【EQ・Lv3】ドラム・ピアノ・ベースという組み合わせ時の簡単なEQ使用例

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回はEQを実際に弄ってみて、その使い方の基本をなんとなく覚えてしまおう、

という内容の記事です。

 

私自身、勉強することは毎日山のようにあるのですが、

その道中の過程を少しでもお役に立てて頂けたら幸いです。

 

是非、私の屍を越えていって頂きたい。(生きてますけど

 

 

DTMにおけるEQの用途

大きく分けて、二つの意味合いがあると思います。

  1. 音作りで使う
  2. バランスを整えるのに使う

 

音作りをする場合は、例えばエレキギターの音。

エレキギターの音作りの方向性は色々あるかとは思いますが、

私の例を出すと、

「サイドギターで使用してあまり主張しすぎないように使いたいので、

もう予めハイとローをばっさりカットしておこう」

とか。

 

そしてバランスを整える場合ですが、EQはどちらかというと、

このミキシングなどのバランス調整で主に使用することが多いのではないかと思います。

 

 

エレキギターやシンセ音など、

人工的な音に関してはEQは音作りに積極的に利用されますが、

アコギやオーケストラ楽曲など、

生音主体で曲を作る場合はあまりEQを弄らない方が自然に聞こえます。

 

音作りでのEQは分野が絞られるので、

今回はミキシングなどのバランス調整での使い方をざっくりご紹介できたらと思います。

 

 

ミキシングのEQ使用例

サンプルを用意してみました。

 

曲の構成は、ドラム・ベース・ピアノの三つです。

これを実際に整えていく形でEQの使い方を見ていきます。

 

ちなみに音色は全部Cubase付属のものを使っていて、

  • ドラム:Groove Agent SE「Vintage Kit 1」
  • ベース:HALion Sonic SE「Precision Flatwound」
  • ピアノ:HALion Sonic SE「Bright Rock Piano」

というラインナップです。

 

なんとなく良さそうかなーというのをサクッとチョイスした体なので、

綿密に音を吟味したわけではありません。

 

が、この状態からどう音を整えていくかという意味ではよい訓練になるので、

今回はこれでいってみます。

 

 

上のサンプルは、

ドラムのシンバルだけ少し左右に広げてリリースを途中で切っているのみで、

あとは何も弄っていない素のままの音です。

 

素のままの音なので、ちょっとボワッとした印象があるので、

少しスッキリさせる方向でEQを弄ってみたいと思います。

 

現時点での方向性は、

キックの音が割と派手目なので一番下にもってきて、その上にベースを乗せる感じ。

ピアノはアップライトな感じに仕上げてみようかなと思います。

 

 

ベースのEQ例

私はベースの音を基盤にしてミキシングすることが多いので、まずはここから見ていきたいと思います。

・ベースの素の音

ベースEQ前

ちょっとボワッとしてるかなぁというのが私の第一印象。

今回は他にドラムとピアノしかないので、ムンベ(ドラムンベース)みたいにベースを全面に主張させてもいいのかもと少し思ったのですが、ベースの動き自体はルート音をなぞるだけで、しかもピアノの主張を強くさせてしまった。

なので、ベースはやはり軽く整える程度にしておこうかと思います。

ただ、EQを使う時の注意点なのですが、このモコモコ感を失くそうと、EQのみで低域を整えようとした場合、不自然に音が細くなってしまうケースが多いです。

 

経験上、かなりEQをがっつり削り気味にしないとすっきり聞こえない。でもそうすると、音がえらい細くなってどうしたもんかという状態になってしまう。

周波数を弄るEQの基本使用として、「ブーストする場合はQは広め、カットする場合はQは狭めで使用すると、音の変化に不自然さが出にくい傾向がある」

と言われています。

 

Qの基本

前回の「EQ・Lv1」ではこの表示が実は逆になっていますが、まずはブーストする時は広く、カットする時は狭くを基本として使用してみましょう。色んな本でも書かれてはいますが、その方が不自然さは確かに出にくいと私も思う。

というわけで、このベースのモコモコ感はコンプで解決することにして、コンプの前と後にEQをそれぞれ用意して、整える方向でいってみます。

 

ベースにインサートしたプラグインは、「EQ1ーComp-EQ2」の順番です。

 

ベース・EQ1

ベースEQ1

コンプに行く前のEQ調整です。

  • 一番左のローカット

キックが一番低域であることを強調するためにかけました。

  • 左から二番目の127Hzでのカット

後のコンプによる歪みでこの辺りがモワつくのを予め抑えるためと、キックのここの部分を気持ち強調させるために。

  • その右の420Hz辺りをブースト

コンプによる歪みを少し加えるのと、ここを持ち上げることによってベース音に少し厚さと明るさを出すため。

  • 一番右のシェルビングによるハイカット

正直いらない気もしましたが、念の為ベースの余計な高域を抑えるためにかけています。

 

ベース・Comp

ベースコンプ

EQ1を通ったあとのコンプの設定は上記の通り。

あまり歪ませるつもりはないのでスレッショルドは浅めにとり、ただモワつきを抑えるのとベースという役割からレシオは8:1。アタックは、このベースがそんなに突飛な動きをしていないことから緩めの36msec程度。リリースは100msec程度に収めて音の戻りも多少滑らかに、という意図で設定しています。

 

ベース・EQ2

ベースEQ2

コンプ後のベースを若干整える気持ちで使用しています。

左のローカットはコンプで潰してもやはり出てきてしまう60~70Hz辺りの低音を、ダメ押しで若干不自然にならない程度に削りました。右の1.4kHzのちょっとしたブーストは、この曲音色が少ないことからちょっとだけベースの色を出してもいいなぁと感じて少し持ち上げています。

 

・出来たベースの音

少し軽く、明るい感じになったと思います。

私は基本、ベースにはアンプなどの歪み系を入れてもっとブリブリさせるのが好みなのですが、今回はEQ回なので(コンプは使ってしまっていますが)、これで良しということにしました。

 

 

ドラムのEQ例

次にドラムです。今回はドラム丸ごとにエフェクト処理をしていきます。

・素のドラムの音

少しさっぱりし過ぎな気がするので、今回はドラムをもう少し雑に聞こえるよう低音をメインに少し調整してみます。

インサートしたプラグインはベース同様、「EQ1ーComp-EQ2」の順番です。

 

ドラム・EQ1

コンプの前にかけるEQの処理は、

  • 150Hzちょいブーストさせてコンプの潰しを若干効かせる
  • 1.5k、2.5kHzを少し削って耳触りを若干すっきり
  • 8kHzより上を気持ち持ち上げて、金物のシャリを若干強調

 

ドラム・Comp

ドラムのトータルに掛けているので、やんわりとした潰し具合を出すためにRatio4:1、アタックは34msecくらい、リリースは55msecと少し短めにしました。ドラムの音色を個別に弄る場合はまたスネア、バスドラ、金物でこの辺りの数値を変えますが、ドラムトータルにコンプをかける場合、やりすぎるとノリが不自然になる気がします。

ただ、その不自然さを意図した演出であれば逆に効果的になります。今回は、気持ち一体感を出す程度なのでこのくらいで。

 

ドラム・EQ2

コンプ後のEQでは、

  • ベースで削った50Hz以下を敢えてドラムでブーストして強調
  • 250Hz、650Hz付近を弱ブーストして、ドラムの音を少し強調

という意図で処理しています。

250Hzは音が濁りやすいポイントで、ここを削ると音の抜けが良くなり、ブーストすると音が詰まり、すっきりしないような感じになります。

難しいのが、ここをEQでざっくり行っていいケースとそうでないケースがある。ドラムのトータルのような全体に影響のあるトラックでEQでここをざっくり削ると、全体の曲が痩せ細る感じが出てしまうので、コンプなどを挟んだりしているわけです。

今回は、ドラムを少し濁らせたかったので若干ブーストさせています。

 

・出来たドラムの音

ドラムトータルで聴いて、少し音が太くなったと思います。

最近よく思うのが、単体で聞くとあまり効果がわからない音の処理でも、全体で聞くと案外違いがわかるようになるということ。なので、曲内の音数が多い場合、単体で聞いてあまり違いがわからないくらいで私は良いと思います。

それが段々積み重なって違いが出ているように私は思います。

 

ピアノのEQ例

ドラムとベースに低音を任せて、ピアノはアップライトに仕上げてみます。Before・Afterを同時に載せます。

・ピアノ素の音

 

・出来たピアノの音

 

単体で聞くと、ピアノが少し後ろに引っ込んだような、控えめになったと思います。

インサートしたプラグインは「EQ1ーComp-EQ2」の順番でもう統一しちゃいました。

 

ピアノ・EQ1

今回、私がコンプ前に形作ったEQの処理は、

  • 150Hz以下をばっさりカット
  • ドラムと重ねてみて少しうるさめに感じた350Hz、550Hzをピンポイントでカット
  • 音色が全体的に少なめなので、2.4kHzから上をやんわりブースト

低域をバサッと削っていて、アップライトさが浮き彫りになったため、私が感じた350、550Hzの若干耳障りなところを探って削っています。

 

ピアノ・コンプ

中低域の少し飛び出した部分をほんとに薄く潰しました。アタックはドラムと同じにして、リリースは180msecと長め。このサンプルではピアノを叩いてノリを出しているのですが、素のままだとそのノリが少ししつこい感じがしたので、リリース長めにとって若干の緩和をはかっています。

 

ピアノ・EQ2

コンプ後のピアノの周波数帯。こういうハイとローががっつりない音になると、残りの中域の操作が結構キモになります。新たに耳障りに感じた430Hz、650Hz辺りを削り、更に安定の2.5kHz削りを掛けて、もう大分引っ込める感じにしてみました。

上手い人はあまり無駄な操作をしないのですが、私はまだ試行錯誤が足りてない気がするので、こうしてピンポイントカットをちょいちょいしてしまいますね~(笑

 

EQ処理終了・聴き比べてみよう

さあお待ちかね、処理前と後を聞き比べてみましょう。何気にミキシングなどの処理はこういうBefore/Afterが楽しみな私がいます(笑

・素の音

 

・処理後の音

 

素の音のボワァっとした感じが処理後に上手く無くせて、スッキリさせられたんじゃないかな~と思います。EQとコンプしか使ってないのでこれだけだと全体的に物足りなく感じますが、これにディレイやリバーブが加わってくるとなると、更に素の音とは違った印象になるのは想像がつくのではないかなと。

 

終わりに

というわけで、簡単なEQ使用例でした。今回のポイントとしては

  • EQでブーストする場合は、Q(幅)を基本広めに。
  • EQでカットする場合は、Q(幅)を基本狭めに。

EQ処理はあくまで音を周波数特性から変形させていく、そういうアプローチなので、

  • 原音の自然さを大事にしたい場合、少し変化を加えるくらいがいい
  • 200Hz付近の低音を削りたい場合はコンプを織り交ぜてEQはコンパクトに

すると良いかと思います。

 

今回の記事、ちょっと見づらいかもしれませんね。記事の書き方を上手くしていかないとなぁ。

 

それでは!

