【ディレイ・Lv5】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その2【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

ディレイ講座Lv5です。

引き続き、ディレイでステレオ感を出そうという記事です。

前回の記事はこちら
【ディレイ・Lv4】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その1【DTM】
ディレイの掛け方の3パターン、

  1. 横の流れを作り出すステレオ感
  2. 音の箱を作り出すステレオ感
  3. 音の壁を作り出すステレオ感

のうち、今回は3を取り上げます。

といっても、これも非常に簡単です。

 

 

 3、音の壁を作り出すステレオ感

 

2ではMonoDelayを使ったので、3ではStereoDelayを使ってみます

個人的にはセンドでディレイ成分だけ別トラックを作って、

そこで音量調整をしたほうがステレオ感の精度を上げやすいのですが、

気持ちちょっと端折りたい時や、そこまで細かい設定を気にしなくても良い場合は、

StereoDelayを使います。

 

 

まずは素の音。

EastWestのRAのマンドリンです。

なかなか激しくアルペジオさせてます。

サンプリング音源なので、アンビエンス感といいますか、最初から若干音の広がりを持ってます。

 

それではこの音を左右に置いて、音の壁を作り上げてみます。

 

ディレイ加工後。

 

このマンドリンの音には、ディレイを二つ使いました。

一つは、左右に音の壁を作るために直接インサートしたStereoDelay

もう一つは、奥行きを出すために、センドでセンターに返したMonoDelay

 

StereoDelayの設定は、右の出力は原音のみにするため、Mix=0

つまりDRY=100%なので、右側の他のパラメータを弄っても一切反応しません

これは、Mix以外のパラメータは全部ディレイ音のみに掛かる設定だからです。

 

右を原音のままにしたので、左の出力をMix=100にします。Panは左に振り切り。

WET=100%ですので、左はディレイ音100%しか鳴りません。

原音と同じ出力にするため、フィルターはオフにし、Feedbackも0。

左右の音の干渉具合からステレオ感を出すため、DelayTimeを20msecにします。

 

 

MAKOOTO的、ステレオ化ディレイタイムの黄金律は20msec

いや、ボーカルの189msecディレイの話ではないんですが、

私にもディレイの数値としてはもうずっとこの数値で固定、というのがあります。

 

 

一つの音を左右に複製した場合、まずはモノラルで聞こえてしまいます。

それをステレオ感を出してはっきり聞きたい場合、色々なずらしをしていくのですが、

ディレイを使ってのステレオ感演出となると、そのずらしの選択肢があまり多くありません。

 

ピッチシフトや位相反転は、MIDIやオーディオデータでしか有効でないなど、

条件によって使えないことが結構あったり、やってみたら別の部分に謎の違和感を覚えたり等、

まーとりあえずテンプレが出来てもめんどくさいもんはめんどくさいんです。(笑

 

なので、仮でもいいのですぐにステレオ化して聞きたい!という時に、

このStereoDelayをとりあえず差してディレイタイムを毎回弄っていたのですが、

いつの間にか、ここ、という数値に落ち着いていました。

 

それが「20msec」

 

この数値はディレイで左右に壁(ステレオ化)を作る際、

左右の音ズレ感覚が一番小さく、ステレオ感を感じられる境界線のTimeとして、

私の中ではもはや黄金律的な数字になってしまっています。

 

 

これより短いDelayTimeにした場合、どれだけ左右に振ってももう真ん中から聞こえてしまうし、

逆に30msec以上にすると、私はどうも壁を作るという意味ではズレが気になってしょうがない。

せめて音量の調整が出来たらいいんですよ。

でもStereoDelayではそれが出来ない。

 

ただまぁ、CubaseでのStereoDelayを使用している私の固定数値というだけなので、

そんな絶対的なものでもないとも思います。

 

ご参考程度にお聞き下さい。

 

 

 

 

音の壁の間を走る、奥行きディレイ

マンドリンに掛けた、もう一つのディレイの設定です。

これの意図は、左右のステレオ化した音の壁の間を通って、奥行きを演出しようというものです。

DelayTime=1/8D(1/8+1/16)にすることで、ディレイタイミングに独特のリズム感を作ることと、

Feedback=30にして、そこそこ余韻を引っ張ろうとしています。

 

センドで送っているので、音の壁を反射しているような設定も出来ます。

その場合は、Cubaseではセンド先のFXトラックのPanをバランスパン→コンバインパンに変更し、

コンバインの間隔を狭めて、PingPongDelayでも掛けてあげれば良いかと思います。

 

今回の場合は、そんなに難しく考えずにストレートに作ろうということで設定してみました。

このMonoDelayのトラック音量は結構下げています。

音が派手なこともあるため、残像が見えれば良い程度にとどめておきます。

 

↑図では、サンプリングされた音とはいえ、

余計な低域が気になったのでローカット用のEQをインサートの「1」に差しています。

 

そして、インサートの「7」に音の壁を作るStereoDelayを差しています。

これはCubaseの構造上、1~6番目までのインサートはそのままセンド先に送られてしまうからです。

ただ、7、8番目のインサートは、センド先には行きません。

つまり、ここに何を差しても送り先にはなんら影響は出ないということです。

 

 

さて、改めて音の配置図を見てみます。

マンドリンの原音にローカットEQを差してはいるものの、

実際は3つの音色にそれぞれディレイを掛けただけです。

 

