうの好きなんですよ(笑

 

4.楔

最後にバラードをもってきただと・・・!?壊れそうなガラスの空間のような、ピアノの旋律が美しい。そして弦楽器が入ってきてストリングスで盛り上げていく。歌詞の内容から、抗えない運命と意思を持ってしまったことに対する問いかけのようなものを感じます。

演出が上手いです。ラストのカチャカチャいう音が歯車的な何かを彷彿とさせますね。どこかでギターを飛ばしてくるかとも思ったのですが、そういうわけでもなく最後まで悲哀を感じさせる形で終わっていきます。

マリオネットの宿命ですからね・・・連鎖を断ち切ることは、できなかった。

 

Chronos Phobiaを聴き終わって

ゴシック系メタルを聞いたのは久々だったのですが、いやこれはなんだか懐かしかった。しかし、懐かしさはありますが、曲展開が結構入念に施されている印象を受けて聴き応えがありました。

3曲目のTrapezeはどちらかというと王道ゴシックメタルとは少し傾向は違うかもしれませんが、その道から逸脱したこの曲にどこか新しさを感じて、私は個人的にとても好きです。いいなぁこれ、展開が多彩でめちゃめちゃかっこいい。

inst版も用意されているのは何気に親切なところで、歌詞と世界観にたがわず繊細なところも伺えます。

 

うさちゃんスタジオさんのツイッターはこちら

 

【2017年秋M3】『in the blue – イデアの森』を聴き終えての感想

サウンドクリエイターであり、ボーカルもこなすやまもまやさんのウェブサイト、

in the blueさん

 

同人・商業問わずその作風はとても人気で、ご存知の方も多いのではと思います。

 

その少女、イデアは森に恋をした―

出典:イデアの森 -Forest of IDEA-より

今回ゲットしてきたのは、青色ではなくなんと緑色のCD。タイトルだけでなく、ジャケットデザインとフォント文字からもうすでに世界観を感じる。いいですよ・・・こういう世界観、聞き手側としてはインスピレーションに直結するので、ワクワクが止まりません。

 

in the blue – イデアの森

1.畏怖と慈愛

「イデア」とは理念・観測。つまり、認識することで「それ」は存在するという意味だと私は思っています。つまり、この物語の少女は「それ」を「見」つけてしまった。いつからそこに存在していたのかはあまり重要ではなくて、「見た」時点でそれは「在る」ことになる。

・・・この曲はそんな「イデア」と少女の邂逅から始まり、0:40辺りでメロディが入るところから人の心地が生まれ、森の息吹を感じる演出を思わせます。

後半、世界がぶわっと広がったような、自然の愛に包み込まれるような、そんな臨場感を感じました。

 

2.森に抱かれて

イントロに始まるピアノの微妙な揺らぎがたまりませんね。ここで歌が入り、少女が森を感じ思いを寄せる情景が浮かぶのですが、私が感じたことは「初めて触れた言いようのない温かさに包まれる」というよりは、「かつて元々は一つのものだったんじゃないだろうか」というようなどこか懐かしささえ感じるということ。

ただ、そんなことは一抹で、最初に感じた畏怖とは裏腹に何ともいえない森の心地良さを肌で感じている・・・そんな印象。

 

3.緑の螺旋

森の神秘さを感じつつ、目の前の手に触れるものを味わっているかのような曲。

螺旋という言葉に、森の連綿とした歴史というか実際に時を経てそこに至った経緯と、森に住む生物、特に昆虫や花などといった小さなモノのイメージが沸きました。・・・あ、小動物もいますね。草はもちろんきのこも生えてますね。あー!こんな虫見たことない!!

これは自分の感覚ですが、自分が少女になったような気分にさせてくれる、そんな曲ですね。

 

4.絡まり合う枝

森の中核といいますか、核心を見たかのような静寂のある雰囲気の曲。こちらの方が森の歴史を「感じる」情景が浮かびました。打楽器の名前は浮かびませんが・・・森の鼓動を感じる。

優しげでありながらドラマを感じる後半の展開は、自然界の雄大さとやっぱり包み込むような何かを感じます。その画を輝く石か何かで見させられたような・・・なんだろう、王蟲の心に触れた時のあの木々みたいな。ナウシカ大好きです、はい。

 

5.深淵

緊張感が漂う、見えない渦の中にいるような雰囲気を感じます。ただ、恐怖というよりは「世界はこのようになっている」という目に見えるもの裏側が、まるで機械化した絵に写されたような、そういう茫漠としたものを感じる。

なんだろうな・・・一歩間違えると引きずり込まれそうな緊張感もある気がするんですよね。ただ、膨大な何かの波に流されているようでいて、どこか客観性があるんですよね。すごいな・・・この音の表現。

 

6.イデアと森 -reincarnation-

最初のコーラスに聞き入ってしまった。リンカネーション・・・転生とも、再生とも、輪廻とも言いますね。ここで今までの流れが一つに繋がったような、そんな印象を受けます。何度も繰り返し生まれ変わるような、そんな流れ。

イデアの森が転生を司る森なのか、それとも少女が元々は森と一つだったのか、色んな解釈が頭をよぎりますね!ああそして、終盤のコーラスは卑怯だ(笑

・・・今ここで気付いたのですが、タイトルは「イデア森」なんですけど、この曲は「イデア森」なんですよね。イデアと森が分けられているんですよ。”仮に”これを私流に置き換えるとすると「私森」と、「私森」。そしてリンカネーション。

いやー!!! ゾクゾクしてきた!!!(アホ

 

イデアの森を聴き終えて

いやー!これは!大好物!!(笑

神秘的な作風にここまでのストーリーが盛り込まれている。しかも非常に聴き易く、感情というよりは何かの記憶を優しく引っ張り出されるような、そんな作品でした。

ジャケットの裏側には、

”It is love, not reason, that is stronger than death.” -Tomas Mann-

「死より強いもの、それは理性ではなく、愛である」-トーマス・マン

という、19世紀のドイツの小説家の言葉が書かれています。トーマス氏の愛についての捉え方は、その小説作品に触れることで垣間見れるのかもしれません。

 

イデアの森、凄く良かった。今度は青の世界も体験しよう。

 

 

in the blueさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE』を聴き終えての感想

ヒーリングやニューエイジをメインに、ワールドミュージック・ジャズ・オケ等ジャンルに拘らず作曲をされている清水嶺さんのサークル、

Unknown – Dimentionさん

 

ケルト系民族音楽をまとめたミニアルバム。
個人アルバムに未収録の過去作品、書き下ろしを含む全7曲。

出典:Unknown -Dimention/Discographyより

今作の「A NEW SUNRISE」は、そんな幅広いジャンルを手掛ける嶺さんのケルト系音楽に特化したCD。今回私がM3に参加した際、これだけは手に入れておきたいと思った一枚で、色々と忘れてしまいかねないM3の中で真っ先に買ったCDです(笑

 

Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE

1.A new sunrise

こちらはWEBでも公開されている曲。打楽器とパーカッションの入りから、バグパイプの陽気なメロディが「ああ、これだよこれ」と納得してしまう非常にキャッチーなケルト音楽の曲。

ケルト音楽は、西洋の日常を描く文化が音に引き継がれた、いわゆる日本の民謡と同じ「そこに住む人々の世界を映す」音楽だと私は考えていて、この曲を聴くと、ヨーロッパに住む人々の想いが伝わってくるような、そんな温かい曲だと思いました。高山や田園の風景も目に浮かぶようです。

 

2.Hadrianus

西暦100年頃のローマ皇帝の名前がこのハドリアヌス。国王として国を率いる力強さと威厳さを感じる曲です。イントロの極わずかなピアノがまるで、この世に生れ落ちた王の静寂さを醸しているかのよう。

コーラスの演出がもう王国に誇りを持つ衛士の魂かのようで、そこに君臨する王の強さ、優雅さ、そして時として政治的な辛辣さによる哀しみなど、そういう人間模様の渦巻きを感じました。

 

3.Blackbard

ヨーロッパのクロウタドリをモチーフにされているのかな。春の訪れを告げる鳥ということですが、西洋の街に吹く強い風を受けながら飛び回っているかのような印象を受けます。

クロウタドリに関してあまり知識がないのですが、この曲からは自然の大きさというか、そこに根差す生命の力強さを感じる。笛の音が鳥の鳴き声を模しているところが情景とイメージを掻き立ててきますね。

 

4.White wall

タイトルから最初、西洋の街並みの壁のことかと思ったのですが、私のイメージではヨーロッパにそびえる山々のような雄大な印象があります。空に見える鳥と、無造作に剥き出しにされた崖の岩の壁・・・。

しかし楽器の演奏法をほんとに勉強されているなということがよくわかる。少なくとも私には。

実際山に登ってみるともっと無機質さを感じるものですが、この曲にはドラマがある。人の描くものなのか、自然の峰峰がもつ意思なのか。うはー、しびれる(笑

 

5.Climb the red mountain

こちらは実際に山に登っている人の温かみみたいなものを感じる曲。White wallが自然側であるなら、こちらは自然に対する人側であるかのよう。淡々とした人間臭さをすごい感じる。

左右のアコギが人の心の灯し火みたいに聞こえるんですよねぇ。わかりやすい緩急はなく、ただひたすら黙々と進んでいく、どこか挑戦的な心を感じる楽曲。

 

