【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

ディレイ講座第二回目です。

第一回目は、基本的なディレイのパラメータを見ていきました。
【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】
今回は、基本的なディレイの種類を三つ取り上げて、その効果を確認してみます。

それと、前回説明できなかった、DelayTimeのTとDについても触れてみます。

 

 

スポンサーリンク

三種類のディレイ

ディレイの基本として、Cubaseにも付属されている、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

の三種類をここでは取り上げます。

 

 

基本はモノステレオ。次に飛び道具的でピンポン

この三つを押さえておけばディレイに関しては問題ないでしょう。

 

 

 

まずディレイを掛ける前のサンプル原曲を用意してみました。

 

念の為、ディレイ音であまり濁らないよう、メロディをペンタトニックで作っています。

昔のファミコンを思い出させるような感じになっちゃった。

 

 

それでは、この原曲のメロディ部分(8分で鳴っているシンセ音)にそれぞれ、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

を掛けて聞いてみます。

 

 

 

1、MonoDelay

モノ・ディレイのサンプル。

 

パラメータは

DelayTime:1/8、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000(デフォルト値)。

実用的な数字に設定している為、少しわかりにくいかもしれませんが、

薄っすらと音が重なっているな~、という風に感じられればOKです。

これだけで少し奥行きが出て、空間を感じられる効果が生まれます。

 

 

 

2、StereoDelay

ステレオ・ディレイのサンプル。

 

左側を DelayTime:1/8、Pan:-100(真左)、

右側を DelayTime:1/4、Pan:100(真右)にそれぞれ振り、

あとはMonoと一緒の、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000

左と右で1/8、1/4とずらすことで、左右に音が反射するように聞こえると思います。

これは次のピンポンディレイに相当するずらしとほぼ同じ設定です。

 

ちなみに、左右共に「Feedback=10」としているのは、

ほんとに薄く響きが残っていればいいという認識だからです。

 

上記の場合、左の1/8の方が当然早く音が消えてしまうので、左右の音の余韻を合わせるため、

本来は左のFeedback数値はもう少し上げたほうがいいかもしれません。

が、解説上「見た目をわかりやすく」ということで数値を合わせています。(笑

 

 

 

3、PingPongDelay

ピンポン・ディレイのサンプル。

 

2のStereoDelayをピンポン設定にしたので、2のサンプルとあまりかわらないかと思います。

 

上の赤枠の「Spatial」は左右の広がりのパラメータです。0.0~100.0まで。

0にすると真ん中(モノラル)ディレイになり、

100にすると左右からピンポンします。

 

 

 

そして最後に、

上記の設定のMono、Stereo、PingPongを順にインサートした音源がこちら。

「Mix=20」、つまりディレイ音が4割なので、

こうして三つ重ねるだけで案外ごわんごわんになります。

 

 

以上のことから、ディレイをかけたトラック単体で聞く分には良さ気に聞こえても、

それが複数に増えると、思った以上にゴワゴワになる。

 

これはリバーブも同様ですので、

「楽曲中、音色が多い部分ではディレイ成分は気持ち薄めにしておく。」

こうすると、後々のミキシングがどちらかというとやりやすくなります。

 

 

 

DelayTimeのT、Dについて

T(Triplet)は3連符D(Dotted note)は付点の意味です。

  • 1/4なら4分音符、1/8なら8分音符。
  • 1/4Tなら4分音符の3連、1/4Dなら付点4分音符。

 

1/4T1/4Dで見ていきます。

 

 

Tは三連符

画像で見たほうがわかりやすいので、スクショとってみました。

 

まず、これが1/4。

 

 

これが1/8。

1/4が更に2分割されています。図の中ほどにハイハットが、この8分刻みであります。

 

 

1/4T(3連符)がこれ。

間隔は「(1/4+1/8)÷2=3/16 」ということで、1/4と1/8の中間の長さです。

図下に、Clap音を1/4T間隔で置きました。

上の1/8刻みのハイハットとのズレがわかります。

 

ちょっとややこしいのが、

1/4Tと表記されるので「1/4を三分割したもの」と捉えてしまいかねないのですが、

上の図を見てもわかるとおり、「 1/4T = 1/2を三分割したもの 」となります。

1/4を三分割したものは1/8Tと表記されます。

 

 

 

音で聴いてみましょう。

ディレイをかけたシンセ音と、Clap音(拍手の音)に注目してみてください。

これが1/4T。

 

ディレイの設定は以下の通り。

DelayTimeを1/4T。こだまがギリギリ消えないよう、Feedback・Mixは30くらいに設定してます。

ハイハットの音は1/8刻みなので、リズムの違いがわかるかと思います。

 

ちなみに、Clap音(拍手音)にはディレイはかけていなくて、

フェードアウト気味にベロシティを弄っただけ。

 

実際、打ち込みでディレイと同じような演出は普通に出来ます。

なので、エフェクトとしてディレイを使うか、手打ちで調整して擬似ディレイを演出するか。

原理さえ覚えておけば、やり方は案外自由です。

 

 

 

Dは付点

付点というのは、半分の長さを単純にプラスします

例えば1/4Dならば、「1/4+1/8=3/8」ということです。

 

この図の左上に、1/4を1倍とすると、1/8つまり0.5倍(半分)の長さを足した間隔が1/4D(3/8)。

赤枠で囲ってあるシンバルは1/4D刻みで置いています。

なので、「3/8+3/8+3/8=9/8」という風に、一小節内にはピッタリ収まりきりません。

 

これが付点の特徴。

自身で捉えるまではちょっと慣れが必要かもしれません。

でも、このリズム自体には割と馴染みがあるはずです。

 

 

ディレイをかけたシンセ音と、今度はシンバル音に注目して下さい。

この間隔が1/4Dです。

 

そして、おまけで1/8D間隔のラストに、アクセントとしてスネア音を置いてみました。

小節最後に「・・・パ!」てなる音がそうです。

これだけでも、ちょっとリズムに絞まりができますよね。

ただまぁ、音の定位を全部センターにしてしまっているので、

ごちゃごちゃした感はあります。

 

折角なので、最後にリズム隊の位置を少しだけずらして、軽くバランスをとってみます。(笑

シンセ音には、モノ→ステレオと2つディレイをかけているので、

センターに伸びたディレイ音も含めて左右に振られるため、奥行きがでました。

空間自体はそこまで感じられないかもしれませんが、

少なくとも平面ではなくなった、という感じかと思います。

 

 

 

まとめ

ディレイの種類は、以下3種類が基本。

  1. MonoDelay(モノディレイ):モノラルで鳴らす
  2. StereoDelay(ステレオディレイ):ステレオで鳴らす
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ):左右でピンポン風に鳴る

ディレイは基本、薄めに掛けておくと、後々上手くはまりやすい。

 

そして、

  • DelayTimeのTは3連
  • DelayTimeのDは付点

それぞれ独特のリズムを持つ。

 

 

ということでした。

 

次回は、ディレイの数値の違いを弄ってあーだこーだしたいと思います。
【ディレイ・Lv3】DelayTime=1/2・1/4・1/8の基本調整【DTM】
それでは!