文章は長くなってしまいましたが、たったこれだけしかしていないのに、

サウンドの表情はこれでがらりと変わってしまう。

 

そして、ステレオ感はともかく、奥行きと聞くとすぐリバーブを連想してしまいがちになりますが、

実際リバーブよりも奥行きとなる道筋をはっきり示せるのがディレイの特徴の一つでもあります。

 

奥が深いですね。

私の使い方も先人あってのものですし、これの応用もいくらでも考えられそうです。

 

 

ドラムがはねるディレイサウンド

 

ちなみに、これはオマケですが、実はドラムにもディレイを薄掛けしていました。

 

これは素のドラム音。

 

これがディレイを掛けたドラムの音です。

 

音がすこしはねているように調節してみました。

スネアの音が帯域的にもわかりやすいのではないかなと思います。

設定は画像の通り。

あまりディレイで主張しすぎないよう、DelayTime=1/8のスタンダード。

Feedback、Mixそれぞれ10に設定。

フィルターはローとハイをカットして無駄な主張を無くしていきます。

 

 

ドラムにディレイを掛けると、

スネアやバスドラがリズムのよいゴーストノートっぽく聞こえるなど、

小刻みなリズムが新たに生まれて躍動感が加わります。

 

 

今回の記事では、ステレオ化のディレイをメインにしていたので、

オマケ扱いしてしまいましたが、リズム隊に掛けるディレイも上手く効かせると

これもまたかなりの演出ができたりします。

 

 

 

 

最後にもう一度サンプルを確認してみましょう。

 

ディレイ前。

 

ディレイ後。

 

 

ドラムにもディレイを掛けていたので、正確にはこうなります。

ドラムの頭に三角帽が被さりました。

いや、記事を書いていって思ったんですけど、改めてディレイって奥が深いなぁ・・・。

基本的な使い方だけでも、これだけ文章書かさるもんなー。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]今回ボクら、途中から完全に忘れられてたよね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]ほんとな[/speech_bubble]

 

 

まとめ

3、音の壁を作り出すステレオ感

  • 原音とディレイ音の位置間隔は、ほぼ左右のLR振り切り。
  • DelayTimeは20~30msecくらいで調整(20msecは個人的に安定数値)
  • Feedbackは0。
  • 中央に薄いディレイを掛けて奥行きを作るとそれっぽくなる

 

おまけ

  • リズム隊に1/8ディレイなど、基本ディレイを薄く掛けると躍動感が生まれる。

 

 

ディレイの基本設定ですが、

この設定の方がしっくりくる!というのは個々それぞれあると思います。

私の記事は、あくまで参考にして頂けたらと思います。

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv4】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その1【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

今回と次回に分けて、ディレイを使ってステレオ感を作り出す、そのやり方を書いてみます。

わかりやすくディレイの掛け方の3パターン、

  1. 横の流れを作り出すステレオ感
  2. 音の箱を作り出すステレオ感
  3. 音の壁を作り出すステレオ感

と表現して説明してみます。

 

 

このページでは、まず上の1、2について書いていきます。

 

 

3パターンのディレイを掛ける

 

まずは、ディレイを掛ける前のサンプルがこちら。

 

音色の位置を図で表すとこんな感じです。

  • ドラムとベースは真ん中。
  • メロディを兼ねるシンセリードはLに振り切り。
  • アルペジオのマンドリンはセンターに。
  • 低音のシンセストリングスはRに振り切り。

 

ドラムとベースにはコンプとリミッターを適当にかけていますが、

他の3音色には何もエフェクト等かけていません。素の音です。

 

今この記事を書いていて、なぜ自分はこの音色を選んだのかちょっと謎なんですけど、

細かいことは気にしない方向でいきます。

 

 

では、この謎の音色3兄弟であるシンセリード、マンドリン、シンセストリングスに、

それぞれ違う設定のディレイを掛けてみましょう。

 

結果はこちら。

 

どうでしょうか。

素のままよりもステレオ感が生まれ、全体にまとまりができたのではないかと思います。

これは、上記ヘンテコ3兄弟にただディレイを掛けただけです。

 

図で大雑把に見るとこんな具合です。

私のせいであんまり伝わらないかもしれませんが、

ディレイの効果はかなり凄いんです。

ずっと聴いてると段々良さ気に聞こえてくるからちょっとやばい。

 

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]なるほど、ディレイってこういう風にも使えるんだな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]でもこの曲そもそもよくわからない[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]どこで使えばいいかもわからない[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]ボツです[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]いや、そこはもういいだろ・・・[/speech_bubble]

 

シブ君のダメ出しも食らったので、早速ディレイの設定を見ていきます。

 

 

1、横の流れを作り出すステレオ感

一つ目は、左で鳴っているメロディの役割を持つシンセリード音。

 

これが素の音。

 

 

ディレイを掛けたあと。

 

これは、原音をL(左)に振り切り、

ディレイ音だけをセンター(中央)から鳴らして、

ステレオ感を演出しています

 

左で鳴った音を中央にディレイとして返すことで、

オケ(メイン以外の音全体)と馴染ませようということです。

 

 

以下、その設定。

 

 