6.Vidohunir

北欧神話にある、世界樹ユグドラシルの最も高い枝におり、その黄金の身体により世界を照らしているという雄鶏の名前がヴィゾフニル。

この曲では、そういった伝説的な印象はなくて、やっと会えたヴィゾフニルは案外人間臭くて、会いに来た人間に対して「よー来たな。で、何か用か?オレの肉でも取りにきたってか?」みたいなニヤついてしまいそうなストーリーを感じる。

ドラムが力強く、地に足がついているような印象を受けるので、ユグドラシルの頂上でありながらどこか落ち着いた印象があって、こういうストーリーが浮かびました(笑

 

7.Ogma

でたー!!戦いの神、怪力自慢のオグマ!!(笑)またオグマは霊感・言語の神でもあるので、モノを伝えるという協調性にも長けていたと勝手に思いを馳せる、2面性をもつ神。

曲からは、怪力さよりも書斎で文字の発明を行っているかのような知性を感じます。曲から、「ああ、オグマってこういう神さまなんだな」と納得させられるというか、オシャレで結構思慮深いんだなぁと(笑

 

A NEW SUNRISEを聴き終えて

ケルト音楽は東洋から見ると独特の躍動感と文化をもっているのですが、民族音楽と言われるだけあって、そこに住む一族の歴史を感じさせます。全体的に流れるように踊る、そういう曲調なので緩急の付け方も懐かしいようなどこか新鮮なような。

しかし嶺さんのケルト音楽は、かつて昔そこに住んでいたんじゃないかと思わせるような自然な作風で、心にささるというよりは染み込んでくるような感覚があります。

ケルト音楽の笛の音って非常に細かい動きをするのですが、伸ばすところには下手に揺らぎを出さないんですよねぇ。そこが人々の真っ直ぐさを感じさせるのですが、正直そこまで詳しくないので、間違ってたら恥ずかしいな・・・(笑

 

クオリティもあいまって何度聴いても全然飽きない、スバラシイ一品です。

 

Unknown – Dimentionさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド』を聴き終えての感想

ピアノもボイスもフルマラソンもこなす、

あるみかんのうえにあるみかん。さん

 

今回手に入れた「シグリッド」は、朗読と音楽を交互に織り交ぜたどこか幻想的な作品。

朗読とピアノで綴る、ある島の教会と、1人の少女のお話。

出典:シグリッド/あるみかんのうえにあるみかん。より

とある島シリーズとして、

1作目「アリア」(現在無料公開されています)2作目「アレータ」に続く、第3作目となっています。シリーズものとして、1作目や2作目も非常に気になるところですが、お話の内容は個別で聞いても楽しめる形になっているようです。とっても親切。

 

あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド

1.朗読(1)教会

とある教会を舞台にした物語の序章。さらっと聞き流してしまいそうなのですが、ここで結構核になることをいきなり教えてくれています、多分(笑

ナレーションの女性の声とそのしゃべりが世界観にマッチしていていいですね~。

 

2.音楽(1)光差す大聖堂

大聖堂ではあるけれど、荘厳な感じではなく、リリースの長いピアノ音によって建物内に差す一筋の光を演出している。無人の空間にただ光が差しているという表現がとても綺麗。

 

3.朗読(2)黒髪の少女

今度は男性の声で朗読が始まります。それによって一人の女性の存在が確認できますが、ナレーションの男性が作中の登場人物と重なって、まるで自分がその作品の中の第三者的な登場人物としてそこにいるかのような錯覚になりました。

 

4.音楽(2)孤児院にて、ある晴れた日のこと。

このアルバムで2番目に長い曲。みんなのお姉さんである少女の人柄とその生活がピアノの旋律から表現されている気がします。曲の展開から、ナレーション通り、どこか控えめだけど明るく勤めていて、時として少し悲しかったのかな?もしくは疲れたりもはあるけど、最後は良かった!みたいな可愛らしさを感じます。

 

5.朗読(3)遺伝性好奇心

おお、ナレーションの方がまた代わりました。ここではその物語の主人公である女性自身の生い立ちと、そんな彼女の小さな楽しみについての内容を教えてくれます。物語がより具体的になってきました。

 

6.音楽(3)秘密の楽しみ

主人公のシスターの少女時代の秘密の楽しみの情景でしょうか。イントロの秘密の扉を開く時の緊張感と、その後の小さな楽しみを味わっているかのような優しいピアノ。転調することで階層の違いを表現しているのでしょうか、場面の微妙な移り変わりを感じます。

そして終盤テンポが早くなります。気持ちの高ぶりでしょうか、感情が揺さぶられます。

 

7.朗読(4)思いがけない再会

ナレーションの方が毎回代わることで、作中の色んな人が主人公の女性を見て関わっていたかのような演出になっており、まるで色んな関係者に話を聞いているかのような感覚になります。ここでは、一つの問題が出てきて、それによって幼かった頃の秘密の楽しみに今一度触れる機会についてを知ることになります。

 

8.音楽(4)蘇る記憶

子供の頃に触れたものに、大人になってから改めて触れることでの少しの戸惑い。どこか変わらない空間。そんな印象を感じます。尺が短いので、この時点では幼い頃の記憶に触れたのはそんなに長くはない、ということでしょうか。次のナレーションからそんなことを思いました。

 

9.朗読(5)封印は解かれる

問題はここで一旦解決しますが、それよりももっと気になることが出てきました。幼い頃に気付いていたのか、気付かなかったのか。その空間の先に何があるのかを思い巡らせるような。

 

10.音楽(5)流れる空気は冷たくて

3番目に長い曲。大人になってから、子供の頃に触れていたものの先を垣間見る場面ですね。幼かった頃よりもずっと周りの状況に対する理解があるので、思考が色々と頭の中を飛び回るかのような、単なる不安ではない何かを感じさせるピアノです。

まじまじと周りを確認しながら、一歩ずつ足を進めていくような、そんな印象。

 

11.朗読(6)たどり着いた先には

物語の一番核心になる部分を朗読で伝えてくれています。これは正直かなり気になる内容を説明してくれているのですが、この朗読を聞いているとそれよりも更なる疑問点が幾つも出てくる。ここで、作品のタイトルの意味と、冒頭のナレーションの語っていた意味がわかります、多分。でもちょっと自信ない(笑

 

12.音楽(6)Hrj Sigrid

アルバムの中で一番長い曲。その前の朗読内容から、私の中では予想外の曲展開でした。

・・・なんだろう、ここで主人公の女性のテーマらしきメロディが流れてきた気がします。それは多分物語の本質に触れたからなのでしょうが、根元の懐かしさ触れたような、そんなメロディ。

曲は、彼女の心理描写とその動きの微妙な揺らぎを説明するかのように流れていきます。真実に向き合った彼女の心を曲として表しているのであるとするなら、最初にかかる曲「光差す大聖堂」のあの光のような、そんな存在なのでしょう。曲の最後にちょっと泣きそうになった(笑

 

シグリッドを聴き終えて

朗読と曲による情景描写の見事なコンビネーション作品。これは実に聴き応えのある作品でした。いや~、聴くまでこんなに引き込まれるとは誰が予想したであろう。この作品に関してはなぜか、良かった~というより、

 

「面白かった・・・!」

 

と思ってしまった。これが朗読の力か・・・!

この「シグリッド」は、とある島のお話第三作目とのことで、一作目・二作目も同じ島での話なのでしょうか。だとしたら、このシグリッドと何かしらの関係性もあるのだろうか・・・気になる。

ウホッ!オラ、ワクワクしてきた!

 

「あるみかんのうえにあるみかん。」さんのサイトはこちら

 

 

【Waves】全207製品が最大91%OFF!11月2日~30日までのキャンペーン開催中

こんにちは、MAKOOTOです。

Wavesが今月もセールを行っていて、全207製品が最大91%OFFというキャンペーンです。

輸入代理店であるMedia Integrationでのウェブサイトページはこちら↓↓↓

最大91%オフ!Waves November Specials

 

  • 期間:2017年11月2日(木) 11月30日(木)まで*
  • 販売形式:パッケージまたはダウンロード販売
  • 販売商品:バンドル製品は全国のWaves認定ディーラーで、単体プラグインとダウンロード版はオンラインストアにてお求めいただけます。
  • 本キャンペーンは、予告なく終了または内容が変更になることがありますので、ご了承ください。

出典:Media Integtration,Inc – Waves November Specials より

とのこと。

Waves認定ディーラー一覧はこちら

 

Wavesは音楽業界では有名なプラグインメーカーなので、この業界をあまり知らない人から見ると、正規の値段からのこのセールはWaves破格!!やばい!!!と思うかもしれません。

 

実際に以前は40万円近くしたDiamondバンドルが今回では91%OFF。なので、33,800円ですか。昔の自分なら買っていたかもしれない。ただ、ここ数年の傾向はわかりませんが、今年の8月辺りから、Wavesは毎月このような破格キャンペーンを行っています

今他の通販サイトに検索をかけたところ、楽天やAmazonでも税抜きで3万円を切っていたので、購入するのであればそちらで買ってもいいかもしれません。サウンドハウスさんは税込みで28,800円だったので、それより更に安かった。

 

以下では、私が個人的にWaves製品をピックアップしてあーだこーだ述べてみます。ちょっと情報古いかとは思いますが、ご容赦下さい(笑

 

Diamond

収録プラグインは50種類以上。最近ではDAW付属のプラグインでも十分問題ないかとは思いますが、Wavesのシェアは世界でもトップクラスであるので、まだ持ってないけどプロ(特に海外)と同じものを使って体感してみたい!という方には一番お手頃のモノかと思います。

一昔前なら、個人レベルではGoldくらいで十分事足りた印象があるのですが、それ以上のクラスはまだ値段が10~20万くらいで値段的に手が出せなかったというのが理由としてあるかと思います。