 

【EQ・Lv2】EQを使ってキーンという音の共鳴ポイントを見つける方法

ミキシングをしている時に、色んな音がぶつかり合って、

キーン・・・

という音が小さく出てくることがあると思います。単音で聞いてる分には問題ないのに、音が重なり合うとなぜか聞こえてくる…。

 

今回は、このキーンという音を、

EQを使って音のピークポイントを探ると同時に、キーンを防ぐ方法をご紹介します。

やり方は簡単です。

 

音が重なり合って出る、キーンという音

これは音と音が重なり合うことで特定の周波数帯が共鳴してしまい、それが増幅された形で音になって出てきているものと思われます。

共鳴(きょうめい、英: resonance)とは、物理的な系がある特定の周期で働きかけを受けた場合に、その系がある特徴的な振る舞いを見せる現象をいう。

物理現象としての共鳴・共振は、主に resonance の訳語であり、物理学では「共鳴」、電気を始め工学的分野では「共振」ということが多い。

出典:Wikipedia「共鳴」より

DTMで説明すると、二つの別々の音があったとして、それがどこかの周波数帯のみ同じ響きを持っていた。その同じ響きの部分が重なり合って、キーンと聞こえてしまう

簡単に説明するとこういうことになります。

 

音叉による共鳴


ちょっとでも周波数がずれていると、共鳴しない。

このことからもわかるように、共鳴でキーンという音が出てしまう場合、片方のその共鳴している音の周波数を変えてやれば、共鳴が起こらなくなる。つまり、

キーンという音がしなくなる。

というわけですね。

ちなみに今回のケースでは、スピーカーから出た音をマイクで拾って、その音をまたスピーカーで出してまたマイクで拾う・・・という、いわゆるハウリングでのキーンではないパターンでお話ししています。

 

EQを使って共鳴している部分を探す

「共鳴は周波数を変えてやれば起こらなくなる。」

色んなやり方で音の周波数を変えることは出来ると思いますが、ここでは

EQ(イコライザー)を使って、共鳴している周波数部分を削ってしまう

という一番簡単なやり方をお伝えします。

 

まず、マスタートラックにリミッターを入れておきます。これを入れておかないと、音をブーストした時に耳や機材を傷めてしまう恐れがあるためです。

 

そしてEQを共鳴してそうなトラックにインサートし、Qを最大まで狭めて思いっきりブーストさせます。

 

 

Qの周波数帯を左右に振って、キーンがあからさまに強くなっているポイントを探します。

 

・サンプル音源

こうやってうねうねさせて、耳障りな箇所を探るわけですね。

 

そして、一番キーンがうるさいポイントのゲインを、原音をあまり変化させないようキーンが無くなるまで下げてやる。こうすることで、共鳴を防ぐことができます

 

ただし、一発で共鳴が見つからない場合や、下げてもキーンが収まらない。そういう場合は、

最初のポイント周辺を探して、原音に影響が出ない範囲で削ったり、もう片方の共鳴の原因であるトラックでも、同様にEQでキーンの原因になりそうなポイントを探って削ったりします。

こうすることで、倍音による音の重なりが軽減されてキーンの発生がなくなったりします。

 

まとめ

このEQを針のように尖らせてピークポイントを探る方法はDTMやミキシングにおいて定番のやり方なので、まだご存じない方はこれを機に覚えてしまいましょう。

ちなみに、記事上の方の動画でも分かる通り、異なる周波数であれば共鳴は起きないということなので、このEQで周波数を削って共鳴を防ぐ方法は、

あくまで共鳴の効果を小さくしているにすぎない

ということを踏まえておきましょう。

周波数を変えている訳ではなくて、削って小さくしているだけですから。

 

共鳴を防ぐ一番良い方法は、音を差し替えること

差し替えたくない場合、EQで共鳴ポイントを削ると。そういうわけですね。

 

 

それでは今回はこの辺で!

 

【EQ・Lv1】DTMにおけるイコライザーの基礎を知っておこう

こんにちは、MAKOOTOです。

今回は、イコライザー(Equalizer、以下EQ)について触れていきたいと思います。
DTMで楽曲を作っていく上で、私の使用頻度の多さベスト3のエフェクトが、

  1. ディレイ・リバーブ
  2. コンプレッサー
  3. イコライザー

なわけですが、その3つ目がこのEQです。
市販のミキシング本などでも、この上記のエフェクトはほぼ必ず出てきますし、
むしろ重要なメインエフェクトとして書かれていることがほとんどです。

 

ちなみに、ディレイとリバーブは一応別個のエフェクトとしてそれぞれ役割があるのですが、
ざっくり書きますと、

「ディレイを超細かくしていったものがリバーブ」

ということになるので、空間系としてひと括りされることが多いです。

 

 

私がDTMを始めてCubaseに触れ始めた頃は、
とかく色んなエフェクトをよく理解もせずに無駄に使いまくっていたので、

なんといいますか、音作りはヘタクソでした。

今も別に、上手いか?と問われても正直そんなに上手いとは思ってません。

対して、使い方のすんげー上手い人間はたくさんいます
何を食ったらそんな曲作れるんだ!?みたいな。(笑

 

自分が発展途上であることには変わりありません。

このブログでは、そんな自分の基礎知識をがっしり整地することと、
それを書いていって誰かの役に少しでも立つならそれで十分だろうという
強いのか弱いのかよくわからない心意気のもと、書いてます。

 

それでは、EQについて見ていきましょう。

EQって一体なんなんでしょうね?

 

 

イコライザーとは

 

音響機器のイコライザー (Equalizer) とは、音声信号の周波数特性を変更する音響機器である。イコライザーを使って、音声信号の特定の周波数帯域 (倍音成分や高調波成分あるいはノイズ成分)を強調したり、逆に減少させる事ができ、全体的な音質の補正(平均化)や改善(音像の明確化など)、あるいは積極的な音作りに使用される。

単語本来の意味は「均一化(equalize)するもの」で、(中略)現在では、周波数特性の均一化だけでなく、より積極的な音作りにも活用されている。

出典:Wikipedia イコライザー(音響機器)より

 

要は「音」というものを周波数という側面から捉えて、音質を補正していくものというわけですね。

「均一化」という意味からも、音の調整をしていくということが伺える。

 

また、「音作りにも活用されている」とある通り、

実際に周波数を弄っていくと、耳でわかりやすく音色が変化していきます。

コンプが音の質感なら、EQは音の色に変化をつけられる。

表現的には、明るくするとか、暗い感じとかでも言いますね。

 

 

人間の可聴域は大体、20~20,000Hzほど(個体差あり)なので、

EQはこの範囲内で可変させます。

 

 

 

低域・中域・高域を周波数で言うとどのくらい?

 

音楽をやっていると、一度はこの疑問が出てくるとは思うのですが、

これに関して、明確な定義は無いそうです。

つまり、定義がないということは人や分野によって結構違うということ。

 

ただ、私が音楽やってる人同士で話し合うときは、

  • 低域:50~500Hzくらい(ベースやバスドラなど)
  • 中域:500~5,000Hzくらい(色んな楽器)
  • 高域:5,000~20,000Hzくらい(金物とか)

くらいなのかなぁ。全然しっくりきませんが。(笑

 

というよりは、周波数帯で分けるよりも楽器で分けて考えるのが私の周りでは主流なので、

あんまりここからここまで!みたいな線引きはしないですね。

500~5,000Hzなんて、中高域っていう人もいるだろうし。

 

ちなみに、20Hz以下は超低域、20,000Hz以上は超高域と言われるみたいです。

耳では聞こえないけど、身体でその振動自体はキャッチするようなので、

作品によってはその帯域を楽曲に取り入れているものもちょいちょい見ます。

 

 

 

EQの種類

 

EQはタイプとしては、シェルビングタイプとピーキングタイプの2種類があります。

ブーストすると音量は増え、カットするとその分音量は減ります。

 

 

1、シェルビング・タイプ

特定の周波数より、上もしくは下を、ブーストもしくはカットします。

シェルビング

上の図だと、100Hz以下をカットして、3kHz辺りからブーストしています。

ここより上、ここより下をザーッと上げたり、削ったりする時はシェルビングを使います。

ローパス、ハイパスと少し似ていますが、シェルビングの場合なだらかな線を描くので、

あくまでも「緩やかに」ブースト・カットするという感じです。

 

 

ローパス・ハイパスはこんな感じ。

ローパスハイパス

「これより上、下の帯域はもういらないよ」というバッサリいきたい時はこちらを選びます。

例として、ドラムのハイハットやシンバルなどは、がっつりハイパスを掛けるのが定番ですね。

 

 

2、ピーキング・タイプ

特定の周波数部分のみをブースト・カットするタイプです。

ピーキングには更に2タイプあります。

 

パラメトリックEQ

ピーキング

帯域ごとにピンポイントで置けるので、

  • 「この帯域だけ上げて音に厚みをつけたい」
  • 一点だけうるさく聞こえる部分をなんとかしたい」

という時にはもってこいで、とても細かい調整ができます。

 

また、パラメトリックEQには、

「Q」と呼ばれる、ブースト・カットする帯域の広さを調整するパラメータがあります。

Q

Qを広くとってやればその周辺までを、

Qを狭くすればピンポイントで、ブースト・カットできます。

 

 

グラフィックEQ

グラフィック

これはQと周波数が予め固定で用意されているタイプです。

 

細かい微調整を行いたいときはパラメトリックEQが向いていますが、

こちらの場合、既に用意されているので、

多少はアバウトながらすぐにつまみを動かして音の変化を確認することができます。

 

大きく滑らかな波を作るような周波数に整えたい時はむしろこちらの方が向いているかと。

 

 

まとめ

EQ(イコライザー)とは

  • 音を周波数の面から、調整または音作り出来るエフェクト
  • シェルビング・ピーキングの2種類
  • ピーキングには、パラメトリックEQ・グラフィックEQの2パターン
  • ハイパス・ローパスフィルターもEQの一種

 

という感じですね。

多分、コンプよりはわかりやすく使えるエフェクトなのではないかと。

 

次回のEQ編は、簡単なその使い方を見ていきたいと思います。

 

 

それでは!

 

【コンプ・Lv4】コンプのアウトプット・ゲインリダクション・ニーの意味

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回は、コンプレッサーのパラメータである、

  • アウトプット(OutPut Gain)
  • ゲインリダクション(Gain Reduction)
  • ニー(Knee)

について見ていきます。

 

いやー、コンプは奥が深い。あと何気にこんがらがる(笑

一つのエフェクトでこんなに音作りが多彩なものって、他にないんじゃないかな。

 

EQもやろうと思えばえらい細かく設定して音をかなり可変させられますが、

やりすぎると、何かこう、「大丈夫なのか!?」って感じになる時があります。

EQの奥深さはコンプとはまた別だからなぁ・・・。

 

 

 

さて、コンプの話でした。

前回に引き続き、まずはアウトプット項目から見ていきましょう。

 

 

アウトプットゲイン(Output Gain)とは

 

コンプで圧縮された後の全体音量を調整します。

メイクアップゲイン(Make-Up Gain)と表現されることもあります。

 

サンプルを用意してみます。

まずは、コンプを掛ける前のスネアの素の音。

 

次に、コンプを掛けたあとのスネアの音です。ゲインはまだ上げていません。

 

 

後者の方が音がずっと小さいことがわかります。

コンプの設定内容はこちら。

コンプのゲイン

スレッショルドはかなり深め、レシオも8:1、アタックタイム0.1msecということで、

インプット(原音)に比べて、アウトプットの音はがっつりと潰されているので、

結果的に、音量が凄く小さくなりました。

 

コンプレッサーを掛けるということは、音を潰すことになるので、

結果的に音量がその分下がります

音量自体は下がるんだけど、音のインパクトは潰れた分だけ強くなる。

潰した分、音量に余裕が出来るので、それを原音レベルまで持ち上げれば、

原音と音量は変わらないのに、以前よりインパクトの強い音が出来上がる

また、音の粒が揃うので、トータルの音圧を稼ぐことが出来る

メイクアップゲインで音圧を上げる

こういう仕組みになっています。

 

以下のサンプルは、先程の後者のゲインを原音と同じくらいまで引き上げた音。

 

ゲインを上げた後

がっつり潰していたので、その分がっつりゲインを上げることになりました

お陰で、スネアの余韻が思いっきり持ち上がって、シャーンという音が大きくなった。

これでスネア自体の迫力は段違いのものとなっています。

 

 

このように、コンプの使い方の一つとして、全体の音圧をかなり稼ぐことができます。

ただし、これには同時に失われるものがあります。

それは一体何でしょうか・・・。

 

 

音圧と引き換えの「ダイナミクスレンジの消失」

 

音の大小の抑揚の差の事を「ダイナミクスレンジ」と呼ぶのですが、

コンプを使うことで相対的にこの、音自体の抑揚が無くなってしまう

という弊害が生まれます。

全体がのっぺりした感じになり、リズム感が失われてしまうのです。

 

現在の人間の耳と感覚は、

「音量(音圧)が大きい音を良い音だと捉えてしまう」

傾向があることがわかっています。

 

どちらが良い、という話はここでは割愛しますが、

ひとまず、コンプを使うことで失われる要素もあるのだ、

ということだけは覚えておきましょう。

 

楽曲内でコンプの役割を理解し、それを効果的に使うことが本来の目的です

 

 

ゲインリダクション(Gain Reduction)とは

 

