【2017年秋M3】『オトカプセル – 静謐なひととき』を聴き終えての感想

ゲーム音楽やオリジナル楽曲を製作されている、

オトカプセルさん

 

今回ゲットしたCDはピアノオンリーアルバムです。

M3前日、たまたまツイッターでピアノオンリーという文字を見て、よし買おうと。ピアノは私も好きなので、少しでも多く引き出しを作るため、色んな作家さんからこうして定期的に取り入れるようにしています。

 

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オトカプセル – 静謐なひととき

1.陰

「陰」とタイトルが付いているのですが非常に力強いピアノ曲。

踊るような曲調で、陰の要素を感じさせない。確かにマイナー調ならではの哀愁はあるのですが、どうやらそういう陰ではないと思います。陰の中にところどころ明るさが入り、それによって陰の部分に戻った時が印象的に感じます。

そしてこの曲はどこか剣士の技磨き。剣の舞のような印象を感じます。

 

2.楼

陰とはうって変わって非常に優しい入りから始まります。持ち前のパワフルさを隠しきれないかのような力強さを時折垣間見せはしますが、非常に素直で真っ直ぐなピアノとして、柔らかな抑揚のある展開になっています。

「楼」とは、やぐら。高いたてもの。最初にそういった建物から思いを巡らしてみたのですが、このピアノ曲はやぐらはあまり関係なくて、その近くで起きていた人間模様・・・お父さんと子供・・・どこかに行って帰っていく・・・夜ではない。・・・桜っぽい。坂道を帰っていく・・・?

そんなイメージがおぼろげに浮かびました。

 

3.朱

「朱」・・・激しさを基調としたサウンドの気がします。赤、火山、旗・・・などなど連想してみると、どうやらモノではない。何かを行っているときの激しさに近いものを感じます。

この曲は「静謐なひととき」の中でも一番激しい印象がありました。

イメージとしては少し遠いかもしれませんが、なんとなくファイナルファンタジーのイフリートが出てくるんですけど、そのイフリートが上半身をはだけて和服でピアノ弾いてるイメージなんですよね(笑

 

4.瑠

瑠璃の「瑠」・・・イントロでは小さな何かに話しかけるような、そんな優しさとそこから小さな光をスポットライトとして物語が進んでいく感じですね。個人的にはこの曲が一番静謐さを感じます。

力強さが一瞬入ったと思ったらすぐに静かになり、ここではないどこかの空間をところどころ想起させるフレーズと、それから連なる物語が徐々に繋がっていく感じ。

抑揚はしっかり作ってあるのですが、そこに悲しさをあまり強く盛り込んではおらず、ラストに向かうにつれてむしろどこか安心感さえ感じました。

 

5.焔

「朱」と似ているのですが、こちらの「焔」の方が情緒がプラスされているように感じます。

少し切ない雰囲気でイントロが始まりますが、「焔」の名の通りの激しさを時折混ぜてきます。そんな激しい演出が要所要所にあって、どこか踊るようにピアノが進んでいく。

なんだろう、悲しげではあるんだけど、そこから昇る力強さがピアノの叩きにリンクしているような。ラストもそのような強さを宿しつつ、最後の時を迎えるというなかなか乙な展開を感じました。

 

静謐なひとときを聴き終えて

これは斬龍さんにしてやられた感があるのですが、私が当初思っていたよりも、力強さが随所に盛り込まれているピアノ曲だと感じました。

「静謐なひととき」とタイトルにはあるのですが、静かでしっとりした系のピアノではなく、強さを感じる静謐さ。太平さを感じる作品だと思いました。「焔」など、字のイメージからも激しいことがわかるのですが、その中にある静けさの表現を、結構考え込まれて作られたのではないかなぁ。

 

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