ただ、当時のハイエンドクラスのDiamondが今や4万円を下回るとは・・・ここまで値段が下がっていると、これを持っているだけでもう、一通りのことは出来てしまう。一通りの括りも難しいんですけど、これより先は自分の特化した音楽スタイルの方向性くらいしかないんじゃないですかね。

 

Wavesのこういったひとまとめセットについては、ZALさんの記事がわかりやすいかなと思いますのでご紹介。

プラグインといえばWaves!Wavesバンドルの選び方と買い時

 

MaxxBass

Wavesの有名な低音補強プラグイン。ミキシングにおいて、低音の処理が難しいという声をよく聞きますし、同時にこれを使うよいいよ!という声もよく聞きます。低域は周波数の分布が密ではないので、例えばEQなどでQを尖がらせて削ったとしても音の変化が高域に比べてずっと如実で、処理がなかなか難しい。

 

「下手に削ると音が欲しくなってしまうけど、迫力は消したくない!」

 

そんな低域の問題を解決してくれるというのが、このプラグインの売りですね。

Diamondなどのシリーズの一番下位のSilverにも入っています。これ単体を買うくらいなら、Silverとかを買ったほうがいいのかもしれない。色々入ってるし。

 

MaxxBassをもうちょっと詳しくしりたい方はこちらをご参考に。

WAVES Maxx Bass 無い音を加えるという考え方

Waves / Gold~その2 真ん中らへんのMaxxBassの記事

 

L3 Multimaximizer

WavesのリミッターにはL1、L2、L3と三種類ありますが、このL3、個人的にはリミッターとしての機能はもちろんなのですが、音作りにも活用できるということで一時ちょっとだけ話題になったのを覚えています。

リミッターとしては個人的に、

  • L1は古臭い音になり
  • L2が一番堅実に仕事をしている感じ
  • L3は遊び要素が含まれている

という印象。そしてこのL3は若干歪みに散らしが入っているといいますが、昔スネアにこれをがっつり掛けたら良い感じにバリンバリンの音になって面白かったのを覚えています。

L3が出たのももう結構前になり、今ではもっと使い勝手の良さそうなリミッターが色々出ているかとは思いますが、このL3の遊び要素は個人的に好きだったのでピックアップしてみました。

 

Wavesのリミッターシリーズについての記事ご紹介。

Waves L1、L2、L3 マキシマイザーで音圧アップ比較検証してみた

 

 Linear Phase Multiband Compressor

昔、「Waves Production Mixing Mastering with Waves」という日本語版のWavesの本を買って勉強していたのですが、この教本にこのプラグインが全部マスタートラックに設定ほぼ同じに差さっていたのを思い出しました。

↑これです↑

教本には、このプラグインだけでなく他のプラグインも併用されていたのですが、この「Linear Phase Multiband Compressor」は単体でも十分使えて、曲全体を柔らかく包み込むかのようにピークなどを抑えて調整してくれる。そういう印象がありました。

教本の設定では、1~2kをゲイン低めに抑えて、低域と高域を柔らかに持ち上げていたような・・・。その時の曲調にもよるとは思いますが。

 

Renaissance Compressor

自然な掛かり方をするコンプレッサーとしてWaves定番の人気・安定プラグイン。コーラスやクワイアに掛けると効果的という印象がありますが、割と何にでも使える感じです。これもDiamondはおろか、Silverにも入ってます。

定番のコンプとしてもう親しみの長いプラグインではありますが、逆に言えば「このプラグインの掛かりの音は当り前」という認識になっているとも言える。

こういう定番は、耳に馴染みのある安定したコンプの掛かり方が欲しければ必須だし、常にどこかに新しい音を求める気持ちに応えるならばむしろ使わないほうが良いということでもあるわけですね。

 

ご参考までに、R-Compの記事の一つをご紹介。

Renaissance Compressor – Wavesの超定番コンプレッサー

 

おわりに

上記私がピックアップしたプラグインはWaves定番の、ある意味古いプラグインがほとんどです。

今では他者の優秀なプラグインが沢山ありますが、HシリーズやVシリーズ(少し古いか)、C6 Multiband Compressorや、SSL4000など、やはりまだまだ業界に安定したプラグインの多いWaves製品というのが私の印象です。

 

Waves製品を買うときは、昔は無かったのですが今はWUPというサブスクリプション方式に近い継続課金制が導入されています。

購入して一年以内はいいのですが、それ以降で最新版にバージョンアップする場合には有償になるよということ。これは別に更新しなくても、そのバージョンのままであれば使い続けることができますが、OSなどのアップデートに伴ったサポートが無いということでもあるので、ある日いきなり使えなくなるという可能性もある。

なので、売り出しが安いからバカスカ買ってしまうと、WUP更新時に意外と出費が嵩んでしまうかもしれません。

 

WUPについてはこちら

 

 

・・・んー、今Wavesのプラグイン持ってないから、Diamondだけでも買っていいかなとも思うのですが、案外手持ちのプラグインでやりたいことがまだ結構あるので、あまり沢山持ちすぎてもねぇ・・・おっつかないし。

という、宣伝なのか何なのかよくわからない締めで終わりにしたいと思います(笑

 

それでは!

 

【2017年秋M3】『山染世界 – 不知火ノ章』を聴き終えての感想

架空のゲームBGMを演奏する独創ファンタジックバンド、

世界さん

 

その昔「魔笛士」が世を統治していた時代。
魔力を込めて吹いた笛の不思議なメロディは、魔物たちをたちまち一掃したという。
「魔笛士」の存在は平和をもたらし、人々に笑顔を取り戻したー。

出典:山染世界 ストーリーより

という、山染世界独自の世界観があり、そのストーリーをまるでリアルタイムにゲームを進めていくかのように音楽で表現している

今回はその2ndアルバム「不知火ノ章」の感想。

2017年10月現在、4thアルバムまで出ていますが今回2ndをゲットしてきました。バンド発起人の景多くんはもう10年くらいの付き合いになりますが、当時から多彩で凄かった。

 

山染世界 – 不知火ノ章

1.プロローグ

風の音と鳥の鳴き声でいきなり世界観をイメージ出来てしまった。すごい。

渋いどこかおじいさんのような語りから、山染世界のストーリーにある魔笛士の物語の始まりであることを告げられます。いいなぁこの入り。

 

2.タイトルテーマ

ジャジーさを感じるドラムとオシャレなピアノから、尺八の音とアルトサックスだと思うんですけどその音色に繋がって、その両方のリードが辿るメロディがとても印象的。タイトルテーマとして、シンプルにしかし確実に気持ちに食い込む曲。

ピアノのコードワークがどこか懐かしさというか、なんだろう。私の記憶を突いてくる。

 

3.もみじライン

あーいいですね!この曲凄い好き。打楽器の正体がちとわかりませんが、なにかを・・・なにかを思い出させるような、日常の温かな雰囲気を彷彿とさせる曲です。なんですかね、この温かいおばあちゃんと手を繋いで歩く穏やかな道、みたいな感覚。

あ、でも途中からテンポアップするので、おばあちゃんがフィーバーした・・・わけじゃなくて、お祭りでもやってたかのようなストーリーですかね。生演奏(だと思う)ならではの楽器の豊かさが抜群に思えます。

 

4.祭り嵐

もみじラインのメロディから、敵と対峙した時のコマンド操作をしているイメージが浮かびました。尺八の攻撃力がハンパない。

曲の繋ぎと物語の設計が非常にしっかりしていて、中盤サビに入る前のなんともいえない豊かさなんかたまらない。しかし上手いなぁ・・・演奏者の人柄の豊かさが反映されているように思います。

戦闘っぽいんですけど、あんまりそういう険しい雰囲気はなくて、祭りの時の高揚感を大事にしている感じですね。あ、最後戦闘に勝利したっぽい(笑

 

5.朱雀の洞窟

イントロから始まるピアノのコードフレーズから、日常さとは明らかに違うフィールドに足を踏み入れた感じ。中盤のサックスのメロディフレーズと、後半のピアノ・ドラムの入れ替わりが場面の切り替わりを感じて探索してる感じ出ますね。

リバーヴの効きとドラムのスネアを叩く音と金物が、火山の溶岩のうねりを感じさせる。それとサックスね、サックスやばいなぁ。

この曲も何かを思い出しそうな、そんなツボをちょいちょい付いてくるのですが、何なんだろう・・・。

 

6.畏怖堂々

なんだ・・・?なんか出てきましたね。対象はかなり近い。明らかに意思を持つ何かと出くわしたか、またその場面か・・・?と思ったらキャラクターの会話が始まりました(笑

あ、スザクきたーーーーー!!(非常に良い声

この曲はスザクの語りがメインになっていてそれに気を取られがちになるのですが、バックのBGMは抜かりが無くしっかりそのスザクの心情を徐々に高めていくような、そんな感じがしました。

スザクはすばやさがSなので、クサナギを持つヤマトは果たして勝てるのかどうか。いい展開だ。

 

7.四天王との戦い~朱雀~

すばやさがSな癖に中立的な立場なのか、初めは思ったよりゆっくりしていたスザク。ボス戦を彷彿とさせます。そしてBメロから徐々に本領発揮したようで、攻撃仕掛けてきました。小刻みなスネアとサックスと尺八の盛り上げていく掛け合いがスバラシイ。

そしてサビ。これがすごいかっこいい。踊るような曲調でサビを走り抜け、そこから一呼吸置いて、またサビが始まる。サビがスザクのターンだとすると、なかなか強敵で、これはもちろん油断がならない。後半はヤマトの思考フェイズなのか、スザクの攻略法を探っているような・・・そういう一連のドラマを見事に曲に乗せてきている・・・!