音が入力されて、効いていますよー、という目安のメーターのことを言います。

 

ゲインリダクション

赤枠の部分がそうです。

この図だとがっつりかかっているので、メーターが下に触れそうなくらい(笑)ですが、

これによってどのくらいエフェクトが掛かっているかが目視できます。

 

ゲインリダクションTR

こういうタイプのメーターの方がわかりやすいかもしれません。

 

注意してほしいのは、このメーターが触れていない場合、コンプが機能していない

という意味でもあるので、その場合は、入力信号つまりインプットの音を大きくして、

ゲインリダクションが触れるのを確認してください。

 

 

ニー(Knee)とは

 

圧縮される掛かり具合を柔らかくするかどうかというもの。

 

ニーを効かせる場合、圧縮の掛かり具合が緩やかになるので、

音が少し柔らかくなる、といった特徴があります。

ソフトニー

通常のコンプレッサーの基本概念は、

スレッショルドを越えた直後からレシオで設定した通りの圧縮比率となります。

例えば、「8:1」の場合は圧縮率が8倍になるので、

音によってはどうしても極端な音に聞こえてしまうケースが出てくる。

実際はアタックタイムがあるため、そこまできついというわけでもないのですが、

それでもやはり不自然さが出てしまう場合がある。

 

そんな不自然さを緩和させるための措置が、ソフトニーということです。

ただしこのソフトニー、圧縮がスレッショルドレベルの少し前から掛かるので、

緩やかには掛かるけど、反面歪みが大きくなってしまう場合もあるので、ここは注意点。

 

 

CubaseのKnee

CubaseのCompressorではレシオの下のボタンがそれにあたります。

効かせていれば「Soft Knee」。効かせていなければ「Hard Knee」。

 

私は最初、「違和感が出てくるなら、全部ソフトにしたほうがいいじゃん!」

と思っていましたが、逆に音を潰して尖った音や、

アタックが強調される音を作る意味合いを知るようになって、

状況によって使い分けることが必要なのだとわかりました。

 

ちなみに、ソフトニーをかけると、確かに音は少し柔らかい感じになるのですが、

スレッショルドの少し下から圧縮が掛かるためか、

設定よりも若干深めにコンプが掛かる形になります。

 

 

・・・さて、これでコンプの基本パラメータの解説は以上になりますが、

折角なので補足として、Cubase付属のCompressorにあと二つある、

「Hold」「Analysis」というパラメータについても見ていきたいと思います。

 

 

 

Hold(Cubaseのコンプ付属)とは

 

ホールド

音の入力信号が、スレッショルドを越えてアタックタイムに到達した後、

そこからレシオの比率をそのまま、どのくらい持続させるのか、といったパラメータです。

数値は「0~5000msec」まで。結構持続させられます。

 

通常は入力信号がスレッショルドを下回って、

初めてリリースタイムによって徐々に圧縮が解除されていくわけですが、

このホールドは、リリースタイムに到達するまでの間の「圧縮率100%の時間」

この長さを強制的に伸ばすパラメータの模様。

 

 

ちょっと音で聞いてみましょう。コンプの設定は上図の通り。

 

ホールド250

音が一旦小さくなり、そのあとで少し膨らむように大きくなって、また減衰しています。

 

 

ここで、「Hold=0」にしてみると、

 

ホールド0

通常のコンプの掛かり具合となり、原音通り、音が次第に小さくなっていっています。

上図では、コンプの設定もあって、赤枠の左の部分が圧縮されて少し小さく抑えられ、

そこからすぐ音が滑らかに原音に戻っています。

聞いた感じでは、一瞬音が小さくなったような印象はあまり受けないかと思います。

 

 

もう一度、今度はわかりやすく「Hold=250」のままにして、

「Release=10(最小)」にしてみます。

 

ホールド250、Release10

リリースを短くしたので、コンプ解除後に急に原音に戻った感があり、

音の膨らみがより顕著になりました。

上の赤丸ではレシオ8:1が持続されていることになります。

 

 

このHold、数値で把握しようとすると、ちょっとわかりづらい部分がありますね。

でも、Holdを足すことで音が再度膨らむような音作りが出来ることがわかりました。

これだけ顕著なら、ディレイとは違った意味合いの音が表現できそうです。

 

 

 

Analysisとは

 

入力信号の解析を、ピークで測るのか、RMSの平均値で測るのか、ということ。

ピークとは、一音一音入力された瞬間的な音ごとに解析していくのかという意味合いで、

RMSというのは、ざっくりいえば全体の音の平均値から解析するのか、ということです。

 

アナリシス

0であれば完全ピーク依存100であれば完全RMS依存

 

Cubaseのヘルプでは、RMSモードが向いているのは、

音の入力信号のダイナミクスレンジが小さい(抑揚のあまりない)場合。

対してピークモードは、打楽器系など音の大小差が激しい場合に向いているとのこと。

 

このRMS。細かい説明は省きますが、

聴感的な平均音量をある程度測定できるものとしての目安とされています。

ですが、この考え方は少し古く、今では、

ラウドネス数値というものが、人間の聴感をより正確に数値化するパラメータ

として使われてきています。

 

 

AnalysisをRMSモードにして解析した場合、

細かな一瞬のピークを見落とすことも想定の上で使用する必要があります。

 

うーん、ソフトの処理的にはRMSの方が楽なのかもしれないけど、

自分が細かな調整をしたい場合は、ピークモードの方が向いているんだろうなぁ。

 

 

一応簡単な実験結果を載せてみます。

ギター設定

設定は上記の通りで、Analysisの所だけ変えていきます。

HALionで適当に選んだギター音と適当な打ち込みなので、正直音は微妙ですすいません。

 

・単なるベタ打ちギターサンプル・素の音

 

・単なるベタ打ちギターサンプル・完全ピークモード(Analysis=0)

 

・単なるベタ打ちギターサンプル・完全RMSモード(Analysis=100)

 

 

わかりにくいので、上から順にGIFアニメにしてみました。

アナリシスギターさんぷる

 

 

 

もう一つ、同様にドラムサンプル。設定は以下の通り。

どらむ設定

ドラムパターン全体にかける仕様にしています。

 

・簡単なドラムサンプル・素の音

 

・簡単なドラムサンプル・ピークモード(Analysis=0)

 

・簡単なドラムサンプル・RMSモード(Analysis=100)

 

ドラムサンプルの比較GIFアニメ

アナリシスドラムサンプル

 

 

うーん。

この二つのサンプル、あまりわかりやすいとはいえませんが、

ピークモードに比べ、RMSモードの方がやはりコンプの掛かり具合が緩めですが、

ピークモードよりもトータルのダイナミクスレンジは取れてるようには見えます。

 

掛かりがきついのはピークモードの方ですね。

純粋に音を固めたり、トータルの音圧を上げたい場合はこっちかな。

 

実験材料が2点しかないので結論付けるとまではいきませんが、

一応、ご参考までに。

 

 

まとめ

  • 「アウトプットゲイン」=コンプで圧縮された後の全体音量を調整する
  • 「ゲインリダクション」=コンプが効いている目安となるメーター
  • 「ニー」=圧縮を掛け方を自然(柔らかめ)にするか
  • 「ホールド(Cubase/Comp)」=アタックとリリースの間で、圧縮を持続させる長さ
  • 「Analysis(Cubase/Comp)」=ピークモード/RMSモードでの音の信号解析の選択

 

そして、

コンプを使うことで音のばらつきを無くし、ピークを抑えた分だけ音圧を稼げる。

ただしその分、ダイナミクスレンジ(音の抑揚の差)は失われる。

 

 

というわけで、ひとまずコンプレッサーの基礎パラメータを見ていきました。

次回は、具体的なコンプの掛け方の例を取り上げて、その使い方をみていきたいと思います。

 

 

それでは!

 

【コンプ・Lv3】コンプの基礎パラメータ、レシオ・アタック・リリースとは

こんにちは、MAKOOTOです。

 

コンプレッサー、Lv3の記事となります。

三回目なのにまだ基礎パラメータのスレッショルドしかやっていません。

コンプは後々、音作りに必ず活きてくると思っているので、

多少時間をかけてでもしっかり見ていきたいと思います。

 

一度そこをしっかり作ってしまえばね、あとが楽なんですよ。

もう理解したよーという方はすっ飛ばして頂いて構わないような内容でもあるので、

その時は、人造人間17号みたいに「徒歩で行くから面白いんじゃないか」の言葉を無視して、

最長老様に力を引き出してもらったクリリンの如く、ドーーーンと先に行きましょう。

 

 

レシオ(Ratio)

 

レシオとは、圧縮比率のことをいいます。

スレッショルドを越えた音の信号分をどの程度圧縮するか、ということ。

コンプレシオ

例えば、レシオを「4:1」にすると、上の図でいえば、

スレッショルドレベル「-10dBFS」を越える音を1/4に圧縮する、

という意味です。

 

 

レシオ

図は極端ですが、わかりやすくするためにスレッショルドをかなり深めにしています。

大きく潰したいか、わずかに潰したいかはこのようにレシオで設定します。

 

レシオの基本の見方は「原音に対する圧縮倍率:原音(1とする)」の比率でみるので、

1:1」の場合、圧縮はされていないことになり、

2:1」の場合、圧縮後は1/2に。

10:1」の場合、圧縮後は原音の1/10です。

これは、スレッショルドを超えた音(信号)のみということ。

 

ちなみに、Cubase付属のCompressorのレシオの最大は「8:1」

「8:1」ともなると、かなりの圧縮比率ということにもなりますが、

厳密には完全なリミッターとしての働きには及びません。

 

対して、リミッターは「∞:1」という圧縮倍率がデフォルトとなっているので、

この数値設定の違いで、コンプとリミッターの役割を分けているものと思われます。

 

 

 

アタックタイム(Attack Time)

 

コンプアタック

レシオで設定した値まで、どのくらいの時間を掛けて到達させるか、ということ。

スレッショルドを越えた音は、このアタックタイムを過ぎてから段々と圧縮が始まり、

時間的にこの値を過ぎると、圧縮率はMAXになります。

 

CubaseのCompressorでは「0.1~100msec」まで。

コンプの種類によっては「μsec(マイクロセカンド)」単位で調節できるものもあります。

 

 

コンプアタックタイム

例えば、アタックタイム「100msec」にした場合、スレッショルドを越えた音は、

  • スレッショルドを越えてから数えて30msec」後は圧縮率30%。
  • 75msec」後は大体圧縮率75%。大分潰されてきます。
  • そして「100msec」に到達すると圧縮率100%やっとレシオで掛けた値通りに圧縮される。
  • 「100msec」以降は、原音がスレッショルドを下回るか、リリースタイムを越えない限りは、ずっと圧縮されっぱなしになる

ということになります。

 

私は当初ここを勘違いしていたのですが、

アタックタイムに到達してから始めてコンプが掛かるのではなく

アタックタイムに到達して始めて「レシオ通りの比率」に圧縮される

つまり、スレッショルドを越えた時点で圧縮は少しずつされている、ということ。

この間、音が完全に素通りしているわけではないのです。

 

ただ、アタックタイムの設定は基本msec単位で設定されるので、音で聞くと一瞬。

アタックを長くすると、それだけ圧縮MAXに到達するまで時間が掛かるため、

立ち上がり音はほぼ圧縮が掛かっておらず、あたかも音が素通りしているように聞こえる

 

そう聞こえるのですが、実際は微細ながら圧縮は掛かってますよーということです。

 

 

 

アタックタイムの役割

 

音の立ち上がりを強調する部分です。コンプの音作りの主軸

鳴り初めの聞き応えを調整するので、レシオとスレッショルドによって変わりますが、

第一印象、ファーストインプレッションの質感を整えられます。

 

レシオが高い状態でアタックタイムが短い場合、音の違いを聞き分けやすいです。

なぜなら、それだけすぐに高倍率の圧縮が掛かるから。

 

 

・「素の音」

 

素の音スネア

 

これに、スレッショルド-30[dBFS]、レシオ8:1、リリースタイムは70[msec]

として、アタックタイムのみ変化させてみます。ゲインは上げません。

 

 

・「アタックタイム:0.1msec」

 