シンセリードの原音トラックは「Retrologue 02」(↑図、右上)。

まず、ディレイ音のみを鳴らすためのFXチャンネルトラックを作ります。

名前は「L Synth Lead Delay」にして(↑図、右下の水色トラック)、

これに「Retrologue 02」で鳴らした音をセンドで100%で送ります。

(図左の「0.00」は原音と同じ音量という意味)

 

そして、ディレイトラックである「L Synth Lead Delay」にはMonoDelayをインサートしておきます。

1、ディレイ専用のトラックにかかっているインサートエフェクトです。

今回、私は隠し味として「Distortion」も掛けてみました。

 

2、ディレイ音のDelayTime=1/16に設定。

こうすることで、左から中央に音が流れるような感じになります。

 

3、原音を左右に広げるだけなので、最初の音さえあれば良いため、Feedback=0。

 

4、フィルターは掛けないほうが原音のまま出力されるのですが、

シンセ音が若干ハデ目に感じたので、ハイとローを少しカットしました。

 

5、ディレイ音だけを出したいので、Mix=100.0。(センドエフェクトは基本Mix=100です)

 

6、ハイとローのカットにプラスして、ほんとに薄ーくディストーションを掛けて歪ませ、

原音との違いをすんごいうっすら~と出そうとしてます。

0だと全く掛からないので0.1にしてますが、ほぼわからないレベル。

 

7、Toneは、ディストーションを掛ける周波数帯域の幅のことです。

ローとハイをカットしてはいますが、とりあえず全体に掛けるということで、Maxの10.0に設定。

 

8、ディストーションを掛けると聴感的に音量が上がる時があるので、OUTPUTは少し下げめに。

 

 

図右は、原音トラックのフェーダー部分。音を真左から出したいので原音はLに振り切り

図左は、「Sends」つまり送り先の音の位置です。このディレイ音はセンターに調整します。

 

 

そして原音(左トラック)とディレイ音(右トラック)の音量調整。

ディレイ音を、原音の音量のままにすることもありますが、

今回はディレイ音を少し下げて、左から中央への奥行きも少しだけ狙っています。

 

 

 

2、ショートディレイで音の箱的なステレオ感を出す

二つ目は、真右にあるシンセストリングス音。

 

素の音。

 

 

ディレイを掛けた音。

 

このシンセストリングスには、原音はR(右)に振り切り。

ディレイ音は、DelayTimeは30msec(0.03秒)にして、センターに返しています

 

この、100msec以下くらいの極短いディレイタイムでのディレイを、

ショート・ディレイとわかりやすく呼びます。

人によっては50msec以下だったりとか、色々あると思います。

 

この曲はBPM=200で、1拍(1/4)が300msec(0.3秒)

なので、設定した30msecはその10分の1。かなり短めです。

 

これもシンセリードの時と同様で、FXトラックでディレイ音のみ出しています。

DelayTime=30.0、Feedback=0。

こちらに関しては、ほぼ原音をディレイで返す方向なので、フィルターも使いません。

 

原音・ディレイの音量はほぼ同じくらいにします。

こうすることで、流れではなく、音の広がりを確保することになります。

 

↑図の「1」がディレイトラック。定位はセンター。

「2」が原音のトラックで、これはR(右)に振り切り

 

 

そして、少しわかりにくいのですが、ディレイトラックを、原音より若干音量を下げています

これは、原音とディレイ音の音量が同じ場合、

遅れてきた音の方に定位を感じやすい

ということから来ています。

 

 

人間の耳の感覚はそういう風に錯覚する傾向があるということです。

 

 

ただ、これまでの私の体感としては、

音色によっては先に鳴った方に定位を感じやすい

場合も往々にしてあるということ。

 

なので、どちらかの音量を上げ下げして、

なんとなくその中央から音が聞こえてくるポイントを探してあげます。

全く同じ音量」ではなくて「ほぼ同じ音量」と表記しているのはそのためです。

 

 

 

今の時点で簡単にまとめると、

 

音に横の流れを作るなら、ディレイタイムを少し多めにして音量差をつける

シンセリードに掛けたディレイは1/16なので、かなり音の遅れを感じ取ることが出来ます。

タイミングをずらした上で片方の音量を変えると、

  • 「音:大→小」で、遠くに行く感じ
  • 「音:小→大」で、向こうから来る感じ

という流れを擬似的に作り出せるというわけです。

これがステレオ的な横の流れ

 

 

単純にステレオ感を出すなら、原音とディレイ音の音量はほぼ同じにする

原音とショートディレイによってタイミングのズレた音は、

音量が同じ場合、その真ん中から聞こえるというよりは、大体はどちらか寄りに聞こえます。

なので、その定位を調整するため、音量を微調整する必要があります。

 

基本は音量を大きくした方に定位は寄ります

 

 

「音の箱」と冒頭で表現したのは、原音とディレイ音が同じ音量だからなのですが、

DelayTimeによってその真ん中から聞こえるようにするか、

左右両方から聞こえるようにするかも調整できるからです。

横幅の広い箱にするか、細い箱にするか、というイメージですね。

 

DelayTimeを短くすると箱が狭くなり、長くすると箱が広くなります。(ステレオ化)

 