スザク戦、熱いなぁ。

 

8.白熱舞闘

この曲を聴いている頃には、山染世界のこと自体が気になってサイトで見てみたのですが、この曲でムサシが出てきて、ヤマトと共闘すると、そういうことだった!!(笑

ヤマトとムサシは二人共笛を持っているのですが、曲中ではサックスと尺八の掛け合いが共闘さを感じさせますね。思わぬ味方が助太刀に来てくれて一緒に戦ってくれるというのは非常に嬉しいもので、そういう雰囲気を強く感じます。

ラストのサビの前なんか、共闘してくれるムサシの新たな一面を感じさせるようなフレーズに聞こえてならない(笑

 

不知火ノ章を聴き終えて

尺八・サックス・ドラム・ピアノの4つの楽器をほぼ主軸に全編通しているんですけど、全然飽きを感じさせないどころか、そのシンプルさが逆に世界観を引き締めている感がある。作品としてもしっかり一つの物語として完結していて、これ普通に続きが気になりますね(笑

 

M3当日では前情報なくこのCDをゲットしてきたので、てっきりこの「不知火ノ章」が今回の新譜だと思っていたのですが、これは2ndアルバムで今は4thの「神無月ノ章」が出ていたという・・・なんということでしょう。今度全部買って来よう

あと3作あるのか~、普通に次回作が気になってしまうじゃないかチクショウ。

・・・これ、ゲームにならないかな(笑

 

「山染世界」さんのサイトはこちら

 

 

【2017年秋M3】『13endCard – マナの楽園』を聴き終えての感想

女性ボーカル民族音楽をテーマに創作活動をされている

13endCardさん

 

サイトを見る限り、もはやゲームを製作しているところにしか見えないんですけど、

音楽の創作サークルです。(笑

絵・動画・作品の作りこみ等、もはや同人の域ではないように感じますが、最近その垣根もなくなってきている傾向にもあるので、とりあえず高水準のサークルであることは間違いないでしょう。

 

13endCard – マナの楽園

1.始まりの楽園

まさにファンタジー世界のオープニングを感じさせる民族調の曲。かっこいい。

中世ヨーロッパを感じさせる世界と、新しい機械的な要素が混在した世界観というか、そんなストーリーがすぐにイメージできました。ボーカル、コーラスに様々な民族楽器が鳴っていて、歌姫のいる物語というイメージがアルトネリコを彷彿とさせます(笑

しかしこんなに音色が沢山あるのにそれぞれの音が非常にクリアに聞こえるのが凄い。そしてこの曲を聴く限り、「楽園」には何かある。そんな単なる幸せウフフアハハなもんじゃないことがわかる。

 

2.Aisiling

イントロのハープからのリコーダー風楽器・明るめのアコギへと繋ぐフレーズが印象的で美味しい。オープニングが終わって物語の序章という感じですね。歌詞の内容から、失われた過去がこの世界にはあるんだけど、この少女は「そんなん気にせんわい!」みたいな力強い明るさを感じる。感じるんだけど、歌詞を聴く限り結構シビアなんですよね・・・それに負けない強さが必要ということか。

Aメロが女性にとっては比較的低い声域であるのでしょうが、そこを見事に歌い切っているところもスバラシイ。後半の語りの声も良い声してます。ほんとにこれゲームじゃないの・・・?(笑

 

3.コロナの唄

こちらも明るい曲なんだけど、ボーカルの声がしっとりしていて、Aisiling同様明るいんだけど、こっちはどこかしっとり可愛い感じ。小さな湖畔に雑木林、絵に描いたような木造の小屋の近くで遊んでいるような、そんなあったかなイメージが浮かびます。

バグパイプが入ってくると私は街並みのイメージが出てきやすいので、音色の力というものは凄いですね。笛系のハモリと、ちょくちょく右から聞こえるボヨンボヨンいう音が好きです。

この曲、可愛いんだけどどこか悲しいところ帯びてる気がして、なんか泣けてくる(笑

 

4.Fėile

冒頭に来そうなナレーションがこの4曲目に来ることから、ここが物語の正念場であることを垣間見る気がしました。

「マナ」とは神秘的な力の源という意味があるとのこと。踊るような曲調ではあるけど、わかりやすい戦闘曲という感じではなく、あくまでドラマが次々と進行していく感じ。展開は非常に力強くめまぐるしく移っていく、そんな忙しなさも感じさせます。中盤のキャラの掛け合い会話がどこかトボけていてスパイス的でGOOD。

通常のRPG系ゲームであれば各シーン別にBGMが用意されるのですが、このCDではそういった場面を歌詞と曲調に乗せつつストーリーが進んでいる形をとっているので、最初は「これほんとにゲームじゃないの?」と思っていましたが、このCDの1~5を聴くだけで一つの物語を十分楽しめる。そういうコンセプトが非常に面白い。

 

5.迷想の楽園

ヒュムノスのようなこの世界独自の解読不能な言葉と、現状で使われている言葉を織り交ぜているところが私の「シュレリアさまぁぁぁああきゅっきゅ!!」という思い出を呼び起こしてくれました(馬鹿

サビで「さよなら」といきなり入るところ、少し鳥肌立ちました。その後の歌詞に世界観に対する問いかけをしているところから、人としての内側に展開するドラマもまた感じます。「嘘の世界で笑っている」とかね・・・パッケージから想像するよりずっと深い。多分、この作品の情報量は思ったよりずっと大きいので、何度か聴くことでより世界観を掘り下げられるのでしょう。

そしてこの曲が終わることでひとまずの物語は終わりを迎える形、なんだろうか。曲の終わりというよりは世界の終わりをどこかに感じて、寂しさを感じてしまうような。そんな風に思えますね。

 

マナの楽園を聴き終えて

聞き終わって思ったことは、

  • 曲全体が非常に力強い
  • この世界観の強い想いを感じる
  • ゲームにならなくても十分物語を楽しめる
  • 民族楽器最高
  • アルトネリコ好きならオススメというかオススメ

という、作品に対する完成度の高さを伺えました。ここまで音楽媒体に詰めて表現できるとは・・・いやー、恐れ入る。曲も全部めちゃめちゃかっこいいし、歌も歌詞も良い。何度か繰り返し聞かないと見えてこないくらいの容量を感じる。

ちなみにこの「マナの楽園」、ボイスドラマCDも付いていて、こちらもかなり良いです。私はボイスドラマに関してあまり馴染みがなかったのですが、これ聴いてたら昔見てたアニメの番外編をラジオドラマでやっててそれを聴いていた頃を思い出した。クオリティ高ッ。

しかしまぁ、音だけでこれだけ世界観を構築できるって、すごいね・・・。

 

「13endCard」さんのサイトはこちら

 

2017年秋M3にEBI君の売り子手伝いとして参加してきたので簡単に報告。

こんにちは、MAKOOTOです。

いやー、参加してきましたM3。今回はDTM最初の旧友であり師匠でもあるEBI君のブース、N-23b「EBI Zanmai」の売り子のお手伝いとして行ってきました。

私、同人活動では違う名前で活動していまして、なんかこう、そっちの名前の方がわかりやすかったのでそっちの名前でご挨拶してました。(笑

が、活動記録はMAKOOTOとして書きます。こちらでは敢えてその名は出しませんが、そのうち統合しちゃってもいいかもなぁ。

 

というわけで戦利品。当日はEBI君の知り合いとして朝から参加させて頂いたのですが、

EBI君の知り合い繋がりが異常に多くてですね。(笑

  • 絶対挨拶しきれない
  • お会いした方々のお名前を忘れてしまいかねない
  • 財布の中身をあまり用意してこなかった

という状態から、CDを最低限に抑えて購入&頂いてきました。多分これ全然少ないほうだと思う。

 

N-23a「Unknown – Dimension」・N-23b「EBI Zanmai」

あまり前情報を仕込まずにお手伝いとして参加したのですが、清水嶺さんEBI君の合体ブースとなっておりました。23aのUnknown – Dimensionブースには嶺さんとあだPさん、23bのEBI ZanmaiにはEBI君と私。

 

両隣のブースも皆お知り合いだったので、始終アットホームでワイワイ楽しい空間となっていまして、M3ってこんなに居心地良かったっけ・・・?というくらい楽しいひとときでした。

あだPさん

特に嶺さんとあだPさんはかなりイケメンだったというか、お隣のKyoさんやご一緒にブースにいらっしゃった方々(今度改めてご挨拶させて頂きます)含め、イケメンと美女が多かった。いやほんとに。

 

O-10a「Sayaqu」

バトルコンピのさやかさん、「決勝戦 of Something」という、この記事を書いたあとに新たに気になったタイトルの作者まっしゅまろんさんともお会いさせて頂きました。コンピCDを作る上で大変なこともありますが、参加させて頂いてほんと感謝しております。

あの時頭回ってなかったけど、まっしゅまろんさんの新譜買っておけばよかったなぁ・・・帰ってきて「決勝戦 of Something」聴いたらめちゃめちゃかっこよかった。

 

H-16a「Ciel Cielo」

EBI君たちの打ち上げは、Winnaさんをメインとして?毎回恒例の「カオス呑み」という何十人と集まる打ち上げが行われるらしいのですが、私はブースH-16a(覚え方:えっちな16歳あ゛---!!)の「Ciel Cielo」と面識があるので、打ち上げはそちらに行きました。

カオス呑みは次回参加してみたい。

 

Ciel Cieloの小打ち上げ。若干迷子になりながら、なんとか目的のカフェで落ち着けました。

 

こちらはCiel Cieloの作曲パープルPさん

一緒にうつっているソーセージが好きなのかどうかはちょっとわかりません。

 

 

おわりに

いやほんと、非常に楽しいひとときでございました。私名刺持ってなかったのですが、ご挨拶に名刺も沢山頂きましたし、沢山の方にご挨拶させて頂きました。

私が覚えている限りではありますが、

 

当日はどうもありがとうございました。

他にも会いに行きたかった方も沢山いらっしゃったのですが、やはり回り切れなかった!

