【ディレイ・Lv1】基礎パラメータを無駄に細かく説明してみる【DTM】

こんにちは、MAKOOTOです。

今日から、DTMや作曲に関する記事を書いていこうと思います。

 

 

今回は、

ディレイ(Delay)

と呼ばれる、代表的なエフェクトの基本的な使い方です。

 

 

もうすでにこういったエフェクターに関する記事は沢山あると思うのですが、

自身のブログでは、自分の使い方を備忘録として記録しておくという意味も込めています。

 

 

私は大学時代、弓道部に所属していて、それにハマってもう毎日毎日弓引いてたんですけど、

それから数年後、あんなに毎日やってたにも拘らず、

胴着の帯の締め方を忘れてしまっていたんですよ。

 

かなりショックでしたが、こういった経験から、

定期的に基礎知識をおさらいするようにしています。

 

 

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ディレイ(Delay)とは

音楽関係・DTMなどで使われる場合を基本想定として書きます。

ディレイDelay)とは、反響音をシミュレートする空間系エフェクターの一種。

出典:Wikipediaより

「こだま」のことですね。「やまびこ」。

今はあまり言わないかもしれませんが、

 

「ヤッホー!」

 

と、山に遊びにいった際に山に向かって叫ぶと、

 

「・・・ヤッホー!・・ヤッホー!・・ヤッホー!

 

という具合に、山や周囲の自然から反響音が戻ってきて、そう聞こえる。
(実際は山に向かってヤッホーしても、そんなわかりやすくは返ってこなかったです(笑))

この原理を、音楽で生かして、サウンドに彩りをつけるのがディレイ効果です。

 

 

●ディレイサンプル

 

コードを4つ鳴らしてます。

前半が原音のみ。後半がディレイをかけたものです。

間に「テンテンテンテン・・・」という響きがあります。

 

これがディレイ効果。これだけでもすでにいい感じになります。スバラシイ。

 

このディレイ、1960年代にはレコーディング業界ですでに使われていたようで、

当初はテープレコーダーでアナログ式にディレイ効果を作っていたとのこと。

当時のエンジニアさんに、その時のお話を伺いたいものです。

 

それでは初めに、使用する際のパラメータを解説していきます。

以下、Cubase付属のDelayを基本にしています。

 

 

 ディレイの基本パラメータ

画像はCubase8.5内蔵のMonoDelayです。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

これが基礎パラメータとなります。

プラグインとして、現在色んなディレイがあるかとは思いますが、

名称は違っていても、概ね基礎は上記の通りかと思います。

 

 

 

1、Delay Time

原音からどのくらいの間隔をあけて、次に音(ディレイ音)が鳴るかということです。

一小節を1として考えていて、上記の場合は1/8なので、1/8分音符間隔でこだまが返ってくることになります。

 

テンポ同期の場合、音符の長さ表記で、

  • 1/1・1/2・1/4・1/8・1/16・1/32
  • 1/1T・1/2T・1/4T・1/8T・1/16T・1/32T
  • 1/1D・1/2D・1/4D・1/8D・1/16D・1/32D

という風に用意されていることが多いです。

 

 

上記の図から、syncを押してmsec単位にした場合、

0.1~5000msec(1000msec=1秒)

まで、上のMonoDelayでは設定できました。

 

 

この1/8TとかDとかいうのは、SITE2913さんの文章を引用させて頂きますが、

1/4なら4分音符、1/8なら8分音符のディレイタイム。

1/8Tだと3連、1/8Dだと付点8分です。

Tは3連を意味する「Triplet」

Dは付点8分を意味する「Dotted note」

出典:SITE2913・ディレイタイムのDとTの意味

TやDについては、また別の機会で触れていきますが、

ひとまずは、色々とこだまの返し方を変えられますよー、という認識でOKです。

 

 

 

2、FeedBack

上記DelayTimeの間隔で、2回目・3回目・・・とどのくらいまで繰り返すかを決めます。

このFeedbackの数値は「0.0~100.0」まで設定できます。

 

これはどういう意味かというと、

ディレイの音量を、何%間隔でこだまさせていきますか?

ということです。

ざっくり言えば、数値を上げれば長くこだまして、下げればすぐこだまが消えます。

 

細かく解説すると、上記の場合「DelayTime=1/8」、「Mix=20」の「Feedback=10」なので、

まず原音が音量100%で鳴ります。

その1/8分音符後に最初のディレイ音が原音の40%音量でなり、

その次は10/100、つまり4%で第二ディレイ音が鳴り0.4%で第三ディレイ音が鳴る

という風に小さくなっていきます。

(なぜMix=20で音量40%なのかは、Mixの項目で書きます)

 

そして、

0の場合のみ、一回だけ音が鳴る。

という風に作られています。

 

つまり、プラグインとしてのディレイの構造上、

Feedbackが0でもディレイをトラックに差したら最低一回はディレイ音が鳴る

これは、最初のディレイ音のみ、Mixで設定した数値の音量で鳴るということ。

それ以降はFeedbackの数値に依存します。

 

 

また、Feedbackが「100.0」の場合、

ディレイ音が次の音もそのまた次の音も、音量100%設定されているので、

減衰されず、いつまで経っても音が鳴りやみません。

 

「Feedback=100」での音作りに、Sleepfreaksさんの面白い動画があります。

Feedbackに関しては、聴感覚的にはこの数字の通りだ!

