【C64音源】Commodore64をエミュレートしたプラグイン『SID』でチップチューン作り

今日は、フリープラグインである「SOCALABS 8-BIT TREATS」から、「SID」で音弄りなどをして遊んでみたいと思います。

 

こいつはすごいですよ、Socalabs 8Bit Treatsの4つのエミュレートプラグインの中でも、かなり性能がいい。それもそのはず、他がゲーム機に対し、SIDだけはCommodore 64というコンピュータの音源エミュレート。ホームコンピュータではあるものの、1980年代、北米ではファミコンが入ってくる前に、ゲーム機としても一時代を築き、欧州でもかなりの人気があったといいます。

なんかこう、一人だけフルアーマーみたいな印象。

 

SIDの仕様を確認

  • Commodore64(C64)をエミュレート
  • 3基のオシレーター(矩形波・三角波・ノコギリ波・ノイズの4種類の波形)
  • オシレーターごとのADSR機能
  • リングモジュレーション(三角波出力切り替え)とオシレーター間のハードシンク機能
  • ハイパス・バンドパス・ローパスフィルター

 

というわけで、矩形波2・三角波1とかいうレベルではなく、3基がそれぞれ波形4つも使えるというなかなかのパワフルさ。しかも、Attack、Decay、Sustain、Releaseの設定もそれぞれ行えて、Tune、Fireもあり、ハードシンク、リングモジュレーションまで出来る。更にトータルにLowPass、BandPass、HiPassがついていて、右下にCutoff、Resonanceもある。

ファミコンと比べるのも少し土俵違いな気もしますが、随分出来る内容が豊富です。音源チップのSIDとは「Sound Interface Device」の略なので、まさに当時の音に特化したチップですね。

 

 

SIDの操作方法

まず、具体的なパラメータを見ていきます。

  • 左にあるのがオシレーター3基。Off/OnでSquare(矩形波)・Triangle(三角波)・Saw(ノコギリ波)・Noise(ノイズ)にそれぞれ変更可能。
  • オシレーターそれぞれにリングモジュレーション、ハードシンク付き。
  • PWは「Square(矩形波)」の時のみ反応。デューティ比の変調で0~100%
  • Aの値は、2、8、16、24、38、56、68、80、100、240、500、800[ms]、単位上がって1、3、5、8[s]
  • D・Rの値は、6、24、48、72、114、168、204、240、300、750[ms]、単位上がって1.5、2.4、3、9、15、24[s]
  • Sの値は、0、7、13、20、27、33、40、47、53、60、67、73、80、87、93、100%
  • LP、BP、HPはチャンネルごとにBypassのON/OFF切り替え可能
  • Cutoffは、220~17999Hz
  • Reso・Volumeは、Sと同じ固定値ごとで、0~100%

画面右のフィルターは、通したくなければバイパスしてしまえば音はそのまま出力されますが、通した場合は、3つのフィルター最低1つはOnにしないと音は出力されません。

 

4種類の波形

3基のオシレーターではそれぞれ4種類の波形が出せます。種類は、

  • Square(矩形波)
  • Triangle(三角波)
  • Saw(ノコギリ波)
  • Noise(ノイズ)

の4つ。正弦波のみ、音色としてないだけですね。

 

ハードシンクとは

ハードシンクというのは、二つの周波数を同期させて新たな波形を作り出す機能のこと。

これはハードシンクの簡易図ですが、上図のように、周期の短いオシレーター2(緑)を使って、周期の長いオシレーター1(赤)にシンクをかけます。すると、オシレーター1(赤)オシレーター2(緑)が1周期するごとに波形が一旦リセットされ、結果的にオシレーター1は新たな波形を作る事になる

オシレーターシンクにはハードとソフトがありますが、一般的にはこのハードのことを指すようです。

もうちょっとだけ詳しく、という方はこちら

 

 

SIDでのハードシンクの確認

記事が長くなることを覚悟の上で、SIDでのハードシンクの確認をしてみます。

チャンネルは1と3を使い、それぞれチャンネル1にTriangle(三角波)、チャンネル3にSquare(矩形波Duty比50%)、周波数を変えるには、ピッチを変化させてやればよいので、お互いの周波数差を比較的低域で5半音(Tune12と17の差)空けてみました。ピッチが高いほど周期が短く、ピッチが低いほど周期は長いです。低域を選んだ理由は、単にオーディオデータで拡大した時に見やすいから。

 

矩形波のみ

矩形波はこんな音です。チャンネル3のみ、左で音色を選んだ上で、OutputをOnにしてやることで音が出ます。どうせなら全部にこのON/OFFをつけてくれたら楽だったのですが、エミュレートにそんな要望は筋違いになるでしょうね(笑

 

三角波のみ

正弦波に凄く近い音の感じで、篭っているようにも聞こえます。チャンネル1の一番左「Wave」で「Triangle」を選んで単に鳴らした音。

 

矩形波・三角波同時鳴らし

チャンネル1と3の、矩形波と三角波を単に同時に慣らしただけの状態。周波数特性も単に重なり合っただけで、音も別個に聞こえます。

 

同時鳴らし、Sync3<1(三角波の周期を優先)

チャンネル3の矩形波の周期をチャンネル1の三角波に同期させます。SID真ん中の下「Sync3<1」をONにします。「3<1」というのは、「チャンネル3の周期より、チャンネル1の周期の方が上」。つまり、1の三角波の周期を優先させるということ。

音も、矩形波の方に変化が現れたのが視覚と耳からもわかります。

 

同時鳴らし、Sync1<3(矩形波の周期を優先)

今度は逆に、チャンネル1の「Sync1<3」をONにします。こちらはチャンネル3の矩形波の周期をチャンネル1に当てているという形。こちらは音が一つにまとまったような感じがします。

 

矩形波のみ鳴らし、Sync3<1(三角波の周期を優先)

チャンネル1から信号部分だけをチャンネル3に同期している状態です。チャンネル1は一度鳴らしてしまえば、Wave/OFFにして出力を切っても、このプラグインの作りでは周波数の信号はそのまま残っているみたいなので、このように同期だけさせて単音鳴らしということが出来ました。

 

三角波のみ鳴らし、Sync1<3(矩形波の周期を優先)

こちらはチャンネル1の三角波出力に、チャンネル3の周期分だけを優先させた場合。もしこの状態で、優先させているチャンネル3の同期周波数を変えたいという場合、この状態でチャンネル3のTuneを回しても反映されません。一度チャンネル3で音を出して、そこからTuneでピッチを変化させてから、同期先のチャンネルに反映される形になっているようです。

 

 

リングモジュレーターで音作り

Syncの下にRingというボタンがあります。それがリングモジュレーション機能。これを使ってちょっと音作りをしてみたら、なかなかかっこいい低音が出来ました。

ノートはA2。チャンネルは1を矩形波、3を三角波として、チャンネル3の「Ring3<1」をON。矩形波のDuty比は78%Tune-28。三角波とは28半音分のピッチ差があるということですね。そしてここで倍音が上手く噛み合った感じがしました。

 

なので、試しに矩形波のTuneを1オクターブ上げた状態のTune-16。こちらも良い感じに音が混ざり合っているかと思います。

 

リングモジュレーション機能とは

二つの周波数の和と差、つまり単純に足し算した周波数と引き算した周波数を同時に出力するというもの。例として、「2,000Hzの周波数Aと、500Hzの周波数Bがあったとする」と、リングモジュレーターで出力される周波数は、

  • A+B=2,500Hz
  • A-B=1,500Hz

ということになります。げげ、これはなかなかやばい周波数の値を出力してしまったようです(笑

 

リングモジュレーターの使い方はSleepfreaksさんが非常にわかりやすくオススメなのでこちら

ついでに、理論的にパッとわかりたい場合はこちら

それぞれご参照ください。

 

このSIDのプラグインだけでいえば、上の画像のように、「Ring3<1」とある場合、三角波(Triangle)を符号の低い方(チャンネル3)に置くと、Ring/ONにした際、チャンネル1は「Triangle・Square・Saw・Noise」全ての音色で音が変化しました

それ以外は「Triangle<Triangle」を除く全てにおいてRing/ONでも新たな音の変化は確認できませんでした。例えば、チャンネル1=Square・チャンネル2=Sawでは、リングモジュレーション機能をONにしても音の変化は起こらなかったということです。

 

また、ハードシンクでの参照先の周波数の信号だけ受けて単音出力するやり方はそのままリングモジュレーターでも出来るので、二つの和と差の音が同時に出力されるリングモジュレーターで、単音だけ出力させることが可能です。上画像で言えば、チャンネル1の出力をOFFにすれば、チャンネル3から片方の音が出力されます。

Ring3<1だから、多分引き算分の周波数が抽出できている、とは思うのですが、そこまでは確認していません。とりあえず、単音分は出る

 

 

おわりに

今回は曲作りはせずに、音作りをメインにしてみました。パラメータが色々あるとそれだけで音作りを楽しめてしまうので、時間があっという間に過ぎちゃいますね~・・・いやほんと。

Commodore 64のエミュレート、SIDのお陰でまた一歩シンセ音レベルが上がりそうです。

カットオフ・レゾナンスに関しては今回触れませんでしたが、それは別の機会にまとめたいと思います。

 

それでは!

 

【FC音源】ファミコンをエミュレートしたプラグイン『RP2A03』でチップチューン作り

今回は、「SOCALABS 8-BIT TREATS」のうちの一つ、ファミコンを模した「RP2A03」の仕様を見てみます。

 

任天堂のファミコンといえば国内では知らない人はいないであろう、ゲーム業界の金字塔ハードウェア。去年の2016年11月、ファミコンのクラシックミニが発売されて話題となり、今年の2017年10月にはスーパーファミコンのクラシックミニが新たに発売されました。

ファミコンのクラシックミニは去年の発売以降、一旦生産中止となっていましたが、今年のスーファミのクラシックミニが発売されるとほぼ同時に生産再開することになったようです。スーファミの方も、来年以降も生産していくようですね。

2017年11月くらいでは、実店舗にまだファミコンミニの姿は見えてなかったのですが(私の地域では)、クリスマスにはなんとか少ないながらも間に合わせてくれるんじゃないかなぁとは思います。

SWITCH・スーファミミニ・ファミコンミニ・・・任天堂は大忙しですねぇ。

 

RP2A03の仕様を確認

さあ、早速プラグイン「RP2A03」を使ってみましょう。RP2A03の仕様は、

  • Ricoh 2A03をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • 三角波チャンネルが1つ
  • ノイズチャンネルが1つ

ですので、これにDPCM(サンプリング音)を1チャンネル分加えてやることで、ファミコン音源の再現の形は整いそうです。

 

ちなみに、PSG音源のWikiの後半に、

  • パルス波(矩形波)発生装置 2系統(デューティ比3:1、1:1、1:3、1:7切り替え)
  • 三角波発生装置 1系統(4bit波形、音量は仕様上固定だが、DPCMと絡んだバグに近い挙動が存在し、これを利用するといじることが出来る)
  • ノイズ発生装置 1系統(擬似乱数雑音・短周期ノイズ切り替え、周波数変更が可能。ただし、最初期型(コントローラのボタンが四角いゴム)のファミコンでは短周期ノイズは出せない)
  • DPCM 1系統
  • ミキサー

という仕様の音源がRP2A03に組み込まれていて、これをpAPUと呼び、そしてこのpAPUのパルス波発生装置はゲームボーイ・ゲームボーイアドバンスにも使用されているとのこと。

・・・おや、「SOCALABS 8-BIT TREATS」のゲームボーイ音源のプラグイン名が確か「PAPU」でしたね。

 

実機のゲームボーイは、

CPU:シャープ製のLR35902にサウンドなどの機能と共に組み込まれている。

出典:ゲームボーイ – Wikipedia より

ということなので、サウンドも司るCPU名をプラグイン名にということであれば、ゲームボーイ音源プラグインの名は「LR35902」でも良さそうなものですが、ゲームボーイ音源は、初代ファミコン音源のデューティ比切り替えの出来るパルス波を持つという特徴があるので、そちらの方を優先させて「PAPU」という名を付けられたのではないかと思います。

 

DPCMとは

そもそもDPCMとは、「差分パルス符号変調」といって信号の圧縮方式のこと。ファミコンではこの方式を音の圧縮に取り入れて使用しているので、

ファミコン音源でいうDPCMは「音の荒いサンプリング音」

と捉えて頂くとわかりやすいかと思います。

 

こちらの動画が非常にわかりやすかったのでご紹介。

サンプリングとはいえ、ファミコンの容量ではどうしてもデータを小さくしないといけないため、音がザラザラといいますか、通信が途絶える一歩手前のトランシーバーみたいな音になってしまいやすい。

なので、マリオ3のあの抜けのいいパーカッションの音などは逆にビビります。凄い。

 

FamiTrackerのDPCM部分のサンプルを見てみると、画面右側「Loaded samples」の下に0~8までの系9個の音がサンプリング音として収録されていました。0~4までは、A#・B・C#・D・Dの音がサンプリングされ、5~8にはパーカス・リズム音が使われています。

実際にこの辺りは8bitのゲーム内での容量の許す範囲内で、ということですね。

 

スーパーマリオ3では、DPCMにドラムキットなどのパーカス音が思ったよりふんだんに使われているのがわかります。

実機におけるDPCMの具体的な音の出し方については、私にとって理解が届かない部分も多かった為ここでは割愛しますが、ひとまずこの記事でのファミコン音源再現としてのDPCMは、幾つかの低ビットレートを想定したサンプリング音ということで話を進めていきます。

 

以下、DPCMについての参考ページ。

  1. こちらのページ中盤のDPCMの項目
  2. こちらの記事、冒頭部分
  3. こちらの記事、中盤のDPCM

 

 

RP2A03の操作方法

前置きが長くなりましたが、RP2A03のプラグイン画面を見てみます。

  • 矩形波チャンネル2つ、どちらもスウィープ機能あり(画面左)
  • 三角波チャンネル1つ、ON/OFFのみでTuneとFineのみ(画面右上)
  • ノイズチャンネル1つ、音量0~100%、切り替えON/OFF(画面右下)
  • 一番右下に全部の音のトータル出力調整
  • Pulse:矩形波の音量。0~100%
  • Duty Cycle:音色の変化。duty比:12.5%、25%、50%、75%4つ
  • Tune:キーの変更1単位で1半音、-48~+48まで
  • Fine:更に細かいピッチ変化100で1半音、-100~+100まで
  • Sweep:スウィープパラメータ。マイナスだと音が落ちていきプラスだと音が階段状に高速で上がる。-8~+8
  • Shift:スウィープパラメータ。数字が大きいほどゆっくりになる。0~7

 

プラグインの「PAPU」では矩形波チャンネルにAttackとReleaseがありましたが、こちらではその設定がありません。ただし、音量調整は2つのチャンネルに個別でついています。三角波に至ってはピッチの調整以外なく、ON/OFFのみで非常にシンプル。ノイズも音量調整と切り替えON/OFFのみ。

ファミコン初期時代は、こんなシンプルさで曲を作っていたんですね~。そしてその中で様々な工夫が生み出されて今がある・・・なんというロマン。

 

 

サンプル曲を作ってみました

あまり難しいことはしていません。デチューン音色を途中で使っているのと、擬似ディレイと効果音的な音を作って混ぜたくらいです。ほぼフルで使ってはいますが、構成は結構シンプル。

 

Kick(バスドラ)とSnareはDPCMでサンプリングしたと置き換えて、低ビットレートで録音したものを2点のみ使用。あとは、主に矩形波の1チャンネル分をコントロールチェンジ(CC)といって、実機では内部で途中途中音色やパラメータを変更しているとして、その分をトラック数を増やして表現しました。

最終的に矩形波2+三角波1で、合わせて3和音を越えなければいいという、いつも通り大雑把なやり方です(笑

 

内訳は以下の通り。

 

DPCM分、バスドラの音

GrooveAgent・Comp Kit CDのバスドラをCubaseでビットレートを下げて録音したものを使いました。

 

DPCM分、スネアの音

こちらも同じキットのスネアを、ビットレートを下げて録音。FamiTrackerで録って少しリアリティを・・・とも思ったのですが、変換につぐ変換の手順が遠かったのでやめました。

 

矩形波1(リード、装飾の擬似ディレイなど)

デューティ比12.5%。出力は最大。

 

矩形波2(リード、ハモリなど)

デューティ比50%。出力は最大。

 

サビ一周目の矩形波2つのデチューン(リード)

デューティ比25%、出力は最大で、片方だけFine-20にして重ねています。

 

三角波(ベース)

ONのみ!!