 

最後に、

 

改めて、ありがとうございました。

非常に、良い刺激と、良い空間を、良い縁を、ありがとう・・・!!

 

 

簡単なM3参加レポートでした。

それでは!

 

2017年秋M3のバトルコンピ「Battle Collection 3」に参加しました

こんにちは、MAKOOTOです。

2017年10月29日に東京流通センターで開催される、音系・メディアミックス同人即売会M3に参加してみました。

 

参加作品はバトルものをモチーフにしたコンピレーション企画、

「Battle Collection 3」

という、大層カッコイイものに参加させて頂きました。

 

M3って何?

簡単に分かりやすく言うと、コミケあるじゃないですか。あれの音楽だけの同人即売会

ニコニコ動画が流行った頃、初音ミクの曲が流行ったじゃないですか、流行ったんですよ。あれ。有名・無名を問わずああいうボカロ曲なんかを作ってる人達が、自分達でCDを作って売るイベントです。

私が知っている15年くらい?前はあんまり人もいなくて凄く閑散としてて、のんびり~なごやか~な感じだったんですけど、ニコニコ動画、Youtubeなどのネット社会が普及してきて、今では結構人が沢山くるイベントになってます。

主な作品は、

  • 初音ミクなどのボカロ・歌ってみた作品
  • オリジナル作品
  • ボイスドラマ作品
  • 同人シューティングゲームである東方作品(神起じゃないよ)
  • ゲームアレンジ作品

・・・などなど。

今はオリジナルとボカロがメインなのかな。その少し前は東方。その前がゲームアレンジが流行ってたという印象。そしてブースを取ってサークル参加する側(作品を作る人)の中にはプロ・アマ問わず色んな人が参加してます。

 

東京流通センターの場所は

東京モノレールの「流通センター駅」の目の前。

品川の南の大田区にあります。

 

M3の開催頻度は

年に基本2回。春と秋に東京で開催されています。

大阪で開催されたこともありますが、基本東京みたいですね。

 

Battle Collection 3

今回私、sayaquさんという方主催の「Battle Collection 3」という、バトル曲をイメージしたコンピ企画に参加させていただきました。なんと50曲入りだそうです。ケタ違い。

頒布ブースは、第一展示場O-10a、頒布価格1500円

 

私の参加曲のタイトルは、

「ホカホカ村の大剣士じゃがいも」

という、

全く空気を読もうとしないタイトルになっております。

リストを見るとわかるのですが、参加される皆さんほぼ横文字。英語です。かっこいいのです。そんな中、突如表記される「ホカホカ村の大剣士じゃがいも」とか・・・

マジでなんなのコイツ感ハンパない。

友人のEBI君なんか「The Man-made Dryas」とかなんなの。超かっこいいんですけど。

 

もっとこういうヘンテコ系タイトルあるもんだろうと踏んでいたのですが、大分孤立している感じでございます。唯一、遊句さんという方の「甘栗こぶし」というタイトルが私は気になって気になってしょうがないのですが、ううむ・・・私の感性はどこかおかしいのだろうか。

いや、全く問題ない。今後もこれで生きていこう。

 

タイトルは絶海の孤島状態ですが曲は割と真面目に作ってます。

曲は(というかタイトルも)真面目に作りましたが、やっぱりホカホカ村の若き英雄じゃがいも!!って感じの曲なんですよねぇ。

ほら、コミカルな主人公っているじゃないですか。そういう見た目コミカルで、こんな可愛いのが世を救う旅に出るの!?っていうゲームあるじゃないですか。でも中身はめっちゃシリアスで作りこみがえっらい深いやつ。

 

有名ではないけどクオリティはしっかりしているので、知ってる人は知っているみたいなギャップ差のあるゲーム。そういうのをイメージして作った曲なんですよね。だから曲は、

「お、なんだ。バトルBGMは普通にかっこいい感じなんだな」

という印象や、また同時に何度も聴いて段々と

「味があるかもなぁ、悪くないじゃんか。」

という風に思ってもらえるようにも想定していて、尺も3分半とバトルものにしては長め。

 

はい、この通り本人は至って大真面目にこのタイトルを付けております。ただ、私の楽曲は、単体で聴くと至ってフツーな感じかと思います。他の参加者の方々の方が絶対聞き応えありそうです。

よろしくお願い致します。

 

おわりに

M3自体は割と純粋に音楽を作ること・聴くことが好きな人が沢山集まるので、昔に比べて規模は大きいですが、まぁのんびりした雰囲気は相変わらずな気がします。

 

プチ宣伝でした。

そいではー

 

【Lv2】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

MAKOOTOです。

前回の記事では、イメージ抽出まで終わりました。【Lv1】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

今回はその続きで、私の実際に曲を作っていった大まかな流れをご紹介してみます。曲作りは人それぞれ色んなやり方があると思いますので、参考に出来ることがあればどんどんして下さい。特にないなって方は、その人は私をすでに超えている・・・!!

ベジータのセリフである、

「お前がナンバーワンだ、カカロット!!」

これです(笑

 

それでは早速書いていきます。

 

まず曲のイメージと尺の長さの仕様をチェック

今回はこの格闘タイプの赤ボスをイメージした曲となります。

次ボス

そして、前回抽出したイメージは、

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス・ギターなど
  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど
  • 荘厳さはいらない
  • 壮大さは少しはあるほうがいい
  • 少しのコミカルさ
  • ドラムをがっつり

 

コンブというゲームの基本的なBGMの尺は、大体1:30~2:00くらいを平均として作っています。特別な意味合いを持たせたステージや戦闘はもちっと長めに作りますが、このゲームの仕様上、基本はそんなに尺を長めに取らなくてよいという指示を製作者であるtonowiさんから貰っています。

 

例えば、

イントロ → Aメロ →(Bメロ)→ サビ → 間奏 → イントロへループ

というワンフレーズくらい作ると大体1分30秒くらいになります。

今回作る曲は、イントロのギターリフを作った時に「この流れを維持して変にあれこれしない感じでいくとよさそう」という道が見えてきたので、

イントロ → Aメロ → イントロ´ → サビ → イントロへループ

という構成になりました。BPM140のこの構成で、大体1:30くらい。

 

ラフ作成

出来上がったラフを先に載せておきます。

サンプル曲

ブログ用に曲一部だけ切り取って~とかも考えたのですが、尺短いし、めんどいからフルで載せてしまいます(笑

 

ちなみに製作者のtonowiさんからは例えば、「正規版に使われる曲は、正式にゲームが公開されるまでは控えてほしい」と言われています。

なので、こうしてコンブ正規版に実装されるかもしれない曲の公開は基本NGなわけですが、今回は宣伝も込みで製作過程を記事にするという形で公開しています。まぁ、この曲が実際採用されるかどうかはまだ決まってないんですけどね!

ラフで使用した音源は以下の通り。

  • ドラム - Superior Drummer 2.0Toontrack
  • ベース - TrilianSpectrasonics
  • シンセ - Retrologue 2トラック(Cubase内蔵)
  • シンセ2 - Xpand!2 5トラック(Air Music Technology
  • シンセ3 - FM8Native Instruments
  • ギター - HALion Sonic SE(Cubase内蔵)
  • ブラス - Hollywood Brass Diamond EditionEASTWEST

ギターは生演奏にする予定なのですが、ひとまず音として置いて雰囲気を感じたかったので、ラフ段階では打ち込み音です。

 

ラフ完成まで大体4時間

このラフを作るのに今回かかった時間は大体4時間くらいでした。速い時は1~2時間くらいでラフが出来て、3~4時間くらいで一曲完成!ということもあるのですが、今回コンブの他の曲と似すぎたりBPM被りすぎたりしないかとか、なんかイントロ思い浮かばないなぁと若干難産だったので、最初の一時間はその試行錯誤で潰れてしまった。

一時間考えて何も形に出来ない時は、しょうがない何か違う曲を聞こうとか、風呂行って鼻歌しようとか、色々します(笑

 

抽出したイメージの表現

  • ノリの良さ

ギターのリフを単純明快なものにしてみる。

  • 小刻みなブラス・ギターなど

発進していく曲の雰囲気から、ブラスで「ババッバ ッババッ」と統一。

  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど

普段は裏方として使うオルガンをメインリードにして、あとは飛び交うシンセで機械が動く戦場をイメージ。

  • 荘厳さはいらない

曲の雰囲気から入れる余地がなかったので問題なし、クリア。

  • 壮大さは少しはあるほうがいい

サビでストリングスのスピカート若干入れたり、なんかかんや詰め込んで解決。(何

  • 少しのコミカルさ

イントロなどで、右と左で交互に掛け合いをするシンセで表現。(何

  • ドラムをがっつり

ギターもりもりで音数も多めなので、ドラムは音を硬めにしてノリを感じられたらOK。

 