とはいまいち来ないかもしれません。なので、

どのくらい音が残るか、すぐ消えるか

そういう感覚で数値を設定してあげた方が良いかと思います。

 

 

 

3、Low Cut Filter / Hi Cut Filter

ディレイ音の高域や低域を調整するためのフィルターがついてます。

Steinbergのプラグインの説明では、「Lo Filterは低域をフィルタリング」とあるので、

Low Cut Filterと言っても差し支えないと思ったので、わかりやすくこう表記しました。

 

Loは10~800Hz、Hiは1,200~20,000Hzまで設定出来ます。

下は、イメージ図です。

これがローカット。設定した数値から下をカットします。ハイパスともいいます。

 

これがハイカット。設定した数値から上をカットします。ローパスともいいます。

 

 

ちなみに、ハイカット=ローパスという意味ではあるのですが、

どっちかで統一した方がわかりやすくない?という疑問を以前はよく抱いていました。

知識が定着するまで最初はこんがらがったのを覚えています。

 

これは、例えば「高域をカットしたい!」という意向が強いと、ハイカット。

「低域をメインにして、それ以外はいらないから削除したい」という意向が強いと、ローパス。

 

つまりは、「今自分が何を主軸に見ているか」という視点から、

こう表現を分けているのではないかと思われます。

 

 

 

4、Mix

Dry/Wetの割合のことを言います。数値は0.0~100.0まで。

 

Dry(ドライ)は原音

Wet(ウェット)は効果が掛かった音(エフェクトなど)

 

ということ。つまり、

0の場合、原音しか鳴りません。(左に振り切る)

100だと、ディレイ音しか鳴りません。(右に振り切る)

 

音の鳴るトラックにディレイを直接エフェクト使用(インサート)する場合、

このDry/Wetの比率でディレイ音と原音の割合を決めることになります。

 

 

ここで一つ注意点。

 

「原音とエフェクト音の割合」とCubaseのヘルプに書いてあるので、

例えば「Mix=30」にしたとして、原音の方が大きいことになり、

単純にディレイ音が「30%」、原音は「70%」の音量ということなんだろうと

最初私は思っていました。

 

が、実際RMS数値を測ってみると、どうやらその割り振りではなかった。

  • 「Mix=0」の場合、原音100%・ディレイ音0%。
  • 「Mix=50」の場合、原音100%・ディレイ音100%。
  • 「Mix=100」の場合、原音0%・ディレイ音100%。

つまり、

  • 「Mix=0~50」の間は、原音は常に100%固定で、ディレイ音が0~100%で変化する。
  • 「Mix=50~100」の間は、原音が100~0%で変化し、ディレイ音は常に100%固定。

という風にMixのつまみが調整されていることがわかりました。

 

 

私はこれまで、リバーブとディレイのMixの意味を同じように捉えていたので、

リバーブ同様、ディレイも原音の音量を変えないよう、センドで送ってのみで使っていたのですが、

調べた結果によると、リバーブのMixとディレイのMixは構造が違うことがわかった。

 

 

直差しであってもディレイの「Mix=0~50」の間ならば原音の音量が変化しない

「Mix=0~50」で「ディレイ音が0~100%」なのだから、

  • 「Mix=20」なら、相対的にディレイ音は40%。原音は100%。
  • 「Mix=38」なら、ディレイ音は76%。原音は100%。

ということになります。理論上は。

 

 

 

まとめ

ディレイの基礎パラメータは、以下4つがメイン。

  1. Delay(Delay Time):どのくらいの間隔で次の音(こだま)が発声するか
  2. Feedback:こだまの発声をどのくらい繰り返すか
  3. Low Cut Filter / Hi Cut Filter:どこの周波数からローカット、ハイカットするか
  4. Mix:Dry/Wet(原音とディレイ音)の音量バランスを決める

 

ディレイのパラメータの基礎はこれでばっちりです。

 

次は、このディレイの実際に使ってみた基本的な内容の記事となります。

あと、今回では触れられなかったディレイタイムのTとDについて。

【ディレイ・Lv2】押さえておくべき3種類のディレイと、TとDの意味【DTM】

 

 

それでは!