アタック0.1msec

頭から思いっきり潰れているのがわかります。音が遠い。

0.1msec後に8倍の圧力が掛かっているので、最初からクライマックス状態。

努力マンの豆腐の下駄に比べたら遥かに及ばないものの、これぞまさに圧縮。

 

 

「アタックタイム:28msec」

 

アタック28msec

頭の部分はアタック感が残っていますが、すぐに音が圧縮されています。

パンッ!という音の印象で、いかにもコンプの音だなーという感じ。

これ、音の抜けは悪そうに感じますが案外存在感を残します。

 

 

「アタックタイム:100msec」

 

アタック10msec

圧縮100%までの時間が長いので、そんなに音が歪んだ印象はありません。

スネアの鳴りをしっかりと残し、すぐに余韻をぎゅっと締めている感じです。

リリースが70msecもあるので、そこまで締め付けは強くは無いですね。

 

 

リリースタイム(Release Time)

コンプリリース

原音がスレッショルドを下回ってから、コンプの圧縮を解除するまでにかかる時間

何気に、コンプの設定において最初は実感がわきにくいポイントなんじゃないかと思います。

 

Cubaseのコンプでは「10~1000msec」まで。アタックの10倍長めに設定できます。

「auto」というボタンがありますが、これは自動でリリースタイムを決めてくれるもの。

使い初めでよくわからない時は、これを有効化するのも手ではないかと思います。

 

コンプリリ-ス

 

リリースタイムは、

原音がスレッショルドを下回るポイントから、それが解除されるまでの長さ

ということ。

  • リリースタイムが短いと、すぐに圧縮が解除され、(画像では薄紫)
  • リリースタイムが長いと、圧縮が緩やかに解除されていく。(画像では水色)

 

私の絵が下手なので、図のリリースタイムの長い水色の曲線が緩やかに見えていませんが、

リリースタイムが長いほうが、原音への戻りは自然となります

 

 

リリースタイムの役割

 

主に音の余韻を強調する部分です。

リリースタイムを長めにとって余韻を抑えると、音は奥に引っ込んだようになり、

リリースタイムを短めにとると余韻がすぐに返ってくるので、音が前に出て来るようになります。

といっても、アタックタイム通過後の音の設定となるので、

余韻の作り方は、アタックタイム次第で結構変わってきます。

 

リリースタイムの違いを見てみます。

 

 

「素の音」

 

素の音スネア

 

これに、スレッショルド-30[dBFS]、レシオ8:1、アタックタイムは28[msec]

として、リリースタイムのみ変化させてみます。ゲインは上げていません。

 

 

「リリース:10msec」

 

 

リリース10msec

数字の通り正確に、とはいっていませんが、赤枠辺りでコンプが解除されています。

少し詰まったような音で、すぐに原音の余韻が回復しています。

そのため、スネアの余韻のシャリッとした感じが若干強調される形になっています。

 

 

「リリース:180msec」

 

リリース180msec

赤枠辺りまで、音が潰されているのがわかります。

シャリッとした余韻が大分潰されているので、カラッとしたような印象があるかと思います。

 

 

「リリース:1000msec」

 

リリース1000msec

リリース180msec以上に乾いた印象です。

約1秒、圧縮がされ続ける形になるため、音が吸い込まれるような感じにも聞こえます。

 

リリースタイムが「180msec」のサンプル音では、

例えば300msec付近は確実にコンプは解除されていると思いますが、

このリリースタイムが「1000msec」の場合、300msec辺りではまだ圧縮が続いています。

多分レシオ「6:1」か「5:1」くらいだろうか、

リリース180msec以上に乾いた音に聞こえるのはその為です。

 

 

 

 

コンプを使って曲全体に抑揚を付ける方法

 

アタックタイムとリリースタイムを調整することで、

音にずっとコンプレッサーを掛けたままの状態にする事も出来ます。

コンプかかりっぱなし

初めにスレッショルドを越えてからコンプが効き始めるのですが、

リリースタイムを長くすることで、コンプの解除前に次のスレッショルドを迎えることで、

リリースとアタックが被り、結果的にコンプがずっと効いている状態になります。

 

これは、曲のフレーズの頭だけインパクトを強めて、

以降の音量を抑えることで、曲全体にメリハリを効かせるやり方になります。

 

圧縮比率はその経過タイミングごとに違うとは思いますが、2番目以降の頭の部分は、

少なくとも1番最初の頭よりは相対的に抑えられることになるので、

曲全体に抑揚を付けられることになります。

 

ただし、音の信号がゼロになるとコンプは自動的に解除されてしまうので、

音の途切れないようなギターのストロークや、

余韻が続く細かいフレーズのあるドラム全体などに、効果が期待できます。

 

 

まとめ

  • レシオは音の圧縮比率のこと
  • アタックタイムは、コンプが完全に掛かりきるまでの時間
  • リリースタイムは、コンプが完全に解除されるまでの時間

そして、

  • アタックタイムは、音の立ち上がりを調整する
  • リリースタイムは、音の余韻を調整する

 

音の立ち上がり、余韻の調整は、

楽器や音のフレーズによってそのアプローチがかなり違ってきます。

そのため、単純に立ち上がりや余韻を調整するため!とは言えないのが

コンプの奥の深いところです。

 

概要が少し大雑把かもしれませんが、

まずはコンプの全体像を把握してもらえたらという形で記事にしています。

次回は、Kneeやゲインについて書いていきたいと思います。

 

 

それでは!

 

【コンプ・Lv2】コンプレッサーの基本、スレッショルドの浅めと深め

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回はコンプレッサーLv2ということで、まずは基本から。

代表的なパラメータは以下の通り。

 

コンプパラメータ

  1. スレッショルド(Threshold)
  2. レシオ(Ratio)
  3. アウトプットゲイン(Output Gain)
  4. アタックタイム(Attack Time)
  5. リリースタイム(Release Time)
  6. ゲインリダクション(Gain Reduction

 

コンプレッサーによって、当り前のパラメータがついていないものや、

Distortion等、上記にない機能が備わっているものもあります。

Cubaseのコンプにはレシオに組み込まれているKnee(ニー)も個別になかったり、

同じく上にはインプットゲイン(Input Gain)も無いですね。

 

ですが、そもそもはコンプを使う意味さえ知っていればよいわけですから、

仮に上記パラメータの無いコンプに出くわしても慌てる必要は全くありません。

 

それでは、早速見て行きましょう。

 

スレッショルド(Threshold)

圧縮を開始させるための音量ポイント、閾(しきい)値のことです。

この数値(音量)を原音が超えると圧縮が始まります。

Cubase-Comp

 

 

まず、スレッショルドが原音より高い場合。(例:0dB)

スレッショルド1

原音よりもスレッショルドは極浅めの設定なので全く圧縮されません。

 

 

次に、スレッショルドレベルを原音より少しだけ低めにしてみます。(例:-10dB)

スレッショルド2

紫色の部分はスレッショルドを越えてことになるので、ここの部分が圧縮されることになります。

ただ、その部分はちょっとしかないので、この場合「浅め」と表現します。

 

 

では、思いっきりスレッショルドレベルを下げてみます。(例:-40dB)

スレッショルド3

わかりやすいですねー、上の青紫色の部分がでかくなりました。

この部分が圧縮対象になるので、がっつり音が潰れることになります。

このスレッショルドの設定を低くすることを「深め」といいます。

 

 

では、他のパラメータはとりあえず置いておいて、

スレッショルドの効果を音で確認してみましょう。

わかりやすくすぐに圧縮されるよう、アタックタイムは0.1msecにしています。

 

 

「スレッショルド:0dB」(素の音と同じ)

 

スレ0

スレッショルドが0dBなので、素の音と全く同じです。

 

 

「スレッショルド:-10dB」(浅め)

 

スレ-10

慣れるまでは素の音との違いがわからないかもしれませんが、

波形を見ると確実に音の立ち上がりの部分が潰されています。

 

 

「スレッショルド:-30dB」(深め)

 

スレ-30

ここまでやるとすごくわかりやすい!(笑

頭の部分が思いっきり潰されているのがわかります。

立ち上がりが余韻とほぼ同じくらいまで圧縮されているので、

残響効果で、まるで遠くで叩いているような感じにも聞こえます。

 

 

スレッショルドの「浅め」と「深め」

 

スレッショルドでは、この数値だから浅い、深いという絶対的な数値はありません。

「原音に対して」浅く掛かっているか、深く掛かっているか

という相対的なものとなります。

 

以下に代表的な浅め・深めの使い方を書いてみます。

実際、各パラメータの設定によってその使い所はかなり違ってくるのですが、

最初は大雑把でもよいので、全体像が見えると理解しやすいのではないかと。

 

 

浅めの使い所

  • 原音のニュアンスはあまり変えたくない
  • 存在感を少しだけ強くしたい
  • 飛び出ているなと感じる音だけ抑えたい
  • 頭は潰したくないけど、余韻を少し消したい

 

・・・などが挙げられます。

原音の雰囲気がよいので、あまり弄りたくはないんだけど、

他の楽器などの音との兼ね合いでぶつかったり、埋もれたりなどした時に、

その兼ね合いをちょっとだけ整えてやる、というイメージです。

 

ちなみに、極薄掛けした場合、慣れていないと単音では効果がわかりにくいのですが、

これが複数の楽器が同時に鳴っている場合、相対的に質感が変わってきます。

それが2個、3個と弄っていくと、最初の時とは大分違うようになる。

 

なんか違う・・・何が違うかよくわからないけど、聞きやすい。かっこいい!

こういう風に聞こえるようになります。

 

 

深めの使い所

  • リズムに迫をつけたい
  • 輪郭をはっきり作りたい
  • バラつきすぎた音量差をある程度揃えたい
  • ぶつかりあっている同じ帯域の音をバランスよくしたい
  • 高圧縮による音の歪みを利用したい時
  • 音を前に持ってきたり、後ろに引っ込ませたい
  • タイトな音を作りたい

 

・・・などがあるのではないかと思います。

これはやはり、コンプをかける音の特性ごとに設定も違ってきて、

主にアタック・リリースを細かく設定していく必要があるので一概には言えませんが、

深く掛ける場合はどのみち音に激しい変化が出てきます。

 

この辺りは概要程度なので、サラッと流して下さい。

 

 

始めてコンプを使う時のコツ

 

これは私がオススメする、コンプに慣れる初めの方法なのですが、はじめは、

 

スレッショルドを少し深めに設定してから、

パラメータを弄ってみて下さい。

 

使い始めの初期の場合、コンプはその効果がわかりにくいと言われていますが、

事実、その通りだと思います。

 

長年現場でエンジニアとして音に携わっている人間は、

聴覚の次元が常人とはケタが違います。

ほんと凄いですよ。耳の精度がえらい高く、凄まじく鍛え抜かれている。

 

それくらい精度の高い耳での判断なので、

注意深く違いを聞き取る意識を普段から高めていない場合、

正直言って、よくわからないのは当り前です。

 

 

なので、コンプを使い始めの頃は、まずはスレッショルドをかなり下げ目にして、

それから各パラメータを弄ってみて下さい。

その方がコンプを掛けた時の音がはっきり聞き取れるので、

まずはどういう効果が出るのかを、耳で把握してみましょう。

 

そして、こういう音になるのか!と段々とわかるようになったら、

スレッショルドを浅めにしていって、その違いを聞き取れるようにしていきます。

 

 

ただし、注意点としては、深く掛けすぎないこと

スレッショルドが深すぎる場合、

コンプの種類によっては圧縮のしすぎで音が意図せず歪んでしまうことがあります。

 

また、スレッショルドによって、コンプの掛かり始め、掛かり終わりの位置が変わります。

スレッショルド違い

同じアタックタイムやリリースタイムでも、

立ち上がりと残響状態が音のレベル部分によって違うので、

単純に深めの設定をそのまま浅めにもっていけばいい、というわけでもなくなります。

 

流れとしては、

  1. ある程度、スレッショルドを深めに掛けて設定し、音を聞いてみる。
  2. 次にコンプをバイパスして(コンプが動作しない状態)、素の音を聞いてみる。
  3. またコンプを掛けた音を聞いてみる・・・

と比較してみるとよいかと思います。

 

この場合、コンプを掛けている時は、全体の音量が下がっている事が多いので、

なるべく原音と同じ音量で聞けるようにするため、

コンプ内でのアウトプットゲイン(MakeUp Gain)を上げておくと良いです。

 

 

下のサンプルを聞き比べてみてください。

 

「素の音」

 

「スレッショルド-30、原音と同じ音量くらいまでゲインを上げたもの」

 

2番目のサンプルを聞くと、余韻が物凄く大きくなっているのがわかります。

また、全体の音量を持ち上げている形になるので、

500Hz辺りのキィー…ンという音が目立って聞こえるようになっています。

 

これは、コンプを少し深めに掛けることで発生する倍音成分がプラスされたものかと思われます。

コンプではこうして意図的に歪みを作って、音を太くする、音を豊かにする使い方があります。

これが逆に嫌だなと思った場合、コンプの後にEQを掛けて、

余計な倍音成分をカットしたりなどすればよいかと思います。

 

 

まとめ

 

コンプの基本パラメータは、

  1. スレッショルド(Threshold)
  2. レシオ(Ratio)
  3. アタックタイム(AttackTime)
  4. リリースタイム(ReleaseTime)
  5. インプット/アウトプットゲイン(Input/Output Gain)
  6. ニー(Knee)

 

スレッショルドとは、どの音量値から圧縮をはじめるかを設定するもの

原則として、原音より数値を低くしないとコンプは作動しない。

 

コンプに慣れるには、初めはスレッショルドを深めに設定して、音の変化を把握しよう

 

 

ということで、今回はスレッショルドについての記事で終わってしまいました。

それだけコンプは気を遣うエフェクトでもあるので、

じっくり確実に見ていきましょう。

 

 

それでは!