 

ノイズ(リズム、ハイハットの代わり)

50%出力のみ!!(笑

 

飛び道具的な矩形波(スウィープで効果音的に使用)

デューティ比12.5%。出力は最大にして、SweepとShiftをそれぞれ-2、2にするとこんな音が出ます。序盤はノートを下の方、つまり低域に置くと潰れたようになりますが、高域に音を置くと、最後のティウンティウン音になります。この音を聞くとロックマン、もしくはスターラスターを思い出す・・・。

 

 

擬似ディレイ

今回、擬似ディレイを使ってみました。上記に載せた矩形波1(リード、装飾の擬似ディレイなど)の音がそうなのですが、そのやり方は上画面の通り。

続く音をすぐ後ろに等間隔で置いて、ベロシティを小さくしただけ。これで、奥行きが感じられるように聞こえるわけですね。当時のファミコン時代はこうして如何に、制限のかかった状態で音の表現を豊かにしていくかを作り上げていったんですね~、いや~スバラシイ。実にスバラシイ。

 

 

おわりに

ファミコンの音使いは、時代が後半になるにつれてどんどん工夫が凝らされていって、ここまで出来るのか!?という音の表現が編み出されていたりしますが、今回のサンプルのように、非常にシンプルな曲も多いです。

ごく初期のファミコンソフトでは効果音だけでそもそもBGMがないものもありますし、DPCMの存在も初めは認知されていなかったなど、結構奥が深い。

 

チップチューンの完成度を高めようとする場合は、実機をプレイするのが一番なんですけど、例えば、ゲームで効果音が鳴っている間、最低限BGMの妨げにならないようにするために、

  • 矩形波チャンネル1=メロディメイン(固定)
  • 矩形波チャンネル2=効果音orハモリ・アルペジオ
  • 三角波チャンネル1=ベース(固定)

という風に、1チャンネル分は効果音と兼用のチャンネルになることを想定して、SEが入った時だけ矩形波チャンネル2のBGM入力が一旦リセットされて、SEが鳴り終ったらそのBGM入力の続きが出力される、とか。

またこれはゲームにもよりますが、コントローラのボタンを押したときにその信号入力によって(微妙にですが)他の信号との干渉が発生して、何かのタイミングの入力時だけ音が一瞬小さくなるとか・・・(これはやりすぎか

 

このように、方向性にもよりますが、非常にシンプルながらも、奥の深さが底知れないのが、チップチューンの面白さの一つなのではないかと思います。

 

それでは、今回はこの辺で。

 

【GB音源】Gameboyをエミュレートしたプラグイン『PAPU』でチップチューン作り

前回、

1980年代ゲーム機の音源をエミュレートした『SOCALABS 8-BIT TREATS』が無料配布

という記事を書きました。

今回はそのプラグインの一つ、ゲームボーイをエミュレートしたPAPUを使ってGB音源風のチップチューン作りをしてみたいと思います。

 

PAPUの仕様を確認

PAPUの仕様は、

  • 任天堂ゲームボーイをエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • その内片方のチャンネルにはスウィープ機能搭載
  • ノイズチャンネルが1つ
  • ステレオ機能(LCR)搭載

本来のゲームボーイ音源にはこれに「波形メモリ音源」が載っかっています。なので、PAPUとその波形メモリ音源に変わるプラグインを使ってやれば、GB音源を再現できるということですね。

 

波形メモリ音源とは

波形メモリ音源はちょっと特殊で、こちらの記事を参照すると、

1周期分の波形データだけ持っておいて音階をつけて鳴らす音源方式

ということ。

 

どういうことかというと、

これはChip32というソフトで見る矩形波。例では真四角です。この形を一周期として音が鳴っている。PAPUの画像でも一つの波形がずーっと連続して並んでるように見えると思います。

この音はこんな感じ。

 

そして、波形メモリ音源というのは、この一周期の形を自由に変形できるというもの。

例えば、真ん中だけそれぞれ凹ませた波形を作ってみて聞いてみると・・・

 

真四角の矩形波よりちょ~っと音が明るい感じになりました。もっと変化つけた方がわかりやすかったかもしれませんが、波形メモリ音源はこうして自由に波形を変形させられるので、チップチューン音の基本となる正弦波・矩形波・三角波・ノコギリ波以外の独自の音を作る事ができる。

ナムコ社のアーケード版「ドルアーガの塔」や「マッピー」なんかにはこれが搭載されて、当時は新たな音の表現として画期的だったそうです。

 

というわけで、PAPUにこのChip32を併用して、ゲームボーイ音源を再現する形をとってみます

Chip32はフリーソフトです。ダウンロードは、こちら

OS対応はWindowsではXPまでの表記ですが、私のWindows7でも動きました。

 

 

PAPUの操作方法

改めてPAPUのプラグイン画面をみてみます。

 

  • 1つ目の矩形波チャンネルにスウィープ機能
  • 2つ目の矩形波チャンネルはスウィープなし
  • 3つ目のノイズチャンネル
  • その横に全部の音のアプトプット
  • PW:音色の変化。duty比:12.5%、25%、50%、75%4つ
  • Attack:音の立ち上がり0.0、0.3、0.5、0.8、1.0、1.3、1.5、1.8s
  • Release:音の余韻の長さ0.0、0.3、0.5、0.8、1.0、1.3、1.5、1.8s
  • Tune:キーの変更1単位で1半音、-48~+48まで。
  • Fine:更に細かいピッチ変化100で1半音、-100~+100まで。
  • Sweep/Shift:スウィープの度合いを決めるパラメータ(弄った方が分かり易い)

 

こんな感じでしょうか。文字で説明するより実際に弄った方がわかりやすいかとは思いますが、最初なので記載しておきます。

 

 

スウィープ機能の音作りで遊んでみる

弄っているとすぐに色々な音が出せることがわかります。わかりにくいかとは思うので、サラッと見てください。一例として私が遊んで作った音を載せておきます。

 

スライムが歩くような効果音

小さいなにかがヨチヨチ歩くような効果音。チャンネル1のパラメータは上記赤枠。左上のノートを1オクターブ下げてやれば、Tuneを-18から-6にしてやることで同じ音になります。

 

弾を発射する音など?

Tuneがえらいことになってますが、それはノートが下の方にあるからです。色々弄ってたらこんなパラメータになってしまった(笑

ランダム要素を出すためにクオンタイズをかけません。

 

何かが落ちる音

ノートは短いですが、その分リリースを少し伸ばして余韻を作ります。

 

何かが迫ってくる音

これはスウィープではなくノイズですが、ついでに載せておきます。

アタックを少しだけ遅らせると、迫り来る感じが出てきます。ノイズの種類をかえてちょっと弄るとこんな音が出せるという。

 

 

ゲームをしているような展開を表現してみる

簡単に、ゲームをプレイしている時のように音を置いていってみました。

作ったあとに思ったのですが、曲が始まったあとも効果音入れればそれっぽく聞こえたかもしれませんね。ま、まぁ、今回はサンプルということで(逃

そして以下は、その時使った音などの資料です。

 

ベース音やバッキング、サビのリード音

デューティ比25%の明るい使いやすい音。

 

Aメロのリード音

使用しているのは2チャンネルの矩形波。デューティ比は50%。透き通るような音ですね。アタックを0.3にしてフワッと入るようになってます

 

リズム隊のノイズ音(ハイハットの代わり)

使っているのは一番下のノイズ部だけ。うるさすぎないよう、Outputを少し絞っています。

 

波形メモリ音源で作った音

独自に波形を作れるので、結構違った音が作れますねー。良さそうな音を色々探せそう。

 

 

PAPUを使う時の留意点

PAPUは、モノフォニック(単音発声)なため、全チャンネルをONにしても3チャンネル全部同時に鳴るだけで、和音は鳴りません。3チャンネル同時に鳴るのと、和音を出せるのはまた意味が違うということ。

 

なので、ゲーム内ではその時その時で音色などを変換していることを想定し、矩形波2+波形メモリ1+ノイズ1の最大計4音がなるようにバランス調整しました。

トラック数が多いのは、違う音色に切り替えた時の音を別トラックで予め作っておいた方が楽なので、そうしています。一応トラック数も絞って音色を変えたりは出来るのですが(昔はよくそうしていました)、ただの自分用サンプルの場合はこうして大雑把(笑

 

ちなみに、今回のサンプルでは取り入れていませんが、モノフォニックではあっても、ピッチを少しずらした矩形波2つを同時に鳴らすと、少し太めといいますか、新たな音がでます。

まずは、普通の矩形波一本。

なんの変哲も無い、ただの矩形波のようだ・・・!!

 

しかし、2本目のピッチをすこ~しだけずらすと・・・?

わーお、かっこいいー

 

矩形波2チャンネルを使い、片方のピッチ(Fine)を16/100半音ずらしてみた時の重なりの音。これは別に全く同じ波形でなくとも、色々な波形の組み合わせで音が違います。

この音の重ねで出力される音は結構かっこいいことが多いので、ここぞという時に使うと良い味が出ると思います。こういう微妙に違う音を重ねて厚みのある音を作る事をデチューンといいます。

 

 

おわりに

矩形波やノイズなどを出す音源は色んなプラグインが沢山あるので、PAPUに限らず、自分に合った音源を使うのが一番ではあると思います。ただ、ゲームボーイ音源がどういう風に作られているかを知るという意味では、エミュレートされているだけあってそれにほぼ近い内容での曲は作れるのではないかと思います。

デューティ比やアタックなどのパラメータがある程度固定で用意されているというのも、実機感があっていいですね。その感覚を使っていって覚えていくのは結構ありかなと思いました。

 

それでは!

 

1980年代ゲーム機の音源をエミュレートした『SOCALABS 8-BIT TREATS』が無料配布

音楽制作ソフト・ハードウェア開発を行っているTracktion Corporation社が、1980年代のゲーム機の音をエミュレートしたソフト音源、「SOCALABS 8-BIT TREATS」を無償配布しています。

SOCALABS 8-BIT TREATSには4つのプラグインがあり、それぞれ

  • PAPU(ゲームボーイ・任天堂)
  • RP2A03(ファミコン・任天堂)
  • SID(Commodore 64)
  • SN76489(セガ・マスターシステム)

をエミュレートしているようです。

ICONさんの記事を何気なく読んでいたらこれを目にして、ちょっと面白そうなプラグインだと思ったので記事にしてみました。

 

PAPU(ゲームボーイ)

公式ページには、

  • 任天堂ゲームボーイをエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • その内片方のチャンネルにはスウィープ機能搭載
  • ノイズチャンネルが1つ

とあります。

ゲームボーイの音色とチャンネルは、

  • 矩形波2
  • 波形メモリ1
  • ノイズ1

なので、PAPUに波形メモリ音源を別で用意して1チャンネル分加えてやれば、ほぼゲームボーイ音源を再現できそうです。波形メモリ音源がない以外には、きちんとGB音源のステレオ出力も再現されている。

ゲームボーイのステレオ出力って、印象全然覚えてないんですけどね。友達がちらほら持ってたくらいだしなぁ。

 

RP2A03(ファミコン)

  • NTSC方式・任天堂ファミコンのRicoh 2A03をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが2つ
  • 三角波チャンネルが1つ
  • ノイズチャンネルが1つ

NTSC方式というのは、ビデオ出力・放送方式のことで日本や主に北アメリカで採用されているもの。そのファミコンに使われている、リコーが開発した2A03という8bitCPUをエミュレートしたものだそうです。

拡張とかそういうのは考えずに、DPCMの無いごく普通のファミコン音源と考えるとよいと思います。

DPCMとは、要約すると「サンプリング音を一つだけ使えますよ」ということ。くにおくんの「なめんなよ」とか、マリオ3の甲高いコンガみたいなパーカス音がそうですね。

 

 

SID(Commodore 64)

  • モステクノロジー開発のSID搭載コモドール64(C64)をエミュレート
  • 3基のオシレーター
  • 矩形波・三角波・ノコギリ波・ノイズの4種類の波形
  • オシレーターごとのADSR機能
  • リングモジュレーション(三角波出力切り替え)とオシレーター間のハードシンク機能
  • ハイパス・バンドパス・ローパスフィルター搭載

コモドール64とは、ファミコンとほぼ同時期に欧米などで流行ったコンピューター。日本ではほとんど売れなかったそうで、その道の人でなければ国内での認知度は低いかも知れません。

しかし性能は凄い。4種類の波形を出せるオシレーターが3基。またADSRのパラメータ変化も可能。ADSRとは「Attack、Decay、Sustain、Release」のことで、ゲームボーイを模したPAPUよりも随分と操作の幅が広い。

更にリングモジュレーションにハードシンク機能、ハイパス・バンドパス・ローパスフィルターまで積んであり、いや~これは値段高くてもしょうがないでしょう。C64凄いね。

そんなC64を模したプラグインがこのSID。CPUの名前のまんまですね。

 

SN76489(セガ・マスターシステム)

  • セガ・マスターシステム(他)のテキサス・インストゥルメンツ社開発のSN76489をエミュレート
  • 矩形波チャンネルが3つ
  • 3和音発声
  • ノイズチャンネルは1つ(種類は2つ)

メガドライブの前身となるセガ・マスターシステムの音源を模したプラグイン。C64はどちらかというとパソコンに当たるため、性能はずば抜けているようにも思いますが、こちらはゲーム機。

矩形波3つがモノフォニックではなく、そのまま一つとしてポリフォニック。つまり3和音発声という形になっている。ノイズの種類が二つあるのがちょっとした特徴ですね。

ちなみに、YAMAHAのYM2413というFM音源搭載は日本版のみで、このプラグインには用意されていません。

 

自作でSN76489を鳴らしている動画。こういった動画は見ていて面白いです。

へー!こういう風になってるんだー!って感心してしまうというか。

 

ダウンロード方法

とても簡単。まずはこちらへ飛びます。

 

そして、真ん中の「FREE DOWNLOAD」をクリック。

 

未登録であればアカウントを作ります。各項目を入力して、ロボットじゃないよと宣言して、「SUNMIT」をクリック。

 

ご自分のプラットフォームを選んでクリックし、Downloadします。私はWindowsなので真ん中を選択。

 

あとは、DLされたファイルを解凍し、中のテキストにも書いてありますが、DAWのプラグインフォルダにdllファイルを移してやれば終わりです。

例えば、Cubaseを使っている場合は

  • C:\Program Files (x86)\Steinberg\VstPlugins

など。

 

おわりに

懐かしのファミコン的なサウンドを今では「チップチューン」と一括りにカテゴライズされていますが、実際の実機では、使われているチップが似ているけど違うので、それぞれの音構成も、似ているけど違います(2度言う

ネオジオやX68000などに使われているFM音源は、この矩形波がよく使われた時代の少しあと。このプラグインにはそのFM音源が入ってないところにどこか拘りを感じる(笑

フリープラグインで操作自体もそんなに難しくはないので、チップチューンを作るならダウンロードして使ってみるものいいと思います。「SOCALABS 8-BIT TREATS」

あとでこれの操作感の記事でも書いてみようかな。

 

それでは!

