飛澤正人さんに弟子入り!?そこで学んだミキシングについての方向性など

先日、サウンドクリエイターに関する様々な内容を温かく包み込むようにブログの記事にされている、音楽クリエイターのUGさんという方のブログを見ていたらこんな記事がありました。↓

トップエンジニア飛澤正人に弟子入りして盗んだミックステクニック3つ

 

 

!?

 

・・・おお、凄い。

飛澤さんといえば藤本健さんのDTMステーションでもお馴染みの凄いエンジニアの人。これは早速勉強させてもらうしかない。

 


・・・と思い記事を読み進めていくと、このような記事を発見。

なるほど、こういった企画があったとは知りませんでした。UGさんは早速飛澤さんに“弟子入り”した成果をブログの記事にされていてその効果はかなり劇的なものだったため、私も早速“弟子入り”することにしました。

ブログを通じてこうして色々な情報を共有出来るというのはありがたいことですね。UGさんの記事を見てなかったら私は知らないままだったか、知ってもずっと後だったかもしれない。

 

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飛澤正人さんの実践講座はロックドラムのミキシングについて

飛澤さんの講座内容は、具体的にはMedia Integrationさんの「WAVESプラグインによるロックドラムのミキシング実践内容」というものでした。

Media Integrationさんのこの企画の意図は、

飛澤氏に「弟子入り」するような気持ちで、氏のテクニック、ロジックを学びましょう。

とあり、また動画の内容もカットは極力せずに、プロのエンジニアの実際に行う作業を“盗み、感じて”もらい、多くの人に「自身の音楽活動に役立てて頂きたい」という心意気を私は感じました。

というわけで、ご厚意に預かりしっかり学ばせて頂こうと思いますが、私は現在WAVESのプラグインを所持していません。なので、WAVESのプラグインは使わずに動画でのミキシングの手法やノウハウを自分の環境に落とし込んでドラムの音作りをしてみたいと思います。

 

WAVESプラグインを使わず「METAL MACHINERY SDX」で音作り実践

さて、飛澤さんは主に

  • Superior Drummer 3.0
  • WAVESプラグイン色々

を使用されてロックドラムのミキシング講座をされていました。

対して現在の私の状況はというと、

  • Superior Drummer 2.0
  • WAVESプラグインは現在持ってない

という状態なので、音やプラグインの数値や掛かり方をそのまま真似ることは出来ません。ですので具体的な数値ももちろん把握はしておきますが、主に「なぜそうしているか、なぜそうなっているか」を解説を通して理解し、自身の応用力と根本的な知識の底上げに繋がるよう自分の環境に置き換えていきます。

 

まずドラムではこのようなサンプルを作りました。そしてSuperior Drummer2.0ではなく、私がよく使うその拡張音源である「METAL MACHINERY SDX」を使い、違う方向性で作られたドラム音源でも効果を出せるかを試してみます。

以下はそのデフォルトキットで鳴らした音です。

個人的には少しくぐもったような感じの音がします。

このドラムは、以前私がメタル系楽曲を作るために買ったSuperior Drummer系の拡張音源です。バトルモノの楽曲を作るならギターでザクザクさせつつドラムもそうした方がかっこいいだろうということで、今の私のロック系楽曲のデフォルトドラム。

去年Superior Drummer3.0が出たのでそっちもちょっと欲しかったりするのですが、今はもうしばらくMETAL MACHINERYで楽しみます。

 

そしてこちらが動画を参考にしながらミキシングしたものです。

400~600Hzを全体的に削る形となっているので随分と抜けが良くなりました。しかし正直こんなに変化させられるとは思っていなかったという(笑

 

・・・実は最近、ドラムについてなんとなくこうした方がいいんだろうけど、どこに決め手を置けばいいかわからないというお悩み状態だったのですが、その悩みがここで一つバシッとクリアになったような気がしました。

 

以下、この動画で学んだ、自分の中で押えておきたいポイントを抽象的な内容になりますが箇条書きしていきます。

  • 楽器ごとのミキシングの方向性
  • 各音の美味しいところ・聞かせたいところの把握
  • プラグインの使い方・使う理由

私の詳しい編集内容については大体飛澤さんの動画の通りに手持ちの近しいプラグインで代用しただけで、またUGさんの記事を見て頂きたいので省きます。

 

楽器ごとのミキシングの方向性

動画を見て学んだ一つに、各音をどのようにバランス調整するかという考え方でした。

例えば、まずドラム内でキック・スネア・タム・金物それぞれが被って良い部分・被ってはダメな部分を調整してEQやCompを掛けていく。そしてそのドラム全体はベースやギター、ピアノなど他の楽器が入ってくることを想定の上で、ある程度整えられている。

キックとベースはロック系では基本一番下の低音なので、まずそこをしっかり作り、あとに続く楽器が上に乗っかっていくイメージですね。そういう風に、音の役割と特徴が見事なまでに綺麗に知識として整理されている感じがしました。

 