 

【コンプ・Lv1】超重要エフェクト・コンプレッサーのド基本を押さえろ!【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

音作りをする上でまず欠かせないであろう超重要エフェクト

 

「コンプレッサー」

 

それを今回から順序立てて解説していこうと思います。

初回のLv1では概要のみになりますが、

まずはこれがどういうものなのかをざっくりでも知っていこうということです。

これがあるとないとでは、やはり理解は変わってくると思ってます。

 

 

そしてこのコンプ、よく一般的にも言われている通り、

私も使い初めの頃は、その効果が全然わかりませんでした

 

実際効いているのかどうかもよくわからなかったし、

今度は効かせすぎて音がカッチカチになってしまって、

最終的に耳に痛い曲が出来上がってしまった等、

まー随分ワケがわからないまま使い続けていたのを覚えています。

 

 

 

このブログで書く記事というのは、

基本的には読者の方に、

私が散々してきた遠回りをサクッと乗り越えてもらって、

その分音楽を楽しむ時間を増やして頂きたい。

 

結構そういうところ、あります。

いや、あれこれ煮詰めていくのはとても重要だと思います。

思うんですけど、自分の場合かなりアホだったのと、

少し時間をかけすぎた感があるんですよ。

 

なので、是非、私の屍を乗り越えていって頂きたい。

割と本気でそう思ってます。

 

 

 

Compressor(コンプレッサー)とは

体積の圧縮や信号の圧縮を目的とした機械あるいは機器。圧縮機。

出典:Wikipediaより

 

日常的には、自転車屋さんにある、

「ドルルルル!!」という空気入れ装置などがそうですね。

あれ回しながらタイヤのチューブに空気入れてる間は、ほんと周りの音なんも聞こえません。

自動車コンプレッサー

画像は車のコンプレッサーですね。

 

 

それに比べて音楽業界でのコンプレッサーは、

もはや愛称みたいに「コンプ」って呼ばれることが多いです。

空気圧縮装置の実際の迫力に比べたら、確かに可愛いものかもしれない。(笑

 

 

 

音楽用途としてのコンプレッサー

ざっくり言いますと、音を圧縮する装置のことです。

 

バンドをやってた人なら、ハードのコンプの方が馴染みがあると思います。

エフェクトなど

一番左がそうですね。

 

 

次回以降のコンプの記事で使用していくものはソフトの方です。

エフェクトソフトコンプ

↑はVSTインストゥルメントの「T-RackS CS Crassic Compressor」です。

 

 

 

それではコンプの用途を見ていきます。

大きく分けて二つ。

 

 

1、音のレベルを調整できる

音楽的なコンプレッサーは、元々、音の歪みを抑えるために使われていました。

 

ここでいう音の歪みとは、例えば、スピーカーのボリュームを最大にすると、

音が綺麗に聞こえずにバリバリいってしまうことがある、という類の歪みのこと。

 

音が大きすぎる=入力信号が大きすぎると、出力装置に負担が掛かりすぎてしまい、

正常に音が出てくれないどころか、スピーカーなどの装置自体を壊してしまう恐れがある。

 

恐れがあるというか、実際それで壊れるケースが多かった。

それを防ぐため、音をある程度圧縮させるためにコンプレッサーが使われていた

という経緯があります。

 

 

 

2、音作りができる

コンプは、圧縮率や、効き始め、効き終わりなど、

入力信号に対する出力調整をかなり細かく行えるので、

結果的に音に大きな質感変化を作り出すことが出来ます。

 

音作りと聞くと、やはり「全く新しい音を生み出す」というイメージの方が強いかもしれません。

例えば、「スター・ウォーズ エピソードⅡ」のサイズミックチャージの音とか。


「ヴヴイィイィーー・・・ン!!!」

 

 

 

「なにこの音聞いたことねェ!!!」

みたいな。(笑

 

 

 

コンプでの音作りというのは、そういった類のわかりやすい音作りではなくて、

原音の輪郭を整えたり、発声タイミングをズラしたりなど、

サイズミックチャージのインパクトから見たら、かなり地味な部類の音作りということになります。(笑

 

 

効果がわかりにくいのも当然なんですよね。

すでにある音を如何に整えていくか、という作りこみになるから。

 

でも、このコンプでの調整を行うことで、はっきりとはわからなくても、

確かに音全体に違いというものが生まれます。

 

 

 

「コンプ」と「リミッター」

さて、コンプには大別して

  1. 音量レベルの調整
  2. 質感調整

と二つの顔を持っているということになりますが、

1の、音の出力を抑えるという点では、

リミッターやマキシマイザーなどと効果が重複します。

 

「同じ効果なら一緒にしたほうがわかりやすくない?」

 

と私は最初思っていたのですが、これにはきちんと別にされている理由がありました。

 

 

例えば「リミッター」。

その名の通り、マスタートラックなど絶対にピークを越えてはいけないところに必ず使われるもので、

ある一定以上の音量は完全に飛び出させないように抑えるための、

絶対的な守護神エフェクターとして存在しています。

 

 

これ、元々はコンプと一つのものだったんですよ。

一つだったというよりは、今で言うエフェクターの「リミッター」の働きは、

そもそもコンプレッサーの圧縮率を極限まで高めた状態のことを言っていて、

後に、切り離して名前と本来の役割だけを与えたもの。

それがリミッター。

 

 

 

コンプレッサーは、圧縮率を緩やかにした場合、

音に対してかなり繊細なアプローチができることから、

音の粒揃えや輪郭調整など、整える音作りに、次第に使われるようになりました。

 

 

その効果が大きかった為、現在では、

 

コンプは本来の用途の発展型として、音作りの役割を持ち、

リミッターは本来の用途に、より忠実な形として、音を抑える役割を持つ。

 

 

こういう理由から、今ではコンプとリミッターは別々に存在しています。

 

 

 

 

 

これが分かれた経緯を考えると、当時の人はほんと凄いなと思います。

 

当初コンプレッサーが導入された理由は、音の歪みを解消するためであって、

音作りをしようという理由ではなかったはず。(そういう人もいたとは思いますが。)

 

それを、調整しながら使っていくことで、次第に音の変化に気付きはじめ、

今ではコンプは、むしろ音作りがメインになっている。

 

人間って、凄いなホント。(笑

 

 

 

まとめ

コンプレッサーは音を圧縮するエフェクター。

用途は、音量レベルの調整原音の細かい音作りの二つ。

少し噛み砕くなら、

  • 全体の音のバランス、粒を揃える
  • 音にメリハリを付ける
  • 音に存在感を与える
  • 音割れを防ぐ
  • 音を太くする
  • 音圧を上げる

といった内容で使える。

また、リミッターとは兄弟の仲である。

 

 

ということでした。

 

次回のコンプLv2では、実際にパラメータや音を聞いて理解を深めてみたいと思います。

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv5】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その2【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

ディレイ講座Lv5です。

引き続き、ディレイでステレオ感を出そうという記事です。

前回の記事はこちら
【ディレイ・Lv4】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その1【DTM】
ディレイの掛け方の3パターン、

  1. 横の流れを作り出すステレオ感
  2. 音の箱を作り出すステレオ感
  3. 音の壁を作り出すステレオ感

のうち、今回は3を取り上げます。

といっても、これも非常に簡単です。

 

 

 3、音の壁を作り出すステレオ感

 

2ではMonoDelayを使ったので、3ではStereoDelayを使ってみます

個人的にはセンドでディレイ成分だけ別トラックを作って、

そこで音量調整をしたほうがステレオ感の精度を上げやすいのですが、

気持ちちょっと端折りたい時や、そこまで細かい設定を気にしなくても良い場合は、

StereoDelayを使います。

 

 

まずは素の音。

EastWestのRAのマンドリンです。

なかなか激しくアルペジオさせてます。

サンプリング音源なので、アンビエンス感といいますか、最初から若干音の広がりを持ってます。

 

それではこの音を左右に置いて、音の壁を作り上げてみます。

 

ディレイ加工後。

 

このマンドリンの音には、ディレイを二つ使いました。

一つは、左右に音の壁を作るために直接インサートしたStereoDelay

もう一つは、奥行きを出すために、センドでセンターに返したMonoDelay

 

StereoDelayの設定は、右の出力は原音のみにするため、Mix=0

つまりDRY=100%なので、右側の他のパラメータを弄っても一切反応しません

これは、Mix以外のパラメータは全部ディレイ音のみに掛かる設定だからです。

 

右を原音のままにしたので、左の出力をMix=100にします。Panは左に振り切り。

WET=100%ですので、左はディレイ音100%しか鳴りません。

原音と同じ出力にするため、フィルターはオフにし、Feedbackも0。

左右の音の干渉具合からステレオ感を出すため、DelayTimeを20msecにします。

 

 

MAKOOTO的、ステレオ化ディレイタイムの黄金律は20msec

いや、ボーカルの189msecディレイの話ではないんですが、

私にもディレイの数値としてはもうずっとこの数値で固定、というのがあります。

 

 

一つの音を左右に複製した場合、まずはモノラルで聞こえてしまいます。

それをステレオ感を出してはっきり聞きたい場合、色々なずらしをしていくのですが、

ディレイを使ってのステレオ感演出となると、そのずらしの選択肢があまり多くありません。

 

ピッチシフトや位相反転は、MIDIやオーディオデータでしか有効でないなど、

条件によって使えないことが結構あったり、やってみたら別の部分に謎の違和感を覚えたり等、

まーとりあえずテンプレが出来てもめんどくさいもんはめんどくさいんです。(笑

 

なので、仮でもいいのですぐにステレオ化して聞きたい!という時に、

このStereoDelayをとりあえず差してディレイタイムを毎回弄っていたのですが、

いつの間にか、ここ、という数値に落ち着いていました。

 

それが「20msec」

 

この数値はディレイで左右に壁(ステレオ化)を作る際、

左右の音ズレ感覚が一番小さく、ステレオ感を感じられる境界線のTimeとして、

私の中ではもはや黄金律的な数字になってしまっています。

 

 

これより短いDelayTimeにした場合、どれだけ左右に振ってももう真ん中から聞こえてしまうし、

逆に30msec以上にすると、私はどうも壁を作るという意味ではズレが気になってしょうがない。

せめて音量の調整が出来たらいいんですよ。

でもStereoDelayではそれが出来ない。

 

ただまぁ、CubaseでのStereoDelayを使用している私の固定数値というだけなので、

そんな絶対的なものでもないとも思います。

 

ご参考程度にお聞き下さい。

 

 

 

 

音の壁の間を走る、奥行きディレイ

マンドリンに掛けた、もう一つのディレイの設定です。

これの意図は、左右のステレオ化した音の壁の間を通って、奥行きを演出しようというものです。

DelayTime=1/8D(1/8+1/16)にすることで、ディレイタイミングに独特のリズム感を作ることと、

Feedback=30にして、そこそこ余韻を引っ張ろうとしています。

 