 

【黒金】KONTAKT5を半額で買うためにDrumMic’aを先にアクティベート、DL後回し

今年もブラックフライデーの時期に突入しました。こんにちはMAKOOTOです。

 

あんまりバカスカ音源を買っても使いこなせなかったら意味ないよな~と思いつつ、KOTO NATIONを動かすためにKONTAKT5だけはちと欲しい。

そんなわけでNative Instrumentsのホームページを見てみたら、

  • KONTAKT5半額
  • KOMPLETE11またはULTIMATE半額
  • TRACTOR PRO2半額

という具合にブラックフライデー価格でKONTAKTが販売されていました。

 

また、ゆにばすさんの

Native Instruments「Kontakt5」が15,900円!Kompleteも38,300円で買えます!

の記事から、ゼンハイザーの無料ドラム音源「DrumMica!」を持っていると、KONTAKTがクロスグレード価格半額の$124.5で買えて、更にそのKONTAKTを持っているとアップグレードとしてKOMPLETEが半額の$199.5で買える。

・・・ということらしいです。

 

KOMPLETEのページを見て察するに、この黒金キャンペーンは12/1(金)18:00まで

 

あとででいいやと思うと一週間なんてあっという間に過ぎたりするので、今回はKONTAKT5とついでにKOMPLETE11も買ってしまおうと考えました。合わせて$324で、40,000円いかない。確かにこの値段でこのボリュームは破格。

 

というわけで、早速DrumMic’a!を手に入れようとしたのですが、どういうわけか

音源がダウンロードできなかった

 

403エラーForbiddenなので、同じ目的でアクセスが集中している為アクセス制限がかかっているのかもしれません。ダウンロードソフトを導入してダウンロードを試みたのですが、それも受け付けませんでした。

ただしこれは、NI社の「Native Access」でDrumMic’a!をアクティベートしさえすれば、続くKONTAKTのクロスグレード対象として購入時に認識されるので、DrumMic’a!自体の入手は後回しにして、先にKONTAKT・KOMPLETEを買ってしまうことにしました。

以下にその手順を書いていきます。

 

※追記 夜中にダウンロードできました。時間帯もあるようです。

 

 

DrumMic’a!の入手・アクティベート

ひとまず、ゆにばすさんの記事にある通り、「島村楽器情報発信サイトDigiland」の記事である、

ゼンハイザーの無料ドラム・プラグイン音源「DrumMic’a」(ドラムマイカ)が凄すぎる!

を読みながら、DrumMic’a!をダウンロードしていく手順を踏みます。そして、入手したアクティベートコードをNI社のデータベースに認証させるため、Native Accessを起動します。

DrumMic’a!ダウンロードはこちら

Native Accessを持ってない場合はこちら

 

ページ右下からNative Accessをダウンロードして、インストールします。

 

「Native Access」を立ち上げると、最新版でない場合こんな画面が出てきます。多分「簡単にすぐ使える」的なことが書かれてありますので、「START UPDATE」をクリック。

 

NIの登録アカウント用メールアドレスとパスワードを入力してログインします。アカウントを持ってない方は「LOG IN」の下からアカウントを作りましょう。

 

ログインするとこんな画面が出てきます。私の画面なので、10年くらい前に買ったFM8とフリーのKontakt Player5が表示されていますね。

ここで、左上の「Add a serial」をクリック。

 

この画面に、「DrumMic’a!」のアクティベートコードを入れて、右下の「ADD SERIAL」をクリック。

これで、NIのアカウント内でDrumMic’a!を認証・所持しているという状態になり、KONTAKTのクロスグレード購入の対象者となれたわけです。

 

ちなみにDrumMic’a!は、今回の記事を書くまで私は知りませんでしたが、もし特定のドラム音源を持っていなかったりされる方は、DrumMic’a!は無料の割にかなり評判の良いドラム音源なので、持っておいて損はないと思います。

 

 

KONTAKT5・クロスグレード購入まで

KONTAKT5・クロスグレード版の確認ページにいきます。ページはこちら

 

資格があるかを確認するため、ページ中ほどの「FIND OUT IF YOU QUALIFY」をクリック。

 

DrumMic’a!が認証されていれば、このようにクロスグレード、ダウンロード版が半額の$124.5となります。これがクロスグレードでなくただのフルバージョンを購入する場合でも半額の$199.5ではあるので、通常でも大変安い感じではあるのですが、上記DrumMic’a!の認証をすることで$75安くなるということになります。

ちなみに、赤丸のところを色々変えてみればわかるのですが、半額になるのはダウンロード版のみで、パッケージ版は半額にならず、通常価格であるということ。

KONTAKT5の合計ダウンロードサイズは、サイトでは35GBとあります。HDDの容量は確保しておきましょう。

 

 

KOMPLETE11

KOMPLETEの場合も同様です。

KONTAKTを購入し、アクティベートしたのちに、こちら

すると、KONTAKT5が登録されていればダウンロード版も半額の$199.5になるということですね。

ちなみに私はまだKONTAKT5を購入できていないのですが、理由としてクレジットカードにJCBの扱いが無かったという。NIでのクレジット支払いは、

  • American Express
  • VISA
  • Master Card

の3種のみ。いや~これは完全に失念していた。海外製品は基本Paypalで済ませてしまうので、MasterCardくらいは作っておこうと思ってずっと忘れていたんですよね~

 

※追記

友人に教えてもらったのですが、JCB・Paypalでも購入できました

私が決済画面に行った時、確かに

  • American Express
  • VISA
  • Master Card

しか表示されなかったのですが、以下の通り、

 

請求書の住所を記入したところ、PayPal・JCBの決済方法が追加されました。ナンテコッタ!

てっきり国内ではJCBは通用しないものと思い込んでいた。買い物慣れしていない証拠ですね、大変失礼しました。(迂闊な動きは死に繋がる・・・

 

 

KOMPLETE11 ULTIMATE

ちなみに、KONPLETEの上位版として、KOMPLETE ULTIMATEなるものがあります。KOMPLETE11だけでももう十分強いのに、更にULTIMATEとなるともう最強のパック。最強の装備。

 

こちらも、ブラックフライデー価格として、KOMPLETE11を購入した後だと、半額の$299.5になっています。私は流石に一気にここまでは行きませんが、ゆにばすさんの記事では最後にこのULTIMATEの広告が載っていたんですよね。

多分、$299.5でサイトで買うなら、Amazonや楽天で買うと確かに安いのかもしれない。

 

まとめ

『 DrumMic’a入手 → KONTAKTクロスグレード → KOMPLETEアップグレード 』

この流れは、今回のブラックフライデーだけではなく、夏にも同じようなキャンペーンが行われていたみたいです。ただ、頻繁に行われているわけではなさそうなので、私はこれを機にKOMPLETEまで一気に買ってしまおうと思いました。

本当は購入が全て終わったあとに流れの記事を書くのが確実だとは思うのですが、DrumMic’aがダウンロード出来なくて今回のクロスグレードの流れを諦めてしまう方がいらっしゃった場合、ちともったいないなと思って先行で記事を書いてみました。

 

そして無事に、以下の流れで導入できました。

  1. DrumMic’aアクティベート(DLはひとまず置いとく)
  2. KONTAKTクロスグレード購入、アクティベート
  3. KOMPLETEアップグレード購入、アクティベート
  4. KONTAKT・KOMPLETEインストール
  5. DrumMic’aを改めてダウンロード→インストール

 

 

ブラックフライデーの武運を祈ります。

それでは!

 

角掛みなみのビブリオンの魔法使いのラジオが予想以上に癒される件

せ、背中が横断式に痛みを訴えてきて只今動きが大変制限されておりますMAKOOTOです。
いででで・・・。

 

毎日ストレッチして身体をほぐしている筈が・・・痛いの痛いの、

飛んでけうおりゃあぁアアァア!!!

(背負い投げ的な

 

というわけで今回の記事は『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』について書いてみたいと思います。

 

第67回アーカイブ聴きながらこの記事書いてるんですけど、アリアドネさんお腹壊しながら仕事してて笑った(笑

いででで、笑ったら背中痛い・・・

 

 

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』とは

ネット小説大賞を受賞された小説を紹介するウェブサイトのこと。

毎週金曜日21時よりラジオ形式で配信されていて、「ビブリオン」と呼ばれる魔法司書室に住む司書アリアドネさんこと、パーソナリティの角掛みなみさんが、毎回色々なネット小説大賞を受賞された小説の一説を朗読してくれます。

ようこそ、魔法司書室ビブリオンへ

ここは様々な本をコレクトする次元書庫。どれだけ本が増えても所蔵が可能なんですよ。

あなたが来たのはその一角 ーー『ビブリオン』と呼ばれる司書室です。

出典:ネット小説大賞プレゼンツ 角掛みなみのビブリオンの魔法使いより

 

今のタイミングでは、Episode76と77が聴けますね。

それぞれのアクセスで聴けるようです。

 

毎回、ネット小説大賞を受賞された作品をラジオで紹介して貰えるので、色んな小説の情報が15分弱のラジオで楽しく聞けるのはとても良いですね。

ラジオは、前半ビブリオンの司書アリアドネさんのお話が展開して、後半にネット小説大賞を受賞された作品の一説を抜粋して聞ける、という流れでしょうか。M3等でも物語が盛り込まれた音楽作品が沢山ありますが、小説でもやっぱり沢山の世界がありますね。

 

 

 

というか第69回のマンドリル言うと思ったwww

(Youtubeでアーカイブストリーミング中

 

・・・ブログでは草は生やさないようにしているんだった。失礼しました。(もう遅い

 

 

ネット小説大賞とは

『小説家になろう』にておこなわれる、日本最大級の小説賞です。
前回は7165作品の中から28作品を書籍化いたしました。

参加は簡単、『ネット小説大賞六』または『ネット小説大賞六感想』というキーワードを設定するだけです。
(※ネット小説大賞六感想=コンテスト応募+感想サービスとなります)
書籍化作品数はもとより、どなたでも楽しめ、評価を得られるコンテストを目指して運営してまいります。

過去最低受賞ポイントは46ポイント、文字数1万文字程度でも受賞実績ありと、
文字数・ポイントともに受賞の幅が広く、どなたでも受賞の可能性があるコンテストです。
また、短編作品や一般文芸作品など、様々な作品が受賞されております。
あなたの隠れた才能をこのコンテストで発揮してみませんか?

出典:クラウドゲームス ネット小説大賞より

とのことで、私はこのビブリオン経由からこういった企画が行われていたことを初めて知りました。

ラノベは昔よく読んでいたんですけど、それは私が大体中学~高校くらいで、『スレイヤーズ』とか『神秘の世界エルハザード』とか『爆裂ハンター』とかね。結局スレイヤーズの小説も完結する前にその文化から離れちゃったんですけど、今はネットで小説が展開される時代。

なので、『涼宮ハルヒ』や『とらドラ』、『ゼロの使い魔』、『俺妹』などは私の中では新しい部類になるわけですが、それももう10年前。いやーほんとに!?時間の流れ早くない最近!?

 

 

・・・脱線しましたが、今のアニメの大半はこの小説が原作になっているというイメージがあります。それくらい、小説の文化は根強く、力強い同人も元は小説から始まってますしね。この認識、間違ってないでしょうか。アニメ業界にはあまり詳しくないのでちとわかりませんが。

ともあれ、このネット小説大賞から書籍化も決まるとのことで、文字数の多い大作はもちろん、文字数が少なくとも中身の良さや物語運びによって受賞は十分出来るとのこと。傾向はもちろんあるでしょうが、少なくとも受賞される作品はやはり多くの人を惹きつける何かを含有しているのでしょう。

 

ネット小説大賞、第五回の書籍化された作品をブログの賑わいも兼ねて貼り付けてみましたが、なんだろう・・・全部読みたい。特に「女騎士と田舎暮らし」。なにその予想が付きにくいタイトル。き、気になる・・・

これは結構引っ張られますね、ジャケ買い恐るべし。

 

 

なぜビブリオンの魔法使いを記事にしているかというと

これまた私の無料音素材が使われたからでございます。

使われたBGMというのは、「Unstable room」という、警戒心・緊張感を煽る楽曲です。クラウドゲームスのディレクターさんからご利用のご連絡を頂いたので、これはもうブログの記事にしてしまおうと思いまして、そうしました。

 

使用された回はEpisode.64

『男女比 1:30 』世界の黒一点アイドル(ヒラガナ先生)

の朗読部分。

 

男女比1:30ってやばくないすか!?

パーソナリティの角掛みなみさんもおっしゃってますが、

男性としても正直、

 

この数字は結構厳しいと思うぞ・・・!!

 

 

また、その比率30分が

 

自分のストライクゾーンであるとも限らないんだぞ・・・!?(失礼

 

 

いやしかしここは逆に男気を見せるときか?

うーん・・・そう考えたら、

 

 

まぁ・・・いっか!?(いいのか

 

 

 

まとめ

『角掛みなみのビブリオンの魔法使い』は、

 

こういう感じですね。

今回、あいててて・・・(背中痛い)、動画を貼り貼りしたのは、昔自分がこういったどこかのんびりした、温かな文化に触れて心の安らぎを得ていたからなんですよね。

最近忙しさに慣れすぎてしまって、こういった「何も考えずに小説読んだり、ラジオ聴いて楽しんでいた」空間を非常に愛おしく思えるようになってしまっています。大事にしたいなぁとよく思うので、この機会に少しずつ自分の時間と忙しなさを緩めていきたい。

 

そんな空間がこのビブリオンにはあると思いました。

 

それでは!