確か10年くらい前なのですが、以前私はドラムだけでがっつり良い音が出るようにミキシングしてみようと思い、それが完成した時に一人で大興奮したことがありました。

「やったぜ・・・時間かけた甲斐があった。現時点で最強のドラムだぜ!!」

と。

 

こんな顔してました確実に。

 

しかし次の日、さあこの最高のドラムを使って一段レベルアップした楽曲を作ろうと思い、いざピアノやベースを入れてみると音同士が重なりすぎてボワボワになってしまい、もう聞いていられない状態になりました。ドラムだけでほぼ音の帯域全部を占めてしまっていたんですね。

いや~、折角作ったのにとえらい凹んだのを覚えています。

 

 

 

心の中でこんな顔してました間違いなく。

 

誰しもこういう経験はあるかと思いますが(笑)、ミキシング作業が、すでに他の楽器があることを想定の上で行われているというのは、当り前のことかもしれないけど非常に大事なことだと改めて気付かされました。

それには、音をどこに配置するかとか、この楽器の音はどういう音でどんな役割を持っているかを決めたり把握しておく必要がありますよね。一個ずつ着実に理解して、すぐに引き出しから出せるように日頃から意識しておきたい部分です。

 

各音の美味しいところ・聞かせたいところの把握

動画のトピックでは大別して、

  • キック
  • スネア
  • 金物
  • ドラム全体

という風に分けられていて、更にキックなら

  • Kick In
  • Kick Out
  • Kick Sub

の3つにマイクで取られた音として分けられ、それぞれどのような特徴があってそれを活かすかを飛澤さんは丁寧に解説されていました。正直、目から鱗な部分が多々ありました。

キックであっても、いらないなと思われる低域をサクッと削ったり、特にスネアの中低域も他の楽器との兼ね合いでバッサリいってしまう。私はこれまでスネアの中低域の音にかっこよさを感じてなかなか削れなかった人間なのですが、飛澤さんのスネアの音を聞くと最終的に自分が求めているスネアの音に非常に近かったんですよね。

 

スネアに関しては色々本を読んで試してみても上手くハマる時とハマらない時があって、いつも一番時間を掛けていた部分なだけに、今回の動画でそれがストンとハマった気がしました。まるで綺麗なスネアの音のように(あまり上手いこと言えてない

 

プラグインの使い方・使う理由

動画では、プラグインをどういう理由で使っているかも解説されていました。なので、その方向性を自分の環境に置き換えて、自分の手持ちではどういうプラグインを使って、どのような数値にすれば目的の音が出るか、目指す効果が得られるかを改めて考えさせられました。

自分の中で不明瞭だったものがほんとに沢山吹き飛んでいった感じですね。こういう風にやっていけばいいんだ、と。

 

それと最近忘れてしまいがちだった内容に、

  • プラグインを掛ける時はバイパス(掛ける前)との比較をする
  • プラグイン後と前の音量差を付けない
    → 大きな音になるとそれだけで良くなったような錯覚をしてしまいがちなため
  • つまみなどの数値を一度振り切らせてみて特性を確認する
  • 同じ系統のプラグインでも掛かり方や音の出力などの個性が違う

などの基本的なものが沢山ありました。ついつい端折ってしまう部分も多かったので、忘れないよう改めてここに書いておきます。

 

また、アタック感を出すにしても、コンプを使うのかトランジェント系を使うのかなどで効果も変わってくる。動画ではその辺りも順序立てて一個ずつ解説されているのでとてもわかりやすかったです。

 

おわりに

Media Integrationブログ記事のスタッフHさんやUGさんもおっしゃっていますが、それが行われる意味を理解する自身で感じることがとても大切だと改めて思いました。

 

自分が昔、WAVESのお試し用プラグインでプロのやり方を学べるという教本をそのまま数値だけ当てはめて真似て、結局当時はその意味をあまり理解できていなかったことを思い出しました。だからこそ、本当に理解が深まった時とそうでない時の違いがよくわかるというのはあるのですが。

 

ちなみにそのWAVEで思い出した教材というのがこちら。WAVES全盛期だった頃(確か)、というのもありますが、プロのミキシング・マスタリングのノウハウがプラグインを使用しながら書かれているというもので、

  1. ダンスミュージック
  2. R&Bミュージック
  3. カントリー・ロックミュージック
  4. ロック・パンクミュージック
  5. アーバンリミックス
  6. CDマスタリング

の全6章からなっていて、同封のWAVEプラグインは試用版ですがサンプル音源のプロジェクトファイルも見れるというなかなか稀有な教本です。10年以上前に買ったので現在とは流行りなどは違うでしょうが、根元のノウハウは多分ほぼ変わっていない気がする。

棚から引っ張り出してきて今一度勉強しよう。

 

というわけで、WAVESプラグインを持っていない私でも十分すぎるくらいの効果が確認できましたので、飛澤さんの講座、ミキシングに不安のある方は是非一度“弟子入り”されると良いのではないかと思います。

むしろ是非見て頂きたい。ほんと凄いので。

 

そして一度弟子入りが終わった後、

喜びでこういう顔になっていることを祈ります!!

 

(私の失敗という意味じゃない

 

 

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