センドで送っているので、音の壁を反射しているような設定も出来ます。

その場合は、Cubaseではセンド先のFXトラックのPanをバランスパン→コンバインパンに変更し、

コンバインの間隔を狭めて、PingPongDelayでも掛けてあげれば良いかと思います。

 

今回の場合は、そんなに難しく考えずにストレートに作ろうということで設定してみました。

このMonoDelayのトラック音量は結構下げています。

音が派手なこともあるため、残像が見えれば良い程度にとどめておきます。

 

↑図では、サンプリングされた音とはいえ、

余計な低域が気になったのでローカット用のEQをインサートの「1」に差しています。

 

そして、インサートの「7」に音の壁を作るStereoDelayを差しています。

これはCubaseの構造上、1~6番目までのインサートはそのままセンド先に送られてしまうからです。

ただ、7、8番目のインサートは、センド先には行きません。

つまり、ここに何を差しても送り先にはなんら影響は出ないということです。

 

 

さて、改めて音の配置図を見てみます。

マンドリンの原音にローカットEQを差してはいるものの、

実際は3つの音色にそれぞれディレイを掛けただけです。

 

文章は長くなってしまいましたが、たったこれだけしかしていないのに、

サウンドの表情はこれでがらりと変わってしまう。

 

そして、ステレオ感はともかく、奥行きと聞くとすぐリバーブを連想してしまいがちになりますが、

実際リバーブよりも奥行きとなる道筋をはっきり示せるのがディレイの特徴の一つでもあります。

 

奥が深いですね。

私の使い方も先人あってのものですし、これの応用もいくらでも考えられそうです。

 

 

ドラムがはねるディレイサウンド

 

ちなみに、これはオマケですが、実はドラムにもディレイを薄掛けしていました。

 

これは素のドラム音。

 

これがディレイを掛けたドラムの音です。

 

音がすこしはねているように調節してみました。

スネアの音が帯域的にもわかりやすいのではないかなと思います。

設定は画像の通り。

あまりディレイで主張しすぎないよう、DelayTime=1/8のスタンダード。

Feedback、Mixそれぞれ10に設定。

フィルターはローとハイをカットして無駄な主張を無くしていきます。

 

 

ドラムにディレイを掛けると、

スネアやバスドラがリズムのよいゴーストノートっぽく聞こえるなど、

小刻みなリズムが新たに生まれて躍動感が加わります。

 

 

今回の記事では、ステレオ化のディレイをメインにしていたので、

オマケ扱いしてしまいましたが、リズム隊に掛けるディレイも上手く効かせると

これもまたかなりの演出ができたりします。

 

 

 

 

最後にもう一度サンプルを確認してみましょう。

 

ディレイ前。

 

ディレイ後。

 

 

ドラムにもディレイを掛けていたので、正確にはこうなります。

ドラムの頭に三角帽が被さりました。

いや、記事を書いていって思ったんですけど、改めてディレイって奥が深いなぁ・・・。

基本的な使い方だけでも、これだけ文章書かさるもんなー。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]今回ボクら、途中から完全に忘れられてたよね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]ほんとな[/speech_bubble]

 

 

まとめ

3、音の壁を作り出すステレオ感

  • 原音とディレイ音の位置間隔は、ほぼ左右のLR振り切り。
  • DelayTimeは20~30msecくらいで調整(20msecは個人的に安定数値)
  • Feedbackは0。
  • 中央に薄いディレイを掛けて奥行きを作るとそれっぽくなる

 

おまけ

  • リズム隊に1/8ディレイなど、基本ディレイを薄く掛けると躍動感が生まれる。

 

 

ディレイの基本設定ですが、

この設定の方がしっくりくる!というのは個々それぞれあると思います。

私の記事は、あくまで参考にして頂けたらと思います。

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv4】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その1【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回と次回に分けて、ディレイを使ってステレオ感を作り出す、そのやり方を書いてみます。

わかりやすくディレイの掛け方の3パターン、

  1. 横の流れを作り出すステレオ感
  2. 音の箱を作り出すステレオ感
  3. 音の壁を作り出すステレオ感

と表現して説明してみます。

 

 

このページでは、まず上の1、2について書いていきます。

 

 

3パターンのディレイを掛ける

 

まずは、ディレイを掛ける前のサンプルがこちら。

 

音色の位置を図で表すとこんな感じです。

  • ドラムとベースは真ん中。
  • メロディを兼ねるシンセリードはLに振り切り。
  • アルペジオのマンドリンはセンターに。
  • 低音のシンセストリングスはRに振り切り。

 

ドラムとベースにはコンプとリミッターを適当にかけていますが、

他の3音色には何もエフェクト等かけていません。素の音です。

 

今この記事を書いていて、なぜ自分はこの音色を選んだのかちょっと謎なんですけど、

細かいことは気にしない方向でいきます。

 

 

では、この謎の音色3兄弟であるシンセリード、マンドリン、シンセストリングスに、

それぞれ違う設定のディレイを掛けてみましょう。

 

結果はこちら。

 

どうでしょうか。

素のままよりもステレオ感が生まれ、全体にまとまりができたのではないかと思います。

これは、上記ヘンテコ3兄弟にただディレイを掛けただけです。

 

図で大雑把に見るとこんな具合です。

私のせいであんまり伝わらないかもしれませんが、

ディレイの効果はかなり凄いんです。

ずっと聴いてると段々良さ気に聞こえてくるからちょっとやばい。

 

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]なるほど、ディレイってこういう風にも使えるんだな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]でもこの曲そもそもよくわからない[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]どこで使えばいいかもわからない[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]ボツです[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]いや、そこはもういいだろ・・・[/speech_bubble]

 

シブ君のダメ出しも食らったので、早速ディレイの設定を見ていきます。

 

 

1、横の流れを作り出すステレオ感

一つ目は、左で鳴っているメロディの役割を持つシンセリード音。

 

これが素の音。

 

 

ディレイを掛けたあと。

 

これは、原音をL(左)に振り切り、

ディレイ音だけをセンター(中央)から鳴らして、

ステレオ感を演出しています

 

左で鳴った音を中央にディレイとして返すことで、

オケ(メイン以外の音全体)と馴染ませようということです。

 

 

以下、その設定。

 

 

シンセリードの原音トラックは「Retrologue 02」(↑図、右上)。

まず、ディレイ音のみを鳴らすためのFXチャンネルトラックを作ります。

名前は「L Synth Lead Delay」にして(↑図、右下の水色トラック)、

これに「Retrologue 02」で鳴らした音をセンドで100%で送ります。

(図左の「0.00」は原音と同じ音量という意味)

 

そして、ディレイトラックである「L Synth Lead Delay」にはMonoDelayをインサートしておきます。

1、ディレイ専用のトラックにかかっているインサートエフェクトです。

今回、私は隠し味として「Distortion」も掛けてみました。

 

2、ディレイ音のDelayTime=1/16に設定。

こうすることで、左から中央に音が流れるような感じになります。

 

3、原音を左右に広げるだけなので、最初の音さえあれば良いため、Feedback=0。

 

4、フィルターは掛けないほうが原音のまま出力されるのですが、

シンセ音が若干ハデ目に感じたので、ハイとローを少しカットしました。

 

5、ディレイ音だけを出したいので、Mix=100.0。(センドエフェクトは基本Mix=100です)

 

6、ハイとローのカットにプラスして、ほんとに薄ーくディストーションを掛けて歪ませ、

原音との違いをすんごいうっすら~と出そうとしてます。

0だと全く掛からないので0.1にしてますが、ほぼわからないレベル。

 

7、Toneは、ディストーションを掛ける周波数帯域の幅のことです。

ローとハイをカットしてはいますが、とりあえず全体に掛けるということで、Maxの10.0に設定。

 

8、ディストーションを掛けると聴感的に音量が上がる時があるので、OUTPUTは少し下げめに。

 

 

図右は、原音トラックのフェーダー部分。音を真左から出したいので原音はLに振り切り

図左は、「Sends」つまり送り先の音の位置です。このディレイ音はセンターに調整します。

 

 

そして原音(左トラック)とディレイ音(右トラック)の音量調整。

ディレイ音を、原音の音量のままにすることもありますが、

今回はディレイ音を少し下げて、左から中央への奥行きも少しだけ狙っています。

 

 

 

2、ショートディレイで音の箱的なステレオ感を出す

二つ目は、真右にあるシンセストリングス音。

 

素の音。

 

 

ディレイを掛けた音。

 

このシンセストリングスには、原音はR(右)に振り切り。

ディレイ音は、DelayTimeは30msec(0.03秒)にして、センターに返しています

 

この、100msec以下くらいの極短いディレイタイムでのディレイを、

ショート・ディレイとわかりやすく呼びます。

人によっては50msec以下だったりとか、色々あると思います。

 

この曲はBPM=200で、1拍(1/4)が300msec(0.3秒)

なので、設定した30msecはその10分の1。かなり短めです。

 

これもシンセリードの時と同様で、FXトラックでディレイ音のみ出しています。

DelayTime=30.0、Feedback=0。

こちらに関しては、ほぼ原音をディレイで返す方向なので、フィルターも使いません。

 

原音・ディレイの音量はほぼ同じくらいにします。

こうすることで、流れではなく、音の広がりを確保することになります。

 

↑図の「1」がディレイトラック。定位はセンター。

「2」が原音のトラックで、これはR(右)に振り切り

 

 

そして、少しわかりにくいのですが、ディレイトラックを、原音より若干音量を下げています

これは、原音とディレイ音の音量が同じ場合、

遅れてきた音の方に定位を感じやすい

ということから来ています。

 

 

人間の耳の感覚はそういう風に錯覚する傾向があるということです。

 

 

ただ、これまでの私の体感としては、

音色によっては先に鳴った方に定位を感じやすい

場合も往々にしてあるということ。

 

なので、どちらかの音量を上げ下げして、

なんとなくその中央から音が聞こえてくるポイントを探してあげます。

全く同じ音量」ではなくて「ほぼ同じ音量」と表記しているのはそのためです。

 

 

 

今の時点で簡単にまとめると、

 

音に横の流れを作るなら、ディレイタイムを少し多めにして音量差をつける

シンセリードに掛けたディレイは1/16なので、かなり音の遅れを感じ取ることが出来ます。

タイミングをずらした上で片方の音量を変えると、

  • 「音:大→小」で、遠くに行く感じ
  • 「音:小→大」で、向こうから来る感じ

という流れを擬似的に作り出せるというわけです。

これがステレオ的な横の流れ

 

 

単純にステレオ感を出すなら、原音とディレイ音の音量はほぼ同じにする

原音とショートディレイによってタイミングのズレた音は、

音量が同じ場合、その真ん中から聞こえるというよりは、大体はどちらか寄りに聞こえます。

なので、その定位を調整するため、音量を微調整する必要があります。

 

基本は音量を大きくした方に定位は寄ります

 

 

「音の箱」と冒頭で表現したのは、原音とディレイ音が同じ音量だからなのですが、

DelayTimeによってその真ん中から聞こえるようにするか、

左右両方から聞こえるようにするかも調整できるからです。

横幅の広い箱にするか、細い箱にするか、というイメージですね。

 

DelayTimeを短くすると箱が狭くなり、長くすると箱が広くなります。(ステレオ化)

 

私の感覚だと、

100~50msecだと定位を振ったポイントで原音・ディレイ音がそれぞれ鳴る感覚ですが、

50~20msecだと、振った定位よりも狭目に聞こえて、

20msec以下だと、定位を振っているにも関わらずほぼモノラル化してダブります。

 

 

ただ、2番目に紹介したシンセストリングスのような音色の場合、

倍音の関係もあってあまり細かい設定にしなくとも音が広がったので、

そういう場合は音量調整はそこまで詰めません。

 

役割的には、右でふわ~っと鳴ってればいいかなくらいなので。(笑

 

(倍音成分に関しては、今は割愛します。)

 

 

 