 

音楽即売会である『M3』と『Apollo』のメリット・デメリットを考えてみる

こんにちは、MAKOOTOです。好きなガンダムはF91です。(唐突

 

本日第7回のApolloが開催されていますねー。

色々音楽を聴いてすげーすげー言いたいところではあるのですが、今日はブログを書きたい気分なので、このApolloと先日参加したM3を比較して、それぞれの利点などを考えてみたいと思います。

 

M3の概略

M3は、来年の2018年春をもってなんと20周年を迎える音系・同人即売会のこと。

運営はM3準備会が行っていて、スタッフは毎回ボランティアが主体。

 

その信条は、

「製作者と一般参加者(購入者)が直接交流できる余裕のある場を目指している」

出典:Wikipedia – M3(同人)より

という、音楽を通して、

 

作り手と聴き手の垣根を超えた触れ合い

 

このイベントの一番の特徴なのではないかと思っています。

 

また、細かい内容を要約すると、

  • 基本、年に2回(4月下旬~5月上旬)と(10月末)に開催。
  • 申し込みは開催の4~5ヶ月くらい前。
  • 募集スペースは現在1000程度
  • 会場は現在、東京の大田区にある流通センターが主。
  • CD視聴コーナー、演奏スペースあり
  • 参加費用は¥4,000~14,000まで
  • 物品(ハード)を扱うのが主流
  • 当日は基本、作り手が実際にブースに立ち、CDを販売する。
  • 開催時間は11:00~15:30くらいまでの約5時間

 

以上より、音楽を物品という一つの手に取れる形にしたまま、その場に来場した人同士による触れ合いの強いイベントと言えるのではないでしょうか。

 

 

Apolloの概略

次にApolloですが、こちらはpixiv主催のネット音楽マーケットイベント。第1回は2014年11月末に開催され、800を越えるサークルの参加があったそうです。2017年の秋で第7回目。

 

こちらの信条は、

本イベントの開催の目的は、同人音楽シーンの維持・継続・発展にあります。

出典:APOLLOトップページより

デジタル文化が進むにつれて、音楽の在り方が変わってきたことから、作り手と聴き手による音楽の遣り取りの舞台をインターネット上に移した音楽即売会がこのAPOLLO。M3のネット版と考えてもよいかと思います。

M3と違うところは、期間を決めてはいるもののインターネットの特性を活かし、

 

住んでいる場所を越えて作り手と聴き手の触れ合いを図る

 

というものだと私は考えています。

敢えて開催期間を設けることで、仕切りのないだだっ広いネットの世界に人の集まる空間を作る。

こちらのイベントを要約すると、

  • 年に2、3回ほどで、大体春と秋頃に開催(固定ではない模様)
  • 申し込みはイベント開催当日でも可
  • 募集スペースに現在制限は設けられていない
  • 会場は、ネット上。つまり自宅から参加・アクセス可
  • 音楽視聴はクロスフェードあり。ただし、出展者が自サイト等に幾らでも用意は可能。
  • 参加費は無料
  • DL販売可、物品として音楽CDの販売、配送もあり。
  • BOOTHの登録さえ終われば本人がいなくても問題はない。
  • 開催時間は丸2~3日分。

 

開催期間中は自分のペースを大事にしながら音楽を聴いて回れる。ネットの特性を活かした、非常に気軽に参加できるイベントと言えます。

 

 

M3とApolloのメリット・デメリット

デメリットと書いているのは、別にいちゃもんつけるとかそういう意味では全くありません。例えば、良いところを出すと、必然的にそうでないところが表現として出るだけの話です。

あとは、敢えてM3と比較することでその特徴もわかりやすくなると踏まえてそう書いています。

 

 

M3のメリット

何より、人と人が触れ合えるというところですね。

作り手が音楽CDを作って、それを実際ブースに購入しに来る一般参加の方がいたとしましょう。

まず、購入する側は、実際に自分が好きな音楽を作っている人に会いにいけるんです。昔、私がドラクエの曲を聴いた時、作曲者は雲の上のような存在に思えました。でも、M3では実際にその人に会える。会って、会話をして、手渡しで作品を購入することが出来る。(実際に本人がブースにいないこともありますが)

ごく自然に、物理的に非常に近い距離に身を置けるわけです。ネット文化が浸透したとはいえ、やはり肉体を持って生きている人間。そこで同じ空気を吸うといいますが、同じ場にいるということは、目に見えない共鳴する何かをお互い感じざるをえないと思っています。

 

 

次に、製作者側は、わざわざここまで足を運んで自分の作品を求めに来てくれているという実感がでかい。視聴して買ってくれる方もいれば、すでにネットで事前に曲を聞いて、当日はもう買うと決めて来てくれる方がいる。必要とされているんだという実体験があるわけです。

もちろん、あまり足を運ばれないケースも多々あります。ありますが、製作者側は時間一杯までは基本ブースにいるので、同じ横の製作者と仲良くなったり、また普段会わない人と会話する機会などもある。なにより、自分もこの音楽イベントを盛り上げる一員であることに変わりはないんです。

 

 

M3のデメリット

やはり、イベントが開催される近郊に住まわれていない方にとっては、

実際に行くには時間と労力がかかってしまうという点だと思います。

 

北海道から東京にくる場合、旅費もかかるし、宿もとらないといけない。休みもとらないといけないケースも多い。欲しい500円のCDを買うのに、交通費が2万かかる場合もあるとしたら、よっっっぽど欲しいか、たまたま行く用事でもないと難しいです。

イベントに行くまでにお金がかかることと、時間がかかること。これがM3の最大の欠点と言えるでしょう。ただ、毎回遠方から同人音楽にスバラシイ熱意をお持ちの方も沢山いらっしゃるのも事実。そこは自分が、何に自分の時間やお金を使うかによると思いますが、やはり場所の遠さは結構なネック。

 

また、会場を借りるにもお金が結構かかります。設営・撤去作業も必須ですし、持ち運びもある意味肉体労働。また、当日は来場数も多く、人としての接し方は最低限求められる。天候などにもやはり左右されます。当り前のことではありますが、その当り前が時として大変であることも承知はしているので、敢えて書いてみます。

個人的には、これがあるからこそ楽しかったり、人として実感が湧く大きな要因だと思ってはいますが、疲れてるときとか、忙しい時とか、何か事故や怪我したとか、いつもいつも楽天的にいられるわけでもない時だって、ありますからね。

 

 

Apolloのメリット

これは、製作者・購入者ともに場所を気にしなくてよいというところ。また時間も、今回のApolloでは土曜のAM10:00~日曜のPM24:00までと、38時間の間に自由にイベントに関われば良いということ。遠方に行く交通費も時間もかからずに済みます。

 

 

また、触れ合いが苦手だったり、そこまで必要とされない方にとっては、例えば家で音楽を聴いてポチればいい。下手な心労を負わずに済む。M3でちょっと気になるCDがあって、

「視聴してみたいけどブースの前を邪魔してもいけないし・・・もし思ったほど好きでなかった場合、買わずに立ち去るのもなんだかなぁ・・・」

という方でも安心して視聴しまくれます。触れ合いは確かに大事ですが、必ずしも触れ合わないといけないわけではない。そういう時も人間あるんです。苦手や気遣いは人として至極当り前のことですから。日本の方は皆、慎ましやかで非常に心の優しい方ばかりなんです。(海外の方がそうじゃないというわけではないです)

 

それと、交通費・ブース設営・参加等の費用や手間もほとんどかからないため、その分の時間を製作なり他に回すことができるのも利点でしょう。これは、製作者側のCD製作・ジャケット印刷等も行わないで済むこともメリットになるケースが多いかと思います。

音楽CDというのは、CDに楽曲を焼くよりもむしろ、曲を作成するための機材というものを除けば、そのパッケージ製作分に費用のほとんどがかかります。紙印刷が一番高い。

しかしApolloでは、DL販売のみも可なため、音楽CDを作る必要は必ずしもない。パッケージというものがあって品物として実感できるのも事実ですが、ほとんどの人は音楽CDをmp3変換してスマホやPCで聞くはずなので、音楽CDは以降必要なくなり、プラモと同じオブジェと化す。

ただでさえ経済的にも時間的にも忙しい昨今、なるべく無駄は省きたい方も多いかと思いますが、Apolloではそういった不必要な部分を削除した新しい音楽イベントかと思います。

 

 

Apolloのデメリット

同じ内容を、言い方を変えているだけになってしまいそうですが、

音楽作品としての価値感をぼんやり捉えがちにならざるを得ないということ。

これはどういうことかというと、以前は音楽というものは「レコード・CDを買って聞く、ライブに行って一体感を味わって肌で感じる」ということが主だったはずです。つまり、目に見えない音楽というものが、少し前はCDやステージという「形ある箱」に収まっていたわけです。それを遣り取りしていた。

 

しかし、ネット文化の普及により、またしてもというより今度は新たな目に見えない領域で、実際に手で触れられないものとしての扱いになってしまった。ネット文化がパソコン、スマホの普及で今では当り前になったようにも思いますが、実際ネット上での価値の置き方には、この世界に生きる人々の中でむしろ大きな隔たりが出来てしまったようにも私は思います。

ですので、ただでさえ不透明な音楽という文化は「衣食住」にも入らないので、その確固とした価値の在り方の落ち着き先が、未だフワッとしている印象がある。

 

 

正直これは「Apolloのデメリット」ではない。むしろApolloのデメリットは

実際に顔を付き合わせた触れ合いがないというだけくらいかなと思います。

 

最近では、Youtubeによる動画の価値が急上昇していて、動画は手で触れられませんが、目で見て耳で聞くことはできる。そういった文化が盛り上がって急速に地位を確立しているので、それと同様に音楽の価値も改めて考えて見つめ直してみようと、全世界でその価値を作り上げている傾向があります。

例えば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどがそうですね。

 

まとめ

めちゃくちゃざっくりまとめると、

M3のメリットは、

  • 参加者同士が触れ合えるアットホームな場
  • 実感・手応えが大きい
  • 人と人が接するので当日の密度が濃い

デメリットは、

  • 遠い場所に在住の方には金銭・時間の敷居が高い
  • 気遣いしすぎる人にも若干敷居が高い
  • 参加までに準備と時間がかかる

 

Apolloのメリットは、

  • 音楽作品以外の費用がほとんどかからない
  • 自分のペースで気軽に参加出来る
  • 人と接する干渉労力もかからない
  • 製作者側も当日から参加可能

デメリットは、

  • 触れ合いが少し遠い
  • イベント参加の一体感はM3に比べると少し薄い

 

・・・という具合でしょうか。ただこれはあくまで土俵の違う、同じ目的を持ったイベントであることに変わりないので、舞台であるのが「現場」と「ネット上」という違いを比較として述べただけにすぎないと思います。

それと、後発のApolloの方が利点が大きいように思いますが、それは単にM3などの従来タイプに慣れてしまっているところからの意見だと自分では思うので、あくまで参考までに読んで頂ければと思います。

 

M3、Apollo、どちらも同人商業・プロアマ問わず、

今の音楽界を皆で盛り上げて、この文化を大事に楽しんでいこう

という思いを強く感じることには変わりないので、この二つのイベントは音楽をやっている方にとっては意識していて損はないです。

私もそれぞれのフィールドで、音楽を楽しんでいこうと思います。

 

 

それでは!

 

【第7回Apollo】ピコピコ音源で『じゃがいもクエスト』のサントラを作ってみた

こんにちは、MAKOOTOです。

2017/11/18(土)~11/19(日)開催のApollo7に参加してみます。

 

その名も

『じゃがいもクエスト – Original Sound Track』

 

いやー、このオンライン音楽マーケット、ずっと参加してみたかったんですけど、音素材やコンブのBGMも作ったりなどで今まで手が回らなかったんですよね。

それに、M3やApolloを見て様々な思いの詰まった作品を見てきて、中途半端に出てもしょうがないなぁと思っていたのですが、秋M3のバトルコンピに参加してひらめきと遊び心を得て、なんとか作品が出来たので参加できました。(笑

 

Apolloとは

APOLLOは、数日間限定でネット上で開催する、同人音楽作品(CD等物販・デジタルデータ両方)の即売会イベントです。

シーンの新しい作品・アーティストの発掘(視聴)を容易に行える即売会イベントとして、ネットでの同人音楽即売会イベントを2014年11月末に開催

出典:Apolloより

オンライン音楽マーケットとして、2017年11月の開催が第7回目。

コミケやM3などと違うところは、

  • DL販売が可能であること
  • 当日自分がいなくても頒布が可能なこと
  • オリジナル作品など「著作権に関して問題ない」ということ

などでしょうか。

この辺は別の記事にまとめてみようかと思います。

 

じゃがいもクエストとは

1980年代ファミコン風の仮想レトロゲームRPGです。

今回は、そのゲームを想定したBGM集というコンセプトで、全26曲のサントラという形で頒布。形式はDL販売のみで、Apolloを通してBOOTHにて販売する形となっております。

曲順も、剣士じゃがいもが辿る冒険の形跡という流れにしていて、作っててとても楽しかった。

 

Apolloの「じゃがいもクエスト – Original Sound Track」ページ

BOOTHの「じゃがいもクエスト – Original Sound Track」ページ

 

 

なんでじゃがいも?

ただのひらめきです。

バトルコンピ3に出展する際、何かしらのストーリーがあった方が面白いと思い、「見た目簡単で能天気なんだけど、中身は結構濃密」というゲームが好きなこともあり、そこでパッと思いついたのが「じゃがいも」だったという。けっこう謎。

ドラゴンボールのキャラも野菜の名前が多いじゃないですか。ああいう感覚です。

 

なんでファミコン風?

作るスピードが非常に早かったからです。

M3の作品を聴いていて、如何に濃密な想いがそれぞれの作品に組み込まれているかを思い知りました。なので、Apolloなどに作品を投稿する場合、自分も何かそういったコンセプトといいますか、世界観を盛り込みたかった。

「じゃがいもの冒険」という方向性は出来上がったのですが、ガチのオケやらロックやらのBGMを作るとなると時間がかかる。Apolloに参加しようと思ったのが開催の2週間前なので、とてもじゃないが今からそれは間に合わない。でも、今回はなんとしても参加したい・・・!!

そう思って、3和音+ノイズという非常に単純な作りのチップチューンであれば数曲分くらいは出来るかな~と思い付いて試しに作り始めたら、思った以上に沢山作る事が出来てしまった。大体一週間で26曲分作れました(笑

 

SoundCloudで全曲聴けるようになってるけど?

「じゃがクエ」のサントラはSoundCloudでも聴けるようにはしてありますが、DLの許可はしていません

Apollo、BOOTHで販売する形は、あくまでこれを気に入ってくれた方用に、手元に置いていつでもける形を提供したいと思ったからです。正式なルートとして。

別にそこまでじゃないよという方はこちらからどうぞ。

 

値段が¥540というのは?

作品に対する価値観と、それを作るまでのこれまでの手間と、今の流通の相場のトータルで決めています。

3和音+ノイズの音源なので、他の作品に比べて機材代などは全然かかっていません。が、この曲を作るまでにいままで音楽を学んだ時間、DAWやブース登録など諸々の手続きを踏んだりなどの手間、この作品に対する一つの価値、曲数と尺・・・等々を踏まえて、500円+税という値段をつけました。この辺は人によるとは思います。

ちなみに、このBOOTH販売でのサントラは聴いて楽しむ用としての値段設定です。ロイヤリティフリーの音素材としての取り扱いについてはまた別に考えています。

 

ゲームはないの?

ないです。残念ながら。自由に動ける自分がもう一人欲しいです。

 

続編はあるの?

あります。次のApollo8では「じゃがいもクエスト2」のサントラを作る予定です。こういうシリーズものを作ってどんどん自分の引き出しを増やしていきたいところ。

 

おわりに

Apollo・・・やっと、やっと参加する事が出来ました。

いやほんと、M3やApolloなどの場は色んな作品が沢山あってどれもこれもコンセプトや作りこみが素晴らしいので、適当には参加したくないよなぁ~と思っていたのですが、じゃがいものお陰でなんとか形にする事が出来ました。ありがとうじゃがいも!

 

・・・ですが正直、一枚も売れないかもしれません。(笑

でもね、今の時点でそんなことは大したことじゃないとも思っています。むしろ、こういった流れを一つ一つ経ていって、何でもいいから自分に出来ることを形にして、前に進んでいく。

こっちの方が今は大事かなーと思ってます。

 

剣士じゃがいも

それでは!

