音楽即売会である『M3』と『Apollo』のメリット・デメリットを考えてみる

こんにちは、MAKOOTOです。好きなガンダムはF91です。(唐突

 

本日第7回のApolloが開催されていますねー。

色々音楽を聴いてすげーすげー言いたいところではあるのですが、今日はブログを書きたい気分なので、このApolloと先日参加したM3を比較して、それぞれの利点などを考えてみたいと思います。

 

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M3の概略

M3は、来年の2018年春をもってなんと20周年を迎える音系・同人即売会のこと。

運営はM3準備会が行っていて、スタッフは毎回ボランティアが主体。

 

その信条は、

「製作者と一般参加者(購入者)が直接交流できる余裕のある場を目指している」

出典:Wikipedia – M3(同人)より

という、音楽を通して、

 

作り手と聴き手の垣根を超えた触れ合い

 

このイベントの一番の特徴なのではないかと思っています。

 

また、細かい内容を要約すると、

  • 基本、年に2回(4月下旬~5月上旬)と(10月末)に開催。
  • 申し込みは開催の4~5ヶ月くらい前。
  • 募集スペースは現在1000程度
  • 会場は現在、東京の大田区にある流通センターが主。
  • CD視聴コーナー、演奏スペースあり
  • 参加費用は¥4,000~14,000まで
  • 物品(ハード)を扱うのが主流
  • 当日は基本、作り手が実際にブースに立ち、CDを販売する。
  • 開催時間は11:00~15:30くらいまでの約5時間

 

以上より、音楽を物品という一つの手に取れる形にしたまま、その場に来場した人同士による触れ合いの強いイベントと言えるのではないでしょうか。

 

 

Apolloの概略

次にApolloですが、こちらはpixiv主催のネット音楽マーケットイベント。第1回は2014年11月末に開催され、800を越えるサークルの参加があったそうです。2017年の秋で第7回目。

 

こちらの信条は、

本イベントの開催の目的は、同人音楽シーンの維持・継続・発展にあります。

出典:APOLLOトップページより

デジタル文化が進むにつれて、音楽の在り方が変わってきたことから、作り手と聴き手による音楽の遣り取りの舞台をインターネット上に移した音楽即売会がこのAPOLLO。M3のネット版と考えてもよいかと思います。

M3と違うところは、期間を決めてはいるもののインターネットの特性を活かし、

 

住んでいる場所を越えて作り手と聴き手の触れ合いを図る

 

というものだと私は考えています。

敢えて開催期間を設けることで、仕切りのないだだっ広いネットの世界に人の集まる空間を作る。

こちらのイベントを要約すると、

  • 年に2、3回ほどで、大体春と秋頃に開催(固定ではない模様)
  • 申し込みはイベント開催当日でも可
  • 募集スペースに現在制限は設けられていない
  • 会場は、ネット上。つまり自宅から参加・アクセス可
  • 音楽視聴はクロスフェードあり。ただし、出展者が自サイト等に幾らでも用意は可能。
  • 参加費は無料
  • DL販売可、物品として音楽CDの販売、配送もあり。
  • BOOTHの登録さえ終われば本人がいなくても問題はない。
  • 開催時間は丸2~3日分。

 

開催期間中は自分のペースを大事にしながら音楽を聴いて回れる。ネットの特性を活かした、非常に気軽に参加できるイベントと言えます。

 

 

M3とApolloのメリット・デメリット

デメリットと書いているのは、別にいちゃもんつけるとかそういう意味では全くありません。例えば、良いところを出すと、必然的にそうでないところが表現として出るだけの話です。

あとは、敢えてM3と比較することでその特徴もわかりやすくなると踏まえてそう書いています。

 

 

M3のメリット

何より、人と人が触れ合えるというところですね。

作り手が音楽CDを作って、それを実際ブースに購入しに来る一般参加の方がいたとしましょう。

まず、購入する側は、実際に自分が好きな音楽を作っている人に会いにいけるんです。昔、私がドラクエの曲を聴いた時、作曲者は雲の上のような存在に思えました。でも、M3では実際にその人に会える。会って、会話をして、手渡しで作品を購入することが出来る。(実際に本人がブースにいないこともありますが)

ごく自然に、物理的に非常に近い距離に身を置けるわけです。ネット文化が浸透したとはいえ、やはり肉体を持って生きている人間。そこで同じ空気を吸うといいますが、同じ場にいるということは、目に見えない共鳴する何かをお互い感じざるをえないと思っています。

 

 

次に、製作者側は、わざわざここまで足を運んで自分の作品を求めに来てくれているという実感がでかい。視聴して買ってくれる方もいれば、すでにネットで事前に曲を聞いて、当日はもう買うと決めて来てくれる方がいる。必要とされているんだという実体験があるわけです。

もちろん、あまり足を運ばれないケースも多々あります。ありますが、製作者側は時間一杯までは基本ブースにいるので、同じ横の製作者と仲良くなったり、また普段会わない人と会話する機会などもある。なにより、自分もこの音楽イベントを盛り上げる一員であることに変わりはないんです。

 

 

M3のデメリット

やはり、イベントが開催される近郊に住まわれていない方にとっては、

実際に行くには時間と労力がかかってしまうという点だと思います。

 

北海道から東京にくる場合、旅費もかかるし、宿もとらないといけない。休みもとらないといけないケースも多い。欲しい500円のCDを買うのに、交通費が2万かかる場合もあるとしたら、よっっっぽど欲しいか、たまたま行く用事でもないと難しいです。

イベントに行くまでにお金がかかることと、時間がかかること。これがM3の最大の欠点と言えるでしょう。ただ、毎回遠方から同人音楽にスバラシイ熱意をお持ちの方も沢山いらっしゃるのも事実。そこは自分が、何に自分の時間やお金を使うかによると思いますが、やはり場所の遠さは結構なネック。