私の感覚だと、

100~50msecだと定位を振ったポイントで原音・ディレイ音がそれぞれ鳴る感覚ですが、

50~20msecだと、振った定位よりも狭目に聞こえて、

20msec以下だと、定位を振っているにも関わらずほぼモノラル化してダブります。

 

 

ただ、2番目に紹介したシンセストリングスのような音色の場合、

倍音の関係もあってあまり細かい設定にしなくとも音が広がったので、

そういう場合は音量調整はそこまで詰めません。

 

役割的には、右でふわ~っと鳴ってればいいかなくらいなので。(笑

 

(倍音成分に関しては、今は割愛します。)

 

 

 

まとめ

1.横の流れを作り出すステレオ感

  • 原音とディレイ音の位置間隔で、音が流れる
  • DelayTimeを短めに取ると、横の流れの歯切れが良くなる
  • 原音とディレイ音に音量差をつけると、奥行きの流れを作り出せる
  • Feedbackは0でも良いが、あっても問題ない
  • 音量調整をするため、ディレイ専用トラックを別で作って、センドで送る

 

2.音の箱的なステレオ感を作る

  • 原音とディレイ音の位置間隔で、ステレオ感の幅が決まる
  • DelayTimeは50msec以下くらいで調整
  • 原音とディレイ音の音量をほぼ同じにする
  • Feedbackは0。
  • 微妙な音量調整が必要。ステレオ感の定位が決まる

 

 

ちょっと長くなってしまったので、続きは次の記事にしたいと思います。

【ディレイ・Lv5】ディレイで作り出す3つのステレオ感・その2【DTM】

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv3】DelayTime=1/2・1/4・1/8の基本調整【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

前回に引き続き、Delayの使い方を見ていきます。

 

前回の記事:3種類のディレイ「Mono・Stereo・PingPong」とDelayTimeの「TとD」のお話。
【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

 

今回は、フレーズによってDelayTimeやFeedbackなど、

実際に各パラメータをどのように設定していくと良いのか。

そのヒントになればという記事にしていきたいと思います。

 

ステレオ感を出したり、ダブル効果を生み出したりという、

ある程度決まった設定はあるのですが、まずはディレイに慣れようということです。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]よし、早速試してみるぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]おー、がんばれー(ぼけー)[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]お前、初仕事なのにやる気ないな・・・[/speech_bubble]

 

 

 ディレイに慣れよう

サンプルを用意してみました。

 

音源はEastWestのRAに入っているマンドリンです。

 

下は打ち込んでみたフレーズ。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]これ、押さえ方とか大丈夫?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]知ってるぞ!ヴァイオリンと同じだ![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]フッ、かっこいいだろ?最近弾いてないがな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]うん、やっぱいいや[/speech_bubble]

 

 

では、この音源トラックにMonoDelayを直で掛けて、良さそうな響きのポイントを探してみます。

基本の音を1/4の長さで区切っているので、

1/4とその両脇の1/21/8のディレイタイムで聴いてみます。

 

 

DelayTime=1/2

まず、ディレイタイムを1/2にして聴いてみます。

 

うん、のんびりしてて良い感じですね。

 

私の場合、ディレイの基本数値は、

Mixはおおよそ10~30くらいFeedbackは20を基本にしています。

DelayTimeが短い時でわかりやすく余韻を残したい時などは、

Feedbackは40、50くらいまで上げたりします。

 

個人差はあるでしょうし、曲調やオケ(バックの音)にもよりますが、

私は大概、0~50で収めて使用することが多いです。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]最初は、これが答えだ!っていうのは特にないから、あんま気にしなくていいよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]おっ、優しいなシブは[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu3.jpg” name=”シブ君”]・・・は!?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]え、何でそこ怒るの[/speech_bubble]

 

 

DelayTime=1/4

次にDelayTimeのみ、1/4。

 

綺麗にまとまった感じです。スタンダードな印象。

 

「Feedback=20」・「Mix=10~20」くらいだと聴感上ディレイ音が4~5回で終わるので、

「DelayTime=1/4」の場合、小節の頭になった音がその小節内で音が収まります。

 

 

DelayTime=1/8

今度は短めの、1/8。

 

ディレイの間隔が速く、きめ細かな印象があり、これもいいですね。

ただ、2小節目(00:02辺り)の「ジャラーン」という全音符の部分に関しては、

DelayTimeのみ狭くしたため、3小節目までの繋ぎが断たれた感じになっています。

 

バックに他の音があればこれでも良さそうですが、

単体で聴く分には間が空いてしまい、少し物足りなさを感じます。

Feedbackを上げて、3小節目に上手く繋げるよう調整してみましょう。

 

 

「Feedback=40」

 

先ほどより2小節目に伸びが生まれました。

ちょっと音が切れるの速いかなーとも感じたので、も少しFeedbackを上げてみます。

 

 

「Feedback=50」

 

2小節目のディレイの伸びは丁度良い感じになりました。

ただ、「Feedback=50」もあるので、今度は他の部分が少しうるさめになったようにも感じます。

 

ここで、2小節目は全音符のままでいきたい!という場合は、Feedback=40か50を選びますが、

それだとちょっとやまびこがうるさいかなー、という場合、Feedbackを下げる方向を考えます。

 

リバーブなどで薄っすら補ったり等、たくさん音を繋げる方法はありますが、

今回は、2小節目を1/2分音符にして、Feedbackを下げてみる形を取ります。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]やさしめでいくぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu4.jpg” name=”シブ君”]うんうん、いいと思う[/speech_bubble]