 

【2017年秋M3】『Ark of Phantasm – 麺コンピ』を聴き終えての感想

進撃のトマトメロスピありますで御馴染みの

Ark of Phantasmさん

 

これまでも予想の付けられないコンピを主催されているWinna Striveさんですが、今回はなんと、

 

麺コンピ

 

・・・想像つくでしょうか。麺から連想する音楽。私は最初イメージが浮かばなかった(笑

しかしながら、この麺コンピサイトを開きつつ曲を聞けば、なるほどと素直に思ってしまう。面白いですねほんと。一見ただの遊び心CDとして聞き流してしまいそうになりますが、案外深い。次の常識は案外こういう発想から生まれたりするので要チェックや!!・・・とか言うのはこの際置いておきましょう。

 

Ark of Phantasm – 麺コンピ

1.ローファイ・ラーメン・タイマー

cacaoさん作。麺の種類は「カップ麺」。

昔のからくりで出来た人形劇場のような、そんなクラシック感(古典的という意味)と楽しげな始まりを思わせる楽曲。旨い上手いです。こんな楽しげなからくり劇場を見ながら、終わる頃にはカップラーメンが丁度食べられるという流れるような展開。

クラブミュージックやオーケストラなど得意とされているようですが、全般的に作れるその多彩さをこの曲からも感じられます。

 

2.3分天国

地球はかい爆弾さん作。麺の種類は「カップ麺」。

“持て余した時間で手遊びする売れないバンドマン”とあるとおり、「3分待つってダルいわぁ~」と手遊びしつつ、途中で若干待っていることを忘れて手遊びに少し夢中になってしまうような。そういう刹那の展開が曲から感じました。

手遊びを感じを、フィルターやゲートで音を一瞬仕切るような、そういった演出からも感じます。持て余している割にこの手の込みよう、このバンドマンはかなり仕事が出来るタイプなのでは(笑

 

3.From Star

つばさくんさん作。麺の種類は「ベビースター」。

コーラスとシンセ音の気持ちの良い綺麗な楽曲。もんじゃ焼きの中のベビースターからは想像もつかない青空を感じました。あたかも、もんじゃ焼きの中にベビースターを見つけた瞬間、時が止まりその喜びの世界に飛び込んだかのよう。じゅーじゅーいうもんじゃのイメージとはまるで正反対。

しかしこの喜びの世界は時空を超えているので、なんかこう、この喜びに泣けてくる(笑

 

4.初ショップ

M/Sさん作。麺の種類は「細ちり麺の醤油ラーメン」。

20年くらい前のゲーム機での街のBGMには、こういう素朴なシンセリードとドラムが使われていて、どこかスーパーだったり、楽しい主婦の街の雰囲気を感じます。その街にあるラーメン屋。味は普通なんだけど、安定の醤油で、やっぱこれよね~みたいな(笑

あ、今日はサンマが安いわ・・・!さっきラーメン食べちゃったから、今日はお魚にしy(略

 

5.too fast to 麺

あおいんさん作。麺の種類は「ふやけ切ってないカップ麺」。

これめちゃめちゃ笑いました(笑)。パンクロックなのですが、もう麺がどうとかそもそもそんなに興味はないんだけど、「題材だからじゃあこれで歌っちまうか!なんでもいいんだよノれれば!」というような気さくでリスナーに凄く近いミュージシャンを連想しました。

最初は麺なんてどうでもいいとか言ってて、後半で麺について案外真面目に考えて歌い上げてる流れが凄く人間くさくで安心する曲の気がしました。いいなぁこういうストレートな曲を書けるのは。

 

6.至高の一杯

Winna Striveさん作。麺の種類は「家系豚骨」。

私を笑い殺す気かwww 豚骨ラーメンにここまで様式美があるのかというくらいのドラマティック・メロスピ。ウィナさんの曲は昔から知っていますが、ここまで悲哀と情熱を今この瞬間も曲に表現出来るとは・・・この不滅さ。しかも尺6分半もあるんですよ・・・なんなのWinnaさん。

「これだけの魂を揺さぶるサウンドは何が起因なのか!?」と、ふと手元を見たら豚骨ラーメンとか・・・そんなにか!?www

やばい。このギャップ差は流石に笑い死ぬ。

 

7.Lamentful kiss

NANAさん作。麺の種類は空欄。

楽曲にLUNASEA、歌い方にL’Arc〜en〜Cielなどをどこか彷彿とさせるビジュアル系ロックサウンド。麺の種類を敢えて述べていないところに、麺から連想する曲のイメージを直感的に降ろして、それをそのままサウンドへ翻訳しているかのような。

歌も綺麗で、曲展開も丁寧でどこか繊細さを感じました。

 

8.Love is…

タチやんさん作。麺の種類は「深夜に作るインスタントラーメン」。

自責の念と欲望の渦巻きという、心理的な深さを感じさせる曲。女性らしい声がインスタントラーメンの誘惑に聞こえてしょうがない。甘い罠に、精神的に揺らいでいる状態が曲にしっかり表現されているように思います。タイトルがねwww このコンピほんと面白すぎる(笑

これ、最後結局インスタントラーメン作って、た・・・食べちゃいましたよね・・・?

 

9.歳ノ瀬縁起~年越しそば~

EBIさん作。麺の種類は「年越しそば」。

イントロで弾いているこのピアノの手の位置、ここの位置の音、私凄く好きなんですよ。バックの、胡弓と多分笙だと思うんですけど、これも私の個人的に好きな楽器。和楽器の使用は思ったより少なめに意図されていそうですが、まさに古来から伝わる伝統ある和の心を表現している感じです。

非常に作りこみが丁寧で、さっきまで笑っていたのですがこの曲では荘厳な雰囲気もあり、少し鳥肌が立ちました。こんな雰囲気でそば食べながら迎える年越しって、優雅だなぁ・・・。

 

10.山菜そばを食べに行こう

Tsurugi(kt of 24)さん作。麺の種類は「山菜そば」。

山菜そばを食べにクルマでドライブしながら向かうとのこと。動きのあるベースが特長的で小気味良く、疾走感や曲の緩急の付け所や展開など、そば忘れてそっちに気がいってしまった。個人的にはこれでドライブしたら私はすぐ脇道に突っ込んで林の中を抜けようとかわけわからないことしそう(笑

個人的に曲の作り全体的に旨さ上手さを感じました。これでドライブしたらテンションあがるだろうなぁ。

 

11.残ったスープと麺の入った胃袋 ~出汁の素の海老天しっぽ~

δ(でるた)さん作。麺の種類は「麺を食べ終わった後のスープのみ海老天うどんと他のメニューも食べたりしてもう満腹状態の人。」。

サイトのコメントから、美味しい麺類を食べているはずなのに、なぜかそこから逃げたくなる、逃げないとやばい・・・!なのに逃げられない。美味しいはずなのに、もうお腹が一杯でこれ以上は危険だと脳が、身体が、胃が告げる・・・!ここから抜け出す算段を付けようにも、満腹感によって思考は徐々に眠りにつく。言われるがまま麺を口に運ぶ。

これ以上は危険だ・・・危険だ・・・危険だ・・・!!(笑

そんな緊張感のある楽曲です。

 

12.拝啓ひやむぎ様

清水嶺さん作。麺の種類は「ひやむぎ」。

夏のさわやかな食卓を思わせる、温かで優しいピアノ曲。小麦色と風鈴を揺らすおだやかな風を感じます。ピアノの高域部分の弾きがひやむぎを入れる透明のガラスの器を感じさせ、その後は食後ののんびりタイムといったところでしょうか。

なんだろう・・・凄く幸せな気分になる。こんな日常がずっと続いたらいいね~っていうような、家族的な愛を感じる曲でした。

 

13.MaRV Omen

瑞希にゃんこさん作。麺の種類は「麻婆麺」。

作者コメントにあるとおり、想定外の展開を受け入れざるを得ない、まるで未知の領域に足を踏み入れたような、危機感とは違う、どこか葛藤が収まらない言い様のない心の渦巻きを演出しているかのようです。

曲中からは「そうじゃない、そうじゃないんだ・・・!!」という訴えにも似たような何かを感じる。味がどうとか、そういうことではない・・・!!(笑

 

14.S・T・A・M・I・N・A

rsyさん作。麺の種類は「スタミナラーメン(茨城ご当地ラーメン!癖になる旨さ!!)」。

選択している音色や楽曲のノリから、イースⅥのエルンスト戦を思い出させるような楽曲。これは麺の種類にも色々あり、味わいや噛み応え、喉越しや後味、匂い、そもそもまずどのような工程を経てこの麺が出来上がったのか・・・お前は理解しているのか・・・!?

そんな緊張感と真実の扉を垣間見るような、かっこいいんだけど思慮深い印象を感じました。

 

15.買い置きカップ麺の見つからない深夜2時

startide / hiroさん作。麺の種類は「カップ麺」。

こちらも非常にドラマティック。弦楽器の壮大な雰囲気から繰り出される、このゆっくり崩れ落ちる様は一体何なんだ・・・何だこの「つがいの相方が亡くなったと悟った時に鳴く鳥」かのような、悲しみに満ちた音は・・・!!

こんなに・・・こんなにも悲しいものだとは・・・切ない。いや、私もしょっちゅうこういう経験ありますけど(タイトルから

 

16.White Stream

0|1 + 前濱雄介 + T木さん作。麺の種類は「流しそうめん」。

環境的な情景をよりリアルに音に表現されている楽曲。幼い頃の記憶、という部分をシンセで不透明さを出しながら、流しそうめんの流れていく様を思い出しているかのような、記憶の渦を遡るような印象を受けました。

中盤でベースが左右違う動きをして、徐々に理性と思考が保てなくなっていくような、根元に触れるような曲。こういう作風も私は結構好きです。

 

17.aldente

79 Million Reserveさん作。麺の種類は「パスタ」。

これは、パスタ麺に見立てた記憶を遡るイメージが沸きますね。序盤の流れを超えると、曲にノリが生まれます。まるで過去の自分を鮮明にありありと思い返すような、突き抜ける空間を感じました。非常に気持ちが良い。

後半で、当時何を思ってここに来ることになったか、それすらも思い出しているような、原初を思い出して覚醒したかのようなかっこいい印象です。

 

18.バカでかいカップ焼きそばを独り占めwww

知叡=アンダーソンさん作。麺の種類は「カップ焼きそば」。

コメントとは裏腹に、非常に静かなピアノの旋律から曲が始まります。これは・・・バカでかいカップ焼きそばを一人で食べれることに当初は嬉しかったはずが、実際そうなってみるとこの言い様のない寂しさ、孤独・・・泣き出しそうになるのを必死に抑えて食べるはずの焼きそばが、涙の味しかしない。

最後、すする音だけが聞こえるのですが、少しだけリバーブかかってるんですよ。まるで小さな空間に一人ぼっちかのような。すすっているのは焼きそばか、垂れ出た鼻水なのか・・・。

 

19.ラーメン屋の熱き魂~親父の力~

斬龍さん作。麺の種類は「ラーメン?」。

ピアノ独奏。こちらも、熱き魂のラーメン屋とは裏腹に、哀愁を漂わせた雰囲気から始まります。そこから一転、力強さを感じるタッチになり、またその後で一段切り替わります。親父のどこか辛さを背負いつつも決断していくようなドラマティックさを感じます。

でも、切り替わる時は思いっきり切り替わる。そこに親父の行動力と、徐々に変わる緩やかな旋律から優しさを感じますね。最後も優雅なので、この親父は結構ダンディかもしれません。

 

20.育麺!? -パパ応援マーチ

鳴海陽香さん作。麺の種類は「イクメン」。

おおー!ラストの締めにもふさわしい、明るくコミカルな曲です。子供は毎日無尽蔵な元気さを見せて、ママやパパはわからないことだらけでもう大変!でも子供と一緒にいる生活はやっぱ楽しいなぁ!・・・という温かな家族愛を感じました。

子供の歩調に合わせた、優しく楽しい、元気いっぱいの曲!

 

麺コンピを聴き終えて

いやこれは、笑いあり涙ありの素晴らしいコンピ作品でした。

作家それぞれの個性を感じつつ、それぞれの様々な思いと解釈が非常によく伝わってくるCD。まさかこんなにもドラマがあるとは夢にも思わなかった。全部、全曲良かった。目から鱗とはまさにこの事。

音を楽しむと書いて音楽と表しますが、一番大事なことを思い出させてくれる、そんな作品です。

 

Ark of Phantasmさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『オトカプセル – 静謐なひととき』を聴き終えての感想

ゲーム音楽やオリジナル楽曲を製作されている、

オトカプセルさん

 

今回ゲットしたCDはピアノオンリーアルバムです。

M3前日、たまたまツイッターでピアノオンリーという文字を見て、よし買おうと。ピアノは私も好きなので、少しでも多く引き出しを作るため、色んな作家さんからこうして定期的に取り入れるようにしています。

 

オトカプセル – 静謐なひととき

1.陰

「陰」とタイトルが付いているのですが非常に力強いピアノ曲。

踊るような曲調で、陰の要素を感じさせない。確かにマイナー調ならではの哀愁はあるのですが、どうやらそういう陰ではないと思います。陰の中にところどころ明るさが入り、それによって陰の部分に戻った時が印象的に感じます。

そしてこの曲はどこか剣士の技磨き。剣の舞のような印象を感じます。

 

2.楼

陰とはうって変わって非常に優しい入りから始まります。持ち前のパワフルさを隠しきれないかのような力強さを時折垣間見せはしますが、非常に素直で真っ直ぐなピアノとして、柔らかな抑揚のある展開になっています。

「楼」とは、やぐら。高いたてもの。最初にそういった建物から思いを巡らしてみたのですが、このピアノ曲はやぐらはあまり関係なくて、その近くで起きていた人間模様・・・お父さんと子供・・・どこかに行って帰っていく・・・夜ではない。・・・桜っぽい。坂道を帰っていく・・・?