まとめ

1.横の流れを作り出すステレオ感

  • 原音とディレイ音の位置間隔で、音が流れる
  • DelayTimeを短めに取ると、横の流れの歯切れが良くなる
  • 原音とディレイ音に音量差をつけると、奥行きの流れを作り出せる
  • Feedbackは0でも良いが、あっても問題ない
  • 音量調整をするため、ディレイ専用トラックを別で作って、センドで送る

 

2.音の箱的なステレオ感を作る

  • 原音とディレイ音の位置間隔で、ステレオ感の幅が決まる
  • DelayTimeは50msec以下くらいで調整
  • 原音とディレイ音の音量をほぼ同じにする
  • Feedbackは0。
  • 微妙な音量調整が必要。ステレオ感の定位が決まる

 

 

ちょっと長くなってしまったので、続きは次の記事にしたいと思います。

【ディレイ・Lv5】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その2【DTM】

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv3】DelayTime=1/2・1/4・1/8の基本調整【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

前回に引き続き、Delayの使い方を見ていきます。

 

前回の記事:3種類のディレイ「Mono・Stereo・PingPong」とDelayTimeの「TとD」のお話。
【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

 

今回は、フレーズによってDelayTimeやFeedbackなど、

実際に各パラメータをどのように設定していくと良いのか。

そのヒントになればという記事にしていきたいと思います。

 

ステレオ感を出したり、ダブル効果を生み出したりという、

ある程度決まった設定はあるのですが、まずはディレイに慣れようということです。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]よし、早速試してみるぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]おー、がんばれー(ぼけー)[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]お前、初仕事なのにやる気ないな・・・[/speech_bubble]

 

 

 ディレイに慣れよう

サンプルを用意してみました。

 

音源はEastWestのRAに入っているマンドリンです。

 

下は打ち込んでみたフレーズ。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]これ、押さえ方とか大丈夫?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]知ってるぞ!ヴァイオリンと同じだ![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]フッ、かっこいいだろ?最近弾いてないがな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]うん、やっぱいいや[/speech_bubble]

 

 

では、この音源トラックにMonoDelayを直で掛けて、良さそうな響きのポイントを探してみます。

基本の音を1/4の長さで区切っているので、

1/4とその両脇の1/21/8のディレイタイムで聴いてみます。

 

 

DelayTime=1/2

まず、ディレイタイムを1/2にして聴いてみます。

 

うん、のんびりしてて良い感じですね。

 

私の場合、ディレイの基本数値は、

Mixはおおよそ10~30くらいFeedbackは20を基本にしています。

DelayTimeが短い時でわかりやすく余韻を残したい時などは、

Feedbackは40、50くらいまで上げたりします。

 

個人差はあるでしょうし、曲調やオケ(バックの音)にもよりますが、

私は大概、0~50で収めて使用することが多いです。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]最初は、これが答えだ!っていうのは特にないから、あんま気にしなくていいよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]おっ、優しいなシブは[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu3.jpg” name=”シブ君”]・・・は!?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]え、何でそこ怒るの[/speech_bubble]

 

 

DelayTime=1/4

次にDelayTimeのみ、1/4。

 

綺麗にまとまった感じです。スタンダードな印象。

 

「Feedback=20」・「Mix=10~20」くらいだと聴感上ディレイ音が4~5回で終わるので、

「DelayTime=1/4」の場合、小節の頭になった音がその小節内で音が収まります。

 

 

DelayTime=1/8

今度は短めの、1/8。

 

ディレイの間隔が速く、きめ細かな印象があり、これもいいですね。

ただ、2小節目(00:02辺り)の「ジャラーン」という全音符の部分に関しては、

DelayTimeのみ狭くしたため、3小節目までの繋ぎが断たれた感じになっています。

 

バックに他の音があればこれでも良さそうですが、

単体で聴く分には間が空いてしまい、少し物足りなさを感じます。

Feedbackを上げて、3小節目に上手く繋げるよう調整してみましょう。

 

 

「Feedback=40」

 

先ほどより2小節目に伸びが生まれました。

ちょっと音が切れるの速いかなーとも感じたので、も少しFeedbackを上げてみます。

 

 

「Feedback=50」

 

2小節目のディレイの伸びは丁度良い感じになりました。

ただ、「Feedback=50」もあるので、今度は他の部分が少しうるさめになったようにも感じます。

 

ここで、2小節目は全音符のままでいきたい!という場合は、Feedback=40か50を選びますが、

それだとちょっとやまびこがうるさいかなー、という場合、Feedbackを下げる方向を考えます。

 

リバーブなどで薄っすら補ったり等、たくさん音を繋げる方法はありますが、

今回は、2小節目を1/2分音符にして、Feedbackを下げてみる形を取ります。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]やさしめでいくぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]うんうん、いいと思う[/speech_bubble]

 

上の図のように、2小節目の上のド#を分割して、

少し気になった部分のベロシティ(音の強さなど)を弄りました。

Feedbackも25の方がいいのかな~と思い始めて、ここも調整。

 

 

DelayTime=1/8、Feedback=25、2小節目の音を分割、他微調整

 

 

トータルの間の繋ぎはさっきよりまとまったかな?という印象です。

「Feedback=50」を聴いた直後なので、

相対的にディレイ音に少し物足りなさを感じてしまったり、

また今度は6小節目の繋ぎが気になりだしたり・・・(笑

 

 

試しにドラムとベースを適当に加えて、

1/2、1/4、1/8のDelayTimeでそれぞれを聞き比べてみます。

 

 

 

DelayTime=1/2、Feedback=15

 

 

 

DelayTime=1/4、Feedback=20

 

 

 

DelayTime=1/8、Feedback=40

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]ふう・・・ちょっと疲れてきたぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]段々何がいいかわからなくなってきた・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu5.jpg” name=”シブ君”]グー・・・、グー・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii6.jpg” name=”ルイー”]キサマッ!!興味なしかッッ!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]あ、うん、1/4でいいんじゃん?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii7.jpg” name=”ルイー”]おっ、さすがは・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]ボク、四分音符だしね![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]・・・そういう理由?[/speech_bubble]

 

 

この三つで私が選ぶとしたら、

最初の曲を作る方向性が少しのんびりな感じだったので、

 

1/4パターン > 1/2パターン > 1/8パターン

 

でしょうか。

 

ちなみにこの曲、BPM=100なので、これを200にして2倍速にしてみます。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]案外違うイメージが膨らむので、BPM変えるのは割とオススメだよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]速いとかっこいい! 速いとかっこいい!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]とりあえずルイーがバカなのはわかった[/speech_bubble]

 

 

1/8パターン、BPM=200

あー、これなら1/8でも良さそうかも。

でもドラムが少し余計なリズムを作っちゃってる感もある。

(間のバスドラが少ししつこいかな?)

 

ドラムパターンを少し緩やかにしてディレイは「1/4パターン」にしてみる。

一応比較の為に、それを「1/2パターン」でも書き出してみます。

 

1/4パターン、BPM=200、ドラム変更

 

1/2パターン、BPM=200、ドラム変更

 

こっちのドラムパターンの方がしっくりきそう。

 

BPM=200だと、どのディレイパターンでも良さそうな気がする・・・(笑

 

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ま、そんなに難しく作ろうと思わなくていいってことだね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]なるほどな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]しかし、俺としてはもう少しかっこよくしたいところだが・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]無理すんな、そもそもキミかっこよくないから[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]いや曲のことなんだが[/speech_bubble]

 

まとめ

  • Feedback=20くらいだと、ディレイ音は大体4~5回くらいになる
  • リズムが4/4拍子で、DelayTime=1/4、Feedback=20の場合、小節の頭で鳴らした音はその小節内で鳴りが丁度消えるので、しっくりくることが多い
  • DelayTimeを下げるなら、対照的にFeedbackを上げると音が繋がりやすい(その逆も)

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]あとは、色んな曲を聴いて少しずつ使い方を増やしていけばいいよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]そうか、わかった[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]優しいな、シブは!(また怒るかな)[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]そうでしょ!?そうでしょ!?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”think” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]・・・こいつの思考、全然わからん[/speech_bubble]

 

 

 

というわけで、今回はこんなところでしょうか。

 

 

私の場合はですが、最終的には耳で聞いて、参考の曲などがあればそれを聞き、

また自分で作った曲を聞き返したりなどして、感覚的にしっくりくるところを探します。

 

ディレイのみで色々弄ってみただけでも幾つかパターンが出てきたので、

迷ったら、まずは一つ、良さそうかなというパターンをチョイスして次に進みます。

あとで幾らでも立ち戻ればいいというくらいサクッと決めると、案外進みます。

 

 

わけがわからなくなってきたら、時間を置いて一旦頭をリセットして、また聞く。

リセットをかけて聞き返すと、案外フラットに聞けます。

 

 

そして、これを毎度やっていくと、段々耳や感覚が培われていく。

一例として参考にして頂ければと思います。

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

ディレイ講座第二回目です。

第一回目は、基本的なディレイのパラメータを見ていきました。
【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】
今回は、基本的なディレイの種類を三つ取り上げて、その効果を確認してみます。

それと、前回説明できなかった、DelayTimeのTとDについても触れてみます。

 

 

三種類のディレイ

ディレイの基本として、Cubaseにも付属されている、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

の三種類をここでは取り上げます。

 

 

基本はモノステレオ。次に飛び道具的でピンポン

この三つを押さえておけばディレイに関しては問題ないでしょう。

 

 

 

まずディレイを掛ける前のサンプル原曲を用意してみました。

 

念の為、ディレイ音であまり濁らないよう、メロディをペンタトニックで作っています。

昔のファミコンを思い出させるような感じになっちゃった。

 

 

それでは、この原曲のメロディ部分(8分で鳴っているシンセ音)にそれぞれ、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

を掛けて聞いてみます。

 

 

 

1、MonoDelay

モノ・ディレイのサンプル。

 

パラメータは

DelayTime:1/8、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000(デフォルト値)。

実用的な数字に設定している為、少しわかりにくいかもしれませんが、

薄っすらと音が重なっているな~、という風に感じられればOKです。

これだけで少し奥行きが出て、空間を感じられる効果が生まれます。

 

 

 

2、StereoDelay

ステレオ・ディレイのサンプル。

 

左側を DelayTime:1/8、Pan:-100(真左)、

右側を DelayTime:1/4、Pan:100(真右)にそれぞれ振り、

あとはMonoと一緒の、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000

左と右で1/8、1/4とずらすことで、左右に音が反射するように聞こえると思います。

これは次のピンポンディレイに相当するずらしとほぼ同じ設定です。

 

ちなみに、左右共に「Feedback=10」としているのは、

ほんとに薄く響きが残っていればいいという認識だからです。

 

上記の場合、左の1/8の方が当然早く音が消えてしまうので、左右の音の余韻を合わせるため、

本来は左のFeedback数値はもう少し上げたほうがいいかもしれません。

が、解説上「見た目をわかりやすく」ということで数値を合わせています。(笑

 

 

 

3、PingPongDelay

ピンポン・ディレイのサンプル。

 

2のStereoDelayをピンポン設定にしたので、2のサンプルとあまりかわらないかと思います。

 

上の赤枠の「Spatial」は左右の広がりのパラメータです。0.0~100.0まで。

0にすると真ん中(モノラル)ディレイになり、

100にすると左右からピンポンします。

 

 

 

そして最後に、

上記の設定のMono、Stereo、PingPongを順にインサートした音源がこちら。

「Mix=20」、つまりディレイ音が4割なので、

こうして三つ重ねるだけで案外ごわんごわんになります。

 

 

以上のことから、ディレイをかけたトラック単体で聞く分には良さ気に聞こえても、

それが複数に増えると、思った以上にゴワゴワになる。

 

これはリバーブも同様ですので、

「楽曲中、音色が多い部分ではディレイ成分は気持ち薄めにしておく。」

こうすると、後々のミキシングがどちらかというとやりやすくなります。

 

 

 

DelayTimeのT、Dについて

T(Triplet)は3連符D(Dotted note)は付点の意味です。

  • 1/4なら4分音符、1/8なら8分音符。
  • 1/4Tなら4分音符の3連、1/4Dなら付点4分音符。

 

1/4T1/4Dで見ていきます。

 

 

Tは三連符

画像で見たほうがわかりやすいので、スクショとってみました。

 

まず、これが1/4。

 

 