 

上の図のように、2小節目の上のド#を分割して、

少し気になった部分のベロシティ(音の強さなど)を弄りました。

Feedbackも25の方がいいのかな~と思い始めて、ここも調整。

 

 

DelayTime=1/8、Feedback=25、2小節目の音を分割、他微調整

 

 

トータルの間の繋ぎはさっきよりまとまったかな?という印象です。

「Feedback=50」を聴いた直後なので、

相対的にディレイ音に少し物足りなさを感じてしまったり、

また今度は6小節目の繋ぎが気になりだしたり・・・(笑

 

 

試しにドラムとベースを適当に加えて、

1/2、1/4、1/8のDelayTimeでそれぞれを聞き比べてみます。

 

 

 

DelayTime=1/2、Feedback=15

 

 

 

DelayTime=1/4、Feedback=20

 

 

 

DelayTime=1/8、Feedback=40

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]ふう・・・ちょっと疲れてきたぜ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii3.jpg” name=”ルイー”]段々何がいいかわからなくなってきた・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu5.jpg” name=”シブ君”]グー・・・、グー・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii6.jpg” name=”ルイー”]キサマッ!!興味なしかッッ!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]あ、うん、1/4でいいんじゃん?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii7.jpg” name=”ルイー”]おっ、さすがは・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]ボク、四分音符だしね![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]・・・そういう理由?[/speech_bubble]

 

 

この三つで私が選ぶとしたら、

最初の曲を作る方向性が少しのんびりな感じだったので、

 

1/4パターン > 1/2パターン > 1/8パターン

 

でしょうか。

 

ちなみにこの曲、BPM=100なので、これを200にして2倍速にしてみます。

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]案外違うイメージが膨らむので、BPM変えるのは割とオススメだよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]速いとかっこいい! 速いとかっこいい!![/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu6.jpg” name=”シブ君”]とりあえずルイーがバカなのはわかった[/speech_bubble]

 

 

1/8パターン、BPM=200

あー、これなら1/8でも良さそうかも。

でもドラムが少し余計なリズムを作っちゃってる感もある。

(間のバスドラが少ししつこいかな?)

 

ドラムパターンを少し緩やかにしてディレイは「1/4パターン」にしてみる。

一応比較の為に、それを「1/2パターン」でも書き出してみます。

 

1/4パターン、BPM=200、ドラム変更

 

1/2パターン、BPM=200、ドラム変更

 

こっちのドラムパターンの方がしっくりきそう。

 

BPM=200だと、どのディレイパターンでも良さそうな気がする・・・(笑

 

 

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]ま、そんなに難しく作ろうと思わなくていいってことだね[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]なるほどな[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii5.jpg” name=”ルイー”]しかし、俺としてはもう少しかっこよくしたいところだが・・・[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]無理すんな、そもそもキミかっこよくないから[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]いや曲のことなんだが[/speech_bubble]

 

まとめ

  • Feedback=20くらいだと、ディレイ音は大体4~5回くらいになる
  • リズムが4/4拍子で、DelayTime=1/4、Feedback=20の場合、小節の頭で鳴らした音はその小節内で鳴りが丁度消えるので、しっくりくることが多い
  • DelayTimeを下げるなら、対照的にFeedbackを上げると音が繋がりやすい(その逆も)

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu1.jpg” name=”シブ君”]あとは、色んな曲を聴いて少しずつ使い方を増やしていけばいいよ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii1.jpg” name=”ルイー”]そうか、わかった[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”ruii2.jpg” name=”ルイー”]優しいな、シブは!(また怒るかな)[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”shibu7.jpg” name=”シブ君”]そうでしょ!?そうでしょ!?[/speech_bubble] [speech_bubble type=”think” subtype=”R1″ icon=”ruii4.jpg” name=”ルイー”]・・・こいつの思考、全然わからん[/speech_bubble]

 

 

 

というわけで、今回はこんなところでしょうか。

 

 

私の場合はですが、最終的には耳で聞いて、参考の曲などがあればそれを聞き、

また自分で作った曲を聞き返したりなどして、感覚的にしっくりくるところを探します。

 

ディレイのみで色々弄ってみただけでも幾つかパターンが出てきたので、

迷ったら、まずは一つ、良さそうかなというパターンをチョイスして次に進みます。

あとで幾らでも立ち戻ればいいというくらいサクッと決めると、案外進みます。

 

 

わけがわからなくなってきたら、時間を置いて一旦頭をリセットして、また聞く。

リセットをかけて聞き返すと、案外フラットに聞けます。

 

 

そして、これを毎度やっていくと、段々耳や感覚が培われていく。

一例として参考にして頂ければと思います。

 

 

 

それでは!