そんなイメージがおぼろげに浮かびました。

 

3.朱

「朱」・・・激しさを基調としたサウンドの気がします。赤、火山、旗・・・などなど連想してみると、どうやらモノではない。何かを行っているときの激しさに近いものを感じます。

この曲は「静謐なひととき」の中でも一番激しい印象がありました。

イメージとしては少し遠いかもしれませんが、なんとなくファイナルファンタジーのイフリートが出てくるんですけど、そのイフリートが上半身をはだけて和服でピアノ弾いてるイメージなんですよね(笑

 

4.瑠

瑠璃の「瑠」・・・イントロでは小さな何かに話しかけるような、そんな優しさとそこから小さな光をスポットライトとして物語が進んでいく感じですね。個人的にはこの曲が一番静謐さを感じます。

力強さが一瞬入ったと思ったらすぐに静かになり、ここではないどこかの空間をところどころ想起させるフレーズと、それから連なる物語が徐々に繋がっていく感じ。

抑揚はしっかり作ってあるのですが、そこに悲しさをあまり強く盛り込んではおらず、ラストに向かうにつれてむしろどこか安心感さえ感じました。

 

5.焔

「朱」と似ているのですが、こちらの「焔」の方が情緒がプラスされているように感じます。

少し切ない雰囲気でイントロが始まりますが、「焔」の名の通りの激しさを時折混ぜてきます。そんな激しい演出が要所要所にあって、どこか踊るようにピアノが進んでいく。

なんだろう、悲しげではあるんだけど、そこから昇る力強さがピアノの叩きにリンクしているような。ラストもそのような強さを宿しつつ、最後の時を迎えるというなかなか乙な展開を感じました。

 

静謐なひとときを聴き終えて

これは斬龍さんにしてやられた感があるのですが、私が当初思っていたよりも、力強さが随所に盛り込まれているピアノ曲だと感じました。

「静謐なひととき」とタイトルにはあるのですが、静かでしっとりした系のピアノではなく、強さを感じる静謐さ。太平さを感じる作品だと思いました。「焔」など、字のイメージからも激しいことがわかるのですが、その中にある静けさの表現を、結構考え込まれて作られたのではないかなぁ。

 

オトカプセルさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~』を聴き終えての感想

ベーシストでありながらタロットカードもしてしまう、

あだPさん

 

そのタロットカードを音楽で表現した作品が「Parsifal」。

DTMでの作曲はまだ三ヶ月足らずということなのですが、音の表現には年数はあまり関係がない気もします。音にどういった解釈が乗っているのか、私はタロットに無知なので楽しみです。

 

あだP – Parsifal ~A Wondering Minstrel~

1.旅立ち ~Fool~

カード番号「0」愚者。大アルカナに属し、正位置は「自由」、逆位置は「軽率」。

タロットカードには旅人が描かれていて、型や枠というものを持たない奔放な様ということのようです。まさにこれからの船出を思わせるような始まりを曲から感じます。軽率にどこかに迷い込んだかのような、好奇心を醸しだす展開から、最後に何かを見つけたかのような出会いを感じます。

まるで小劇場にいるかのような雰囲気です。

 

2.悪だくみの魔術師 ~Magician~

カード番号「1」魔術師。大アルカナに属し、正位置は「起源」、逆位置は「混迷」。

才能あるがゆえに、怠惰になるような、そういう人間臭さを感じる展開。人が驚くようなことも割と出来るけど、打ちひしがれるのも早いといいますか。でも最後はまた忘れていつもの生活をしているような。それと、小さな楽しみや優雅さをどこかに含んでいる気もする。

この曲からはそんな根は明るい魔術師の印象を受けます。

 

3.苦しみの理解 ~High Priestess~

カード番号「2」女教皇。大アルカナに属し、正位置は「直感」、逆位置は「悲観」。

知性ある雰囲気をまとった曲。ただし頭が回るがゆえに、抱え込んで潰れてしまいそうな、そういった脆さをも感じます。この曲からは、理性と感性は一つであるかのような感覚があります。緊張感を持ちながら、静寂を保っているという鋭さがある。

 

4.誘惑の美女 ~Empress~

カード番号「3」女帝。大アルカナに属し、正位置は「繁栄」、逆位置は「挫折」。

豊かさを感じさせるところから曲が始まります。情熱さや包容さも含んでいますが、そのすぐ後に、物凄い線の細さを感じさせるサウンドに切り替わります。不安定さ、緊張感さが豊かさの裏に潜んでいるということでしょうか。

最後は、豊かさを取り戻す形で曲が終わります。

 

5.救世主 ~Emperor~

カード番号「4」皇帝。大アルカナに属し、正位置は「支配」、逆位置は「未熟」。

この曲は、豊かさというよりは強硬さ。どちらかというと恐怖を感じさせる感じから始まります。しかし中盤に入る頃には勇ましさや頼もしさ、逃げない強さを感じさせてとても頼りがいのある雰囲気になります。傲慢に見えた後ろには強い行動力があるということでしょう。

この曲は作中で一番長く、終盤は一つをまとめあげて治めていくかのようなドラマティックさを感じます。ラストの〆は大団円といったところだろうか。

個人的にはこの曲が一番ストーリーを感じて好きです。

 

Parsifal ~A Wondering Minstrel~を聴き終えて

オーケストラ調にタロットカードを表現しているのが、より一層雰囲気をわかりやすくしている気がします。なんかこう、マーラーを聞いていた時を思い出しました。情景を「曲」という型にはまったものというよりは、一つの世界の流れを音に翻訳しただけというような。そんなうねりを感じました。

この作品は、次回作の構想がすでにあるとのことで、5番目以降のタロットの意味をどう音に表現されるのか非常に楽しみです。

 

あだPさんの特設サイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Ciel Cielo – Zelophilia』を聴き終えての感想

ボーカルのみーさんとプロデューサーパープルPさんのユニット、

Ciel Cieloさん

 

透き通るような声のボーカルと、神秘さの中にポップさを含んだ楽曲が特徴的です。

前作の「月の残像」は透明感があって、どこかかき消えてしまいそうな雰囲気だったのですが、今回は少し意外な一面といった感じでしょうか。

 

Ciel Cielo – Zelophilia

1.Zelophilia

かっこよさ気なタイトルのZelophilia。意味は嫉妬愛。歌詞の内容はその嫉妬が歪んでしまった形で愛を求めるような感じです。ただ、曲は裏腹にポップでかっこいい感じがあるので嫉妬で歪んではいるんだけど、どこか明るくそれを受け入れるかのような雰囲気があります。

最初タイトルの意味を知らずに聴いていたのですが、意味を知って、曲中のところどころにホワイトノイズの入っている意味がわかりました。

最後、「貴方の血で、目で、手で」とあるので、歪んでいることに変わりはないのですが、なんか明るい。こういう幸せの形を認めざるをえないようなどこか温かさを感じる

 

2.ヒュプノスの抱擁

ヒュプノスとは、ギリシャ神話でいう「眠りの神」。

嫉妬愛の後に浄化されて、安らかな眠りに付くような、それこそ光に解けて消えてしまいそうな雰囲気。休符の使い方が非常に上手く、そこが一瞬の呼吸の間のような錯覚をしてしまう。サウンドはしっかりと音を主張していながらこの透明感というのは凄いですね。

ボーカルの声が透明感をとてもよく演出しているように思うのですが、ホワァーッとした中に芯がしっかりある。ブレスの吐息感が冬の寒さ、白い世界を私は感じるので、声の特徴をよく引き出しているように思いました。

 

Zelophiliaを聞き終えて

陰と陽で言えば、陰の雰囲気を主軸にしていながら、あまり感情的に落ち込むような感覚がなく、どこか安心感のなかでの嫉妬と眠りの世界。サラッと聞き流してしまいそうな雰囲気がありながら、結構細かいところに気を遣われている印象があります。

パープルPさん曰く、「時間があまり取れなくて、本来もっとクオリティを上げられたはずでそこが無念」とのことですが、雰囲気作りなど個人的には申し分ないように私は思います。

ヒュプノスの歌詞が個人的には好きです。

 

Ciel Cieloさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia』を聴き終えての感想

姉妹ボーカルのゴシック・シンフォニックメタルの、

うさちゃんスタジオさん

 

姉妹ボーカルというのがまた魅力的ですね。私、一時メタルを聴き漁っていたことがあったので、なんだか懐かしささえ感じてしまうこのダークネスさ。スバラシイ。

アルバムは全8曲で半分は歌なしのインストなので、歌としては4曲ということになります。

 

うさちゃんスタジオ – Chronos Phobia

1.Watcher

イントロ前のストリングスで一気に雰囲気の掴みを持ってきます。バスドラとギターでガンガン刻むのですが、その割にドラムのおかずは案外多彩な印象。Bメロに歌ではなく語りになっているところが、サビへの盛り上がりに拍車をかける感じですね。

一瞬ドラムにフランジャーっぽい演出を入れてるのも面白い。サビの中にバックのギターとは別でまるでレーザービームが発射されるかのようなツインリードギターが入ってくるところとかかっこいい。

この歌と語りが交互に入ってくるのはボーカルならではの技なんでしょうね、まさに王道のゴシックメタル

 

2.Marionette/MarioとMaria

ツインボーカルの掛け合いがいいですね。ボーカルを非常に大事にしていることがよくわかります。ギターがそんなに主張しないんですけど、そこが逆に後ろにある壊れた感じを演出しているかのよう

題名がマリオネットとあるとおり、どこか機械仕掛けを感じます。一周終わってマリオとマリアの会話の遣り取りがなされるのですが、ギターとピアノでオレンジ色の明かりの灯る小さな空間で密会をしているような雰囲気に思えます。

からくりであるが所以の悲しさみたいなものも感じますね。

 

3.Trapeze

ゴシックメタルとは一風変わった空間を感じさせるサウンド。ボス戦みたいな危機迫るものを感じる。この曲一番好きかも。

ギターソロの部分でベース部分がガン、ガンと動くところや、サビのリードのアルペジオにヒーロー的なポップさを感じる。またシンセが右と左で飛び出してきたりなど、結構展開が多彩で場面がどんどん移っていくところがかなり美味しい。

疾走系なので聞き流してしまいそうなのですが、盛り込みがハンパない気がしますね。こういうの好きなんですよ(笑

 

4.楔

最後にバラードをもってきただと・・・!?壊れそうなガラスの空間のような、ピアノの旋律が美しい。そして弦楽器が入ってきてストリングスで盛り上げていく。歌詞の内容から、抗えない運命と意思を持ってしまったことに対する問いかけのようなものを感じます。

演出が上手いです。ラストのカチャカチャいう音が歯車的な何かを彷彿とさせますね。どこかでギターを飛ばしてくるかとも思ったのですが、そういうわけでもなく最後まで悲哀を感じさせる形で終わっていきます。

マリオネットの宿命ですからね・・・連鎖を断ち切ることは、できなかった。

 

Chronos Phobiaを聴き終わって

ゴシック系メタルを聞いたのは久々だったのですが、いやこれはなんだか懐かしかった。しかし、懐かしさはありますが、曲展開が結構入念に施されている印象を受けて聴き応えがありました。

3曲目のTrapezeはどちらかというと王道ゴシックメタルとは少し傾向は違うかもしれませんが、その道から逸脱したこの曲にどこか新しさを感じて、私は個人的にとても好きです。いいなぁこれ、展開が多彩でめちゃめちゃかっこいい。

inst版も用意されているのは何気に親切なところで、歌詞と世界観にたがわず繊細なところも伺えます。

 

うさちゃんスタジオさんのツイッターはこちら

 

【2017年秋M3】『in the blue – イデアの森』を聴き終えての感想

サウンドクリエイターであり、ボーカルもこなすやまもまやさんのウェブサイト、

in the blueさん

 

同人・商業問わずその作風はとても人気で、ご存知の方も多いのではと思います。

 

その少女、イデアは森に恋をした―

出典:イデアの森 -Forest of IDEA-より

今回ゲットしてきたのは、青色ではなくなんと緑色のCD。タイトルだけでなく、ジャケットデザインとフォント文字からもうすでに世界観を感じる。いいですよ・・・こういう世界観、聞き手側としてはインスピレーションに直結するので、ワクワクが止まりません。

 

in the blue – イデアの森

1.畏怖と慈愛

「イデア」とは理念・観測。つまり、認識することで「それ」は存在するという意味だと私は思っています。つまり、この物語の少女は「それ」を「見」つけてしまった。いつからそこに存在していたのかはあまり重要ではなくて、「見た」時点でそれは「在る」ことになる。

・・・この曲はそんな「イデア」と少女の邂逅から始まり、0:40辺りでメロディが入るところから人の心地が生まれ、森の息吹を感じる演出を思わせます。

後半、世界がぶわっと広がったような、自然の愛に包み込まれるような、そんな臨場感を感じました。

 

2.森に抱かれて

イントロに始まるピアノの微妙な揺らぎがたまりませんね。ここで歌が入り、少女が森を感じ思いを寄せる情景が浮かぶのですが、私が感じたことは「初めて触れた言いようのない温かさに包まれる」というよりは、「かつて元々は一つのものだったんじゃないだろうか」というようなどこか懐かしささえ感じるということ。

ただ、そんなことは一抹で、最初に感じた畏怖とは裏腹に何ともいえない森の心地良さを肌で感じている・・・そんな印象。

 

3.緑の螺旋

森の神秘さを感じつつ、目の前の手に触れるものを味わっているかのような曲。

螺旋という言葉に、森の連綿とした歴史というか実際に時を経てそこに至った経緯と、森に住む生物、特に昆虫や花などといった小さなモノのイメージが沸きました。・・・あ、小動物もいますね。草はもちろんきのこも生えてますね。あー!こんな虫見たことない!!

これは自分の感覚ですが、自分が少女になったような気分にさせてくれる、そんな曲ですね。

 

4.絡まり合う枝

森の中核といいますか、核心を見たかのような静寂のある雰囲気の曲。こちらの方が森の歴史を「感じる」情景が浮かびました。打楽器の名前は浮かびませんが・・・森の鼓動を感じる。

優しげでありながらドラマを感じる後半の展開は、自然界の雄大さとやっぱり包み込むような何かを感じます。その画を輝く石か何かで見させられたような・・・なんだろう、王蟲の心に触れた時のあの木々みたいな。ナウシカ大好きです、はい。

 

5.深淵

緊張感が漂う、見えない渦の中にいるような雰囲気を感じます。ただ、恐怖というよりは「世界はこのようになっている」という目に見えるもの裏側が、まるで機械化した絵に写されたような、そういう茫漠としたものを感じる。

なんだろうな・・・一歩間違えると引きずり込まれそうな緊張感もある気がするんですよね。ただ、膨大な何かの波に流されているようでいて、どこか客観性があるんですよね。すごいな・・・この音の表現。

 

6.イデアと森 -reincarnation-

最初のコーラスに聞き入ってしまった。リンカネーション・・・転生とも、再生とも、輪廻とも言いますね。ここで今までの流れが一つに繋がったような、そんな印象を受けます。何度も繰り返し生まれ変わるような、そんな流れ。

イデアの森が転生を司る森なのか、それとも少女が元々は森と一つだったのか、色んな解釈が頭をよぎりますね!ああそして、終盤のコーラスは卑怯だ(笑

・・・今ここで気付いたのですが、タイトルは「イデア森」なんですけど、この曲は「イデア森」なんですよね。イデアと森が分けられているんですよ。”仮に”これを私流に置き換えるとすると「私森」と、「私森」。そしてリンカネーション。

いやー!!! ゾクゾクしてきた!!!(アホ

 

イデアの森を聴き終えて

いやー!これは!大好物!!(笑

神秘的な作風にここまでのストーリーが盛り込まれている。しかも非常に聴き易く、感情というよりは何かの記憶を優しく引っ張り出されるような、そんな作品でした。

ジャケットの裏側には、

”It is love, not reason, that is stronger than death.” -Tomas Mann-

「死より強いもの、それは理性ではなく、愛である」-トーマス・マン

という、19世紀のドイツの小説家の言葉が書かれています。トーマス氏の愛についての捉え方は、その小説作品に触れることで垣間見れるのかもしれません。

 

イデアの森、凄く良かった。今度は青の世界も体験しよう。

 

 

in the blueさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE』を聴き終えての感想

ヒーリングやニューエイジをメインに、ワールドミュージック・ジャズ・オケ等ジャンルに拘らず作曲をされている清水嶺さんのサークル、

Unknown – Dimentionさん

 

ケルト系民族音楽をまとめたミニアルバム。
個人アルバムに未収録の過去作品、書き下ろしを含む全7曲。

出典:Unknown -Dimention/Discographyより

今作の「A NEW SUNRISE」は、そんな幅広いジャンルを手掛ける嶺さんのケルト系音楽に特化したCD。今回私がM3に参加した際、これだけは手に入れておきたいと思った一枚で、色々と忘れてしまいかねないM3の中で真っ先に買ったCDです(笑

 

Unknown-Dimention – A NEW SUNRISE

1.A new sunrise

こちらはWEBでも公開されている曲。打楽器とパーカッションの入りから、バグパイプの陽気なメロディが「ああ、これだよこれ」と納得してしまう非常にキャッチーなケルト音楽の曲。

ケルト音楽は、西洋の日常を描く文化が音に引き継がれた、いわゆる日本の民謡と同じ「そこに住む人々の世界を映す」音楽だと私は考えていて、この曲を聴くと、ヨーロッパに住む人々の想いが伝わってくるような、そんな温かい曲だと思いました。高山や田園の風景も目に浮かぶようです。

 

2.Hadrianus

西暦100年頃のローマ皇帝の名前がこのハドリアヌス。国王として国を率いる力強さと威厳さを感じる曲です。イントロの極わずかなピアノがまるで、この世に生れ落ちた王の静寂さを醸しているかのよう。