・・・という、非常に大雑把ですが、一応全項目意識して取り入れてみました。ちょっと強引なところもあるのですが(笑)、こういう細かい自分なりの設定にはあまり時間を掛けたくはないので、ここはパッパッパッと思い付いた内容を形にしていきます。

 

ラフ作成後に、一晩寝かせて翌日改めて聞く

私の場合、部屋であまり音を出せない環境なので、作業は基本ヘッドホンで行っています。ですので、長時間曲を作り続けていると、耳の客観性が段々と失われて、音のバランスや良し悪しの判断が鈍ってきます

この状態から一度リセットを掛けるために私がやっていることは、

一旦曲の製作作業から離れて、
しばらく経ってフラットになった状態で改めて聴き返す

こうすることで、前回気付けなかった改善・修正点が見えてくるので、私はよくそうしています。その日のうちに完成~!という場合でも、絶対次の日か後日に聞き直しはします。即「完成!公開!納品!」とかはまずないです。

このラフサンプル曲も、そういう意味で「全体像を把握できる程度」という形にしています。ここで下手に作りこむということをしないのは、後日聞き返した時の新たな気付きを取り入れ易くするためでもあります。

 

ミキシング作業

次の日、リセットの掛かった状態でラフを聞いてみます。そうすると、

「んー、思ったより昨日感じた印象と変わらないし、このままの路線でいいかな。」

という風に今回は思えたため、そのままギター録りとミキシング作業に入りました。

がっつり時間を掛ける必要のある曲の時はもっとDAW内を整理するのですが、今回のようにサクッと曲を仕上げる場合、整理も割と最低限。自分が分かればいいくらいにしてます。

そして、ドラム・ベース・レトロローグはそのままで、他の音源は一旦全てインプレイスレンダリングでオーディオ化します。

MIDIトラックをオーディオと同じように扱うこともできますが、たまに音色データが謎のリセットを食らって何の設定を施したか戻って来れなかったことがあるので、HDDの容量は食いますが私はなるべく各トラックをオーディオ化します。Xpand!2のシンセも一本ずつエフェクトかけたいですしね。

 

ミキシングで大雑把にしたこと

箇条書きします。

  • 打ち込みギターを生ギターに差し替え
  • イントロ・Aメロ等、各セクションの抑揚付けとコード確認
  • FXチャンネルでリバーブ・ディレイのエフェクト掛け
  • コンプ・EQで各トラックの調整
  • ドラムの細かい修正
  • 曲ラストの、サビからイントロループまでの入りを調整

 

そして大体ミキシング作業が終わったら一旦書き出してプレイヤーに移し、既に出来上がっているCombatHeaven用に作った他の曲と聞き比べて、音量調整などの簡易マスタリング作業をします。

もう10年以上使っている「WINAMP」で確認。

ここで大概、新たに気になる点に気付いたりするのでちょいちょい修正を繰り返します。そして最後に、まず一回目で何も意識せずに聞き、二回目で粗探し的に聞いて、どちらのパターンでも大丈夫そうだなと思えたら、ループで曲のラストに「プツッ」というノイズが乗らないよう処理をして、最終書き出しします。

今回のラフ完成からミキシング完了までの所要時間は、大体6時間程度

 

完成、トータル10時間程度。

出来上がった完成曲はこちらでございます。(ジャンジャジャーン

完成曲

 

大きく変わった点といえば、

「遠くに見える敵が急激に近づいてきた!!」

という、敵ボスが前に出たり後ろに退いたりという演出を表現するため、

イントロ → Aメロ → イントロ´ → サビ → イントロへループ

の、緑色の部分のイントロでは、センターにあるギターにフランジャーを掛けて音量を小さめにし、逆に紫色のAメロ・サビでは左右にギターの壁を大きく作ったのが1点。

 

それと、イントロループに入る前のラスト一小節を削って完結感を無くし、

「これで終わりと思うなよ・・・!!」

という、まだ次がいるんだぞ的な表現にした方がかっこいいなという2点ですね。

 

それ以外は、概ねラフの通りだと思います。

 

まとめ

私はどちらかというと音数を多めにするので、総合的にうるさい印象はあるかもしれません。

次ボス

が、このボスの見た目の厚みもあって、これはこれで良い!ということにしました。

ダメなら音数の少ない曲を別で作ればいい。

 

・・・実はこの曲、ラフの時点で自分の中のイメージとはちょっと違う形になったなぁとは思っていて、完成はさせるけどこれとは別でもう一曲書く予定だったんですよ。

でも、聴いているうちに段々好きになってきちゃった(笑

最終的にこの曲はこれで結構良いやんかと思っています。ですが、一応この絵を元にもう一曲書いてみようと思うので、それが出来たらまた記事にしたいと思います。

 

それでは!

 

【Lv1】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

こんにちは、MAKOOTOです。

先日CombatHeaven(コンブ)作者のtonowiさんからこんな画像が送られてきました。

次ボス

体験版にはいない、正規版実装予定の新しいボスだそうです。まだ線画のみですが、格闘タイプということでこれは多分ボツにならずに実装される感じだと思う。

なので、この画像からこいつに合いそうなイメージを探して曲を作ってみます。

 

私がコンブの曲を作る場合、こうしてどんどん送られてくる設定や画像から勝手にイメージを起こして曲に仕上げていくことにしています。

実際にそれがそのまま採用されるワケではないのですが、要望のある曲とは別で曲を提供することで相手のイメージの刺激に少しでもなりやすいことと、自身の曲を作る訓練にもなると思っています。

それに、私の曲でコロコロイメージが変わるほどtonowiさんの中にあるイメージは弱くないので、むしろ作れるならガンガン作って、ガンガン送る(笑

 

イメージに近いBGMを既存の曲で探してみる

コンブの世界観とこの赤い格闘タイプのボスを見て、今回パッと思いつく音楽のフレーズが出てこなかったので、世に出ている既存の曲から近いイメージを探していきます。

最初に聞いていて、近いかなーと思ったのが、サガフロの「真の首領戦」。ただこのBGMはストーリー終盤ということでドラマティックなBGMでもあるので、今回の赤ボスには重いかなぁ。ちと腰を据えすぎている感もある。

意外と合うかなと思ったのが、FF4の通常ボスバトル曲。ノリの良さが赤い格闘タイプの攻撃ラッシュをイメージ出来たので、このノリはありだなぁ。しかしメテオ強いな(笑

FF8の「The Extreme」。The Black Magesのアレンジですね。原曲よりこのアレンジの方がシンセやエレキギターを使っているので、機械のボスにはイメージが合う。小刻みなブラス機械音としてのシンセ音が、赤ボスのイメージに合いそう。

 

少し、この赤ボスのイメージが絞られてきました。

次ボス

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス
  • 機械音としてのシンセ音

 

ギターはやっぱあったほうがいいかなぁ、ドラムの方向性もまだちょっと不透明。

…というわけで、引き続きイメージの抽出を続けていきます。もう少し全体イメージを固めたい。

 

既存曲からイメージ抽出中

ゼノギアスの「覚醒」。これも思いっきり機械兵器ではあるのですが、ゲーム内では3D戦闘でもあることから、赤ボスにこの臨場感はちょっと向かないように思う。むしろこの手の荘厳さは終盤のストーリーを感じさせる場面のがいいかな。

あ、私この既存の曲に関してあーだこーだ言ってるわけではないですから。コンブの2D赤ボスでこの「雰囲気」を乗せたらどう思うかというイメージを出してるだけなので。

ゼノサーガⅢの「The Battle of your soul」。この曲も壮大なんだけど、あまり場面に対する重さは感じない。むしろ、ただ無為に大きなモノに向き合っているような、そういうイメージを感じるので、赤ボスにはこのくらい余計な感情はない方がいい気がする。

聖剣伝説3の「Hightension Wire」。意外にこういう曲がハマったりする。ドラムが良いなぁ。2Dの少しコミカルなところが合う気がする。ただ、若干明るすぎるかな。これよりはもう少し重さが欲しい。

Legend of Manaの「Pain the Universe」。うーん、オーケストラもいいとは思ったんだけど、やっぱりこのくらいギターとドラムでバカスカやってる方が合う気がするなぁ(笑

オルガンは・・・んーどうしよう。ついつい多様しちゃうので、使用を控えめにして曲毎の差別化を図りたいところではあるのですが。

 

抽出したイメージをまとめる

さて、色々イメージが固まってきた気がするのでここいらでまとめてみます。

  • ノリの良さ
  • 小刻みなブラス・ギターなど
  • 機械音としてのシンセ・オルガンなど
  • 荘厳さはいらない
  • 壮大さは少しはあるほうがいい
  • 少しのコミカルさ
  • ドラムをがっつり

 

こんなところでしょうか。全部実現しようとは考えてませんが、これで、

おおまかな曲の方向性は見えてきた!!

 

ひとまず、このイメージを元に曲を書いてみることにします。

 

今回のまとめ

私がBGMを作るときは、例えば相手のもつ世界観(今回の場合、コンブでの赤ボスの立ち位置など)や要望をまず自分の中に取り込んで、自分だったらどういう曲がここであるとうまくハマるかな、かっこいいと思うかな、作品にのめりこむかな

こういう風に考えて曲作りをするのが1パターンとしてあります。

 

イメージ画像などを見てすぐに発想が形になるのであれば、この抽出作業は端折ってしまいますが、私の場合もっと自分の中のフィールドを広げたいので、基本的には、既存の色んな楽曲を聴いてイメージを持ってくるようにしています。

今回は、この動画のメドレーからイメージを抽出してみました。

もっと色んなジャンルや別の分野からイメージを取り入れたほうが、もちろん新たな印象を加えられるでしょうが、そんなにいっぺんにあれこれできるわけもない。

自分の出来ることから、毎日一個ずつ新領域に踏み込んでみるくらいでいいと思ってます。

 

実際の曲起こしは次回の記事にしたいと思います。

【Lv2】ゲーム製作者から敵ボス画像が送られてきたので曲を作ってみる

 

それでは!