これが1/8。

1/4が更に2分割されています。図の中ほどにハイハットが、この8分刻みであります。

 

 

1/4T(3連符)がこれ。

間隔は「(1/4+1/8)÷2=3/16 」ということで、1/4と1/8の中間の長さです。

図下に、Clap音を1/4T間隔で置きました。

上の1/8刻みのハイハットとのズレがわかります。

 

ちょっとややこしいのが、

1/4Tと表記されるので「1/4を三分割したもの」と捉えてしまいかねないのですが、

上の図を見てもわかるとおり、「 1/4T = 1/2を三分割したもの 」となります。

1/4を三分割したものは1/8Tと表記されます。

 

 

 

音で聴いてみましょう。

ディレイをかけたシンセ音と、Clap音(拍手の音)に注目してみてください。

これが1/4T。

 

ディレイの設定は以下の通り。

DelayTimeを1/4T。こだまがギリギリ消えないよう、Feedback・Mixは30くらいに設定してます。

ハイハットの音は1/8刻みなので、リズムの違いがわかるかと思います。

 

ちなみに、Clap音(拍手音)にはディレイはかけていなくて、

フェードアウト気味にベロシティを弄っただけ。

 

実際、打ち込みでディレイと同じような演出は普通に出来ます。

なので、エフェクトとしてディレイを使うか、手打ちで調整して擬似ディレイを演出するか。

原理さえ覚えておけば、やり方は案外自由です。

 

 

 

Dは付点

付点というのは、半分の長さを単純にプラスします

例えば1/4Dならば、「1/4+1/8=3/8」ということです。

 

この図の左上に、1/4を1倍とすると、1/8つまり0.5倍(半分)の長さを足した間隔が1/4D(3/8)。

赤枠で囲ってあるシンバルは1/4D刻みで置いています。

なので、「3/8+3/8+3/8=9/8」という風に、一小節内にはピッタリ収まりきりません。

 

これが付点の特徴。

自身で捉えるまではちょっと慣れが必要かもしれません。

でも、このリズム自体には割と馴染みがあるはずです。

 

 

ディレイをかけたシンセ音と、今度はシンバル音に注目して下さい。

この間隔が1/4Dです。

 

そして、おまけで1/8D間隔のラストに、アクセントとしてスネア音を置いてみました。

小節最後に「・・・パ!」てなる音がそうです。

これだけでも、ちょっとリズムに絞まりができますよね。

ただまぁ、音の定位を全部センターにしてしまっているので、

ごちゃごちゃした感はあります。

 

折角なので、最後にリズム隊の位置を少しだけずらして、軽くバランスをとってみます。(笑

シンセ音には、モノ→ステレオと2つディレイをかけているので、

センターに伸びたディレイ音も含めて左右に振られるため、奥行きがでました。

空間自体はそこまで感じられないかもしれませんが、

少なくとも平面ではなくなった、という感じかと思います。

 

 

 

まとめ

ディレイの種類は、以下3種類が基本。

  1. MonoDelay(モノディレイ):モノラルで鳴らす
  2. StereoDelay(ステレオディレイ):ステレオで鳴らす
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ):左右でピンポン風に鳴る

ディレイは基本、薄めに掛けておくと、後々上手くはまりやすい。

 

そして、

  • DelayTimeのTは3連
  • DelayTimeのDは付点

それぞれ独特のリズムを持つ。

 

 

ということでした。

 

次回は、ディレイの数値の違いを弄ってあーだこーだしたいと思います。
【ディレイ・Lv3】DelayTime=1/2・1/4・1/8の基本調整【DTM】
それでは!

 

【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

今日から、DTMや作曲に関する記事を書いていこうと思います。

 

 

今回は、

ディレイ(Delay)

と呼ばれる、代表的なエフェクトの基本的な使い方です。

 

 

もうすでにこういったエフェクターに関する記事は沢山あると思うのですが、

自身のブログでは、自分の使い方を備忘録として記録しておくという意味も込めています。

 

 

私は大学時代、弓道部に所属していて、それにハマってもう毎日毎日弓引いてたんですけど、

それから数年後、あんなに毎日やってたにも拘らず、

胴着の帯の締め方を忘れてしまっていたんですよ。

 

かなりショックでしたが、こういった経験から、

定期的に基礎知識をおさらいするようにしています。

 

 

ディレイ(Delay)とは

音楽関係・DTMなどで使われる場合を基本想定として書きます。

ディレイDelay)とは、反響音をシミュレートする空間系エフェクターの一種。

出典:Wikipediaより

「こだま」のことですね。「やまびこ」。

今はあまり言わないかもしれませんが、

 

「ヤッホー!」

 

と、山に遊びにいった際に山に向かって叫ぶと、

 

「・・・ヤッホー!・・ヤッホー!・・ヤッホー!

 

という具合に、山や周囲の自然から反響音が戻ってきて、そう聞こえる。
(実際は山に向かってヤッホーしても、そんなわかりやすくは返ってこなかったです(笑))

この原理を、音楽で生かして、サウンドに彩りをつけるのがディレイ効果です。

 

 

●ディレイサンプル

 

コードを4つ鳴らしてます。

前半が原音のみ。後半がディレイをかけたものです。

間に「テンテンテンテン・・・」という響きがあります。

 

これがディレイ効果。これだけでもすでにいい感じになります。スバラシイ。

 

このディレイ、1960年代にはレコーディング業界ですでに使われていたようで、

当初はテープレコーダーでアナログ式にディレイ効果を作っていたとのこと。

当時のエンジニアさんに、その時のお話を伺いたいものです。

 

それでは初めに、使用する際のパラメータを解説していきます。

以下、Cubase付属のDelayを基本にしています。

 

 

 ディレイの基本パラメータ

画像はCubase8.5内蔵のMonoDelayです。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

これが基礎パラメータとなります。

プラグインとして、現在色んなディレイがあるかとは思いますが、

名称は違っていても、概ね基礎は上記の通りかと思います。

 

 

 

1、Delay Time

原音からどのくらいの間隔をあけて、次に音(ディレイ音)が鳴るかということです。

一小節を1として考えていて、上記の場合は1/8なので、1/8分音符間隔でこだまが返ってくることになります。

 

テンポ同期の場合、音符の長さ表記で、

  • 1/1・1/2・1/4・1/8・1/16・1/32
  • 1/1T・1/2T・1/4T・1/8T・1/16T・1/32T
  • 1/1D・1/2D・1/4D・1/8D・1/16D・1/32D

という風に用意されていることが多いです。

 

 

上記の図から、syncを押してmsec単位にした場合、

0.1~5000msec(1000msec=1秒)

まで、上のMonoDelayでは設定できました。

 

 

この1/8TとかDとかいうのは、SITE2913さんの文章を引用させて頂きますが、

1/4なら4分音符、1/8なら8分音符のディレイタイム。

1/8Tだと3連、1/8Dだと付点8分です。

Tは3連を意味する「Triplet」

Dは付点8分を意味する「Dotted note」

出典:SITE2913・ディレイタイムのDとTの意味

TやDについては、また別の機会で触れていきますが、

ひとまずは、色々とこだまの返し方を変えられますよー、という認識でOKです。

 

 

 

2、FeedBack

上記DelayTimeの間隔で、2回目・3回目・・・とどのくらいまで繰り返すかを決めます。

このFeedbackの数値は「0.0~100.0」まで設定できます。

 

これはどういう意味かというと、

ディレイの音量を、何%間隔でこだまさせていきますか?

ということです。

ざっくり言えば、数値を上げれば長くこだまして、下げればすぐこだまが消えます。

 

細かく解説すると、上記の場合「DelayTime=1/8」、「Mix=20」の「Feedback=10」なので、

まず原音が音量100%で鳴ります。

その1/8分音符後に最初のディレイ音が原音の40%音量でなり、

その次は10/100、つまり4%で第二ディレイ音が鳴り0.4%で第三ディレイ音が鳴る

という風に小さくなっていきます。

(なぜMix=20で音量40%なのかは、Mixの項目で書きます)

 

そして、

0の場合のみ、一回だけ音が鳴る。

という風に作られています。

 

つまり、プラグインとしてのディレイの構造上、

Feedbackが0でもディレイをトラックに差したら最低一回はディレイ音が鳴る

これは、最初のディレイ音のみ、Mixで設定した数値の音量で鳴るということ。

それ以降はFeedbackの数値に依存します。

 

 

また、Feedbackが「100.0」の場合、

ディレイ音が次の音もそのまた次の音も、音量100%設定されているので、

減衰されず、いつまで経っても音が鳴りやみません。

 

「Feedback=100」での音作りに、Sleepfreaksさんの面白い動画があります。

Feedbackに関しては、聴感覚的にはこの数字の通りだ!

とはいまいち来ないかもしれません。なので、

どのくらい音が残るか、すぐ消えるか

そういう感覚で数値を設定してあげた方が良いかと思います。

 

 

 

3、Low Cut Filter / Hi Cut Filter

ディレイ音の高域や低域を調整するためのフィルターがついてます。

Steinbergのプラグインの説明では、「Lo Filterは低域をフィルタリング」とあるので、

Low Cut Filterと言っても差し支えないと思ったので、わかりやすくこう表記しました。

 

Loは10~800Hz、Hiは1,200~20,000Hzまで設定出来ます。

下は、イメージ図です。

これがローカット。設定した数値から下をカットします。ハイパスともいいます。

 

これがハイカット。設定した数値から上をカットします。ローパスともいいます。

 

 

ちなみに、ハイカット=ローパスという意味ではあるのですが、

どっちかで統一した方がわかりやすくない?という疑問を以前はよく抱いていました。

知識が定着するまで最初はこんがらがったのを覚えています。

 

これは、例えば「高域をカットしたい!」という意向が強いと、ハイカット。

「低域をメインにして、それ以外はいらないから削除したい」という意向が強いと、ローパス。

 

つまりは、「今自分が何を主軸に見ているか」という視点から、

こう表現を分けているのではないかと思われます。

 

 

 

4、Mix

Dry/Wetの割合のことを言います。数値は0.0~100.0まで。

 

Dry(ドライ)は原音

Wet(ウェット)は効果が掛かった音(エフェクトなど)

 

ということ。つまり、

0の場合、原音しか鳴りません。(左に振り切る)

100だと、ディレイ音しか鳴りません。(右に振り切る)

 

音の鳴るトラックにディレイを直接エフェクト使用(インサート)する場合、

このDry/Wetの比率でディレイ音と原音の割合を決めることになります。

 

 

ここで一つ注意点。

 

「原音とエフェクト音の割合」とCubaseのヘルプに書いてあるので、

例えば「Mix=30」にしたとして、原音の方が大きいことになり、

単純にディレイ音が「30%」、原音は「70%」の音量ということなんだろうと

最初私は思っていました。

 

が、実際RMS数値を測ってみると、どうやらその割り振りではなかった。

  • 「Mix=0」の場合、原音100%・ディレイ音0%。
  • 「Mix=50」の場合、原音100%・ディレイ音100%。
  • 「Mix=100」の場合、原音0%・ディレイ音100%。

つまり、

  • 「Mix=0~50」の間は、原音は常に100%固定で、ディレイ音が0~100%で変化する。
  • 「Mix=50~100」の間は、原音が100~0%で変化し、ディレイ音は常に100%固定。

という風にMixのつまみが調整されていることがわかりました。

 

 

私はこれまで、リバーブとディレイのMixの意味を同じように捉えていたので、

リバーブ同様、ディレイも原音の音量を変えないよう、センドで送ってのみで使っていたのですが、

調べた結果によると、リバーブのMixとディレイのMixは構造が違うことがわかった。

 

 

直差しであってもディレイの「Mix=0~50」の間ならば原音の音量が変化しない

「Mix=0~50」で「ディレイ音が0~100%」なのだから、

  • 「Mix=20」なら、相対的にディレイ音は40%。原音は100%。
  • 「Mix=38」なら、ディレイ音は76%。原音は100%。

ということになります。理論上は。

 

 

 

まとめ

ディレイの基礎パラメータは、以下4つがメイン。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

ディレイのパラメータの基礎はこれでばっちりです。

 

次は、このディレイの実際に使ってみた基本的な内容の記事となります。

あと、今回では触れられなかったディレイタイムのTとDについて。

【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

 

 

それでは!