コーラスの演出がもう王国に誇りを持つ衛士の魂かのようで、そこに君臨する王の強さ、優雅さ、そして時として政治的な辛辣さによる哀しみなど、そういう人間模様の渦巻きを感じました。

 

3.Blackbard

ヨーロッパのクロウタドリをモチーフにされているのかな。春の訪れを告げる鳥ということですが、西洋の街に吹く強い風を受けながら飛び回っているかのような印象を受けます。

クロウタドリに関してあまり知識がないのですが、この曲からは自然の大きさというか、そこに根差す生命の力強さを感じる。笛の音が鳥の鳴き声を模しているところが情景とイメージを掻き立ててきますね。

 

4.White wall

タイトルから最初、西洋の街並みの壁のことかと思ったのですが、私のイメージではヨーロッパにそびえる山々のような雄大な印象があります。空に見える鳥と、無造作に剥き出しにされた崖の岩の壁・・・。

しかし楽器の演奏法をほんとに勉強されているなということがよくわかる。少なくとも私には。

実際山に登ってみるともっと無機質さを感じるものですが、この曲にはドラマがある。人の描くものなのか、自然の峰峰がもつ意思なのか。うはー、しびれる(笑

 

5.Climb the red mountain

こちらは実際に山に登っている人の温かみみたいなものを感じる曲。White wallが自然側であるなら、こちらは自然に対する人側であるかのよう。淡々とした人間臭さをすごい感じる。

左右のアコギが人の心の灯し火みたいに聞こえるんですよねぇ。わかりやすい緩急はなく、ただひたすら黙々と進んでいく、どこか挑戦的な心を感じる楽曲。

 

6.Vidohunir

北欧神話にある、世界樹ユグドラシルの最も高い枝におり、その黄金の身体により世界を照らしているという雄鶏の名前がヴィゾフニル。

この曲では、そういった伝説的な印象はなくて、やっと会えたヴィゾフニルは案外人間臭くて、会いに来た人間に対して「よー来たな。で、何か用か?オレの肉でも取りにきたってか?」みたいなニヤついてしまいそうなストーリーを感じる。

ドラムが力強く、地に足がついているような印象を受けるので、ユグドラシルの頂上でありながらどこか落ち着いた印象があって、こういうストーリーが浮かびました(笑

 

7.Ogma

でたー!!戦いの神、怪力自慢のオグマ!!(笑)またオグマは霊感・言語の神でもあるので、モノを伝えるという協調性にも長けていたと勝手に思いを馳せる、2面性をもつ神。

曲からは、怪力さよりも書斎で文字の発明を行っているかのような知性を感じます。曲から、「ああ、オグマってこういう神さまなんだな」と納得させられるというか、オシャレで結構思慮深いんだなぁと(笑

 

A NEW SUNRISEを聴き終えて

ケルト音楽は東洋から見ると独特の躍動感と文化をもっているのですが、民族音楽と言われるだけあって、そこに住む一族の歴史を感じさせます。全体的に流れるように踊る、そういう曲調なので緩急の付け方も懐かしいようなどこか新鮮なような。

しかし嶺さんのケルト音楽は、かつて昔そこに住んでいたんじゃないかと思わせるような自然な作風で、心にささるというよりは染み込んでくるような感覚があります。

ケルト音楽の笛の音って非常に細かい動きをするのですが、伸ばすところには下手に揺らぎを出さないんですよねぇ。そこが人々の真っ直ぐさを感じさせるのですが、正直そこまで詳しくないので、間違ってたら恥ずかしいな・・・(笑

 

クオリティもあいまって何度聴いても全然飽きない、スバラシイ一品です。

 

Unknown – Dimentionさんのサイトはこちら

 

【2017年秋M3】『あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド』を聴き終えての感想

ピアノもボイスもフルマラソンもこなす、

あるみかんのうえにあるみかん。さん

 

今回手に入れた「シグリッド」は、朗読と音楽を交互に織り交ぜたどこか幻想的な作品。

朗読とピアノで綴る、ある島の教会と、1人の少女のお話。

出典:シグリッド/あるみかんのうえにあるみかん。より

とある島シリーズとして、

1作目「アリア」(現在無料公開されています)2作目「アレータ」に続く、第3作目となっています。シリーズものとして、1作目や2作目も非常に気になるところですが、お話の内容は個別で聞いても楽しめる形になっているようです。とっても親切。

 

あるみかんのうえにあるみかん。 – シグリッド

1.朗読(1)教会

とある教会を舞台にした物語の序章。さらっと聞き流してしまいそうなのですが、ここで結構核になることをいきなり教えてくれています、多分(笑

ナレーションの女性の声とそのしゃべりが世界観にマッチしていていいですね~。

 

2.音楽(1)光差す大聖堂

大聖堂ではあるけれど、荘厳な感じではなく、リリースの長いピアノ音によって建物内に差す一筋の光を演出している。無人の空間にただ光が差しているという表現がとても綺麗。

 

3.朗読(2)黒髪の少女

今度は男性の声で朗読が始まります。それによって一人の女性の存在が確認できますが、ナレーションの男性が作中の登場人物と重なって、まるで自分がその作品の中の第三者的な登場人物としてそこにいるかのような錯覚になりました。

 

4.音楽(2)孤児院にて、ある晴れた日のこと。

このアルバムで2番目に長い曲。みんなのお姉さんである少女の人柄とその生活がピアノの旋律から表現されている気がします。曲の展開から、ナレーション通り、どこか控えめだけど明るく勤めていて、時として少し悲しかったのかな?もしくは疲れたりもはあるけど、最後は良かった!みたいな可愛らしさを感じます。

 

5.朗読(3)遺伝性好奇心

おお、ナレーションの方がまた代わりました。ここではその物語の主人公である女性自身の生い立ちと、そんな彼女の小さな楽しみについての内容を教えてくれます。物語がより具体的になってきました。

 

6.音楽(3)秘密の楽しみ

主人公のシスターの少女時代の秘密の楽しみの情景でしょうか。イントロの秘密の扉を開く時の緊張感と、その後の小さな楽しみを味わっているかのような優しいピアノ。転調することで階層の違いを表現しているのでしょうか、場面の微妙な移り変わりを感じます。

そして終盤テンポが早くなります。気持ちの高ぶりでしょうか、感情が揺さぶられます。

 

7.朗読(4)思いがけない再会

ナレーションの方が毎回代わることで、作中の色んな人が主人公の女性を見て関わっていたかのような演出になっており、まるで色んな関係者に話を聞いているかのような感覚になります。ここでは、一つの問題が出てきて、それによって幼かった頃の秘密の楽しみに今一度触れる機会についてを知ることになります。

 

8.音楽(4)蘇る記憶

子供の頃に触れたものに、大人になってから改めて触れることでの少しの戸惑い。どこか変わらない空間。そんな印象を感じます。尺が短いので、この時点では幼い頃の記憶に触れたのはそんなに長くはない、ということでしょうか。次のナレーションからそんなことを思いました。

 

9.朗読(5)封印は解かれる

問題はここで一旦解決しますが、それよりももっと気になることが出てきました。幼い頃に気付いていたのか、気付かなかったのか。その空間の先に何があるのかを思い巡らせるような。

 

10.音楽(5)流れる空気は冷たくて

3番目に長い曲。大人になってから、子供の頃に触れていたものの先を垣間見る場面ですね。幼かった頃よりもずっと周りの状況に対する理解があるので、思考が色々と頭の中を飛び回るかのような、単なる不安ではない何かを感じさせるピアノです。

まじまじと周りを確認しながら、一歩ずつ足を進めていくような、そんな印象。

 

11.朗読(6)たどり着いた先には

物語の一番核心になる部分を朗読で伝えてくれています。これは正直かなり気になる内容を説明してくれているのですが、この朗読を聞いているとそれよりも更なる疑問点が幾つも出てくる。ここで、作品のタイトルの意味と、冒頭のナレーションの語っていた意味がわかります、多分。でもちょっと自信ない(笑

 

12.音楽(6)Hrj Sigrid

アルバムの中で一番長い曲。その前の朗読内容から、私の中では予想外の曲展開でした。

・・・なんだろう、ここで主人公の女性のテーマらしきメロディが流れてきた気がします。それは多分物語の本質に触れたからなのでしょうが、根元の懐かしさ触れたような、そんなメロディ。

曲は、彼女の心理描写とその動きの微妙な揺らぎを説明するかのように流れていきます。真実に向き合った彼女の心を曲として表しているのであるとするなら、最初にかかる曲「光差す大聖堂」のあの光のような、そんな存在なのでしょう。曲の最後にちょっと泣きそうになった(笑

 

シグリッドを聴き終えて

朗読と曲による情景描写の見事なコンビネーション作品。これは実に聴き応えのある作品でした。いや~、聴くまでこんなに引き込まれるとは誰が予想したであろう。この作品に関してはなぜか、良かった~というより、

 

「面白かった・・・!」

 

と思ってしまった。これが朗読の力か・・・!

この「シグリッド」は、とある島のお話第三作目とのことで、一作目・二作目も同じ島での話なのでしょうか。だとしたら、このシグリッドと何かしらの関係性もあるのだろうか・・・気になる。

ウホッ!オラ、ワクワクしてきた!

 

「あるみかんのうえにあるみかん。」さんのサイトはこちら

 

 

【Waves】全207製品が最大91%OFF!11月2日~30日までのキャンペーン開催中

こんにちは、MAKOOTOです。

Wavesが今月もセールを行っていて、全207製品が最大91%OFFというキャンペーンです。

輸入代理店であるMedia Integrationでのウェブサイトページはこちら↓↓↓

最大91%オフ!Waves November Specials

 

  • 期間:2017年11月2日(木) 11月30日(木)まで*
  • 販売形式:パッケージまたはダウンロード販売
  • 販売商品:バンドル製品は全国のWaves認定ディーラーで、単体プラグインとダウンロード版はオンラインストアにてお求めいただけます。
  • 本キャンペーンは、予告なく終了または内容が変更になることがありますので、ご了承ください。

出典:Media Integtration,Inc – Waves November Specials より

とのこと。

Waves認定ディーラー一覧はこちら

 

Wavesは音楽業界では有名なプラグインメーカーなので、この業界をあまり知らない人から見ると、正規の値段からのこのセールはWaves破格!!やばい!!!と思うかもしれません。

 

実際に以前は40万円近くしたDiamondバンドルが今回では91%OFF。なので、33,800円ですか。昔の自分なら買っていたかもしれない。ただ、ここ数年の傾向はわかりませんが、今年の8月辺りから、Wavesは毎月このような破格キャンペーンを行っています

今他の通販サイトに検索をかけたところ、楽天やAmazonでも税抜きで3万円を切っていたので、購入するのであればそちらで買ってもいいかもしれません。サウンドハウスさんは税込みで28,800円だったので、それより更に安かった。

 

以下では、私が個人的にWaves製品をピックアップしてあーだこーだ述べてみます。ちょっと情報古いかとは思いますが、ご容赦下さい(笑

 

Diamond

収録プラグインは50種類以上。最近ではDAW付属のプラグインでも十分問題ないかとは思いますが、Wavesのシェアは世界でもトップクラスであるので、まだ持ってないけどプロ(特に海外)と同じものを使って体感してみたい!という方には一番お手頃のモノかと思います。

一昔前なら、個人レベルではGoldくらいで十分事足りた印象があるのですが、それ以上のクラスはまだ値段が10~20万くらいで値段的に手が出せなかったというのが理由としてあるかと思います。

ただ、当時のハイエンドクラスのDiamondが今や4万円を下回るとは・・・ここまで値段が下がっていると、これを持っているだけでもう、一通りのことは出来てしまう。一通りの括りも難しいんですけど、これより先は自分の特化した音楽スタイルの方向性くらいしかないんじゃないですかね。

 

Wavesのこういったひとまとめセットについては、ZALさんの記事がわかりやすいかなと思いますのでご紹介。

プラグインといえばWaves!Wavesバンドルの選び方と買い時

 

MaxxBass

Wavesの有名な低音補強プラグイン。ミキシングにおいて、低音の処理が難しいという声をよく聞きますし、同時にこれを使うよいいよ!という声もよく聞きます。低域は周波数の分布が密ではないので、例えばEQなどでQを尖がらせて削ったとしても音の変化が高域に比べてずっと如実で、処理がなかなか難しい。

 

「下手に削ると音が欲しくなってしまうけど、迫力は消したくない!」

 

そんな低域の問題を解決してくれるというのが、このプラグインの売りですね。

Diamondなどのシリーズの一番下位のSilverにも入っています。これ単体を買うくらいなら、Silverとかを買ったほうがいいのかもしれない。色々入ってるし。

 

MaxxBassをもうちょっと詳しくしりたい方はこちらをご参考に。

WAVES Maxx Bass 無い音を加えるという考え方

Waves / Gold~その2 真ん中らへんのMaxxBassの記事

 

L3 Multimaximizer

WavesのリミッターにはL1、L2、L3と三種類ありますが、このL3、個人的にはリミッターとしての機能はもちろんなのですが、音作りにも活用できるということで一時ちょっとだけ話題になったのを覚えています。

リミッターとしては個人的に、

  • L1は古臭い音になり
  • L2が一番堅実に仕事をしている感じ
  • L3は遊び要素が含まれている

という印象。そしてこのL3は若干歪みに散らしが入っているといいますが、昔スネアにこれをがっつり掛けたら良い感じにバリンバリンの音になって面白かったのを覚えています。

L3が出たのももう結構前になり、今ではもっと使い勝手の良さそうなリミッターが色々出ているかとは思いますが、このL3の遊び要素は個人的に好きだったのでピックアップしてみました。

 

Wavesのリミッターシリーズについての記事ご紹介。

Waves L1、L2、L3 マキシマイザーで音圧アップ比較検証してみた

 

 Linear Phase Multiband Compressor

昔、「Waves Production Mixing Mastering with Waves」という日本語版のWavesの本を買って勉強していたのですが、この教本にこのプラグインが全部マスタートラックに設定ほぼ同じに差さっていたのを思い出しました。

↑これです↑

教本には、このプラグインだけでなく他のプラグインも併用されていたのですが、この「Linear Phase Multiband Compressor」は単体でも十分使えて、曲全体を柔らかく包み込むかのようにピークなどを抑えて調整してくれる。そういう印象がありました。

教本の設定では、1~2kをゲイン低めに抑えて、低域と高域を柔らかに持ち上げていたような・・・。その時の曲調にもよるとは思いますが。

 

Renaissance Compressor

自然な掛かり方をするコンプレッサーとしてWaves定番の人気・安定プラグイン。コーラスやクワイアに掛けると効果的という印象がありますが、割と何にでも使える感じです。これもDiamondはおろか、Silverにも入ってます。

定番のコンプとしてもう親しみの長いプラグインではありますが、逆に言えば「このプラグインの掛かりの音は当り前」という認識になっているとも言える。

こういう定番は、耳に馴染みのある安定したコンプの掛かり方が欲しければ必須だし、常にどこかに新しい音を求める気持ちに応えるならばむしろ使わないほうが良いということでもあるわけですね。

 

ご参考までに、R-Compの記事の一つをご紹介。

Renaissance Compressor – Wavesの超定番コンプレッサー

 

おわりに

上記私がピックアップしたプラグインはWaves定番の、ある意味古いプラグインがほとんどです。

今では他者の優秀なプラグインが沢山ありますが、HシリーズやVシリーズ(少し古いか)、C6 Multiband Compressorや、SSL4000など、やはりまだまだ業界に安定したプラグインの多いWaves製品というのが私の印象です。

 

Waves製品を買うときは、昔は無かったのですが今はWUPというサブスクリプション方式に近い継続課金制が導入されています。

購入して一年以内はいいのですが、それ以降で最新版にバージョンアップする場合には有償になるよということ。これは別に更新しなくても、そのバージョンのままであれば使い続けることができますが、OSなどのアップデートに伴ったサポートが無いということでもあるので、ある日いきなり使えなくなるという可能性もある。

なので、売り出しが安いからバカスカ買ってしまうと、WUP更新時に意外と出費が嵩んでしまうかもしれません。

 

WUPについてはこちら

 

 

・・・んー、今Wavesのプラグイン持ってないから、Diamondだけでも買っていいかなとも思うのですが、案外手持ちのプラグインでやりたいことがまだ結構あるので、あまり沢山持ちすぎてもねぇ・・・おっつかないし。

という、宣伝なのか何なのかよくわからない締めで終わりにしたいと思います(笑

 

それでは!