 

【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

 

ディレイ講座第二回目です。

第一回目は、基本的なディレイのパラメータを見ていきました。
【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】
今回は、基本的なディレイの種類を三つ取り上げて、その効果を確認してみます。

それと、前回説明できなかった、DelayTimeのTとDについても触れてみます。

 

 

三種類のディレイ

ディレイの基本として、Cubaseにも付属されている、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

の三種類をここでは取り上げます。

 

 

基本はモノステレオ。次に飛び道具的でピンポン

この三つを押さえておけばディレイに関しては問題ないでしょう。

 

 

 

まずディレイを掛ける前のサンプル原曲を用意してみました。

 

念の為、ディレイ音であまり濁らないよう、メロディをペンタトニックで作っています。

昔のファミコンを思い出させるような感じになっちゃった。

 

 

それでは、この原曲のメロディ部分(8分で鳴っているシンセ音)にそれぞれ、

  1. MonoDelay(モノディレイ)
  2. StereoDelay(ステレオディレイ)
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ)

を掛けて聞いてみます。

 

 

 

1、MonoDelay

モノ・ディレイのサンプル。

 

パラメータは

DelayTime:1/8、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000(デフォルト値)。

実用的な数字に設定している為、少しわかりにくいかもしれませんが、

薄っすらと音が重なっているな~、という風に感じられればOKです。

これだけで少し奥行きが出て、空間を感じられる効果が生まれます。

 

 

 

2、StereoDelay

ステレオ・ディレイのサンプル。

 

左側を DelayTime:1/8、Pan:-100(真左)、

右側を DelayTime:1/4、Pan:100(真右)にそれぞれ振り、

あとはMonoと一緒の、Feedback:10、Lo:230程度、Hi:15000

左と右で1/8、1/4とずらすことで、左右に音が反射するように聞こえると思います。

これは次のピンポンディレイに相当するずらしとほぼ同じ設定です。

 

ちなみに、左右共に「Feedback=10」としているのは、

ほんとに薄く響きが残っていればいいという認識だからです。

 

上記の場合、左の1/8の方が当然早く音が消えてしまうので、左右の音の余韻を合わせるため、

本来は左のFeedback数値はもう少し上げたほうがいいかもしれません。

が、解説上「見た目をわかりやすく」ということで数値を合わせています。(笑

 

 

 

3、PingPongDelay

ピンポン・ディレイのサンプル。

 

2のStereoDelayをピンポン設定にしたので、2のサンプルとあまりかわらないかと思います。

 

上の赤枠の「Spatial」は左右の広がりのパラメータです。0.0~100.0まで。

0にすると真ん中(モノラル)ディレイになり、

100にすると左右からピンポンします。

 

 

 

そして最後に、

上記の設定のMono、Stereo、PingPongを順にインサートした音源がこちら。

「Mix=20」、つまりディレイ音が4割なので、

こうして三つ重ねるだけで案外ごわんごわんになります。

 

 

以上のことから、ディレイをかけたトラック単体で聞く分には良さ気に聞こえても、

それが複数に増えると、思った以上にゴワゴワになる。

 

これはリバーブも同様ですので、

「楽曲中、音色が多い部分ではディレイ成分は気持ち薄めにしておく。」

こうすると、後々のミキシングがどちらかというとやりやすくなります。

 

 

 

DelayTimeのT、Dについて

T(Triplet)は3連符D(Dotted note)は付点の意味です。

  • 1/4なら4分音符、1/8なら8分音符。
  • 1/4Tなら4分音符の3連、1/4Dなら付点4分音符。

 

1/4T1/4Dで見ていきます。

 

 

Tは三連符

画像で見たほうがわかりやすいので、スクショとってみました。

 

まず、これが1/4。

 

 

これが1/8。

1/4が更に2分割されています。図の中ほどにハイハットが、この8分刻みであります。

 

 

1/4T(3連符)がこれ。

間隔は「(1/4+1/8)÷2=3/16 」ということで、1/4と1/8の中間の長さです。

図下に、Clap音を1/4T間隔で置きました。

上の1/8刻みのハイハットとのズレがわかります。

 

ちょっとややこしいのが、

1/4Tと表記されるので「1/4を三分割したもの」と捉えてしまいかねないのですが、

上の図を見てもわかるとおり、「 1/4T = 1/2を三分割したもの 」となります。

1/4を三分割したものは1/8Tと表記されます。

 

 

 

音で聴いてみましょう。

ディレイをかけたシンセ音と、Clap音(拍手の音)に注目してみてください。

これが1/4T。

 

ディレイの設定は以下の通り。

DelayTimeを1/4T。こだまがギリギリ消えないよう、Feedback・Mixは30くらいに設定してます。

ハイハットの音は1/8刻みなので、リズムの違いがわかるかと思います。

 

ちなみに、Clap音(拍手音)にはディレイはかけていなくて、

フェードアウト気味にベロシティを弄っただけ。

 

実際、打ち込みでディレイと同じような演出は普通に出来ます。

なので、エフェクトとしてディレイを使うか、手打ちで調整して擬似ディレイを演出するか。

原理さえ覚えておけば、やり方は案外自由です。

 

 

 

Dは付点

付点というのは、半分の長さを単純にプラスします

例えば1/4Dならば、「1/4+1/8=3/8」ということです。

 

この図の左上に、1/4を1倍とすると、1/8つまり0.5倍(半分)の長さを足した間隔が1/4D(3/8)。

赤枠で囲ってあるシンバルは1/4D刻みで置いています。

なので、「3/8+3/8+3/8=9/8」という風に、一小節内にはピッタリ収まりきりません。

 

これが付点の特徴。

自身で捉えるまではちょっと慣れが必要かもしれません。

でも、このリズム自体には割と馴染みがあるはずです。

 