 

また、会場を借りるにもお金が結構かかります。設営・撤去作業も必須ですし、持ち運びもある意味肉体労働。また、当日は来場数も多く、人としての接し方は最低限求められる。天候などにもやはり左右されます。当り前のことではありますが、その当り前が時として大変であることも承知はしているので、敢えて書いてみます。

個人的には、これがあるからこそ楽しかったり、人として実感が湧く大きな要因だと思ってはいますが、疲れてるときとか、忙しい時とか、何か事故や怪我したとか、いつもいつも楽天的にいられるわけでもない時だって、ありますからね。

 

 

Apolloのメリット

これは、製作者・購入者ともに場所を気にしなくてよいというところ。また時間も、今回のApolloでは土曜のAM10:00~日曜のPM24:00までと、38時間の間に自由にイベントに関われば良いということ。遠方に行く交通費も時間もかからずに済みます。

 

 

また、触れ合いが苦手だったり、そこまで必要とされない方にとっては、例えば家で音楽を聴いてポチればいい。下手な心労を負わずに済む。M3でちょっと気になるCDがあって、

「視聴してみたいけどブースの前を邪魔してもいけないし・・・もし思ったほど好きでなかった場合、買わずに立ち去るのもなんだかなぁ・・・」

という方でも安心して視聴しまくれます。触れ合いは確かに大事ですが、必ずしも触れ合わないといけないわけではない。そういう時も人間あるんです。苦手や気遣いは人として至極当り前のことですから。日本の方は皆、慎ましやかで非常に心の優しい方ばかりなんです。(海外の方がそうじゃないというわけではないです)

 

それと、交通費・ブース設営・参加等の費用や手間もほとんどかからないため、その分の時間を製作なり他に回すことができるのも利点でしょう。これは、製作者側のCD製作・ジャケット印刷等も行わないで済むこともメリットになるケースが多いかと思います。

音楽CDというのは、CDに楽曲を焼くよりもむしろ、曲を作成するための機材というものを除けば、そのパッケージ製作分に費用のほとんどがかかります。紙印刷が一番高い。

しかしApolloでは、DL販売のみも可なため、音楽CDを作る必要は必ずしもない。パッケージというものがあって品物として実感できるのも事実ですが、ほとんどの人は音楽CDをmp3変換してスマホやPCで聞くはずなので、音楽CDは以降必要なくなり、プラモと同じオブジェと化す。

ただでさえ経済的にも時間的にも忙しい昨今、なるべく無駄は省きたい方も多いかと思いますが、Apolloではそういった不必要な部分を削除した新しい音楽イベントかと思います。

 

 

Apolloのデメリット

同じ内容を、言い方を変えているだけになってしまいそうですが、

音楽作品としての価値感をぼんやり捉えがちにならざるを得ないということ。

これはどういうことかというと、以前は音楽というものは「レコード・CDを買って聞く、ライブに行って一体感を味わって肌で感じる」ということが主だったはずです。つまり、目に見えない音楽というものが、少し前はCDやステージという「形ある箱」に収まっていたわけです。それを遣り取りしていた。

 

しかし、ネット文化の普及により、またしてもというより今度は新たな目に見えない領域で、実際に手で触れられないものとしての扱いになってしまった。ネット文化がパソコン、スマホの普及で今では当り前になったようにも思いますが、実際ネット上での価値の置き方には、この世界に生きる人々の中でむしろ大きな隔たりが出来てしまったようにも私は思います。

ですので、ただでさえ不透明な音楽という文化は「衣食住」にも入らないので、その確固とした価値の在り方の落ち着き先が、未だフワッとしている印象がある。

 

 

正直これは「Apolloのデメリット」ではない。むしろApolloのデメリットは

実際に顔を付き合わせた触れ合いがないというだけくらいかなと思います。

 

最近では、Youtubeによる動画の価値が急上昇していて、動画は手で触れられませんが、目で見て耳で聞くことはできる。そういった文化が盛り上がって急速に地位を確立しているので、それと同様に音楽の価値も改めて考えて見つめ直してみようと、全世界でその価値を作り上げている傾向があります。

例えば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどがそうですね。

 

まとめ

めちゃくちゃざっくりまとめると、

M3のメリットは、

  • 参加者同士が触れ合えるアットホームな場
  • 実感・手応えが大きい
  • 人と人が接するので当日の密度が濃い

デメリットは、

  • 遠い場所に在住の方には金銭・時間の敷居が高い
  • 気遣いしすぎる人にも若干敷居が高い
  • 参加までに準備と時間がかかる

 

Apolloのメリットは、

  • 音楽作品以外の費用がほとんどかからない
  • 自分のペースで気軽に参加出来る
  • 人と接する干渉労力もかからない
  • 製作者側も当日から参加可能

デメリットは、

  • 触れ合いが少し遠い
  • イベント参加の一体感はM3に比べると少し薄い

 

・・・という具合でしょうか。ただこれはあくまで土俵の違う、同じ目的を持ったイベントであることに変わりないので、舞台であるのが「現場」と「ネット上」という違いを比較として述べただけにすぎないと思います。

それと、後発のApolloの方が利点が大きいように思いますが、それは単にM3などの従来タイプに慣れてしまっているところからの意見だと自分では思うので、あくまで参考までに読んで頂ければと思います。

 

M3、Apollo、どちらも同人商業・プロアマ問わず、

今の音楽界を皆で盛り上げて、この文化を大事に楽しんでいこう

という思いを強く感じることには変わりないので、この二つのイベントは音楽をやっている方にとっては意識していて損はないです。

私もそれぞれのフィールドで、音楽を楽しんでいこうと思います。

 

 

それでは!