 

【2017年秋M3】『山染世界 – 不知火ノ章』を聴き終えての感想

架空のゲームBGMを演奏する独創ファンタジックバンド、

世界さん

 

その昔「魔笛士」が世を統治していた時代。
魔力を込めて吹いた笛の不思議なメロディは、魔物たちをたちまち一掃したという。
「魔笛士」の存在は平和をもたらし、人々に笑顔を取り戻したー。

出典:山染世界 ストーリーより

という、山染世界独自の世界観があり、そのストーリーをまるでリアルタイムにゲームを進めていくかのように音楽で表現している

今回はその2ndアルバム「不知火ノ章」の感想。

2017年10月現在、4thアルバムまで出ていますが今回2ndをゲットしてきました。バンド発起人の景多くんはもう10年くらいの付き合いになりますが、当時から多彩で凄かった。

 

山染世界 – 不知火ノ章

1.プロローグ

風の音と鳥の鳴き声でいきなり世界観をイメージ出来てしまった。すごい。

渋いどこかおじいさんのような語りから、山染世界のストーリーにある魔笛士の物語の始まりであることを告げられます。いいなぁこの入り。

 

2.タイトルテーマ

ジャジーさを感じるドラムとオシャレなピアノから、尺八の音とアルトサックスだと思うんですけどその音色に繋がって、その両方のリードが辿るメロディがとても印象的。タイトルテーマとして、シンプルにしかし確実に気持ちに食い込む曲。

ピアノのコードワークがどこか懐かしさというか、なんだろう。私の記憶を突いてくる。

 

3.もみじライン

あーいいですね!この曲凄い好き。打楽器の正体がちとわかりませんが、なにかを・・・なにかを思い出させるような、日常の温かな雰囲気を彷彿とさせる曲です。なんですかね、この温かいおばあちゃんと手を繋いで歩く穏やかな道、みたいな感覚。

あ、でも途中からテンポアップするので、おばあちゃんがフィーバーした・・・わけじゃなくて、お祭りでもやってたかのようなストーリーですかね。生演奏(だと思う)ならではの楽器の豊かさが抜群に思えます。

 

4.祭り嵐

もみじラインのメロディから、敵と対峙した時のコマンド操作をしているイメージが浮かびました。尺八の攻撃力がハンパない。

曲の繋ぎと物語の設計が非常にしっかりしていて、中盤サビに入る前のなんともいえない豊かさなんかたまらない。しかし上手いなぁ・・・演奏者の人柄の豊かさが反映されているように思います。

戦闘っぽいんですけど、あんまりそういう険しい雰囲気はなくて、祭りの時の高揚感を大事にしている感じですね。あ、最後戦闘に勝利したっぽい(笑

 

5.朱雀の洞窟

イントロから始まるピアノのコードフレーズから、日常さとは明らかに違うフィールドに足を踏み入れた感じ。中盤のサックスのメロディフレーズと、後半のピアノ・ドラムの入れ替わりが場面の切り替わりを感じて探索してる感じ出ますね。

リバーヴの効きとドラムのスネアを叩く音と金物が、火山の溶岩のうねりを感じさせる。それとサックスね、サックスやばいなぁ。

この曲も何かを思い出しそうな、そんなツボをちょいちょい付いてくるのですが、何なんだろう・・・。

 

6.畏怖堂々

なんだ・・・?なんか出てきましたね。対象はかなり近い。明らかに意思を持つ何かと出くわしたか、またその場面か・・・?と思ったらキャラクターの会話が始まりました(笑

あ、スザクきたーーーーー!!(非常に良い声

この曲はスザクの語りがメインになっていてそれに気を取られがちになるのですが、バックのBGMは抜かりが無くしっかりそのスザクの心情を徐々に高めていくような、そんな感じがしました。

スザクはすばやさがSなので、クサナギを持つヤマトは果たして勝てるのかどうか。いい展開だ。

 

7.四天王との戦い~朱雀~

すばやさがSな癖に中立的な立場なのか、初めは思ったよりゆっくりしていたスザク。ボス戦を彷彿とさせます。そしてBメロから徐々に本領発揮したようで、攻撃仕掛けてきました。小刻みなスネアとサックスと尺八の盛り上げていく掛け合いがスバラシイ。

そしてサビ。これがすごいかっこいい。踊るような曲調でサビを走り抜け、そこから一呼吸置いて、またサビが始まる。サビがスザクのターンだとすると、なかなか強敵で、これはもちろん油断がならない。後半はヤマトの思考フェイズなのか、スザクの攻略法を探っているような・・・そういう一連のドラマを見事に曲に乗せてきている・・・!

スザク戦、熱いなぁ。

 

8.白熱舞闘

この曲を聴いている頃には、山染世界のこと自体が気になってサイトで見てみたのですが、この曲でムサシが出てきて、ヤマトと共闘すると、そういうことだった!!(笑

ヤマトとムサシは二人共笛を持っているのですが、曲中ではサックスと尺八の掛け合いが共闘さを感じさせますね。思わぬ味方が助太刀に来てくれて一緒に戦ってくれるというのは非常に嬉しいもので、そういう雰囲気を強く感じます。

ラストのサビの前なんか、共闘してくれるムサシの新たな一面を感じさせるようなフレーズに聞こえてならない(笑

 

不知火ノ章を聴き終えて

尺八・サックス・ドラム・ピアノの4つの楽器をほぼ主軸に全編通しているんですけど、全然飽きを感じさせないどころか、そのシンプルさが逆に世界観を引き締めている感がある。作品としてもしっかり一つの物語として完結していて、これ普通に続きが気になりますね(笑

 

M3当日では前情報なくこのCDをゲットしてきたので、てっきりこの「不知火ノ章」が今回の新譜だと思っていたのですが、これは2ndアルバムで今は4thの「神無月ノ章」が出ていたという・・・なんということでしょう。今度全部買って来よう

あと3作あるのか~、普通に次回作が気になってしまうじゃないかチクショウ。

・・・これ、ゲームにならないかな(笑

 

「山染世界」さんのサイトはこちら

 

 

【2017年秋M3】『13endCard – マナの楽園』を聴き終えての感想

女性ボーカル民族音楽をテーマに創作活動をされている

13endCardさん

 

サイトを見る限り、もはやゲームを製作しているところにしか見えないんですけど、

音楽の創作サークルです。(笑

絵・動画・作品の作りこみ等、もはや同人の域ではないように感じますが、最近その垣根もなくなってきている傾向にもあるので、とりあえず高水準のサークルであることは間違いないでしょう。

 

13endCard – マナの楽園

1.始まりの楽園

まさにファンタジー世界のオープニングを感じさせる民族調の曲。かっこいい。

中世ヨーロッパを感じさせる世界と、新しい機械的な要素が混在した世界観というか、そんなストーリーがすぐにイメージできました。ボーカル、コーラスに様々な民族楽器が鳴っていて、歌姫のいる物語というイメージがアルトネリコを彷彿とさせます(笑

しかしこんなに音色が沢山あるのにそれぞれの音が非常にクリアに聞こえるのが凄い。そしてこの曲を聴く限り、「楽園」には何かある。そんな単なる幸せウフフアハハなもんじゃないことがわかる。

 

2.Aisiling

イントロのハープからのリコーダー風楽器・明るめのアコギへと繋ぐフレーズが印象的で美味しい。オープニングが終わって物語の序章という感じですね。歌詞の内容から、失われた過去がこの世界にはあるんだけど、この少女は「そんなん気にせんわい!」みたいな力強い明るさを感じる。感じるんだけど、歌詞を聴く限り結構シビアなんですよね・・・それに負けない強さが必要ということか。

Aメロが女性にとっては比較的低い声域であるのでしょうが、そこを見事に歌い切っているところもスバラシイ。後半の語りの声も良い声してます。ほんとにこれゲームじゃないの・・・?(笑

 

3.コロナの唄

こちらも明るい曲なんだけど、ボーカルの声がしっとりしていて、Aisiling同様明るいんだけど、こっちはどこかしっとり可愛い感じ。小さな湖畔に雑木林、絵に描いたような木造の小屋の近くで遊んでいるような、そんなあったかなイメージが浮かびます。

バグパイプが入ってくると私は街並みのイメージが出てきやすいので、音色の力というものは凄いですね。笛系のハモリと、ちょくちょく右から聞こえるボヨンボヨンいう音が好きです。

この曲、可愛いんだけどどこか悲しいところ帯びてる気がして、なんか泣けてくる(笑

 

4.Fėile

冒頭に来そうなナレーションがこの4曲目に来ることから、ここが物語の正念場であることを垣間見る気がしました。

「マナ」とは神秘的な力の源という意味があるとのこと。踊るような曲調ではあるけど、わかりやすい戦闘曲という感じではなく、あくまでドラマが次々と進行していく感じ。展開は非常に力強くめまぐるしく移っていく、そんな忙しなさも感じさせます。中盤のキャラの掛け合い会話がどこかトボけていてスパイス的でGOOD。

通常のRPG系ゲームであれば各シーン別にBGMが用意されるのですが、このCDではそういった場面を歌詞と曲調に乗せつつストーリーが進んでいる形をとっているので、最初は「これほんとにゲームじゃないの?」と思っていましたが、このCDの1~5を聴くだけで一つの物語を十分楽しめる。そういうコンセプトが非常に面白い。

 

5.迷想の楽園

ヒュムノスのようなこの世界独自の解読不能な言葉と、現状で使われている言葉を織り交ぜているところが私の「シュレリアさまぁぁぁああきゅっきゅ!!」という思い出を呼び起こしてくれました(馬鹿

サビで「さよなら」といきなり入るところ、少し鳥肌立ちました。その後の歌詞に世界観に対する問いかけをしているところから、人としての内側に展開するドラマもまた感じます。「嘘の世界で笑っている」とかね・・・パッケージから想像するよりずっと深い。多分、この作品の情報量は思ったよりずっと大きいので、何度か聴くことでより世界観を掘り下げられるのでしょう。

そしてこの曲が終わることでひとまずの物語は終わりを迎える形、なんだろうか。曲の終わりというよりは世界の終わりをどこかに感じて、寂しさを感じてしまうような。そんな風に思えますね。

 

マナの楽園を聴き終えて

聞き終わって思ったことは、

  • 曲全体が非常に力強い
  • この世界観の強い想いを感じる
  • ゲームにならなくても十分物語を楽しめる
  • 民族楽器最高
  • アルトネリコ好きならオススメというかオススメ

という、作品に対する完成度の高さを伺えました。ここまで音楽媒体に詰めて表現できるとは・・・いやー、恐れ入る。曲も全部めちゃめちゃかっこいいし、歌も歌詞も良い。何度か繰り返し聞かないと見えてこないくらいの容量を感じる。

ちなみにこの「マナの楽園」、ボイスドラマCDも付いていて、こちらもかなり良いです。私はボイスドラマに関してあまり馴染みがなかったのですが、これ聴いてたら昔見てたアニメの番外編をラジオドラマでやっててそれを聴いていた頃を思い出した。クオリティ高ッ。

しかしまぁ、音だけでこれだけ世界観を構築できるって、すごいね・・・。

 

「13endCard」さんのサイトはこちら

 

2017年秋M3にEBI君の売り子手伝いとして参加してきたので簡単に報告。

こんにちは、MAKOOTOです。

いやー、参加してきましたM3。今回はDTM最初の旧友であり師匠でもあるEBI君のブース、N-23b「EBI Zanmai」の売り子のお手伝いとして行ってきました。

私、同人活動では違う名前で活動していまして、なんかこう、そっちの名前の方がわかりやすかったのでそっちの名前でご挨拶してました。(笑

が、活動記録はMAKOOTOとして書きます。こちらでは敢えてその名は出しませんが、そのうち統合しちゃってもいいかもなぁ。

 

というわけで戦利品。当日はEBI君の知り合いとして朝から参加させて頂いたのですが、

EBI君の知り合い繋がりが異常に多くてですね。(笑

  • 絶対挨拶しきれない
  • お会いした方々のお名前を忘れてしまいかねない
  • 財布の中身をあまり用意してこなかった

という状態から、CDを最低限に抑えて購入&頂いてきました。多分これ全然少ないほうだと思う。

 

N-23a「Unknown – Dimension」・N-23b「EBI Zanmai」

あまり前情報を仕込まずにお手伝いとして参加したのですが、清水嶺さんEBI君の合体ブースとなっておりました。23aのUnknown – Dimensionブースには嶺さんとあだPさん、23bのEBI ZanmaiにはEBI君と私。

 

両隣のブースも皆お知り合いだったので、始終アットホームでワイワイ楽しい空間となっていまして、M3ってこんなに居心地良かったっけ・・・?というくらい楽しいひとときでした。

あだPさん

特に嶺さんとあだPさんはかなりイケメンだったというか、お隣のKyoさんやご一緒にブースにいらっしゃった方々(今度改めてご挨拶させて頂きます)含め、イケメンと美女が多かった。いやほんとに。

 

O-10a「Sayaqu」

バトルコンピのさやかさん、「決勝戦 of Something」という、この記事を書いたあとに新たに気になったタイトルの作者まっしゅまろんさんともお会いさせて頂きました。コンピCDを作る上で大変なこともありますが、参加させて頂いてほんと感謝しております。

あの時頭回ってなかったけど、まっしゅまろんさんの新譜買っておけばよかったなぁ・・・帰ってきて「決勝戦 of Something」聴いたらめちゃめちゃかっこよかった。

 

H-16a「Ciel Cielo」

EBI君たちの打ち上げは、Winnaさんをメインとして?毎回恒例の「カオス呑み」という何十人と集まる打ち上げが行われるらしいのですが、私はブースH-16a(覚え方:えっちな16歳あ゛---!!)の「Ciel Cielo」と面識があるので、打ち上げはそちらに行きました。

カオス呑みは次回参加してみたい。

 

Ciel Cieloの小打ち上げ。若干迷子になりながら、なんとか目的のカフェで落ち着けました。

 

こちらはCiel Cieloの作曲パープルPさん

一緒にうつっているソーセージが好きなのかどうかはちょっとわかりません。

 

 

おわりに

いやほんと、非常に楽しいひとときでございました。私名刺持ってなかったのですが、ご挨拶に名刺も沢山頂きましたし、沢山の方にご挨拶させて頂きました。

私が覚えている限りではありますが、

 

当日はどうもありがとうございました。

他にも会いに行きたかった方も沢山いらっしゃったのですが、やはり回り切れなかった!

 

最後に、

 

改めて、ありがとうございました。

非常に、良い刺激と、良い空間を、良い縁を、ありがとう・・・!!

 

 

簡単なM3参加レポートでした。

それでは!