 

ディレイをかけたシンセ音と、今度はシンバル音に注目して下さい。

この間隔が1/4Dです。

 

そして、おまけで1/8D間隔のラストに、アクセントとしてスネア音を置いてみました。

小節最後に「・・・パ!」てなる音がそうです。

これだけでも、ちょっとリズムに絞まりができますよね。

ただまぁ、音の定位を全部センターにしてしまっているので、

ごちゃごちゃした感はあります。

 

折角なので、最後にリズム隊の位置を少しだけずらして、軽くバランスをとってみます。(笑

シンセ音には、モノ→ステレオと2つディレイをかけているので、

センターに伸びたディレイ音も含めて左右に振られるため、奥行きがでました。

空間自体はそこまで感じられないかもしれませんが、

少なくとも平面ではなくなった、という感じかと思います。

 

 

 

まとめ

ディレイの種類は、以下3種類が基本。

  1. MonoDelay(モノディレイ):モノラルで鳴らす
  2. StereoDelay(ステレオディレイ):ステレオで鳴らす
  3. PingPongDelay(ピンポンディレイ):左右でピンポン風に鳴る

ディレイは基本、薄めに掛けておくと、後々上手くはまりやすい。

 

そして、

  • DelayTimeのTは3連
  • DelayTimeのDは付点

それぞれ独特のリズムを持つ。

 

 

ということでした。

 

次回は、ディレイの数値の違いを弄ってあーだこーだしたいと思います。
【ディレイ・Lv3】DelayTime=1/2・1/4・1/8の基本調整【DTM】
それでは!

 

【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

今日から、DTMや作曲に関する記事を書いていこうと思います。

 

 

今回は、

ディレイ(Delay)

と呼ばれる、代表的なエフェクトの基本的な使い方です。

 

 

もうすでにこういったエフェクターに関する記事は沢山あると思うのですが、

自身のブログでは、自分の使い方を備忘録として記録しておくという意味も込めています。

 

 

私は大学時代、弓道部に所属していて、それにハマってもう毎日毎日弓引いてたんですけど、

それから数年後、あんなに毎日やってたにも拘らず、

胴着の帯の締め方を忘れてしまっていたんですよ。

 

かなりショックでしたが、こういった経験から、

定期的に基礎知識をおさらいするようにしています。

 

 

ディレイ(Delay)とは

音楽関係・DTMなどで使われる場合を基本想定として書きます。

ディレイDelay)とは、反響音をシミュレートする空間系エフェクターの一種。

出典:Wikipediaより

「こだま」のことですね。「やまびこ」。

今はあまり言わないかもしれませんが、

 

「ヤッホー!」

 

と、山に遊びにいった際に山に向かって叫ぶと、

 

「・・・ヤッホー!・・ヤッホー!・・ヤッホー!

 

という具合に、山や周囲の自然から反響音が戻ってきて、そう聞こえる。
(実際は山に向かってヤッホーしても、そんなわかりやすくは返ってこなかったです(笑))

この原理を、音楽で生かして、サウンドに彩りをつけるのがディレイ効果です。

 

 

●ディレイサンプル

 

コードを4つ鳴らしてます。

前半が原音のみ。後半がディレイをかけたものです。

間に「テンテンテンテン・・・」という響きがあります。

 

これがディレイ効果。これだけでもすでにいい感じになります。スバラシイ。

 

このディレイ、1960年代にはレコーディング業界ですでに使われていたようで、

当初はテープレコーダーでアナログ式にディレイ効果を作っていたとのこと。

当時のエンジニアさんに、その時のお話を伺いたいものです。

 

それでは初めに、使用する際のパラメータを解説していきます。

以下、Cubase付属のDelayを基本にしています。

 

 

 ディレイの基本パラメータ

画像はCubase8.5内蔵のMonoDelayです。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

これが基礎パラメータとなります。

プラグインとして、現在色んなディレイがあるかとは思いますが、

名称は違っていても、概ね基礎は上記の通りかと思います。

 

 

 

1、Delay Time

原音からどのくらいの間隔をあけて、次に音(ディレイ音)が鳴るかということです。

一小節を1として考えていて、上記の場合は1/8なので、1/8分音符間隔でこだまが返ってくることになります。

 

テンポ同期の場合、音符の長さ表記で、

  • 1/1・1/2・1/4・1/8・1/16・1/32
  • 1/1T・1/2T・1/4T・1/8T・1/16T・1/32T
  • 1/1D・1/2D・1/4D・1/8D・1/16D・1/32D

という風に用意されていることが多いです。

 

 

上記の図から、syncを押してmsec単位にした場合、

0.1~5000msec(1000msec=1秒)

まで、上のMonoDelayでは設定できました。

 

 

この1/8TとかDとかいうのは、SITE2913さんの文章を引用させて頂きますが、

1/4なら4分音符、1/8なら8分音符のディレイタイム。

1/8Tだと3連、1/8Dだと付点8分です。

Tは3連を意味する「Triplet」

Dは付点8分を意味する「Dotted note」

出典:SITE2913・ディレイタイムのDとTの意味

TやDについては、また別の機会で触れていきますが、

ひとまずは、色々とこだまの返し方を変えられますよー、という認識でOKです。

 

 

 

2、FeedBack

上記DelayTimeの間隔で、2回目・3回目・・・とどのくらいまで繰り返すかを決めます。

このFeedbackの数値は「0.0~100.0」まで設定できます。

 

これはどういう意味かというと、

ディレイの音量を、何%間隔でこだまさせていきますか?