 

【EQ・Lv3】ドラム・ピアノ・ベースという組み合わせ時の簡単なEQ使用例

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回はEQを実際に弄ってみて、その使い方の基本をなんとなく覚えてしまおう、

という内容の記事です。

 

私自身、勉強することは毎日山のようにあるのですが、

その道中の過程を少しでもお役に立てて頂けたら幸いです。

 

是非、私の屍を越えていって頂きたい。(生きてますけど

 

 

DTMにおけるEQの用途

大きく分けて、二つの意味合いがあると思います。

  1. 音作りで使う
  2. バランスを整えるのに使う

 

音作りをする場合は、例えばエレキギターの音。

エレキギターの音作りの方向性は色々あるかとは思いますが、

私の例を出すと、

「サイドギターで使用してあまり主張しすぎないように使いたいので、

もう予めハイとローをばっさりカットしておこう」

とか。

 

そしてバランスを整える場合ですが、EQはどちらかというと、

このミキシングなどのバランス調整で主に使用することが多いのではないかと思います。

 

 

エレキギターやシンセ音など、

人工的な音に関してはEQは音作りに積極的に利用されますが、

アコギやオーケストラ楽曲など、

生音主体で曲を作る場合はあまりEQを弄らない方が自然に聞こえます。

 

音作りでのEQは分野が絞られるので、

今回はミキシングなどのバランス調整での使い方をざっくりご紹介できたらと思います。

 

 

ミキシングのEQ使用例

サンプルを用意してみました。

 

曲の構成は、ドラム・ベース・ピアノの三つです。

これを実際に整えていく形でEQの使い方を見ていきます。

 

ちなみに音色は全部Cubase付属のものを使っていて、

  • ドラム:Groove Agent SE「Vintage Kit 1」
  • ベース:HALion Sonic SE「Precision Flatwound」
  • ピアノ:HALion Sonic SE「Bright Rock Piano」

というラインナップです。

 

なんとなく良さそうかなーというのをサクッとチョイスした体なので、

綿密に音を吟味したわけではありません。

 

が、この状態からどう音を整えていくかという意味ではよい訓練になるので、

今回はこれでいってみます。

 

 

上のサンプルは、

ドラムのシンバルだけ少し左右に広げてリリースを途中で切っているのみで、

あとは何も弄っていない素のままの音です。

 

素のままの音なので、ちょっとボワッとした印象があるので、

少しスッキリさせる方向でEQを弄ってみたいと思います。

 

現時点での方向性は、

キックの音が割と派手目なので一番下にもってきて、その上にベースを乗せる感じ。

ピアノはアップライトな感じに仕上げてみようかなと思います。

 

 

ベースのEQ例

私はベースの音を基盤にしてミキシングすることが多いので、まずはここから見ていきたいと思います。

・ベースの素の音

ベースEQ前

ちょっとボワッとしてるかなぁというのが私の第一印象。

今回は他にドラムとピアノしかないので、ムンベ(ドラムンベース)みたいにベースを全面に主張させてもいいのかもと少し思ったのですが、ベースの動き自体はルート音をなぞるだけで、しかもピアノの主張を強くさせてしまった。

なので、ベースはやはり軽く整える程度にしておこうかと思います。

ただ、EQを使う時の注意点なのですが、このモコモコ感を失くそうと、EQのみで低域を整えようとした場合、不自然に音が細くなってしまうケースが多いです。

 

経験上、かなりEQをがっつり削り気味にしないとすっきり聞こえない。でもそうすると、音がえらい細くなってどうしたもんかという状態になってしまう。

周波数を弄るEQの基本使用として、「ブーストする場合はQは広め、カットする場合はQは狭めで使用すると、音の変化に不自然さが出にくい傾向がある」

と言われています。

 

Qの基本

前回の「EQ・Lv1」ではこの表示が実は逆になっていますが、まずはブーストする時は広く、カットする時は狭くを基本として使用してみましょう。色んな本でも書かれてはいますが、その方が不自然さは確かに出にくいと私も思う。

というわけで、このベースのモコモコ感はコンプで解決することにして、コンプの前と後にEQをそれぞれ用意して、整える方向でいってみます。

 

ベースにインサートしたプラグインは、「EQ1ーComp-EQ2」の順番です。

 

ベース・EQ1

ベースEQ1

コンプに行く前のEQ調整です。

  • 一番左のローカット

キックが一番低域であることを強調するためにかけました。

  • 左から二番目の127Hzでのカット

後のコンプによる歪みでこの辺りがモワつくのを予め抑えるためと、キックのここの部分を気持ち強調させるために。

  • その右の420Hz辺りをブースト

コンプによる歪みを少し加えるのと、ここを持ち上げることによってベース音に少し厚さと明るさを出すため。

  • 一番右のシェルビングによるハイカット

正直いらない気もしましたが、念の為ベースの余計な高域を抑えるためにかけています。

 

ベース・Comp

ベースコンプ

EQ1を通ったあとのコンプの設定は上記の通り。

あまり歪ませるつもりはないのでスレッショルドは浅めにとり、ただモワつきを抑えるのとベースという役割からレシオは8:1。アタックは、このベースがそんなに突飛な動きをしていないことから緩めの36msec程度。リリースは100msec程度に収めて音の戻りも多少滑らかに、という意図で設定しています。

 

ベース・EQ2

ベースEQ2

コンプ後のベースを若干整える気持ちで使用しています。

左のローカットはコンプで潰してもやはり出てきてしまう60~70Hz辺りの低音を、ダメ押しで若干不自然にならない程度に削りました。右の1.4kHzのちょっとしたブーストは、この曲音色が少ないことからちょっとだけベースの色を出してもいいなぁと感じて少し持ち上げています。

 

・出来たベースの音

少し軽く、明るい感じになったと思います。

私は基本、ベースにはアンプなどの歪み系を入れてもっとブリブリさせるのが好みなのですが、今回はEQ回なので(コンプは使ってしまっていますが)、これで良しということにしました。

 

 

ドラムのEQ例

次にドラムです。今回はドラム丸ごとにエフェクト処理をしていきます。

・素のドラムの音

少しさっぱりし過ぎな気がするので、今回はドラムをもう少し雑に聞こえるよう低音をメインに少し調整してみます。

インサートしたプラグインはベース同様、「EQ1ーComp-EQ2」の順番です。

 

ドラム・EQ1

コンプの前にかけるEQの処理は、

  • 150Hzちょいブーストさせてコンプの潰しを若干効かせる
  • 1.5k、2.5kHzを少し削って耳触りを若干すっきり
  • 8kHzより上を気持ち持ち上げて、金物のシャリを若干強調

 

ドラム・Comp

ドラムのトータルに掛けているので、やんわりとした潰し具合を出すためにRatio4:1、アタックは34msecくらい、リリースは55msecと少し短めにしました。ドラムの音色を個別に弄る場合はまたスネア、バスドラ、金物でこの辺りの数値を変えますが、ドラムトータルにコンプをかける場合、やりすぎるとノリが不自然になる気がします。

ただ、その不自然さを意図した演出であれば逆に効果的になります。今回は、気持ち一体感を出す程度なのでこのくらいで。

 

ドラム・EQ2

コンプ後のEQでは、

  • ベースで削った50Hz以下を敢えてドラムでブーストして強調
  • 250Hz、650Hz付近を弱ブーストして、ドラムの音を少し強調

という意図で処理しています。

250Hzは音が濁りやすいポイントで、ここを削ると音の抜けが良くなり、ブーストすると音が詰まり、すっきりしないような感じになります。

難しいのが、ここをEQでざっくり行っていいケースとそうでないケースがある。ドラムのトータルのような全体に影響のあるトラックでEQでここをざっくり削ると、全体の曲が痩せ細る感じが出てしまうので、コンプなどを挟んだりしているわけです。

今回は、ドラムを少し濁らせたかったので若干ブーストさせています。

 

・出来たドラムの音

ドラムトータルで聴いて、少し音が太くなったと思います。

最近よく思うのが、単体で聞くとあまり効果がわからない音の処理でも、全体で聞くと案外違いがわかるようになるということ。なので、曲内の音数が多い場合、単体で聞いてあまり違いがわからないくらいで私は良いと思います。

それが段々積み重なって違いが出ているように私は思います。

 

ピアノのEQ例

ドラムとベースに低音を任せて、ピアノはアップライトに仕上げてみます。Before・Afterを同時に載せます。

・ピアノ素の音

 

・出来たピアノの音

 

単体で聞くと、ピアノが少し後ろに引っ込んだような、控えめになったと思います。

インサートしたプラグインは「EQ1ーComp-EQ2」の順番でもう統一しちゃいました。

 

ピアノ・EQ1

今回、私がコンプ前に形作ったEQの処理は、

  • 150Hz以下をばっさりカット
  • ドラムと重ねてみて少しうるさめに感じた350Hz、550Hzをピンポイントでカット
  • 音色が全体的に少なめなので、2.4kHzから上をやんわりブースト

低域をバサッと削っていて、アップライトさが浮き彫りになったため、私が感じた350、550Hzの若干耳障りなところを探って削っています。

 

