女性ボーカル民族音楽をテーマに創作活動をされている
サイトを見る限り、もはやゲームを製作しているところにしか見えないんですけど、
音楽の創作サークルです。(笑
絵・動画・作品の作りこみ等、もはや同人の域ではないように感じますが、最近その垣根もなくなってきている傾向にもあるので、とりあえず高水準のサークルであることは間違いないでしょう。
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13endCard – マナの楽園
1.始まりの楽園
まさにファンタジー世界のオープニングを感じさせる民族調の曲。かっこいい。
中世ヨーロッパを感じさせる世界と、新しい機械的な要素が混在した世界観というか、そんなストーリーがすぐにイメージできました。ボーカル、コーラスに様々な民族楽器が鳴っていて、歌姫のいる物語というイメージがアルトネリコを彷彿とさせます(笑
しかしこんなに音色が沢山あるのにそれぞれの音が非常にクリアに聞こえるのが凄い。そしてこの曲を聴く限り、「楽園」には何かある。そんな単なる幸せウフフアハハなもんじゃないことがわかる。
2.Aisiling
イントロのハープからのリコーダー風楽器・明るめのアコギへと繋ぐフレーズが印象的で美味しい。オープニングが終わって物語の序章という感じですね。歌詞の内容から、失われた過去がこの世界にはあるんだけど、この少女は「そんなん気にせんわい!」みたいな力強い明るさを感じる。感じるんだけど、歌詞を聴く限り結構シビアなんですよね・・・それに負けない強さが必要ということか。
Aメロが女性にとっては比較的低い声域であるのでしょうが、そこを見事に歌い切っているところもスバラシイ。後半の語りの声も良い声してます。ほんとにこれゲームじゃないの・・・?(笑
3.コロナの唄
こちらも明るい曲なんだけど、ボーカルの声がしっとりしていて、Aisiling同様明るいんだけど、こっちはどこかしっとり可愛い感じ。小さな湖畔に雑木林、絵に描いたような木造の小屋の近くで遊んでいるような、そんなあったかなイメージが浮かびます。
バグパイプが入ってくると私は街並みのイメージが出てきやすいので、音色の力というものは凄いですね。笛系のハモリと、ちょくちょく右から聞こえるボヨンボヨンいう音が好きです。
この曲、可愛いんだけどどこか悲しいところ帯びてる気がして、なんか泣けてくる(笑
4.Fėile
冒頭に来そうなナレーションがこの4曲目に来ることから、ここが物語の正念場であることを垣間見る気がしました。
「マナ」とは神秘的な力の源という意味があるとのこと。踊るような曲調ではあるけど、わかりやすい戦闘曲という感じではなく、あくまでドラマが次々と進行していく感じ。展開は非常に力強くめまぐるしく移っていく、そんな忙しなさも感じさせます。中盤のキャラの掛け合い会話がどこかトボけていてスパイス的でGOOD。
通常のRPG系ゲームであれば各シーン別にBGMが用意されるのですが、このCDではそういった場面を歌詞と曲調に乗せつつストーリーが進んでいる形をとっているので、最初は「これほんとにゲームじゃないの?」と思っていましたが、このCDの1~5を聴くだけで一つの物語を十分楽しめる。そういうコンセプトが非常に面白い。
5.迷想の楽園
ヒュムノスのようなこの世界独自の解読不能な言葉と、現状で使われている言葉を織り交ぜているところが私の「シュレリアさまぁぁぁああきゅっきゅ!!」という思い出を呼び起こしてくれました(馬鹿
サビで「さよなら」といきなり入るところ、少し鳥肌立ちました。その後の歌詞に世界観に対する問いかけをしているところから、人としての内側に展開するドラマもまた感じます。「嘘の世界で笑っている」とかね・・・パッケージから想像するよりずっと深い。多分、この作品の情報量は思ったよりずっと大きいので、何度か聴くことでより世界観を掘り下げられるのでしょう。
そしてこの曲が終わることでひとまずの物語は終わりを迎える形、なんだろうか。曲の終わりというよりは世界の終わりをどこかに感じて、寂しさを感じてしまうような。そんな風に思えますね。
マナの楽園を聴き終えて
聞き終わって思ったことは、
- 曲全体が非常に力強い
- この世界観の強い想いを感じる
- ゲームにならなくても十分物語を楽しめる
- 民族楽器最高
- アルトネリコ好きならオススメというかオススメ
という、作品に対する完成度の高さを伺えました。ここまで音楽媒体に詰めて表現できるとは・・・いやー、恐れ入る。曲も全部めちゃめちゃかっこいいし、歌も歌詞も良い。何度か繰り返し聞かないと見えてこないくらいの容量を感じる。
ちなみにこの「マナの楽園」、ボイスドラマCDも付いていて、こちらもかなり良いです。私はボイスドラマに関してあまり馴染みがなかったのですが、これ聴いてたら昔見てたアニメの番外編をラジオドラマでやっててそれを聴いていた頃を思い出した。クオリティ高ッ。
しかしまぁ、音だけでこれだけ世界観を構築できるって、すごいね・・・。