ということです。

ざっくり言えば、数値を上げれば長くこだまして、下げればすぐこだまが消えます。

 

細かく解説すると、上記の場合「DelayTime=1/8」、「Mix=20」の「Feedback=10」なので、

まず原音が音量100%で鳴ります。

その1/8分音符後に最初のディレイ音が原音の40%音量でなり、

その次は10/100、つまり4%で第二ディレイ音が鳴り0.4%で第三ディレイ音が鳴る

という風に小さくなっていきます。

(なぜMix=20で音量40%なのかは、Mixの項目で書きます)

 

そして、

0の場合のみ、一回だけ音が鳴る。

という風に作られています。

 

つまり、プラグインとしてのディレイの構造上、

Feedbackが0でもディレイをトラックに差したら最低一回はディレイ音が鳴る

これは、最初のディレイ音のみ、Mixで設定した数値の音量で鳴るということ。

それ以降はFeedbackの数値に依存します。

 

 

また、Feedbackが「100.0」の場合、

ディレイ音が次の音もそのまた次の音も、音量100%設定されているので、

減衰されず、いつまで経っても音が鳴りやみません。

 

「Feedback=100」での音作りに、Sleepfreaksさんの面白い動画があります。

Feedbackに関しては、聴感覚的にはこの数字の通りだ!

とはいまいち来ないかもしれません。なので、

どのくらい音が残るか、すぐ消えるか

そういう感覚で数値を設定してあげた方が良いかと思います。

 

 

 

3、Low Cut Filter / Hi Cut Filter

ディレイ音の高域や低域を調整するためのフィルターがついてます。

Steinbergのプラグインの説明では、「Lo Filterは低域をフィルタリング」とあるので、

Low Cut Filterと言っても差し支えないと思ったので、わかりやすくこう表記しました。

 

Loは10~800Hz、Hiは1,200~20,000Hzまで設定出来ます。

下は、イメージ図です。

これがローカット。設定した数値から下をカットします。ハイパスともいいます。

 

これがハイカット。設定した数値から上をカットします。ローパスともいいます。

 

 

ちなみに、ハイカット=ローパスという意味ではあるのですが、

どっちかで統一した方がわかりやすくない?という疑問を以前はよく抱いていました。

知識が定着するまで最初はこんがらがったのを覚えています。

 

これは、例えば「高域をカットしたい!」という意向が強いと、ハイカット。

「低域をメインにして、それ以外はいらないから削除したい」という意向が強いと、ローパス。

 

つまりは、「今自分が何を主軸に見ているか」という視点から、

こう表現を分けているのではないかと思われます。

 

 

 

4、Mix

Dry/Wetの割合のことを言います。数値は0.0~100.0まで。

 

Dry(ドライ)は原音

Wet(ウェット)は効果が掛かった音(エフェクトなど)

 

ということ。つまり、

0の場合、原音しか鳴りません。(左に振り切る)

100だと、ディレイ音しか鳴りません。(右に振り切る)

 

音の鳴るトラックにディレイを直接エフェクト使用(インサート)する場合、

このDry/Wetの比率でディレイ音と原音の割合を決めることになります。

 

 

ここで一つ注意点。

 

「原音とエフェクト音の割合」とCubaseのヘルプに書いてあるので、

例えば「Mix=30」にしたとして、原音の方が大きいことになり、

単純にディレイ音が「30%」、原音は「70%」の音量ということなんだろうと

最初私は思っていました。

 

が、実際RMS数値を測ってみると、どうやらその割り振りではなかった。

  • 「Mix=0」の場合、原音100%・ディレイ音0%。
  • 「Mix=50」の場合、原音100%・ディレイ音100%。
  • 「Mix=100」の場合、原音0%・ディレイ音100%。

つまり、

  • 「Mix=0~50」の間は、原音は常に100%固定で、ディレイ音が0~100%で変化する。
  • 「Mix=50~100」の間は、原音が100~0%で変化し、ディレイ音は常に100%固定。

という風にMixのつまみが調整されていることがわかりました。

 

 

私はこれまで、リバーブとディレイのMixの意味を同じように捉えていたので、

リバーブ同様、ディレイも原音の音量を変えないよう、センドで送ってのみで使っていたのですが、

調べた結果によると、リバーブのMixとディレイのMixは構造が違うことがわかった。

 

 

直差しであってもディレイの「Mix=0~50」の間ならば原音の音量が変化しない

「Mix=0~50」で「ディレイ音が0~100%」なのだから、

  • 「Mix=20」なら、相対的にディレイ音は40%。原音は100%。
  • 「Mix=38」なら、ディレイ音は76%。原音は100%。

ということになります。理論上は。

 

 

 

まとめ

ディレイの基礎パラメータは、以下4つがメイン。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

ディレイのパラメータの基礎はこれでばっちりです。

 

次は、このディレイの実際に使ってみた基本的な内容の記事となります。

あと、今回では触れられなかったディレイタイムのTとDについて。

【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

 

 

それでは!