ピアノ・コンプ

中低域の少し飛び出した部分をほんとに薄く潰しました。アタックはドラムと同じにして、リリースは180msecと長め。このサンプルではピアノを叩いてノリを出しているのですが、素のままだとそのノリが少ししつこい感じがしたので、リリース長めにとって若干の緩和をはかっています。

 

ピアノ・EQ2

コンプ後のピアノの周波数帯。こういうハイとローががっつりない音になると、残りの中域の操作が結構キモになります。新たに耳障りに感じた430Hz、650Hz辺りを削り、更に安定の2.5kHz削りを掛けて、もう大分引っ込める感じにしてみました。

上手い人はあまり無駄な操作をしないのですが、私はまだ試行錯誤が足りてない気がするので、こうしてピンポイントカットをちょいちょいしてしまいますね~(笑

 

EQ処理終了・聴き比べてみよう

さあお待ちかね、処理前と後を聞き比べてみましょう。何気にミキシングなどの処理はこういうBefore/Afterが楽しみな私がいます(笑

・素の音

 

・処理後の音

 

素の音のボワァっとした感じが処理後に上手く無くせて、スッキリさせられたんじゃないかな~と思います。EQとコンプしか使ってないのでこれだけだと全体的に物足りなく感じますが、これにディレイやリバーブが加わってくるとなると、更に素の音とは違った印象になるのは想像がつくのではないかなと。

 

終わりに

というわけで、簡単なEQ使用例でした。今回のポイントとしては

  • EQでブーストする場合は、Q(幅)を基本広めに。
  • EQでカットする場合は、Q(幅)を基本狭めに。

EQ処理はあくまで音を周波数特性から変形させていく、そういうアプローチなので、

  • 原音の自然さを大事にしたい場合、少し変化を加えるくらいがいい
  • 200Hz付近の低音を削りたい場合はコンプを織り交ぜてEQはコンパクトに

すると良いかと思います。

 

今回の記事、ちょっと見づらいかもしれませんね。記事の書き方を上手くしていかないとなぁ。

 

それでは!

 

DTM音楽業界のプラグインなどがたまに格安や無料になるワケ【考察】

こんにちは、MAKOOTOです。

前回、DTM総合音源「Xpand!2」が無料キャンペーンやってた!という記事を書いて思い出しました。

なんかこの業界って、プラグインを格安で販売する比率多くない?

と。

 

これに関して最近みた記事では、現代の音楽フリーランサー最前線のこおろぎさんちの、

老舗プラグインメーカー『Waves』がなぜセールばかりなのか教えます

が面白くてオススメなのですが、ちょいと自分なりに思ったことは自分でまとめてみようかなと思いまして。そういうわけで書いてみました。

 

DTM音楽業界のプラグインなどの格安・無料のワケ

顧客を獲得したい

まぁぶっちゃけ「顧客の獲得」。これが一番じゃないかなとは思います(笑

自分が経営者側として考えるなら、まず自分の商品をアプローチ出来るお客さんがいないと話にならないわけです。いいものも使ってもらえなければ意味がない。というか、認識されて始めて存在する、という人間社会なので、まずは知ってもらう。

とある老舗のお店では、火事になった際に何を持ち出したかというと、顧客名簿だったという話を聞いたことがあります。それくらい、お客さんリストというのは大事なんですね。

 

見出しのニュースとして使いやすい

これはこおろぎさんの記事にも書いてありましたが、例えば、とあるお店に入っている時に、

「只今○○の商品、半額となっております!」

とアナウンスが流れたとします。

そうしたら、大抵はふーんと聞き流すはずなのですが、脳内では一瞬でも「何が半額なんだ?」と判断しちゃうんですよね、意識するしないに関わらず(笑)。で、それが自分の欲しいものであったら、少なからずそれを探したくなるじゃないですか。欲しいものが何かしらあるからお店に来ているわけで。

「人間、今何が起きているか」を常に知ろうという本能というかそれに近いものが備わっているため、ニュースというのは本能的に情報を得ようとする人間の核を付いた行為になるわけで、正直これはなかなか上手いやり方なんです。皆当り前にやってますが。

まずは自分の話を聞いてもらうことが大事。ニュースというのは、その足がかりとして非常に有効であるということが言えます。

 

在庫がデータ上でのモノなので、リリース価格の変動が容易

これはどういうことかというと、目の前にある実物、つまりハードウェアですね。人間やはり実際に手で触れられるもの、物としてきちんと存在しているものの方を現代では基本優先させます。

これはまだインターネット社会というものが普及して年数も浅く、すでに飽和してしまった部分もあればまだまだ未開の地に思えるという認識が大きいということで、目に見えないものに対する金銭価値の置き方が未だ不安定なままである、ということが言えると思います。

また、こういうプラグインの販売はデータ上でのやりとりが主なため、例えばクレジットカード払いも、お金の動きとしてはどこか実感が遠いものとして理由の一つにあると思いますね。

 

開発費さえ回収できれば在庫は無限

在庫管理について考える必要がないのも、リリースが容易である強みの一つでしょう。初めに価値を与え、それをセールということで相対的に「今だけ安い」状態を作り出す。普段手の届かないものが目の前に下りてきたら、知らないことに対する興味、知ろうとする本能が購買意欲を後押しする。赤ちゃんがたまに知らない人の顔をじーーーっと見ているのと似てる気がする。

実際に、例えば服やCDなど、モノを抱えるというのは結構管理や維持費がかかりますし、それを運ぶのもなかなか労力がいるわけです。昔のドラえもん映画みたいに、未来から時空を超えて一瞬で小包が届くとかは今の文明にはないので(笑

そういう意味で、開発費さえ回収したらあとは在庫が無限。しかもデータ転送も、筋肉を使って「どっこいしょー」的なことは一切不要。指を少し動かす程度で事足りる。となれば、それだけ時間と手間が大幅に余るわけで、当然、大きく融通の利く商品といえます。

 

ブラックフライデーというものが存在する

日本では、ハロウィン同様最近馴染みが出てきたイベントかと思います。

ブラックフライデー(英語: Black Friday)とは、小売店などで大規模な安売りが実施される11月の第4金曜日のことである。(中略)ブラックフライデーには買い物客が殺到して小売店が繁盛することで知られ、特にアメリカの小売業界では1年で最も売り上げを見込める日とされている。

日本語では黒字の金曜日とも訳される。

出典:Wikipedia「ブラックフライデー」より

Wikiでは、

「1975年にはかなり広まった比較的新しい言葉」

とあり、アメリカ産のイベントであるため、日本国内では最近まで「何それ?」って感じだったかもしれませんが、プラグインを作るメーカーのほとんどはこの海外。こういう特売は国内より海外の方が日常的ということも、この格安セールの一つの理由ではないかと思います。

 

普通は、突発的に「70%OFF!」とか聞いたら、賞味期限が近いか、季節や旬が過ぎたとか、何かしらマイナス方向にワケありと考えるのが普通なのですが、デジタルプラグインに関してはそういった古い新しいという概念は通用し難い。

なぜかというと、容易にアップデートが出来るから。むしろ新しくしすぎて逆に古いアレの方がよかった!とかが増えてきやすい傾向があります(笑

ハードは基本、完成後が一番強度が高く、あとは時間とともに劣化していくのが常(ヴィンテージという考えは今回除く)ですが、ソフトやデジタルにそういった劣化は存在しません。人間の利便性や感性が上がってくれば相対的に劣化したことになりますが、それは人間社会全体の成長によるものなので、そう簡単に上がるわけでもない。

 

・・・ちょっと脱線しましたが、少なくともDTM音楽業界では格安はマイナス方向にワケありということとは繋がりにくいと思っています。

 

デジタルデータの弱点を逆手にとっている

開発費さえ回収すれば在庫も無限だし、良いこと尽くめな気もしますが、もちろん弱点もあります。それは、

データのため、コピーが容易なこと

海賊版ってやつですね。値段が高すぎると一部の人にしか扱えず、それはずるい!ということで、穴を見つけられて水面下に広がっていく。この場合、表沙汰にするとアウトということになって、水面下でいくら知名度があっても、認知が表に出て来れない状態なため、売上が伸びない。

製品だけもってかれて、顧客になってもらえなければ、そのお店はまぁ、潰れますよね(笑

 

それをされるくらいなら、いっそ先に正当なルートから広く知ってもらう、使ってもらう。その方がメリットが大きいということで、最近は色んな高品質なプラグインが軒並み安く出来るならそうしている印象があります。市場の開発レベル全体が上がってきたというのもあるでしょうが。

 

まとめ

というわけで、無料で使うのは何かしら抵抗があったり、何かあるのではないか?と思って手を出し辛かったりするのは当然で、実際その分のデメリットというのは大抵存在します。

最近ではサブスクリプション方式といって、

ソフトウェアの利用形態のひとつ。ソフトウェアを買い取るのではなく、ソフトを借りて、利用した期間に応じて料金を支払う方式。サブスクリプション(subscription)には本来、「予約購読」や「予約金」といった意味がある。

出典:NTTPC用語解説辞典「サブスクリプション方式」より

という、携帯の月額制のような形をとっているから、一見本体製品が安くなっているというのもあります。

ですので、一概には言えませんが、少なくとも安くする理由として「まず知ってもらう」ということでセールを掛けているケースが多いと私は踏んでいます。

そのセール品が「買い切りか、サブスクリプションか」は、その製品がどういう方式で売り出されているかを自分でしっかり調べる必要はありますが、安く売り出す企業側にはそういったメリットがしっかりあってやっていることなので、あんまり不必要に心配することはない、ということですね。

 

私の独断と偏見でした。

それではー